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複数行の編集でのトラブルシューティング
複数行の編集中にはさまざまなエラーが発生する可能性があります。
ファイルオープンエラー
複数行の編集ですでにドキュメントを開いているときに、同じドキュメントの 2 つ目のインスタンスを開こうとすると、エラーメッセージが表示されます。メッセージには、複数行の編集モードでも単一行の編集モードでもドキュメントを同時に開くことはできないことが示されます。既に開いているドキュメントを CLI を使用して開こうとすると、同じメッセージが表示されます。また、2 つの同じドキュメントを単一行の編集モードのビューで開き、「オプション」ウィンドウの「編集」タブで複数行の編集モードを有効にしようとした場合も、同じメッセージが表示されます。
バックアップ回復エラー
バックアップファイルは複数行の編集においてのみ適用されます。バックアップファイルはファイルシステムに依存するため、ファイルシステムを変更すると未保存の変更をバックアップファイルに書き込むことができなくなります。このような場合、赤色のバナーが表示され、発生したエラーのタイプを示します。このバナーには 3 つのボタンが表示されます。
「エラーの詳細を表示」 - このボタンをクリックすると、「バックアップエラー」ウィンドウが開き、エラーに関する情報が表示されます。これらのボタンの説明の後に、バックアップエラーが発生する理由の詳細が表示されます。
「複数行の編集をオフ」 - このボタンをクリックすると、複数行の編集をオフにし、単一行の編集を有効にします。その後、ドキュメントが単一行の編集モードで開きます。バックアップファイルは複数行の編集に特有のものなので、このオプションを使うとバックアップファイルなしで作業できます。また、より頻繁に保存することが強制されるので、非常に多くの変更が累積されることを防止します。
「詳細情報」 - このボタンをクリックすると、未保存の変更の回復に関する Windchill RV&S ヘルプセンターのトピックが開きます。詳細については、複数行の編集での未保存の変更の回復を参照してください。
バックアップエラーは、バックアップファイルの作成、書き込み、または読み込みが試行されたときに発生します。バックアップエラーの赤色のバナーには、いくつかのバリエーションが存在します。
「バックアップに失敗しました」というバナーでは、変更をバックアップしようとしたときにエラーが発生したことが示されます。このバナーは、ドキュメントの編集中に突然、バックアップファイルへの権限が読み取り専用に設定されると表示されます。「エラーの詳細を表示」をクリックすると、バックアップファイルへの書き込み中に発生したエラーの詳細が表示されます。潜在的な問題を修正したら、以降の変更がバックアップされるように、ドキュメントを閉じて開き直す必要があります。このバナーでは、以後のバックアップを防止するために複数行の編集をオフにすることもできます。ただし、未保存の変更が存在する場合、複数行の編集をオフにするボタンは使用できません。その場合、単一行の編集に切り替えるためには、先に変更を保存するか破棄する必要があります。ドキュメントを保存すると常に新しいバックアップファイルが作成されます。
「回復に失敗」というバナーでは、バックアップファイルが破損し、変更を回復できないことが示されます。このバナーは、クライアントが予期せずシャットダウンし、再起動の際に破損したバックアップファイルからドキュメントの回復が試行されたときに表示されます。これは、ドキュメントに行われた変更がすべて紛失するというごく稀なケースです。「エラーの詳細を表示」をクリックすると、バックアップファイルへの読み取り中に発生したエラーの詳細が表示されます。新しいバックアップファイルが作成されるので、バナーを閉じてドキュメントでの作業を継続できます。
「バックアップで初期化に失敗しました」というバナーは、バックアップファイルが作成できないことを示します。このバナーは、バックアップフォルダが書き込み不可になっている場合に表示されます。「エラーの詳細を表示」をクリックすると、バックアップファイルの作成中に発生したエラーの詳細が表示されます。潜在的な問題を修正したら、以降の変更がバックアップされるように、ドキュメントを閉じて開き直す必要があります。
バックアップファイルに関する追加情報がその後に続きます。
バックアップファイルは最上位のコンテキストに対してのみ作成されます。サブドキュメントを含むドキュメントの場合、サブドキュメントに対する未保存の変更が予期せぬシャットダウンの後で回復されるのは、サブドキュメントではなく親ドキュメントを開いた場合のみです。
たとえば、ドキュメント A はドキュメント B を含んでいます。複数行の編集が有効なとき、ドキュメント A を開くと最上位ドキュメント A のバックアップファイルが作成されます。このバックアップファイルにはドキュメント A とその中のドキュメント B の両方に行われた未保存の変更が含まれます。ここで、予期せぬシャットダウンが発生したと仮定します。
