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コスト見積もり
Creo Elements/Direct Sheet Metal ユーザによるコスト見積もりは、3D データモデルから導き出したパラメータまたはコストモデルそのものが保持しているパラメータに左右されます。
この章では次のトピックについて説明します。
コストモデルファイル
カスタマイズしたコストモデルの作成と適用
コストモデルファイル
コストモデルファイルは 3D モデルから以下の情報を導き出します。
partname
板金パーツの Creo Elements/Direct Modeling 名
material
材質 ID
thickness
材質の厚さ
bends
曲げの数
diff-bends
異なる曲げの数
hems
ヘム曲げの数
diff-hems
異なるヘム曲げの数
flat-width
展開図を囲むボックスの幅
flat-height
展開図を囲むボックスの高さ
body-width
板金本体を囲むボックスの幅
body-height
板金本体を囲むボックスの高さ
body-depth
板金本体を囲むボックスの深さ
punches
穴開け集合体の数
diff-punches
異なる穴開け集合体の数
stamps
絞り集合体の数
diff-stamps
異なる絞り集合体の数
nibble-len
非集合体要素の全長
contour-punches
非直線非形状の要素数
以下の情報はコストモデルそのものに保持されているか計算によって得られます。
x y
ミルによって供給される未加工シートのサイズ
cost
未加工シート 1 枚の単価
punch-qty-x
未加工シート 1 枚に水平におさまる展開図の数
punch-qty-y
未加工シート 1 枚に垂直におさまる展開図の数
punch-qty
未加工シート 1 枚から生産できる展開図の数
punch-qty-rotated
未加工シート 1 枚から生産できる 90 度回転した展開図の数
punch-runtime
パーツごとの穴開け機械加工時間
punch-setuptime
穴開け機械の設定時間
punch-rate
単位時間あたりの穴開け機械のコスト
fold-runtime
パーツごとの折り曲げ機械加工時間
fold-setuptime
折り曲げ機械の設定時間
fold-rate
単位時間あたりの折り曲げ機械のコスト
mat-costs
ロットサイズに依存する材質コスト
punch-costs
ロットサイズに依存する穴開けコスト
fold-costs
ロットサイズに依存する折り曲げコスト
コストモデルではこの情報を使用して製造コストを計算します。たとえば、costmodel.lsp ファイルには、所定のスチールまたはアルミ圧延機によって供給される板金の寸法を指定する以下のセクションがあります。
((string= material "AA 5052" ) (setq x 1000) (setq y 1250) (setq cost 12.5))
((string= material "UST 1203") (setq x 750) (setq y 1000) (setq cost 17.5))
((setq x 750) (setq y 1000) (setq cost 17.5)))
;; default cost/size
このセクションの意味は次のとおりです。
デフォルトで、AA 5052 アルミシートのサイズは 1000 mm × 1250 mm です。シートあたりの単価は任意の通貨単位で 12.5 です。
デフォルトで、UST 1203 スチールシートのサイズは 750 mm × 1000 mm です。シートあたりの単価は任意の通貨単位で 17.5 です。
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Creo Elements/Direct Sheet Metal は通貨パラメータを処理しません。地元の通貨を反映するには、単純にコストの数値を変更します。
シートサイズ
コストモデルファイルで指定されたシート寸法は以下のパラメータを制御します。
このシートから生産できる板金パーツ (展開図) の最大サイズ。
シートあたりの板金パーツの歩留まり (量)。Creo Elements/Direct Sheet Metal で歩留まり算出のために使用される計算式も、costmodel.lsp ファイルに含まれています。Creo Elements/Direct Sheet Metal では、"未加工" のシート素材のサイズに対して、展開図の水平寸法と垂直寸法が単純にチェックされます。
製造工程の時間とレート
costmodel.lsp ファイルには、穴開け、絞り、曲げ、ヘム曲げ、段曲げ工程に関する以下の処理時間とレートが定義されています。
処理実行時間
設定時間
機械時あたりのレート
秒あたりのレート
ロットサイズ
以下のデフォルトロットサイズは costmodel.lsp ファイルで指定されています。
1
5
10
50
100
500
1000
コストは以上のロットサイズごとに計算されます。
カスタマイズしたコストモデルの作成と適用
Creo Elements/Direct Sheet Metal に付属する costmodel.lsp ファイルの作業コピーを作成して編集すると、独自の (カスタム) コストモデルファイルをすばやく簡単に作成できます。
次の操作を行います。
1. costmodel.lsp ファイルをコピーして my_costmodel.lsp のような名前に変更します。
2. テキストエディタ (vi など) で my_costmodel.lsp ファイルを開きます。
3. この新しいコストモデルファイルにカスタム材質 ( 材質を参照) を追加します。追加の材質については供給時のサイズとコストを指定します。
4. その他のパラメータ (実行時間、設定時間、レートなど) を適切に変更します。
5. コストモデルファイルを保存します。
6. デフォルトパスを使用しないかぎり、新しいコストモデルファイルのフルパス名を sha_customize で指定してください。詳細については、 カスタマイズした TDB ファイルの導入を参照してください。
この手順を繰り返して、組織のさまざまな部門向けに複数のコストファイルを作成できます。
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コストモデルは常に最新の展開図に適用されます。