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板金パーツの展開
製造を実際に開始する前に行うべき最終ステップに、2D 図面の作成があります。この 2D 図面は、設計内容を平板化したもので、シートが曲げられる前の状態を表します。
Creo Elements/Direct Sheet Metal が展開できるのは、材質属性のあるパーツだけです。製造ショップも指定しておかなければなりません。また、設計の中に鋭角曲げがある場合、sha_customize ファイルに、こうした曲げ用の半径の初期値を指定しておく必要もあります。
ここで生成された展開図は、ショップの曲げ補正値をもとにしています。選択したショップが違うと、パラメータとその結果作成される展開図が変わることがあります。
展開と割れ止めなしの曲げ
flat-generation アルゴリズムが拡張され、no relief のケースを処理できるようになりました。no reliefs が使用されている領域は、展開図で接続されます。この動作は、既存の割れ止めを削除する置換マクロと同じです。機能はメインアルゴリズムに実装されているため、補足的な操作は必要ありません。ワークプレーン上でも使用できます。
Rev. 7.5 以前の CoCreate Sheet Metal で作成した板金パーツには、それより後のバージョンでパーツの展開時に使用される追加情報が含まれていません。Creo Elements/Direct Sheet Metal ではこの追加情報を、2D 展開内の曲げ領域の (穴開けされた曲げを含む)、もとの解析曲線を回復するために使用します。このデータがなければ、曲線は 2D スプラインに展開されます。そのため、8.0 より前のバージョンの Creo Elements/Direct Sheet Metal で作成したパーツを 2D に展開した場合は、予想どおりの結果が得られないことがあります。
Creo Elements/Direct Modeling の Creo Elements/Direct Annotation モジュール内で、展開図を直接作成することもできます。Creo Elements/Direct Annotation の「セットアップ」グループで、「従属ビュー」 > 「展開図の作成」を使うと、板金パーツの展開したビューを生成できます。このビューには、Annotation のさまざまな 2D 図面ツールを使ってアノテーションを付加できます。
展開図はワークプレーン、MI ファイル、または Creo Elements/Direct Drafting にも出力できます。
出力内容をワークプレーンに書き込む場合、Creo Elements/Direct Sheet Metal は展開図を含む新しいワークプレーンを、基準面としてクリックした面に平行に配置します。この展開図には、展開した図形と曲げを示す線しか含まれません。そのため、その展開図にオーバラップ等の問題がないかどうか、限られた範囲内で視覚的にチェックできます。割り当てられた属性、マークされたエラー領域、注釈テキストは一切表示されません。詳しい内容を見るには、展開図を Creo Elements/Direct Annotation 内で作成するか、MI ファイルに書き込むか、または Creo Elements/Direct Drafting に直接書き込みます。
Creo Elements/Direct Drafting が実行されている場合、出力内容を Creo Elements/Direct Drafting に書き込むと、図面が Creo Elements/Direct Drafting で表示されます。
オプションとして、Creo Elements/Direct Drafting またはワークプレーンの座標系で展開図の位置を定義できます。
非直交側面を持つ板金パーツの展開
板金パーツの設計において、構成するほかのパーツで平らにされるパーツの場合、稜線に次の図のような "テーパ" をつけることがあります。このように直交しない側面の場合、展開図のどちら "側" でも面形状が異なる(一致しない)結果になります。
通常ショップでは、非直交側面を以下の2つの方法の内の1つで作ります。
板金パーツに形状を追加する。付加には溶接などを用いることができます。この場合、短い方の展開図の長さを適用します。
板金パーツから形状を削除する。このような削除には研削や切削などを用いることができます。この場合、長い方の展開図の長さを適用します。
このような板金パーツとして、非直交側面 (1 および 2) を持ち、ほかのパーツに付加するように設計したパーツを次の図に示します。
"内面"、"外面" ともに考慮する場合、板金パーツの展開図は、次の図のようになります。
非直交側面を求める場合、以下に従って展開します。
1. 「Sheet Metal」をクリックしてから「後工程」グループで 「展開」をクリックします。「展開」ダイアログボックスが開きます。
2. ベース面をクリックします。(以下のステップで「両側」を選ばない限りベース面の選択によって展開図の大きさが決まります)。
3. 展開図に両側面を考慮する場合、「両側」を選びます。
4. 「止り穴集合体」をクリックし、止り穴集合体を平面上に投影します。
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止り穴集合体の面は、板金パーツの上面または下面に接続されていなければなりません。
非平面の展開
Creo Elements/Direct Sheet Metal では、以下のタイプの非平面を展開できます。
円柱面
円錐面
線形にスィープしたB-スプライン面
側面の展開
Creo Elements/Direct Sheet Metal では、面取りのような集合体を持つ側面を正確に展開できます。ツール処理を制御して、内側ツールの図形詳細を展開表示することもできます。詳細については、 展開図に対する情報出力の制御を参照してください。