手順 4: SAP 内で API アトミック機能を検証する
手順 4 の目的は、Windchill Enterprise Systems Integration で使用される個別の "アトミック" API に関連する SAP ベースの問題を特定することです。手順 4 はすべて SAP 配布ターゲットシステム内で実行します。この手順で問題を見つけることで、根本原因から EAI ソフトウェアコンポーネントが除外され、トラブルシューティングが簡単になります。
SAP Readiness Validation Process のこの手順では、指定したデータに基づいて、SAP 配布ターゲットシステムに実際のビジネスオブジェクトが作成されます。
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本番システムやビジネスに不可欠なシステムでは、これらの手順を実行しないでください。代わりに、本番環境をできるだけ正確にレプリケーションした開発システムまたはサンドボックスシステムを使用してください。
手順 4 と 5 では、ABAP 関数モジュールの開発、テスト、解析に使用される標準 SAP トランザクション SE37 を利用します。このトランザクションでは、将来使用するためにテストデータを保存したり、回帰テストを実行したりするなど、このドキュメントでは説明していないいくつかのテスト機能を利用できます。このトランザクションの高度な機能の使用方法については、SAP オンラインアプリケーションヘルプを参照してください。
手順 4 を実行するには、以下の手順に従います。
1. SAP 配布ターゲットシステムにログオンします。
2. 「Function Builder Initial Screen」 (トランザクション SE37) に移動します。
3. Windchill Enterprise Systems Integration SAP API ごとに次の手順を実行します。
a. 「Function module」フィールドに API 関数モジュールの名前を入力します (以下の図では BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA)。
SAP Function Builder Initial Screen (トランザクション SE37)
b. SAP メニューバーで、「Function module」 > 「Test」 > 「Single test」 (F8) に移動するか、「Single Test」アイコンをクリックします。以下のような画面が表示されます。
SAP Function Module Tester Initial Screen: Single Test
c. 各 API 構造の横にあるアイコンをクリックし、データを入力し、SAP の「Back」 (F3) アイコンを使用して、API フィールドに適切なテストデータを入力し、図に示すように、「Function Module Tester Initial Screen」に戻ります。
テストデータの条件は、各自の Windchill Enterprise Systems Integration の展開によって異なります。実際の Windchill Enterprise Systems Integration ビジネスロジックで通常はデフォルトで使用されるか相互参照されるフィールド値をハードコードする必要があります。手順については、次のドキュメンテーションを参照してください。
個別の "アトミック" API のみをテストするので、ビジネス機能を実行するために各種 API が順番に呼び出される Windchill Enterprise Integration のビジネスシナリオ全体はテスト条件でカバーされません。これは SAP Readiness Validation Process の手順 5 で実行する "モレキュラ" テストです。手順 4 の目的は、モレキュラ機能用に API を組み合わせる前に、各アトミック API が予想どおりに動作することを確認することです。
d. SAP メニューバーで、「Function modules」 > 「Execute」 (F8) に移動するか、「Execute」アイコンをクリックして、テストを実行します。
e. このドキュメントのSAP API 応答の特性のセクションに従って API 関数モジュールが正常に実行されたことを確認します。無効なテストデータや SAP 配布ターゲットシステムのコンフィギュレーションが原因でエラーが発生する可能性があります。これらの問題は、Windchill Enterprise Systems Integration を実装する前に解決する必要があります。
BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA テストの成功例を以下に示します (RETURN 構造のメッセージタイプが 'S' であることを確認してください)。
BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA のアトミックテストに成功
f. 該当する場合、以下に示すトランザクションを使用して、指定したデータに対応するビジネスオブジェクトが正しい属性で SAP システムに存在することを確認します。
トランザクションコード
説明
MM03
品目照会
CS03
品目 BOM 照会
CV03N
文書照会
CC03
変更マスター照会
CA03
作業手順照会
IE03
設備照会
CA01
参照作業セット照会
ビジネスオブジェクトの作成を確認する SAP トランザクションコード
いくつかの API 関数モジュール、特に、もともとは SAP リリース 3.1 の後に開発された API 関数モジュールには、結果を SAP データベースにコミットする組み込みの ABAP コマンドが含まれていません。したがって、次の論理作業単位を完了するかトランザクション SE37 を終了するまで、関連ビジネスオブジェクトを照会することはできません。CALO_INIT_API、BAPI_TRANSACTION_COMMIT、BAPI_TRANSACTION_ROLLBACK などのその他の API では、設計上、照会可能なビジネスオブジェクトは生成されません。
g. Windchill Enterprise Systems Integration SAP API ごとにこの手順を繰り返します。
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