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絞り
この章では次のトピックについて説明します。
パラメトリック絞りツール
既存のタイプに対するパラメトリック絞りツールの追加
パラメトリック絞りツールタイプ
パラメトリック絞りツールタイプ定義の構造
パラメトリック絞りツールの例
パラメトリック絞りツールタイプの追加
非パラメトリック絞りツール
非パラメトリック絞りツールとタイプエントリの追加
絞り工程について、Creo Elements/Direct Sheet Metal のショップ定義ファイルは以下の項目を含みます。
絞りツールタイプ ("穴付き四角形" など) を指定する "絞りタイプ" テーブル。
ツールテーブルのセット。各テーブルで、ある絞りツールタイプについて個々のツールの寸法などの工程パラメータを指定します。たとえば、"穴付き四角形" テーブルは穴付き四角形ツールごとに別の行を含みます。ある絞りツールタイプに 1 つの絞りツールしかない場合、関連ツールテーブルには 1 つのパラメータレコードしかありません (1 行のテーブル値)。
Creo Elements/Direct Sheet Metal の絞り操作は 2 段階で行われます。
1. カットアウトプロファイルによって既存の板金パーツにカットアウトが作成されます。
2. カットアウトを埋める絞りツールパーツが既存の板金パーツに追加されます。Creo Elements/Direct Sheet Metal はこの絞りツールパーツを既存の板金パーツに自動的に結合します。
パラメトリック絞りツール
CoCreate Sheet Metal リビジョン 4.5 の時点で、sha_demoshop.lsp サンプルショップ定義ファイルで指定された絞りツールタイプはすべて "パラメトリックツール" です。これは、実行時にユーザが選択リストで適切なツール寸法を選択することを意味します。TDB でユーザ (または TDB 管理者) は行 (追加のパラメータレコード) を関連付けられたツールテーブルに追加することで、その他のツールサイズを指定できます。
既存のタイプに対するパラメトリック絞りツールの追加
既存のタイプにパラメトリック絞りツールを追加するには、該当する絞りツールテーブルに新しい絞りツール指定 (追加の行) を追加する必要があります。テクノロジーデータベース一覧を使用するか ( 絞りツールの追加を参照)、TDB テーブルを手作業で編集します。
たとえば、"dmp" というタイプの絞りツールを追加する場合は、以下の手順に従います。
1. ショップ定義ファイル (たとえば、sha_demoshop.lsp ファイルの作業コピーである my_shop.lsp) を開きます。
2. ショップ定義ファイルの "ディンプル" テーブルを表示します。このテーブルを下に示します。
(sha-define-shop-table "dmp"
:TABLE-TITLE "Dimple"
:COLUMNS
(:DIMPLE_DIA :DEPTH :ANG :STAMP_DIR :MIN_THICK :MAX_THICK :TOOL_ID
:DESCR :PREFERENCE :ADVICE)
:COLUMN-NAMES
("Dia" "Depth" "Ang" "Stamp Dir" "Min Thick" "Max Thick" "Tool Id"
"Descr" "Pref" "Advice")
:UNITS
(:mm :mm :deg nil :mm :mm
nil nil nil nil)
:CONTENTS
(
(7.90 0.90 90 :DOWN 1.00 1.00 "13130"
"7199" :NONPREF "-")
(9.20 1.90 110 :DOWN 1.25 1.25 "13106"
"6690" :PREF "-")
(11.10 2.10 90 :DOWN 1.25 1.25 "13128"
"7180" :PREF "-")
(20.00 0.50 90 :DOWN 1.50 1.60 "13124"
"7184" :NONPREF "-")
(8.20 0.90 90 :UP 1.25 1.25 "13306"
"7175" :PREF "-")
(11.10 1.20 90 :UP 1.25 1.25 "13308"
"7176" :NONPREF "-")
)
:KEY (:DIMPLE_DIA :DEPTH :ANG :STAMP_DIR)
:DISPLAY (:DIMPLE_DIA :DEPTH :ANG :STAMP_DIR :PREFERENCE :ADVICE)
:FLAT-TEXT (:TOOL_ID)
:HELP "sha_dmp"
; unique, not displayable column entries
:PROF_FNC sha-dmp-profile
:TOOL_FNC sha-dmp-tool
)
3. :CONTENTS の下に、追加する絞りツールのパラメータデータ行を追加します。例を以下に示します。
(11.3 1.10 0 :UP 1.25 1.25 "13307"
"7222" :NONPREF "-")
この新しいツールが作成する絞り集合体の直径は 11.3 mm です。ディンプルの深さは 1.1 mm です。ID 番号は 13307 です。名前は 7222 です。非優先ツールで、設計上の材質の厚さは 1.25 mm です。"-" エントリは :ADVICE 列のデフォルトエントリです。実行時、このツールがツール選択テーブルにリストされていれば、:ADVICE 列の "-" エントリはツールチェックの結果で直接置き換わります。
