SAP API の説明と特性
Windchill ESI で使用されている SAP API は、ビジネス要件および使用可能な SAP の機能を徹底的に分析した後に選択されました (以下のリストを参照)。これらの API の使用と特性は、Windchill ESI を実装する上での重要な前提条件となります。API を更新するには特性を評価し直す必要があります。つまり、再テストを行って、各フィールドに適切な値が入力されていることを確認する必要があります。API に対するカスタマイズの例としては、次のようなものがありますが、これらに限定されるわけではありません。
a. 既成の API に渡されるデータを増やす (または修正する)
b. 既成の API とは異なる API を使用する
c. ERP で API を修正する
d. 特定の機能を実行するために API を一続きにする
既成の API に渡されるデータの量を増やす例については、このドキュメントの「例 - Windchill から SAP」のセクションを参照してください。
Windchill ESI では次の SAP API が使用されます (Windchill ESI の機能別にグループ化): 部品の作成/変更
API
説明
BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA
この API は、SAP 内ですべての材料データを作成/変更するときに使用されます。この API は、各プラントで各材料を作成するときに呼び出す必要があります。この API を使用することで、材料をバッチで作成または更新できます。バッチサイズは設定可能です。
CALO_INIT_API
この API は API 環境を初期化します。これは部品のリビジョンレベルを作成/更新するための CCAP_REV_LEVEL_MAINTAIN API よりも先に呼び出されます。この機能モジュールにはデータを渡す必要はありません。初期化の実行時にこの API によって使用されるデフォルト値は、Windchill ESI の要件を満たしています。
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デフォルトテーブルからこの API にデータを渡す必要はありません。
CCAP_REV_LEVEL_MAINTAIN
この API は、BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA で作成した材料の新しいリビジョンレベルを作成します。リビジョンレベルの作成は、Windchill で定義された変更番号とともに記録されます。変更番号の変更マスター記録は、この API を実行する前に SAP 内に存在していなければなりません。
BAPI_TRANSACTION_COMMIT
この API は、SAP システムにトランザクションをコミットするときに使用されます。BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" の場合に、この API が実行されます。コミット API が実行されると、Windchill から送信されたすべての部品データが MARA (および MARC、プラントデータが送信された場合) SAP データベーステーブルにコミットされます。
BAPI_TRANSACTION_ROLLBACK
この API は、SAP システムにトランザクションをロールバックするときに使用されます。BAPI_MATERIAL_SAVEREPLICA の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" でない場合に、この API が実行されます。ロールバック API が実行されると、Windchill から送信されたすべての部品データがロールバックされ、MARA (および MARC、プラントデータが送信された場合) SAP データベーステーブルへのコミットは行われません。
部品作成の API フロー
部品作成の API フロー
BOM の作成
API
説明
BAPI_MATERIAL_BOM_GROUP_CREATE
この API は、SAP で BOM を作成するために呼び出されます。この API を呼び出して、複数の組織に BOM を作成し、複数の代替部品と BOM の親子関係を一度に作成できます。ただし、現在のコンフィギュレーションでは、プラント、代替部品、親子関係の組み合わせごとにこの API を呼び出します。
BOM 作成の API フロー
BOM の変更
API
説明
CSAP_MAT_BOM_MAINTAIN
この API は、SAP で BOM を変更するために呼び出されます。この API を複数の組織の複数の BOM に対して呼び出すことはできません。
CALO_INIT_API
この API は、BOM コンポーネントを変更する CSAP_MAT_BOM_MAINTAIN が呼び出される前に呼び出す必要があります。この API にはデータを渡す必要はありません。初期化の実行時にこの API によって使用されるデフォルト値は、Windchill ESI の要件を満たしています。
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デフォルトテーブルからこの API にデータを渡す必要はありません。
BOM 変更の API フロー
ドキュメント情報記録の作成
API
説明
BAPI_DOCUMENT_CREATE2
この API は、SAP ですべてのドキュメントデータを作成するときに使用されます。この API は、作成するドキュメントごとに呼び出す必要があります。この API ではプラント情報は不要です。
BAPI_DOCUMENT_CHANGE2
この API は、SAP でドキュメントと部品との間のリンクを作成および削除するときに使用されます。この API ではプラント情報は不要です。
BAPI_TRANSACTION_COMMIT