ドキュメント A を開くと、ドキュメント A とその中のドキュメント B に含まれる未保存の変更が復元されます。
ドキュメント B を開くと、ドキュメント A 内で行われたドキュメント B への未保存の変更はすべて復元されません。
タイムエントリパネルに入力したタイムエントリはフィールドではないため、復元できません。
保存エラー
ブランチされたコンテンツの保存
他のドキュメントに格納されているドキュメント内で 1 つ以上のノードを変更し、そのドキュメントを別のユーザーがブランチした場合、他のドキュメントが格納されているドキュメント内で作業を行うと、保存エラーが発生します。保存エラーが発生した場合、2 つのボタンが付いたバナーが表示されます。
「エラーを表示」 - このボタンをクリックすると「保存エラー」ウィンドウが開き、実行できなかった変更が表示されます。各コンテンツアイテムの情報は、ボタンの説明の後に表示されます。
「詳細情報」 - このボタンをクリックすると、この Windchill RV&S ヘルプセンターのトピックが開きます。
保存エラーが発生するシナリオを以下に示します。
1. 複数行の編集モードでドキュメント A を開き、ドキュメント A に格納されているドキュメント B で 1 つ以上のノードを変更する。
2. 別のユーザーが単一行の編集モードまたは複数行の編集モードでドキュメント A を開き、ドキュメント B で「コンテンツ」 > 「ブランチ」を選択してドキュメント B をブランチする。
3. 変更内容をドキュメント A に保存する。
上記の場合、格納されているドキュメント B は編集の開始後に削除されたため変更できないということを通知する保存エラーメッセージが表示されます。新しくブランチされたドキュメント B により、変更した元のドキュメント B が置き換えられます。
コピーされたコンテンツの保存
コピーされたコンテンツは、新しいコンテンツと同様に処理され、コンテンツに対する変更内容を保存する際に、編集可能かどうかが確認されます。コピーされた 1 つ以上のフィールドが編集不可である場合、MKS124155 エラーが発生するため、変更内容は保存されません。この問題を解決するには、mksis.im.allowCopyingNonEditableFieldValues プロパティを true に設定します。詳細については、データベースに格納されるワークフローとドキュメントのプロパティを参照してください。
再同期エラー
再同期エラーはフィールドの編集可能性規則が編集不可に変わった場合に発生する可能性があります。再同期を行う際に、「保存エラー」のトピックで説明したシナリオを実行した場合も、再同期エラーが発生します。再同期化エラーが発生した場合、2 つのボタンが付いたバナーが表示されます。
「エラーを表示」 - このボタンをクリックすると、「再同期エラー」ウィンドウが開き、実行できなかった変更が表示されます。各コンテンツアイテムの情報は、ボタンの説明の後に表示されます。
「詳細情報」 - このボタンをクリックすると、この Windchill RV&S ヘルプセンターのトピックが開きます。
実行できなかった変更が存在する各コンテンツアイテムについて、影響を受けるフィールド、エラーの原因、変更内容に関する情報が表示されます。
タイムエントリが編集できなくなっている場合、再同期時に報告されるエラーにタイムエントリの変更が含まれます。このようなエラーでは、サーバーに保存されている値が受け入れられます。
ドキュメントロックエラー
複数行の編集モードの場合、ドキュメントのロックとロック解除を行うことができます。保存または再同期を実行すると、Windchill RV&S によってフィールドのロック属性が確認され、ロックに関する問題が存在する場合はエラーメッセージが表示されます。このエラーメッセージには、問題の解決方法も記載されています。
以下の表に、ロックの問題が発生する可能性のあるシナリオを示します。ドキュメントロックのエラーが発生すると、保存または再同期を開始する前にドキュメントに存在したすべての編集はドキュメントで保持されます。ドキュメントをロックする必要がある場合は、ロックを 1 つだけ取得することができます。
シナリオ
許可された修正
行われた修正
保存
再同期
ドキュメントロックは不要で、ドキュメントはロックせずに開かれます。
すべてのフィールドを修正できます。
編集がロックされたフィールド、編集がロックされていないフィールド
許可
許可
ドキュメントロックが必要で、ドキュメントはロックせずに開かれます。
フィールド編集がロックされていないフィールドのみ編集できます。ドキュメントを開くときにビューがロック要件を認識しているため、どのフィールドが編集可能かがわかります。
編集がロックされていないフィールド
許可
許可
ドキュメントロックは不要で、ドキュメントはロックせずに開かれます。ただし、管理者がドキュメントを開いた後にロックを必要としました。
すべてのフィールドを修正できます。ドキュメントを開くときにビューがロック要件を認識していないため、すべてのフィールドが編集可能であると考えます。
編集がロックされていないフィールドのみ
