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ThingWorx Platform 9.3.0 の最新情報
ThingWorx 9.3.0 には、次の機能強化、既知の問題と制約事項、およびサポートの終了に関する情報が含まれています。
修正された問題のリストについては、Fixed Issues in ThingWorx Platform 9.3.0 を参照してください。
機能強化
セキュリティ
ThingWorx 9.3.0 は log4j 2.17 を使用するため、より古いバージョンの log4j を使用して現在の CVE に公開されません。より古いバージョンの ThingWorx のガイダンスはここで参照してください。
脆弱性スキャンソフトウェアおよび PTC 品質管理テストによって事前に識別されたアイテムを含む、セキュリティの潜在的な問題が修正されました。これらの重要な機能強化を利用するには、できるだけ早くアップグレードしてください。
ThingWorx のサードパーティソフトウェアの使用と更新に関する重要な推奨事項については、このテクニカルサポートのアーティクルを参照してください。
プラットフォーム
手動アップグレードプロセスが簡素化され、ThingWorx 9.3.0 にアップグレードする際の時間と労力が削減されました。ThingWorx 9.0.x 以降からアップグレードする場合、アップグレードスクリプトが結合されて、実行する必要のあるスクリプトの数が減りました。
Thing Template と Thing Shape からサービスを実行可能になりました。
Composer の「参照」セクションでエンティティ参照を確認できます。この機能を使用して、ThingWorx モデルでエンティティが参照されている場所を確認できます。この機能はデフォルトでは無効になっていますが、関係サブシステムで有効にできます。
GetWhereUsed サービスを使用して、エンティティやその特性 (プロパティやサービスなど) が ThingWorx のどこで参照されているかを調べることができます。詳細については、「GetWhereUsed サービスの使用」を参照してください。
多数のプロパティタイプがインデックシング可能になり、これによって QueryImplementingThingsOptimized および QueryImplementingThingsOptimizedCount サービスを使用する際のクエリーがさらに高速になりました。詳細については、「インデックス付きプロパティ」を参照してください。
この機能には、新しいクエリー統計機能が含まれています。詳細については、「クエリー統計」を参照してください。
GetPropertyVTQ サービスは、ランタイムに ThingWorx 内で取得または設定された (Thing、Thing Template、または Thing Shape に定義されている) Thing プロパティの数を返します。このサービスを使用して、インデックス付きプロパティの値の総数によって、クエリーやプロパティ値の取得のパフォーマンスを最適化する方法を決定できます。詳細については、「GetPropertyVTQCount サービスの使用」を参照してください。
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この機能により、GUID および DATETIME ベースタイプで動作変更が生じました。詳細については、以下の「動作の変更」のセクションを参照してください。
クリックジャック保護のため、ClickjackFilterAllowList フィルタおよび ALLOWLIST パラメータが追加されました。将来のリリースでは、ClickjackFilterWhiteList フィルタおよび WHITELIST パラメータがこれらに置き換えられます。ThingWorx 9.3 では、両方のフィルタとパラメータがサポートされていますが、次のリリースの前に web.xml ファイルを更新することをお勧めします。詳細については、「iFrame の埋め込みマッシュアップの許可」を参照してください。
高可用性 (HA) クラスタ
ThingWorx HA クラスタが Windows 2019 でサポートされるようになりました。
Mashup Builder
カスタム CSS
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このリリースでは、Web コンポーネントウィジェットに適用されるカスタム CSS での動作が変更されました。詳細については、「動作の変更」のセクションを参照してください。