この API は、SAP システムにトランザクションをコミットするときに使用されます。BAPI_DOCUMENT_CREATE2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" の場合と、BAPI_DOCUMENT_CHANGE2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" の場合に、この API が呼び出されます。コミット API が実行されると、Windchill から送信されたすべてのドキュメントデータが DRAW、DRAK、および DRAT SAP データベーステーブルにコミットされます。
BAPI_TRANSACTION_ROLLBACK
この API は、SAP システムにトランザクションをロールバックするときに使用されます。BAPI_DOCUMENT_CREATE2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" でない場合、または BAPI_DOCUMENT_CHANGE2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" でない場合に、この API が呼び出されます。ロールバック API が実行されると、Windchill から送信されたすべてのドキュメントデータがロールバックされ、DRAW、DRAK、および DRAT SAP データベーステーブルへのコミットは行われません。
ドキュメント情報記録作成の API フロー
ドキュメント情報記録の変更
API
説明
BAPI_DOCUMENT_CHANGE2
この API は、SAP ですべてのドキュメントデータを変更するときに使用されます。この API は、各ドキュメントを変更するときに呼び出します。プラント情報は不要です。この API は、SAP でドキュメントとその他のオブジェクトとの間のリンクの作成と削除も行います。
BAPI_DOCUMENT_CREATENEWVRS2
この API は、新しいドキュメントバージョンを作成するときに必要です。
BAPI_TRANSACTION_COMMIT
この API は、SAP システムにトランザクションをコミットするときに使用されます。BAPI_DOCUMENT_CREATENEWVRS2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" の場合と、BAPI_DOCUMENT_CHANGE2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" の場合に、この API が呼び出されます。コミット API が実行されると、Windchill から送信されたすべてのドキュメントデータが DRAW、DRAK、および DRAT SAP データベーステーブルにコミットされます。
BAPI_TRANSACTION_ROLLBACK
この API は、SAP システムにトランザクションをロールバックするときに使用されます。BAPI_DOCUMENT_CREATENEWVRS2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" でない場合、または BAPI_DOCUMENT_CHANGE2 の実行によって生成されたリターンメッセージが "成功" でない場合に、この API が呼び出されます。ロールバック API が実行されると、Windchill から送信されたすべてのドキュメントデータがロールバックされ、DRAW、DRAK、および DRAT SAP データベーステーブルへのコミットは行われません。
ドキュメント情報記録変更の API フロー
変更通知の作成
API
説明
CALO_INIT_API
この API は、変更通知の作成またはエフェクティビティ日付の更新のための CCAP_ECN_CREATE および CCAP_ECN_MAINTAIN API よりも先に呼び出されます。この機能モジュールにはデータを渡す必要はありません。初期化の実行時にこの API によって使用されるデフォルト値は、Windchill ESI の要件を満たしています。
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デフォルトテーブルからこの API にデータを渡す必要はありません。
CCAP_ECN_CREATE
この API は変更通知を作成するときに使用されます。この API はドキュメント、BOM、および材料の作成/変更機能に有効な変更通知を作成するために設計されています。また、現在の日付に設定されている代替の有効日がある変更通知について、材料オブジェクトをリストするという特徴もあります。最初にヘッダーは将来の有効日に設定され、変更通知ステータスはアクティブに設定されています。
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BOM とドキュメントは、変更通知の作成プロセスの際に変更通知にリストされません。これらは変更通知で作成または変更されると、変更通知に自動的にリストされます。プロセスは (CCAP_ECN_MAINTAIN を呼び出すことによって) 変更通知の更新に進み、正しいエフェクティビティ日付が割り当てられます。
CCAP_ECN_MAINTAIN
この API は変更通知を変更するときに使用されます。この API は、変更通知が作成された後で呼び出され、BOM またはドキュメントの作成/変更機能に使用されます。この API は、代替日を作成し、それらの代替日を変更通知にリストされているドキュメントや BOM オブジェクトに割り当てるときに使用されます。さらに、この API は、変更通知ヘッダー有効日を現在の日付に設定したり、変更通知ステータスを非アクティブに設定したりするときにも使用します。
変更通知作成の API フロー
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