* 
"ディンプル" ツールのパラメータについては、Creo Elements/Direct Sheet Metal オンラインヘルプの "ディンプル" ツールタイプの項に画像付きで説明されています。
パラメトリック絞りツールタイプ
絞り操作は 2 段階で行われるため、パラメトリック絞りツールタイプごとに 2 つの LISP ベース関数が定義されています。
カットアウトプロファイルは、カットアウトと関連ワークプレーンと基準点を作成する一連の Creo Elements/Direct Modeling 2D コマンドを使用する特殊な LISP ベース関数を通じて定義されます。この関数は、絞りツールテーブルに関連付けられた :PROF_FNC 列で参照される必要があります。絞りツールワークプレーンに作成したカットアウトと基準点という形で出力を返します。
英語版では、穴開けツール関数と同様に、Creo Elements/Direct Sheet Metal に付属するパラメトリック絞りツールのカットアウト関数は次のファイルに含まれています。
$INSTALLDIR/personality/sd_customize/SheetAdvisor/stamp_funcs/sha_stamp_functions.lsp
その他すべての言語版では、カットアウト関数は次のファイルに含まれています。
$INSTALLDIR/personality/<言語>/sd_customize/SheetAdvisor/stamp_funcs/sha_stamp_functions.lsp
絞りツールは、絞りツールパーツを作成する一連の Creo Elements/Direct Modeling コマンドを使用する特殊な LISP ベース関数を通じて定義されます。この関数は、絞りツールテーブルに関連付けられた :TOOL_FNC 列で参照される必要があります。Creo Elements/Direct Sheet Metal は、この関数に対する入力を、選択したツールタイプのすべてのテーブルエントリという形で渡します。ほかに、シートの厚さ、および、現在の Creo Elements/Direct Modeling の解像度も渡します。関数は、絞りツールのワークプレーンで作成された絞りツールパーツという形で出力を返します。
Creo Elements/Direct Sheet Metal は 2D プロファイルデータを (穴開けツールのプロファイルデータのように) 使用して、距離チェックゾーンを作成して絞りツールの回りに表示してから、板金パーツ上に絞りツールを配置します。ユーザがツールの位置を決めると、Creo Elements/Direct Sheet Metal はカットアウトプロファイルを適用して、絞りツールパーツをカットアウトに配置して、絞りツールパーツを板金パーツに結合します。
英語版では、Creo Elements/Direct Sheet Metal に付属するパラメトリック絞りツール用の絞りツール関数は、次のファイルに含まれています。
$INSTALLDIR/personality/sd_customize/SheetAdvisor/stamp_funcs/sha_stamp_functions.lsp
その他すべての言語版では、絞りツール関数は次のファイルに含まれています。
$INSTALLDIR/personality/<言語>/sd_customize/SheetAdvisor/stamp_funcs/sha_stamp_functions.lsp
独自のパラメトリック絞りツールのためにカスタマイズした関数を作成する場合は、このファイルの作業コピーを作成します。このファイルには my_stamp_func.lsp のような名前を付けます。
* 
LISP 関数ファイルでは大文字小文字が区別されないことに注意してください。
パラメトリック絞りツールタイプ定義の構造
Creo Elements/Direct Sheet Metal 絞りツールの構造は、LISP パッケージ定義と絞りツール関数に基づいて構築されます。
LISP パッケージの定義
Creo Elements/Direct Sheet Metal に付属のサンプル sha_stamp_functions.lsp ファイルには、sheet-advisor パッケージ用の関数があります。Creo Elements/Direct Modeling の Open-Lisp-Interface (oli) パッケージで提供されるその他の関数を使用します。
(in-package :sheet-advisor)
(use-package :oli)
関数
各カットアウトプロファイルの :PROFILE_FNC 列は、関連絞りツールボディをカットアウトに配置する前に適用するカットアウト (穴) 図形を指定します。機能、構造、パラメータという点では、このカットアウトプロファイルは通常の穴開けツールと似ています。詳細については、 穴開け工程を参照してください。
