時間損失ウォーターフォール図
時間損失ウォーターフォール図では、包括的な損失が視覚化され、損失カテゴリの概要を理解するためのフレームワークが提供されています。ウォーターフォール図に表示されるデータは、
適用されたフィルタによって決まります。ウォーターフォール図のタイトルには、フィルタで選択された設備の名前が含まれます。フィルタで特定の材料が選択されている場合、チャートのタイトルには選択した材料の名前も含まれます。
メインチャートの下にある
2 つの追加枠には、メインのウォーターフォール図で表示および選択されるデータに関する詳細が提示されます。
ウォーターフォール図内の各棒グラフの時間数は、棒グラフの上部に表示されます。バーの方向は、数値が正であるか負であるかによって決まります。正の数値は、バーが下から上に表示されていることを示します。負の数値は、バーが上から下に表示されていることを示します。
「週平均を表示」切り替えを使用して、
週 168 時間に正規化されたデータをメインのウォーターフォール図に表示します。下部の枠内の情報は、このビューによる影響を受けません。
(PTC クラウド顧客限定) ThingWorx Analytics Server からのデータを検索して、時間損失に関連する影響が最も大きいシナリオを識別するには、
「損失インサイトを表示」をクリックします。詳細については、
損失インサイトの表示を参照してください。
適用された設備フィルタがサイト、区分、または作業拠点に対するものであり、フィルタされた日付範囲が 1 か月 (31 日) 以内である場合、
「イベントログを表示」をクリックすると、現在表示されているデータの損失イベントを示す
読み取り専用イベントログが開きます。
チャート内の棒グラフにカーソルを合わせると、その棒グラフの合計時間がツールヒントに表示されます。
| チャート内の棒グラフを選択した後、キーボードの左右の矢印キーを使用すると、他の棒グラフに移動して、それらのツールチップを表示することができます。青色の棒グラフに移動したら、ENTER キーを押してその棒グラフを選択できます。これは、チャート内に非常に大きな棒グラフと非常に小さな棒グラフの両方がある状況では特に役立ちます。小さな棒グラフはカーソルを合わせて選択するのが難しい場合があるためです。 |
ズームインするには、
をクリックします。チャート上で、詳細を確認する部分をクリックしてドラッグすることで、ズームインすることもできます。ズームアウトするには、
をクリックします。チャート全体の表示に戻すには、
「リセット」をクリックします。チャートをズームまたはリセットしても、フィルタされた情報に影響はありません。
灰色と青色の棒グラフについて
ウォーターフォール図上の青色の棒グラフは時間損失を表し、高レベルの損失カテゴリにグループ化されています。ウォーターフォール図では、これらは、
損失イベントを入力するときに
「イベントカテゴリ」として設定される損失カテゴリ、およびまだ不明な時間損失です。選択した設備と日付範囲のデータがある損失カテゴリのみが、ウォーターフォール図に青色の棒グラフとして表示されます。
「不明時間」以外の、各青色の棒グラフに表示される時間損失は、選択した
「設備」フィルタ内のすべての作業ユニット (以前の先導作業ユニットを含む) における、そのイベントカテゴリを持つすべての損失イベントの合計です。
• 「計画ダウンタイム」 - 定期的なメンテナンスなど、設備が稼働しないことがスケジュールされている時間。
• 「計画外のダウンタイム」 - 停電など、設備が稼働しないことがスケジュールされていない時間。
• 「段取り替え」 - 別の材料を生産するために設備を再設定することに費やされる時間。
• 「効率低下」 - 実行中の設備の正常な機能が損なわれるなど、設備が稼働している間の効率の低下。
• 「短時間の中止」 - オペレーションで、ダウンタイムと見なすには小さすぎるささいな中止によって失われた時間。
• 「スクラップ」 - 理想的なサイクルタイムに基づき、スクラップされた材料に相当する時間損失。スクラップの時間損失は、スクラップされたユニットの数に、その設備でのその材料の理想サイクルタイムを乗じたものとして計算されます。
• 「不明」 - 原因不明の時間損失。
• 「不明時間」 - 損失イベントが何も入力されていない時間損失。フィルタされた日付範囲に現在の日付が含まれている場合、これには現在の時間までのすべての不明時間が含まれます。過剰な生産がある場合、または間違って損失時間を生産ブロックの期間よりも長くログ記録した場合、「不明時間」の計算結果が負の値になることがあります。この場合、ウォーターフォール図でバーが正の値として表示されます。
