Creo Ansys Simulation の診断
シミュレーション検討を行うとき、ソフトウェアに用意されているさまざまなツールを使用して、モデル、検討のステータス、メッシュ、および結果をチェックできます。以下のツールを使用して、既存の問題または考えられる問題と、それらを解決する方法に関する詳細情報を取得します。
通知センター - -アプリケーションを開くときに失敗したオブジェクトに関する情報。
ジオメトリをレビュー - メッシュを作成する前または検討を実行する前にモデルのジオメトリと接続性をレビューします。
シミュレーション検討チェック - プリプロセッサ診断を実行します。
プロセスマネージャ - メッシュの生成と検討の実行を監視します。
通知センター
Creo Ansys Simulation を開くと、失敗したシミュレーションオブジェクトに関する通知が表示されます。失敗したシミュレーションオブジェクトは通知センターで表示でき、そこで必要に応じてモデルジオメトリまたはシミュレーションオブジェクトを修正できます。また、シミュレーションツリーでは失敗したシミュレーションオブジェクトに失敗ステータスが表示されます。
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失敗したオブジェクトは、失敗したオブジェクトである検討の唯一の荷重または拘束条件ではないかぎり、メッシュの生成またはシミュレーション検討の実行を妨げません。
たとえば、Creo Parametric で削除または抑制したフィーチャーに Creo Ansys Simulation で荷重が適用されている場合、通知センターに再生エラーが表示され、シミュレーションツリーではそのオブジェクトに失敗ステータスが表示されます。
検討チェック
検討およびシミュレーション入力を定義した後、「Ansys Simulation」 > 「実行」(Run) > 「検討チェック」(Study Check) の順にクリックして、検討を実行する前にプリプロセッサチェックを実行します。
シミュレーション検討を実行すると検討チェックも自動的に実行されます。コンフィギュレーションオプションcreo_ansys_study_check_showを使用して、どのような場合に検討チェックの結果を表示するかを定義できます。デフォルトでは、モデルに問題があり、シミュレーション検討を実行しようとすると警告メッセージが表示される場合に、検討チェックの結果が表示されます。検討チェックは以下の情報を報告します。
モデルで定義されているすべてのシミュレーションオブジェクトをリストする。
モデルの各オブジェクトに以下のステータスを表示する。
- オブジェクトは有効です。
- オブジェクトが欠落している、またはオブジェクトで問題が発生して結果に影響を与える可能性があることを示す警告メッセージが表示されますが、シミュレーション検討の実行は妨げられません。「詳細情報」(More info) をクリックしてログファイルを表示し、オブジェクトを修正します。
- オブジェクトが欠落している、無効である、または欠陥であることを示すエラーメッセージが表示されます。「詳細情報」(More info) をクリックしてログファイルを表示し、オブジェクトを修正します。検討 (またはメッシュの生成) は、エラーが修正されるまで実行できません。
検討チェックで報告されるエラーメッセージと警告メッセージを次の表に示します。
一般メッセージ
オブジェクト
エラーメッセージ
警告メッセージ
シミュレーション検討
提案されたソリューション
ジオメトリ
モデルには有効なジオメトリが定義されていません。
一部のモデルに有効なジオメトリが定義されておらず、それらは無視されます。
アセンブリにのみ適用されます。
構造
固有値
熱解析
モデルを再定義します。
材料
いくつかのモデルには有効な材料が指定されていません。(アセンブリの場合)
モデルには有効な材料が指定されていません。(部品の場合)
モデル内のいくつかのボディには有効な材料が指定されていません。(マルチボディ部品)
構造
固有値
熱解析
モデルに有効な材料を指定します。「詳細情報」(More info) をクリックすると、材料指定がないボディ、部品、またはアセンブリがリストされた診断ログファイルが表示されます。
構造拘束
モデルには拘束が定義されていません。(拘束、ばね、およびジョイントがないモデルに適用)
モデルには拘束が定義されていません。(拘束はなく、ばねまたはジョイントは 1 つ以上ある)
構造
固有値
検討の拘束を定義します。
構造荷重
モデルには荷重が定義されていません。
構造
モデルに適した荷重を定義します。
境界条件
モデルには境界条件が定義されていません。
熱検討
モデルに適した境界条件を定義します。
接触