各絞りツールテーブルの :TOOL_FNC 列は所定の絞りツール関数を指定します。sha_demoshop.lsp デモショップファイルの場合、このような関数はそれぞれ sha_stamp_functions.lsp ファイルに含まれています。規則により、関数名は sha- で始まって -profile で終わり、ツールプロファイルを集めた Creo Elements/Direct Sheet Metal (sha) パッケージで関数が識別されます。
defun sha-<function_name>-profile
関数名を宣言した後、この関数で使用するツールパラメータを定義します。パラメータ名は、ツールテーブルで指定した列名、または標準のパラメータである :THICKNESS (シートの厚さ) または :RESOLUTION (現在のシステムの精度) と一致する必要があります。これらのパラメータで使用するデータは、関連付けられている TDB テーブルの列から取得します。たとえば、parameter_1slot_length と定義した場合、関連付けられているツールテーブルの slot_length 列から適用可能な寸法を取得します。&allow-other-keys ステートメントは、この関数で使用されないほかのパラメータを処理します。
(
parameter_1
parameter_2
...
parameter_n
thickness
resolution
次のブロック (let で始まる) により、次の標準ローカル変数が定義されます。
result
戻り値として使用されます。
tool-part
絞りツールパーツの名前。実際の絞りツールの名前は sha-tool-part 関数によって付けられます。
tool-wp
絞りツールパーツを作成するワークプレーンの名前。実際の名前は sha-tool-wp 関数によって付けられます。tool-wp ステートメントは、絞りツールを配置するワークプレーンの名前を用意します。
(let ((result nil)
(tool-wp (sha-tool-wp)
(local-variable1 local-value1)
(... ...)
)
次のブロックは、絞りツールプロファイルを作成するワークプレーンを生成します。stamp_dir ツールパラメータは、ツールの構築方向を決定するために使用されます。thickness パラメータは、作成される絞りツールパーツが、適用される板金パーツの厚さに従っているか確認するときに使用できます。次に例を示します。
(if (equal stamp_dir :DOWN)
(create_workplane :new
:name tool-wp
:pt_dir :origin (gpnt3d 0 0 0)
:normal :x
:u_dir :neg_z
)
(create_workplane :new
:name tool-wp
:pt_dir :origin (gpnt3d 0 0 0 (-thickness))
:normal :x
:u_dir :z
)
)
次のブロックは、通常の Creo Elements/Direct Modeling コマンドでツールプロファイルを作成します。次に例を示します。
(POLYGON
(gpnt2d ...)
(gpnt2d ...)
...
(gpnt2d ...))
(ARC :CEN_RAD_ANG
(gpnt2d ...)
radius
angle
)
次のブロックは、標準の Creo Elements/Direct Modeling のマシニングコマンドを使用して、先に定義したプロファイルからソリッドボディを作成します。次に例を示します。
(TURN :part tool-part :axis :z )
次のブロックは、特殊な Creo Elements/Direct Sheet Metal 関数を使用して、既存の板金パーツから絞りツールパーツを抽出します。
(setq result (sha-body-of-tool-part tool-wp))
次のブロックは、絞りツールワークプレーンと絞りツールパーツを削除します。
(delete_3d (sha-absloute-name tool-wp)) (delete_3d tool-part)
結果には最後の LISP 値 (戻り値になります) が設定されます。
result ) )
* 
ここまでのセクションは 2D プロファイルを使用して絞りツールを作成する方法について説明しています。別の方法として、適用するトポロジーを持つ既存の Creo Elements/Direct Modeling パーツを使用することもできます。このパーツを実際のツールパラメータに合わせます。複雑な絞りツールの場合は、この方法の方が便利なことがあります。
パラメトリック絞りツールの例
次のセクションは、Creo Elements/Direct Sheet Metal に付属のサンプル sha_stamp_functions.lsp ファイルからの抜粋です。前のセクションで説明した関数構文の使用方法について説明しています。このサンプルセクションでは、バーリング絞りツールの関数を定義します。
(in-package :sheet-advisor)
(use-package :oli)
;=================================================
;
; EXTRUDED FLANGE
;
;=================================================
(defun sha-ext_flange-profile
(
hole_dia
thickness