メインのウォーターフォール図で、
「不明時間」以外の青色の棒グラフを選択すると、
下部の枠に表示される情報が変更されます。
ウォーターフォール図上の灰色の棒グラフは、時間損失がない時間を表しています。
• 「合計時間」 - 選択した「設備」フィルタ内のすべての先導作業ユニットを対象とした日付範囲内の合計時間数。たとえば、4 月 5 日から 4 月 14 日までの「日付範囲」フィルタと、サイト A に対する「設備」フィルタを適用したとします。日付範囲の合計は 10 日、すなわち 240 時間です。サイト A には 4 つの作業拠点があります。各作業拠点には 1 つの先導作業ユニットがあり、合計 4 つの先導作業ユニットがあります。ウォーターフォール図に表示される合計時間は 960 時間です。すなわち 10 日に 24 時間を乗算し、さらに 4 つの先導作業ユニットを乗算したものです。
• 「スケジュール未設定」 - スケジュールされたシフト以外の時間。
• 「計画された生産」 - スケジュールされたシフトとして生産が予定されている時間。
• 「超過作業時間」 - スケジュールされたシフト以外での作業時間、および超過作業時間シフトとして指定されたシフト中での作業時間。
• 「有効時間」 - 材料を効率的に生産するために使用されている合計時間。これは、計画された生産時間に超過作業時間を加えたものから、すべての損失を減算することによって計算されます。過剰な生産がある場合は、負の「不明時間」値が発生する可能性があり、これによってウォーターフォール図に「有効時間」値が負で表示される可能性があります。
詳細については、
DPM での時間計算を参照してください。
下部の枠
メインのウォーターフォール図の下には、メインのウォーターフォール図に表示されるデータに関する追加情報が 2 つの枠に表示されます。これらの下部の枠は、「週平均を表示」切り替えによる影響を受けません。
左側の枠には、「時間損失のトレンド」図が表示されます。メインのウォーターフォール図で青色の棒グラフが選択されていない場合、すべての損失カテゴリの損失時間の合計が日付範囲で日ごとに表示されます。この表示では、チャートのタイトルは「時間損失のトレンド - すべて」です。青色の棒グラフが選択されている場合、表示される時間損失の値は、その損失カテゴリのみが対象です。この表示では、チャートのタイトルには、「時間損失のトレンド - スクラップ」など、選択した棒グラフの損失カテゴリが含まれています。このトレンド図には、メインのウォーターフォール図と同じズーム機能があります。
メインのウォーターフォール図で、灰色の棒グラフもしくは「不明時間」損失カテゴリの青色の棒グラフが選択されている場合、または何も選択されていない場合、右側の枠には、メインのウォーターフォール図に示されている、フィルタされた設備と日付範囲に関するサマリー情報が表示されます。
この情報には次の内容が含まれています。
• 「OEE」 - OEE (設備全体の効率) 値。
• 「損失合計」 - 損失時間の合計。これは、フィルタされた日付範囲と設備の損失時間の合計です。日付範囲に現在の日付が含まれている場合、この合計には現在の生産ブロックの終了までのすべての不明時間が含まれます。「不明時間」バーの値が負の場合、「損失合計」値が負の値になることがあります。
• 「ジョブ」 -
◦ 「完了」 - 日付範囲内で完了したジョブオーダーの数。
◦ 「スケジュール」 - 日付範囲内でスケジュールされたジョブオーダーの数。スケジュールされたジョブオーダーとは、日付範囲内に計画された終了日または完了日がある、あらゆる
ステータスのジョブオーダーのことです。
• 「材料」 -
◦ 「生産」 - 日付範囲内で選択した設備で完了したジョブオーダーに対して生産された良品材料の数。
◦ 「スケジュール」 - 日付範囲内で生産されるようにスケジュールされた材料の数。これは、スケジュールされたすべてのジョブオーダーのターゲット数量の合計です。
メインのウォーターフォール図で、「不明時間」以外の損失カテゴリの青色の棒グラフが選択されている場合、右側の枠には、選択した損失カテゴリの「時間損失の詳細」が表示されます。
次のような詳細があります。
• 「損失時間」 - 損失カテゴリの損失時間の合計。
• 「インシデント」 - 青色の棒グラフで示される損失イベントの数。
• 「損失平均」 - 「損失時間」を「インシデント」で除算することで計算された損失平均。