レガシーマッシュアップの移行
マッシュアップ移行が強化され、レガシースタイル定義をウィジェットスタイルプロパティに移行するためのサポートが追加されました。「マッシュアップ移行」ダイアログボックスを使用して、次のいずれかのスタイルテーマに移行できます。
PTC 収束テーマ - 新規マッシュアップのデフォルトのスタイルテーマを使用します。
レガシースタイルテーマ - レガシースタイル定義の外観を保持します。
カスタムテーマ - カスタムスタイルテーマ。
Composer でデフォルトスタイル定義エンティティに対して行ったカスタマイズをスタイルテーマに移行できるようになりました。これには、スタイルテーマエンティティの「その他」メニューの「デフォルトスタイル定義で更新」操作を使用します。
移行メッセージを非表示にして、後で「その他」メニューの「マッシュアップを移行」操作を使用して移行できるようになりました。
次のウィジェットはレガシーウィジェットになり、将来のリリースで廃止される予定です。
グリッド (アドバンス) - Web コンポーネントグリッドウィジェットに置き換えられました。
プリファレンス
タグクラウド
Wiki
ブログ
レスポンシブレイアウト
コンテナスクロールのオプションが「レイアウト」パネルに追加され、コンテナの垂直スクロール動作と水平スクロール動作を制御できるようになりました。
スタイルテーマ
Legacy Styles Theme という名前の新しいスタイルテーマエンティティが追加されました。これには、レガシーウィジェットのデフォルトのスタイル定義と同様のスタイルが含まれています。このスタイルテーマを使用して、レガシーウィジェットから成るマッシュアップを移行する際にマッシュアップの外観を保持できます。
メニューバーウィジェット
FooterLogo プロパティを使用して、ウィジェットを展開したときにフッターセクション内に会社または製品のロゴを表示できるようになりました。
グリッド (テーマ指定可能)
このウィジェットが拡張され、次のコンフィギュレーションを実行可能な新しいプロパティが追加されました。
EditLevel プロパティを使用してグリッドデータの編集を有効にします。グリッド、行、またはセルレベルでの編集を設定できます。
ランタイムでグリッドの列をサイズ変更します。
JSON データを使用してグリッドを動的に設定します。
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グリッド (アドバンス) ウィジェットの既存のコンフィギュレーションサービスの出力を、STRING ベースタイプではなく JSON に更新する必要があります。
ランタイムでグリッドをそのデフォルトのコンフィギュレーションにリセットするボタンを表示します。
動的コンフィギュレーションが更新された場合にフィルタイベントをトリガーします。
ユーザーが特定の列の順序と表示を制御できるようにするドロップダウンメニューを表示します。
グリッド内の別個の列に行番号を表示します。
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レガシーマッシュアップを移行したときに、グリッド (アドバンス) ウィジェットが、テーマ指定されたグリッドウィジェットに置き換えられるようになりました。
折れ線グラフウィジェットとパレート図ウィジェットの「スタイルプロパティ」パネルに chart-line-style プロパティが追加されました。新規プロパティを使用して、実線、点線、または破線を表示できます。
折れ線グラフの場合、「スタイルプロパティ」 > 「系列 1-24」 > 「線」に新規プロパティが表示されます。
パレート図の場合、「スタイルプロパティ」 > 「ベース」 > 「線」に新規プロパティが表示されます。
以下のウィジェットで、デフォルトのラベル値を持つローカライズトークンがいくつかのプロパティに追加されてローカライズのサポートが強化されました。
棒グラフ
ボタン
チェックボックス
チップベースのデータフィルタ
日時ピッカー
ドロップダウン
グリッド
ラベル
折れ線グラフ
リンク
リスト
リストシャトル
パレート図
プロパティ表示
ラジオボタン
スケジュール表
スライダー
タブ
ツールバー
ウォーターフォール図
折れ線グラフのフォーマットが強化され、「日付/時刻」「数値」の X 軸タイプが、ユーザーによって設定されたデータ形式と一致するようになりました。この機能強化により、X 軸の目盛の選択と表示が改善されました。