(radius (* 0.6 thickness))

(tap_thick (* 0.6 thickness))
)
(let (
(tool-wp
(sha-tool-wp))
)

(create_workplane :new

:name tool-wp
)

;********* create Profile **********
(CIRCLE :CEN_RAD
0,0

(+ (/ hole_dia 2) radius tap_thick)
)

;******** create Adjustpoints ******
(C_POINT
0,0
)

(setq result (sha-profile-of-wp tool-wp))

(delete_3d (sha-absolute-name tool-wp))
result
)
)
(defun sha-ext_flange-tool
(
hole_dia
height
stamp_dir
thickness
resolution

(radius (* 0.6 thickness))

(tap_thick (* 0.6 thickness))
)
(let ((result nil)

(tool-part (sha-tool-part))
(tool-wp
(sha-tool-wp))
)
(unless (or

(< hole_dia resolution)

(< height (+ radius resolution))

(< radius resolution)

(< tap_thick resolution)
)

(if (equal stamp_dir :DOWN) ;create a new wp for direction DOWN

(create_workplane :new

:name tool-wp

:pt_dir :origin (gpnt3d 0 0 0)
:normal :x
:u_dir :neg_z
)

(create_workplane :new ;create a new wp for direction UP
:name tool-wp

:pt_dir :origin (gpnt3d 0 0 (- thickness))
:normal :x
:u_dir :z
)
)
(POLYGON

(gpnt2d 0 (+ (/ hole_dia 2) radius))

(gpnt2d 0 (+ (/ hole_dia 2) radius tap_thick))

(gpnt2d thickness (+ (/ hole_dia 2) radius tap_thick))
)
(ARC :CEN_RAD_ANG

(gpnt2d (+ thickness radius) (+ (/ hole_dia 2) radius tap_thick))
radius

(gpnt2d thickness (+ (/ hole_dia 2) radius tap_thick))

(gpnt2d (+ thickness radius) (+ (/ hole_dia 2) tap_thick))
)
(POLYGON

(gpnt2d (+ thickness radius) (+ (/ hole_dia 2) tap_thick))

(gpnt2d (+ thickness height) (+ (/ hole_dia 2) tap_thick))

(gpnt2d (+ thickness height) (/ hole_dia 2))

(gpnt2d radius (/ hole_dia 2))
)

(ARC :CEN_RAD_ANG

(gpnt2d radius (+ (/ hole_dia 2) radius))
radius

(gpnt2d 0 (+ (/ hole_dia 2) radius))

(gpnt2d radius (/ hole_dia 2) )
)
(turn

:part tool-part
:axis :z
)

(setq result (sha-body-of-tool-part tool-part))

(delete_3d (sha-absolute-name tool-wp))

(delete_3d tool-part)
)
result
)
)
* 
基準点は、ショップ定義ファイルの絞りツール用ツールテーブルの下の方にある :PROF_FNC ステートメントで指定された穴開けツールから採用されます。
パラメトリック絞りツールタイプの追加
先のセクションで示したサンプルをテンプレートとして使用するか、Creo Elements/Direct Modeling のレコーダ機能を使用することで、独自のカスタム絞りツールタイプを素早く作成できます。以下のガイド付き練習問題は、カップ型ディンプル絞りツールタイプを作成し実装する方法を示しています。
このガイド付き練習問題は、次のステージから構成されています。
ステージ 1: 絞りツールパーツのカットアウトプロファイルの作成
ステージ 2: 絞りツールパーツの作成
ステージ 3: 絞りタイプテーブルで新しい絞りツールタイプの宣言
ステージ 4: 新しい絞りツールタイプ用ツールテーブルの追加
ステージ 5: sha_customize ファイルでの新しいツール関数の指定
ステージ 6: 新しい絞りツールタイプのテスト
ステージ 1: 絞りツールパーツのカットアウトプロファイルの作成
sha_punch_functions.lsp ファイルの作業コピー (my_punch_func.lsp など) に、新しいプロファイルタイプエントリを作成します。カップディンプル絞りツールの場合、円形のカットアウトプロファイルが必要です。この目的には、既存の穴開けツール定義 ("rnd" 穴開けツールなど) を利用できます。別の方法として、基準点付きの新しいプロファイルを作成することもできます。丸カットアウトプロファイルのサンプル定義を以下に示します。
(in-package :sheet-advisor)
(use-package :oli)
(defun sha-cup_dimple-profile
(&key
radius
height
thickness
resolution