モデルには接触が定義されていません。
構造
固有値
熱解析
必要に応じて接触を定義します。
シェルの圧縮
モデル内のいくつかのオブジェクトが無効になりました。解析が実行できません。
シェル圧縮によって、ご使用のモデル内でいくつかのオブジェクトが修正されました。これにより、結果の精度に影響する可能性があります。
構造
固有値
「詳細情報」(More info) をクリックして詳細を確認し、適切な操作を行います。
その他
モデル内のいくつかのオブジェクトは、無効であるか、結果の精度に影響する可能性がある方法で定義されています。
モデル内のいくつかのオブジェクトは、無効であるか、シミュレーションの実行を妨げるように定義されています。
構造
固有値
熱解析
「詳細情報」(More info) をクリックして詳細を確認し、適切な操作を行います。
「その他」(Other) カテゴリのエラーメッセージまたは警告メッセージについては、「詳細情報」(More info) をクリックすると、問題に関する詳細が表示されます。不正確な結果の原因となる可能性のある問題を次の表に示します。
検討チェック - 補足メッセージ
問題
エラーメッセージまたは警告メッセージ
追加情報
参照されているキルトにシェルがない。
警告: モデル内のいくつかのオブジェクトは、シェルが定義されていないキルトを参照しており、無視されます。
これらのサーフェスが解析で無視されないようにするには、キルトサーフェスにシェルを割り当てます。
参照されているカーブにビームがない。
警告: モデル内のいくつかのオブジェクトは、ビームが定義されていないカーブを参照しており、無視されます。
これらのカーブが無視されないようにするには、カーブにビームを割り当てます。
拘束または荷重が頂点で定義されている。
警告: モデル内のいくつかの拘束または荷重は、頂点を参照しています。これにより、結果が特異点になる可能性があります。
頂点に定義されている荷重と拘束を確認し、必要に応じて再定義または削除します。
1 つの頂点に複数の荷重が適用されている。
警告: ご使用のモデルには、同じ頂点に適用される複数荷重が含まれています。これらは CAS ではサポートされていません。必要に応じて荷重を再定義するか削除してください。
オブジェクトが失敗した。
警告: モデル内のいくつかのオブジェクトは失敗し、無視されます。詳細は、通知センターを確認してください。
質量に重力または加速度荷重がない。
警告: トップモデルに重力/加速度荷重が適用されていません。すべての質量オブジェクトは無視されます。
これは構造荷重のみに適用されます。
ゼロ以外の変位拘束条件
警告: 固有値解析では常に、荷重が除去されたモデルを前提としています。ゼロ以外の変位はすべて無視されます。
この警告は、ゼロ以外の変位拘束条件が定義されている固有値解析で表示されます。
検討結果フォルダへのパスが無効である。
エラー: 結果フォルダへのパスが無効です。パスにはユニコード文字を含めることができず、最大文字数は 248 文字です。フォルダは、Creo 設定またはコンフィギュレーションオプションcreo_ansys_run_folderを使用して設定されます。
シェル圧縮に関連する問題がある場合、「Creo Ansys 検討チェック」(Creo Ansys Study Check) ダイアログボックスに、シェル圧縮に問題があることを示す一般メッセージが表示されます。
「詳細情報」(More Info) をクリックすると、ログファイルに次の 1 つ以上のエラーまたは警告が表示されます。
検討チェック - シェルペア圧縮のエラーおよび警告メッセージ
エラーまたは警告の条件/タイプ
エラーメッセージまたは警告メッセージ
追加情報
シェル圧縮標準コンフリクトエラー
エラー: シェル圧縮後、モデル内の次のオブジェクトは同じシェルサーフェス、エッジ、または頂点を参照しています。オブジェクトまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除します。
シェル圧縮標準重複エラー
エラー: モデル内のいくつかのオブジェクトが、同じシェルペアの両側、対になるエッジ、または対になる頂点を参照しています。これによってシェル圧縮時にあいまい部分が生じ、結果の精度が低下する可能性があります。オブジェクトまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除します。
シェル圧縮標準回転警告
警告: モデル内のいくつかのオブジェクトがシェルペアの側面 (厚み) サーフェスを参照しています。シェル圧縮後は、一部の回転が拘束されず、結果の精度が低下する可能性があります。オブジェクトまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除します。
