処理命令の概要
処理命令 (PI) は、文書のコンテンツの一部とは見なされないという点で、属性を持つエレメントとは異なります。PI は、文書 (外部レベル) エレメントの前後も含めて、文書のほとんどの場所で使用可能です。ただし、コンテンツモデルが CDATA または RCDATA で宣言されるエレメント内か、CDATA または RCDATA のマーク区間内では使用できません。
PI は、通常、製品によって異なります。Arbortext Editor の処理命令は自身が単独で認識するものであり、ほかの製品にはそれぞれが認識する別の処理命令があります。Arbortext Editor の場合、ほかの製品固有の PI については、処理せずに保存のみ行います。
Arbortext Editor はタグ状の構造を使用して、文書に何種類かの PI を表示します。これらの PI については oid_name 関数から名前が返されるので、Arbortext Editor は PI を認識できます。タグ名および OID 名を認識可能な ACL のコマンドや関数では、通常、これらの名前を使用します。 > を使用して、文書にこれらの処理命令を指定できます。
カーソル位置を記録したり、どのエレメントが壊れているかを記録したりする、その他の PI はタグでは表されず、 > では検索できません。このような PI については、関連トピックを参照してください。
下記は、Arbortext Editor で処理命令を使用する場合の注意点です。
• PI タグの先頭には必ず下線 ( _ ) を付け、名前がエレメント名と競合しないようにします。
• 一部の PI の属性は、属性に関する ACL の関数やコマンドを使用して設定します。
• PI にはペアで使用するものがありますが、その場合、必ず開始タグと終了タグを組み合わせて使用します。Arbortext Editor では、これらを正しくネストする必要があります (コンテンツを持つエレメントと同じように)。その他の PI は単独で使用します (空のエレメントに類似しています)。
• PI が含まれる領域をハイライト表示し、 > または > を選択すると、PI ソースを表示できます。また、領域を選択し、Arbortext Editor のコマンドラインに eval $selection と入力することもできます。
SGML の場合、PI の構文は <? ... > です。XML の場合は <?...?> です。
• write -nopi コマンドを使用して、文書のほとんどすべての PI を除去できます。このオプションでは、ジェネリック PI や数式 PI は除去されません。
処理命令が文書に書き込まれる場合
文書に書き込まれる処理命令は、set writepi アドバンス環境設定によって決まります。
次の Arbortext Editor 処理命令は writepi 設定にかかわらず書き込まれます (writepi = off の場合も同様です)。
• <?Pub Tag atict:xxx?> - SGML 文書用の PTC Arbortext 変更追跡タグ
• <?Pub Doctype?> - SGML 文書を XML として保存する場合の文書型のヒント。
• <?Pub Eqn?> - 数式の開始 (リリース 6.0 で不要になりましたが、後方互換性のために維持されています)。
• <?Pub PI UdtName contents?> - 非 Arbortext Editor 処理命令のユーザー定義タグ。
writepi = structural の場合は次の付加的な処理命令が書き込まれます。
• <?Pub Schema?> - ルートタグで開始されない文書断片の関連スキーマのヒントを提供します。
• <?Pub UDT?> - ユーザー定義のタグ宣言。
• <?Pub Sty?>
• <?Pub EntList?> - 宣言された文字エンティティ。
• <?Pub CX?> - コンテキスト文字列。
• <?APT?> - エンティティ参照の長い行を改行するための改行処理命令。
• <?Pub (UdtName)?> - ユーザー定義の処理命令。
• <?PubTbl?> - 表プロパティ
• <?PubTbl table xxx?> - 表の境界線フォーマット
• <?PubTbl row xxx?> - 表の行フォーマット
• <?PubTbl cell xxx?> - 表のセルフォーマット
• <?Pub Tag atipl:xxx?> - SGML 用の PTC Arbortext ページレイアウトタグ
• <?Pub Tag atidm:xxx?> - SGML 用の PTC Arbortext データマージタグ
• <?Pub _xxx?> - _font、_cellfont、_bookmark、_kern、_newline などの各種 PTC Arbortext タグ
• <?Pub Lcl?> - 擬似属性を示します。
• <?Pub Asis?> - asis セクションを示します。
• <?Pub ListProp?>、<?Pub StrProp?>、および <?Pub NumProp?> - ドキュメントのプロパティ。
writepi = touchup の場合は次の付加的な処理命令が書き込まれます。
• <?Pub _font?> - PTC Arbortext フォントタッチアップを示します。
• <?Pub _newcolumn?> - PTC Arbortext 新規列タッチアップを示します。
• <?Pub _newline?> - PTC Arbortext 新規行タッチアップを示します。
• <?Pub _newpage?> - PTC Arbortext 新規ページタッチアップを示します。
• <?Pub _nolinebreak?> - PTC Arbortext 改行なしタッチアップを示します。
writepi = default の場合は次の付加的な処理命令が書き込まれます。
• <?Pub Caret?> - セッション間のカーソルの場所を示します。
• <?Pub Dtl?> - セッション間でエレメントが折りたたまれる場所を示します。
• <?Pub Inc?> - 最後の終了時に文書が未完了であったかどうかを示します。
writepi = on の場合は次の付加的な処理命令が書き込まれます。
• <?Pub _display?>