&allow-other-keys
)
(let (

; local variable definition
(result nil)
;

(tool-wp (sha-tool-wp))

; get name for new workplane
)

(create_workplane :new
:name tool-wp
)

;******** create profile ******
(CIRCLE :CEN_RAD
0,0
radius
)

;******** create adjust points ******
(C_POINT
0,0
(gpnt2d radius 0)

(gpnt2d (* -1 radius) 0)
(gpnt2d 0 radius)

(gpnt2d 0 (* -1 radius))

(gpnt2d radius radius)

(gpnt2d (* -1 radius) radius)

(gpnt2d (* -1 radius) (* -1 radius))

(gpnt2d radius (* -1 radius))
)

;**** extract profile from workplane

(setq result (sha-profile-of-wp tool-wp))

;**** delete workplane and part

(delete_3d (sha-absolute-name tool-wp))

;**** set return value as last entry
result
)
)
ステージ 2: 絞りツールパーツの作成
sha_stamp_functions.lsp ファイルの作業コピー (my_stamp_func.lsp など) に、新しいツールタイプエントリを作成します。次の 3 種類の方法から選択できます。
レコーダファイルを使用して、絞りツールパーツとワークプレーンを作成する通常の Creo Elements/Direct Modeling セッションを記録します。その後、図形生成ステートメントをパラメトリックにします。アクティブなワークプレーンだけをキャッチするようにしてください。パーツのキャッチは無効にする必要があります。
既存の LISP ベースの絞りツール関数をコピーします。
ゼロから LISP ベースの絞りツール関数を作成します。
以下のサンプルはワークプレーンとプロファイル、そしてカスタム絞りツールの本体を作成します。
(in-package :sheet-advisor)
(use-package :oli)
(defun sha-cup_dimple-tool
(&key
radius
height
thickness
resolution

&allow-other-keys
)
(let (

; local variable definition
(result nil)
;

(tool-part (sha-tool-part)) ; get name for new part

(tool-wp (sha-tool-wp))

; get name for new workplane
)

(create_workplane :new
:name tool-wp
:norm_wp
:origin 0,0,0
:normal :u
)

;******** create profile ******

(LINE :TWO_POINTS (gpnt2d 0 height) (gpnt2d -1 height))

(ARC :SMOOTH (gpnt2d 0 height) (gpnt2d radius 0))

(DELETE_2D (gpnt2d -1 height))

(LINE :TWO_POINTS (gpnt2d 0 height) (gpnt2d 0 (* -1 (- thickness height))))

(MOVE_2D :SELECT (gpnt2d radius 0) :VERTICAL (* -1 thickness) :KEEP :ON)

(LINE :TWO_POINTS (gpnt2d radius 0) (gpnt2d radius (* -1 thickness) ))

;******** create tool part ******

(TURN :PART tool-part :AXIS :V)

;**** extract body of part for function result

(setq result (sha-body-of-tool-part tool-part))

;**** delete workplane and part

(delete_3d (sha-absolute-name tool-wp))

(delete_3d tool-part)