許可
許可
編集がロックされたフィールドを含むフィールド
許可されません
許可されません
ドキュメントを開く前に別のユーザーによってロックされています。
ユーザーがロックグループに含まれていない限り、編集がロックされていないフィールドのみ修正できます。ドキュメントを開くときにビューがロックを認識しているため、どのフィールドが編集可能かがわかります。
編集がロックされていないフィールド (およびユーザーがロックグループに含まれている場合は、編集がロックされたフィールド)
許可
許可
ドキュメントを開いたときにロックされておらず、かつロックは必要ありません。ただし、最初のユーザーがドキュメントを開いた後で 2 番目のユーザーがドキュメントをロックします。
最初のユーザーがロックグループに含まれているかどうかに関わりなく、すべてのフィールドを修正できます。これは、2 番目のユーザーがドキュメントをロックしたことをビューが認識していないためです。
編集がロックされたフィールド
最初のユーザーがロックグループに含まれない限り許可されません
最初のユーザーがロックグループに含まれない限り許可されません
ドキュメントがロックされ、ユーザーがロックグループに含まれていません。ただし、ロックはセッション中に解除され、ロックは必要ありません。
編集がロックされていないフィールドのみ修正できます。これはドキュメントを開いたときにビューが持っていた情報により異なります。
編集がロックされていないフィールド
許可
許可
複数行の編集に固有の動作
QBR (クエリーに結び付けられた関連) フィールドには常に Windchill RV&S Server から返された最新の値が表示されます。複数行の編集では、これらの値がアイテムの他のデータと必ずしも一致するわけではありません。
保留中のインポートエラー
次のトピックでは、保留中のインポートを使用して、サーバーに保存する前に要件のレビューと変更を行う方法を説明します。保留中のインポートは、「ドキュメント」ビューの設定に関わらず、常に複数行の編集で開かれます。保留中のインポートの読み込み時に問題が発生したときは、発生したエラーのタイプに応じて赤色か黄色のバナーが表示されます。これらのバナーには 2 つのボタンが表示されます。
「エラーを表示」 - このボタンをクリックすると、「保留中のインポートエラー」ウィンドウが開き、エラーに関する情報が表示されます。これらのボタンの説明の後に、保留中のインポートエラーが発生する理由の詳細が表示されます。
「詳細情報」 - このボタンをクリックすると、この Windchill RV&S ヘルプセンターのトピックが開きます。保留中のインポートについての詳細は、複数行の編集での保留中のインポートの読み込みを参照してください。
保留中のインポートエラーのバナーには 2 つのバリエーションが存在します。必要に応じて、これらのバナーのいずれかを閉じて、ドキュメントを確認して変更することができます。
赤色の「保留中のインポートに失敗」のバナーは、ドキュメントの保留中のインポートが失敗し、「ドキュメント」ビューに変更が読み込まれなかったことを示します。このバナーは保留中のインポートが何らかの理由で破損しているか、Windchill RV&S の外部で変更されている場合に表示されます。「エラーを表示」をクリックすると、保留中のインポートを読み込むときに発生したエラーが表示されます。
黄色の「保留中のインポート (エラーあり)」のバナーは、保留中のインポートファイルは開かれているものの、一部の変更が読み込まれなかったことを示します。その後、保存する前に確認して必要な変更を行うよう促されます。「エラーを表示」をクリックすると、指定されたアイテム ID に対して実行できなかった変更が表示されます。たとえば、フィールドが編集可能ではない、またはアイテムタイプで表示されていない、添付を読み込めないなどが挙げられます。
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保留中のインポートエラーとバックアップエラーの両方のバナーが同時に表示される場合があります。たとえば、黄色の「保留中のインポート (エラーあり)」というバナーと赤色の「バックアップに失敗しました」というバナーが両方表示されることがあります。同様に、赤色の「保留中のインポートに失敗」というバナーと赤色の「バックアップで初期化に失敗しました」というバナーが両方表示されることもあります。
保留中のインポートが開かれているときに Windchill RV&S Client が予期せずにシャットダウンした場合、次にその保留中のインポートを開くときに未保存の変更が復元します。黄色のバナーには、復元されたドキュメントにすべての未保存の変更が復元されたかどうかが示されます。復元できない変更が存在する場合は、黄色のバナーに「エラーを表示」ボタンと「詳細情報」ボタンが表示されます。保留中のインポートは常に複数行の編集用に開くので、保留中のインポートではバックアップファイルが常に未保存の変更を復元するために存在しています。詳細については、複数行の編集での未保存の変更の回復を参照してください。