「日付/時刻」の X 軸タイプでは、時間の表示に使用されるパターンに従って精度が設定されます。日付/時刻フォーマットを変更した場合、次のフォーマットを使用して軸の目盛が表示されます。
日付/時刻フォーマットのパターンが yy のみの場合、データの精度は年までとなります。
日付/時刻フォーマットのパターンが mm のみの場合、データの精度は月までとなります。
日付/時刻フォーマットのパターンが mm/dd のみの場合、データの精度は日までとなります。
日付/時刻フォーマットのパターンが mm/dd h のみの場合、データの精度は時までとなります。
「数値」の X 軸タイプでは、精度が向上し、数値フォーマットに適合するデータポイントを選択できるようになりました。
すべてのチャートウィジェットで、ランタイムでボタンを使用してチャートの凡例の表示/非表示を切り替えることを可能にする ShowHideLegend プロパティが追加されました。
階層リンクウィジェット
新しく追加されたプロパティ MaxNumberOfLinks の選択に基づいて、階層リンクにオーバーフローパターンが追加されます。プロパティ MaxNumberOfLinks は、階層リンク内のリンクの最大数を定義します。オーバーフロー制御アイコンをクリックすると表示されるオーバーフローリストに、その他のリンクが表示されます。これまでは、階層リンクの左側または右側に移動可能なナビゲーション矢印ボタンがありました。ThingWorx 9.3.0 以降のバージョンでは、これが修正されてオーバーフロー制御アイコンになりました。
ボタンウィジェット
このウィジェットには以下のプロパティが追加されました。
MultiLine - 水平スペースに空きがない場合に、長いラベルを新しい行にラップできます。
MaxHeight - ラベルが複数の行にラップされる場合にウィジェットが拡張可能な最大高さを設定します。
SVGIcon - デフォルトのアイコンセットから SVG アイコンを表示できます。
タブウィジェット
タブ名領域の高さを設定可能な TabNameHeight プロパティが追加されました。
タブにオーバーフローパターンが追加されました。タブのオーバーフローがある場合、これらはオーバーフロー制御アイコンをクリックすると表示されるオーバーフローリストに表示されます。これまでは、タブの左側または右側に移動可能なナビゲーション矢印ボタンがありました。ThingWorx 9.3.0 以降のバージョンでは、これが修正されてオーバーフロー制御アイコンになりました。
ツールバーウィジェット
ToolbarAction データシェイプを使用して、アイコンセットからボタン操作内に SVG アイコンを表示する機能が追加されました。
ツールバー上のフィルタを区切る垂直線の表示/非表示を切り替える HideFilterSeparator プロパティが追加されました。
定義式関数
コンフィギュレーションダイアログボックスに「初期出力を無効」オプションが追加されました。これにより、関数によって「出力」プロパティに未定義の値が割り当てられないようにすることができます。
ThingWorx Flow
ここから ThingWorx Flow の最新情報をお読みください。
PTC の ID とアクセスの管理 (IAM)
データベースに永続化される前にアクセストークンを暗号化するため、KeyCzar の代わりに Tink が使用されるようになりました。Tink を使用している場合、ThingWorx の起動時に必要なキーセットファイルが自動的に作成され、ssoSecurityConfig フォルダに保存されます。
Tink では symmetric フォルダや ThingWorx sso-settings.json ファイル内の keyczarKeyFolderPath パラメータは必要ありません。以前のバージョンの ThingWorx からアップグレードしている場合、これらのファイルと設定はそのままにしておくことができ、ThingWorx 9.3 以降ではこれらは単に無視されます。ただし、これらを除去する場合、アップグレード手順が完了するまで待たなければなりません。
動作の変更
プラットフォーム
前述のインデックシング機能によって、GUID および DATETIME プロパティベースタイプで以下のように動作が変更されました。
(プロパティ定義でデフォルトが明示的に設定されていない場合) DATETIME のデフォルト (default) 値は、Unix エポック (1/1/1970) になりました。この新しいデフォルトは、すべての永続および非永続プロパティに適用されます。