同じボディ内の混合ジオメトリ
警告: シェル圧縮後、同じボディに含まれているいくつかのソリッドとシェルペアが切断されました。ソリッドとシェルペアの両方ではなくいずれかだけが含まれるようにボディを分割し、これらの間に結合接触を定義します。
シェルペアの対になるサーフェス/エッジを参照している異なるオブジェクト
警告: シェル圧縮後、モデル内の一部のオブジェクトは同じシェルサーフェスまたはエッジを参照しています。オブジェクトまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除します。
シェルペアの対になるサーフェスまたはエッジを参照している場合、同一のソリッドジオメトリを参照する際にコンフリクトが発生する異なるオブジェクトによって、圧縮時にコンフリクトが発生します。
シェルペアおよびソリッドジオメトリのサーフェスを参照しているオブジェクト
警告: シェル圧縮後にモデル内のいくつかのオブジェクトが混合ジオメトリタイプを参照しています。これらは Creo Ansys Simulation ではサポートされておらず、ソルバーエラーが発生します。オブジェクトまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除します。
シェル圧縮によって、混合ジオメトリを参照するオブジェクトが生成される場合があります。これは Creo Ansys Simulation ではサポートされていません。
シェルサーフェスの反対側の頂点、または厚みエッジを参照している類似のオブジェクト
ご使用のモデルのいくつかの荷重方向は、圧縮エッジを参照しており、失われました。荷重またはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除してください。
対になるサーフェスのいずれかの頂点は、個別に定義されたオブジェクト (荷重、拘束条件など) を持つことができます。短いエッジ (厚みに関して) も、そのようなオブジェクトの参照になる場合があります。
圧縮時に、対になる頂点と、それを接続するエッジは、1 つのシェル頂点になります。
エラー: ボールジョイント - ご使用のモデル内のいくつかのボールジョイントは、シェルペアの頂点を参照しています。シェル圧縮の後、これらのボールジョイントは目的どおりに移動が拘束されず、結果の精度が低くなる可能性があります。モデルを確認し、ジョイントまたはシェルペアの定義を編集して、その一部を削除することをお勧めします。
エラー: 平面ジョイント - シェルペアの厚みエッジを参照している、モデル内の次の平面ジョイントが、シェル圧縮後に無効になりました。ジョイントまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除してください。
このエラーは、平面ジョイントの両方の参照が圧縮されている場合に表示されます。
警告: 平面ジョイント - シェル圧縮標準回転警告が報告されます。
この警告は、平面ジョイントの片側だけが圧縮されている場合に表示されます。
警告: 一般ジョイント - シェルペアの厚みエッジを参照している、モデル内の次の一般ジョイントが、シェル圧縮後に無効になった可能性があります。モデルを確認して、ジョイントまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除することをお勧めします。
エラー: ご使用のモデルには、荷重が適用された隣接頂点に圧縮されている、反対側のシェル頂点またはエッジを参照している複数の荷重が含まれています。これらは Creo Ansys Simulation ではサポートされておらず、無視されます。荷重またはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除してください。
このエラーは、反対側の頂点、または頂点と隣接する厚みエッジ上のフォースまたはモーメントに対して発生します。
エラー: モデル内のいくつかのオブジェクトは、圧縮されたエッジを参照しているため無効になっています。オブジェクトまたはシェルペアの定義を編集するか、それらの一部を削除してください。
このエラーは、単位長さあたりのフォースが厚みエッジで定義されている場合、または圧縮した厚みエッジに摩擦なし拘束が定義されている場合に発生します。
警告: モデルには、シェル厚みのエッジまたは頂点を参照しているオブジェクトが含まれています。これらの一部は Creo Ansys Simulation ではサポートされておらず、無視されます。その定義を変更することをお勧めします。
この警告は、次のいずれかの条件に対して発生します。
厚みエッジ上のモーメント反力。
厚みエッジの結果。