;**** set return value as last entry
result
)
)
* 
絞りツール定義が、関連するカットアウトプロファイルと互換性があることを確認してください。
ステージ 3: 絞りタイプテーブルで新しい絞りツールタイプの宣言
次の操作を行います。
1. ショップ定義ファイル (sha_demoshop.lsp ファイルの作業コピー、例: my_shop.lsp) を開きます。
2. スクロールして "絞りタイプ" テーブルを表示します。
3. 新しい "Cup Dimple" 絞りツールタイプの名前を追加します。結果として作成された "絞りタイプ" テーブルを下に示します。
(sha-define-shop-table "stamps"
:TABLE-TITLE "Stamp Types"
:COLUMNS
( :TOOL_TYPE :DESCRIPTION ) ; The :TOOL_TYPE column must exist
:COLUMN-NAMES ("Tool Type" "Description")
:UNITS
( nil nil )
:CONTENTS
( ; v localizable names
("csnk_rnd" "Countersink Round")
("spp" "Semipierced Protrusion")
("spr" "Semipierced Rectangle")
("cup_dmp" "Cup Dimple")
("dmp" "Dimple")
("dmph" "Dimple With Hole")
...
ステージ 4: 新しい絞りツールタイプ用ツールテーブルの追加
次の操作を行います。
1. ショップ定義ファイルに既存のツールテーブルをコピーするか、新しいツールテーブルを作成します。
2. このテーブルで、新しいツールタイプのパラメータレコード (寸法、ID、適用マーカーなど) を指定します。
3. :PROF_FNC 行で、新しい絞りツールタイプに関連付けられたカットアウトプロファイル関数の名前を指定します。
4. :TOOL_FNC 行で、絞りツール関数の名前を指定します。
新しい "Cup Dimple" ツールタイプ用のツールテーブルの例を以下に示します。
(sha-define-shop-table "cup_dmp"

:TABLE-TITLE "Cup Dimple"
:COLUMNS
(:RADIUS
:HEIGHT
:ANG :STAMP_DIR
:MIN_THICK
:MAX_THICK :TOOL_ID
:DESCR
:PREFERENCE :ADVICE)
:COLUMN-NAMES
("Radius"

"Height" "Ang" "Stamp Dir"

"Min Thick" "Max Thick"
"Tool Id"
"Descr" "Pref"
"Advice")
:UNITS
(:mm
:mm
:deg
nil
:mm
:mm
nil
nil
nil
nil)
:CONTENTS
(
(5.00
1.70
90
:DOWN
1.00
1.60
"12899"
"6602" :PREF
"-")
(10.00
2.70
180
:UP
1.25
1.65
"12109"
"6690" :PREF
"-")
)

:KEY (:RADIUS :HEIGHT :ANG :STAMP_DIR)

:DISPLAY (:RADIUS :HEIGHT :ANG :STAMP_DIR :PREFERENCE :ADVICE)