プラットフォームのデフォルト (default) 値を返す永続 DATETIME プロパティがある場合、ThingWorx 9.3 にアップグレードした後は、その DATETIME は Unix エポック (1/1/1970) を返すようになります。
GUID のデフォルト (default) 値が Nil GUID (00000000-0000-0000-0000-000000000000) になりました。ThingWorx 9.3.0 にアップグレードした後、以前に timestamp がエポック、quality が不明、Value がデフォルト値に設定されていた GUID が修正され、その timestamp は 'now' (プラットフォームのアップグレード時間) になり、その quality は Good になります。値は変わりません。
デフォルト (default) GUID を返すために使用されるベースタイプ GUID のすべての永続化プロパティ: その値が移行されて実際の値にプロモートされるので、返される GUID 値は ThingWorx 9.3 にアップグレードした後も変わりません。
Mashup Builder
カスタム CSS
最新の CSS シャドウ DOM 仕様に合わせて、Web コンポーネントウィジェットのスタイル設定機能を提供するために使用されていたポリフィルが除去されました。このため、以前のバージョンの ThingWorx の Web コンポーネントウィジェットに適用されている既存の CSS 規則が機能しなくなる可能性があります。カスタム CSS が正しく機能しない場合は、アップグレードの後でカスタム CSS を手動で確認および更新する必要があります。Web コンポーネントウィジェットへの CSS の適用の詳細については、Web コンポーネントウィジェットへのカスタム CSS スタイルの適用を参照してください。
既知の問題と制約事項
ThingWorx 9.3.0 には次の既知の問題と制約事項が存在します。
プラットフォーム
MSSQL、Azure SQL、または H2 をアップグレードしているときに、データテーブルでカスタムインデックスフィールドの値が不足している場合、アップグレードは失敗します。アップグレードプロセスを開始する前に、すべてのカスタムインデックスフィールドに値が設定されていることを確認してください。アップグレードが失敗した場合は、ThingWorx データベースとプラットフォームを復元する、カスタムインデックスを除去する、または欠落しているカスタムインデックス付きフィールドの値を指定してからアップグレードを実行しなければなりません。詳細については、「ThingWorx のアップグレード」を参照してください。
参照機能と GetWhereUsed サービスには、状態定義またはメディアエンティティに対して実行した場合に制限があります。状態定義またはメディアエンティティがマッシュアップに存在する場合、マッシュアップが結果に返されないことがあります。
Mashup Builder
マッシュアップの移行
マッシュアップを移行した場合、以下のスタイルとコンフィギュレーションは保持されません。
レイアウトウィジェットのコンテナ間のスペース。
時系列チャートのカスタムスタイル。
折れ線グラフウィジェットでのハイライト領域のグラデーション色。線形グラデーションのプライマリ色のみが移行されます。
チャートルーラーの幅と線のスタイル。ルーラーの線の色だけが移行されます。
ドロップダウンウィジェットのリストアイテムの横に表示されるアイコン。
自動再表示ウィジェット内の切り替えスイッチのラベル。
レガシーボタンウィジェットのベース状態以外のすべての状態に定義されているアイコン。
グリッドの境界のスタイル。
確認ダイアログボックスのスタイル。
レガシーナビゲーションウィジェットの PopupTitleStyle スタイル定義。
リストウィジェットの ListBackgroundStyle レガシースタイル定義。
ウィジェットのツールヒントのカスタムスタイル。
ウィジェットのフォーカスボックスのカスタムスタイル。
詳細については、マッシュアップ移行のトラブルシューティングを参照してください。
日付ピッカーウィジェット
スペースが「クリア」ボタンによって使用されるので、日付値の一部が表示されません。
グリッド (テーマ指定可能)
移行後は、コンフィギュレーションデータを提供するために使用される既存のデータサービスは機能しなくなります。この問題を修正するには、Composer でデータサービスの出力タイプを JSON に変更します。
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