シェルペアの反対側の両方の頂点を参照している同じオブジェクト
拘束条件 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
シェルペアサーフェスの反対側のエッジを参照している類似のオブジェクト
警告: モデル内のいくつかのジョイントが、シェルペアの側面 (厚み) サーフェスを参照しています。シェル圧縮の後、これらは失敗するか、動きが意図されたとおりに拘束されない可能性があり、結果の精度が低くなる可能性があります。いくつかのジョイントまたはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除することをお勧めします。
この警告は、複数のジョイントがシェルペアサーフェスの反対側にあるエッジを参照している場合に発生します。
拘束条件: シェル圧縮標準コンフリクトエラーが報告されます。
シェルペアの両方のエッジを参照している同じオブジェクト
単位長さあたりのフォースまたはモーメント荷重 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
拘束条件 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
メッシュ制御 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
サーフェスペアを参照している類似のオブジェクト
拘束条件 - シェル圧縮標準コンフリクトエラーが報告されます。
メッシュ制御 - シェル圧縮標準コンフリクトエラーが報告されます。
シミュレーションオブジェクトは、対になるサーフェスのいずれかを参照できます。圧縮時に、これらのオブジェクトは、作成されたシェルサーフェスに正しく適用される必要があります。
シェルペアの両方のサーフェスを参照している同じオブジェクト
単位面積あたりのフォース/モーメント荷重 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
拘束条件 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
メッシュ制御 - シェル圧縮標準重複エラーが報告されます。
圧縮側面サーフェスを参照しているオブジェクト
エラー: ご使用のモデル内のいくつかの荷重は、シェルペアの側面サーフェスを参照しています。これらの荷重は、シェル圧縮後に無効になります。荷重またはシェルペアの定義を編集するか、その一部を削除することをお勧めします。
この警告は、シェルペアの側面サーフェスを参照する単位面積あたりのフォース荷重が発生した場合に表示されます。
構造接触 (結合、分離なし) - シェル圧縮標準回転警告が報告されます。
モデルには、シェル厚みに適用されているベアリング荷重または圧力荷重が含まれています。これらの荷重は Creo Ansys Simulation ではサポートされておらず、無視されます。いくつかの荷重またはシェルペアの定義を編集するか、それらの一部を削除することをお勧めします。
側面サーフェスを参照し、圧縮時にエッジになる圧力荷重またはベアリング荷重は、ソルバーに転送されません。シェルペアまたは荷重のいずれかを編集または削除する必要があります。
ジョイント - シェル圧縮標準回転警告が報告されます。
固定ジョイントを除くすべてのジョイント。
次の点に注意してください。
モデルに複数のシェルペアがある場合、失敗したシェルペアが複数存在する可能性がありますが、Creo Ansys Simulation は一度に 1 つのエラーのみを報告できます。
したがって、エラーが報告されなくなるまで、複数のシェルペアのエラーを修正しなければならない場合があります。
消去法を使用するか、無効の原因を調べることによって (交差するシェルなど)、問題のあるペアを識別しなければならない場合があります。
プロセスマネージャ
プロセスマネージャでは、セッションのソルバーで実行されているメッシュ、検討、および結果タスクに関する情報が表示されます。Ansys ソルバーで進行中または実行中の検討については、 をクリックし、 「診断」(Diagnostics) を選択して診断ファイルを開くことによって診断ファイルを表示できます。
ソルバーからの診断ファイルは、詳細な検討の実行のログです。これを解釈するために Ansys ソルバーが必要な場合があります。
メッシュのみ (メッシュ生成) プロセスの場合、メッシュが完了した後で 「診断」(Diagnostics) をクリックすると次の情報が表示されます。
生成された節点の数。
生成されたメッシュ要素の数。
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