:FLAT-TEXT (:TOOL_ID)
; :HELP "sha_dmp"
; unique, not displayable column entries

:PROF_FNC sha-cup_dimple-profile

:TOOL_FNC sha-cup_dimple-tool
)
* 
カスタマイズしたショップファイルは必ず
sha_customize ファイルで指定します。詳細については、 カスタマイズした TDB ファイルの導入を参照してください。
ステージ 5: sha_customize ファイルでの新しいツール関数の指定
Creo Elements/Direct Sheet Metal の起動時に常に新しいツール関数が自動でロードされるようにするには、sha_customize ファイルでツール関数を指定する必要があります。
たとえば、カスタマイズした穴開け (およびカットアウト) ツール関数ファイルの名前が my_punch_func.lsp で、カスタマイズした絞りツール関数ファイルの名前が my_stamp_func.lsp である場合、sha_customize ファイルの末尾に以下の行を追加する必要があります。
(sha-tdb-load "my_punch_func.lsp")
(sha-tdb-load "my_stamp_func.lsp")
ステージ 6: 新しい絞りツールタイプのテスト
以下の手順を実行して、新しい絞りツールタイプをテストします。
1. 以下の方法のいずれかを使用して、Creo Elements/Direct Sheet Metal に新しい絞りツールタイプをロードします。
Creo Elements/Direct Sheet Metal の再起動
または、
Creo Elements/Direct Sheet Metal がすでに実行中の場合、Creo Elements/Direct Sheet Metal ウィンドウの最下部のコマンド行をクリックし、次のコマンドを入力してショップ定義ファイルをロードします。
(sha-tdb-load "my_shop.lsp")
2. 「絞り」メニューの「Cup Dimple」を選択します。
3. 「ツール」をクリックします。新しいカップディンプル絞りツールが別の選択リストに表示されます。
4. 好みのカップディンプルツールを選択して適用します。この操作の結果は、次の例のようになります。
図 191. 図 5. カップディンプル絞り集合体
5. 作成された絞り集合体を調べます。
非パラメトリック絞りツール
パラメトリック絞りツールタイプのほかに、ユーザが自由に使える非パラメトリック絞りツールタイプがいくつか提供されています。非パラメトリックツールは単一のパラメータレコードで定義されます。これは、そのようなツールは単一サイズでしか使用できないということです。
このような定義済みの非パラメトリック絞りツールを使用する場合は、ショップ定義ファイルの "絞りタイプ" テーブルで、使用するツールタイプを宣言します。その後、関連付けられたツールテーブルをショップ定義ファイルに追加します。次の 非パラメトリック絞りツールとタイプエントリの追加に、方法の例を示します。
別の方法として、独自の非パラメトリック絞りツールをゼロから作成することもできます。その方法を以下で簡単に説明します。
非パラメトリック絞りツールとタイプエントリの追加
非パラメトリック絞りツールタイプを TDB に追加する場合は、以下の手順を実行します。
ステージ 1: カットアウトプロファイルと基準点の作成
ステージ 2: 絞りツールパーツの作成
ステージ 3: ショップ定義ファイルに新しい絞りツールタイプを定義
方法は、 パラメトリック絞りツールタイプの追加で説明した手法と似ています。ただし、絞りツールパーツの作成は、非パラメトリックツールの方が単純です。
ステージ 1: カットアウトプロファイルと基準点の作成
非パラメトリック絞りツールのカットアウトプロファイルを作成するには、以下の手順に従います。
1. Creo Elements/Direct Modeling の「2D 作成」コマンドまたは関連マクロコマンドを使用して、新しいカットアウトプロファイルとワークプレーンを作成します。プロファイルの中心が原点にあり、新しいカットアウトプロファイルが、設計中の絞りツールパーツの外側輪郭線に従っていることを確認します。
2. 基準点の役割を果たす 2D 下書き点を追加します。"中央" の基準点が原点 (0,0) にあることを確認します。
3. Creo Elements/Direct Sheet Metal の絞りツールのデフォルトディレクトリまたは独自の絞りツールディレクトリにワークプレーンを 3D 形式で保存します。デフォルトディレクトリは次のとおりです。
$INSTALLDIR/personality/SheetAdvisor/stamp
* 
Creo Elements/Direct Modeling は、サーチディレクトリとして指定されたディレクトリからワークプレーンとパーツの情報をロードします。サーチディレクトリにディレクトリを追加するには、
(SEARCH_DIRECTORIES :append "$INSTALLDIR/personality/SheetAdvisor/stamp")
という構文を使用します。
別の方法として、新しいカットアウトプロファイルのワークプレーンとプロファイルを保存するファイルのフルパス名を指定します。たとえば、ユーザの名前が Jane で新しいカットアウトプロファイルをホームディレクトリに保存する場合は、次のようなパス名とファイル名を指定します。
/users/jane/cutout_X.sdw
「ファイル」メニューの「トップレベルのインスタンスファイル」ボタンがオフの場合、関連付けられた .sdwc ファイルと .sdw ファイルが Creo Elements/Direct Modeling によって自動的に作成されます。このボタンがオンの場合、単一のファイル (.sdwc) のみが生成されます。いずれかの方法を使用できます。
ステージ 2: 絞りツールパーツの作成
非パラメトリック絞りツールを作成するには、以下の手順に従います。
1. Creo Elements/Direct Modeling コマンドを使用して、絞りツールパーツを作成します。このパーツの外側輪郭線が、関連付けられたカットアウトプロファイルと一致することを確認します。
* 
厚さを動的に変更する非パラメトリック絞りツールを作成する場合は、厚さが正確に 1 mm の絞りツールパーツを作成する必要があります。
2. Creo Elements/Direct Sheet Metal の絞りツールのデフォルトディレクトリまたは独自の絞りツールディレクトリに、新しい絞りツールパーツをワークプレーンなしの 3D データ形式で保存します。デフォルトディレクトリは次のとおりです。
$INSTALLDIR/personality/SheetAdvisor/stamp
ツールが簡単に識別できるファイル名を指定します (例: emboss_X.sdp)。
別の方法として、新しい絞りツールパーツを保存するファイルのフルパス名を指定します。たとえば、ユーザの名前が Jane で新しい絞りツールパーツをホームディレクトリに保存する場合は、次のようなパス名とファイル名を指定します。
/users/jane/emboss_X.sdp
「ファイル」メニューの「トップレベルのインスタンスファイル」ボタンがオフの場合、関連付けられた .sdpc ファイルと .sdp ファイルが Creo Elements/Direct Modeling によって自動的に作成されます。このボタンがオンの場合、単一のファイル (.sdpc) のみが生成されます。いずれかの方法を使用できます。
新しいツールファイルを保存するディレクトリが Creo Elements/Direct Sheet Metal カスタマイズファイルで指定されていることを確認します。新しいツールをデフォルトの絞りツールディレクトリに保存した場合は、フルパスを指定する必要はありません。
ステージ 3: ショップ定義ファイルに新しい絞りツールタイプを定義
カットアウトプロファイルと絞りツールパーツの両方を作成したら、以下の手順に従って、両方のエントリをショップ定義ファイルに含めます。
1. ショップ定義ファイル (sha_demoshop.lsp ファイルの作業コピー、例: my_shop.lsp) を開きます。
2. スクロールして "絞りタイプ" テーブルを表示します。
3. 新しい絞りツールタイプの名前を追加します (Embossed X など)。結果として作成された "絞りタイプ" テーブルを下に示します。
(sha-define-shop-table "stamps"
:TABLE-TITLE "Stamp Types"
:COLUMNS
( :TOOL_TYPE :DESCRIPTION ) ; The :TOOL_TYPE column must exist
:COLUMN-NAMES
("Tool Type" "Description")
:UNITS ( nil nil )
:CONTENTS
( ; v localizable names
("emboss_x" "Embossed X")
("csnk_rnd" "Countersink Round")
("spp" "Semipierced Protrusion")
("spr" "Semipierced Rectangle")
("cup_dmp" "Cup Dimple")
("dmp" "Dimple")
("dmph" "Dimple With Hole"
)
4. ショップ定義ファイルの "絞りツール" セクションで、既存の絞りツールテーブルをコピーするか、新しい絞りツールテーブルを追加します。
5. このテーブルに :PROF_WP 列と :TOOL_PART 列があることを確認します。新しい絞りツールは非パラメトリックであるため、ツールテーブルに :PROF_FNC エントリまたは :TOOL_FNC エントリは不要です。
6. :PROF_WP 列には、ワークプレーンとカットアウトプロファイルを保存した .sdw ファイルの名前を指定します。
7. :TOOL_FNC 列には、絞りツールパーツを保存した .sdp ファイルの名前を指定します。
非パラメトリック絞りツールのサンプルツールテーブルを以下に示します。
(sha-define-shop-table "letter_a"
:TABLE-TITLE "Letter A"
:COLUMNS
(:LENGTH :WIDTH :STAMP_DIR :DESCR :TOOL_ID :MIN_THICK :MAX_THICK
:PROF_WP :TOOL_PART :ADVICE)
:COLUMN-NAMES
("Length" "Width" "Stamp Dir" "Descr" "Tool Id" "Min Thick" "Max Thick"
"Prof WP" "Tool Part" "Advice")
:UNITS (:mm :mm nil nil nil :mm :mm
nil nil nil)
:CONTENTS
(
(25 16 :UP "A #1" "AA11" 1.00 1.50
"/users/Jane/cutout_X.sdw" "/users/Jane/emboss_X.sdp" "-")
)
:KEY (:LENGTH :WIDTH :STAMP_DIR)
:DISPLAY (:LENGTH :WIDTH :STAMP_DIR :ADVICE)
:FLAT-TEXT (:TOOL_ID)
)
* 
新しい絞りツールの厚さを動的に変更しない場合は、ショップテーブルに :DESIGN_THICK 列を追加します。
* 
カスタマイズしたショップファイルは必ず sha_customize ファイルで指定します。詳細については、 カスタマイズした TDB ファイルの導入を参照してください。