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設計初期値の設定
日常業務がスピードアップできるように、Creo Elements/Direct Sheet Metal では初期値の設定ができます。「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスで、毎回必要なデータを設定しますが、その都度入力し直すのは大変です。このデータには、作業をするショップ、優先材質、曲げ半径と曲げ割れ止めに使う初期値があります。
ある 1 回のセッションだけの設定を変更するには、「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスで値を変更します。初期値の設定を永続的に変更するには、sha_customize ファイルのエントリを編集します。
正しいショップを選択して、優先材質、ツール、曲げ半径を決めておくと、効率よく設計できます。
インポートしたものや、何らかの理由で属性が失われたものの場合、「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスで、選択した板金パーツの材質属性と曲げ工程属性も指定します。
新しいショップの設定
修正していない「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスでは、「ショップ」ボックスが "デモショップ" になっています。デモショップのデータは、当社が例として提供しています。このデータは、実際のショップ環境を反映したものではありません。
データベース管理者が、作業ショップのデータを提供します。このデータは実際のショップ環境を反映したものです (各ショップで使用可能な、および優先される、材質、マシン、ツールなど)。
新しいショップの指定は、次の手順で行います。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスで「ショップ」をクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal で、使用可能なショップがテーブルに表示されます。
3. そのテーブルにあるショップをクリックし、「適用」をクリックします。ショップのダブルクリックでもかまいません。
Creo Elements/Direct Sheet Metal では、これ以降のテーブルデータはすべて、指定されたショップのものに限定されます。
優先材質の設定
材質を指定する前に、正しいショップを指定したことを確認してください。そうでないと、製造現場で使用できない材質を指定してしまう可能性があります。
材質の指定は、次の手順で行います。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスで「材質」をクリックします。定義されたショップで使用可能な板金材質が Creo Elements/Direct Sheet Metal のテーブルに表示されます。
3. そのテーブルにある材質をクリックし、「適用」をクリックします。材質のダブルクリックでもかまいません。
このようにすると、「厚さ」が自動的に新しい材質の厚さの値に変更されます。
Creo Elements/Direct Sheet Metal では、これ以降のルーチンとメッセージは、すべて指定した材質とショップに基づいたものになります。
材質設定の変更
材質の初期値を設定する場合、通常は材質の名称と厚さがカレントショップから読み込まれ、自動的に入力されます。
ただし、以下のようにして、材質およびその厚さを手作業で変更すること もできます。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「材質」ボックスにカーソルを置き、文字列を入力して材質名を指定します。
3. [Return] を押します。Creo Elements/Direct Sheet Metal が、ショップをチェックして、指定した材質が存在するかどうか確認します。材質が見つからない場合はメッセージを表示してユーザに知らせます。また、「厚さ」ボックスがアクティブになるので、設定した厚さを変更できます。
4. 「厚さ」をクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal で、材質の厚さを指定する画面が表示されます。
5. 値を入力して、[Return] を押します。
Creo Elements/Direct Sheet Metal でこれ以降に作成する新しいパーツはすべて、ここで入力した材質と厚さになります。
優先曲げ工程の設定
Creo Elements/Direct Sheet Metal のデモショップでサポートされる曲げ工程は、エアベンディング、曲げ、折り曲げ、3 点曲げ、特殊な曲げの 5 種類です。
曲げ工程の初期値の変更は、次の手順で行います。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「工程」ボックスをクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal で、定義したショップでサポートされる曲げ工程を含むリストが表示されます。
3. リストから工程を選んでクリックします。
このセッションにおいて、追加されたシートや角度曲げすべてについて、指定した曲げ工程に基づいて Creo Elements/Direct Sheet Metal で計算が行われます。
特殊な曲げ工程の設定
「特殊な曲げ」を使用して、正式なデータベースエントリのないカスタムの曲げを作成します。関連する値は、モデル情報とともに保存されます。設定を作成した後、「曲げ作成」ダイアログボックスの「工程」領域にある「特殊な曲げ」をクリックして、この曲げを任意のモデルに追加できます。
特殊な曲げを追加するには
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「工程」ボックスで「特殊な曲げ」を選択します。「特殊な曲げ」ダイアログボックスが開きます。
3. 「特殊な曲げ」ダイアログボックスの上部にある「挿入」をクリックします。
4. 曲げのパラメータとして、曲げ半径と許容値を指定します。
5. をクリックします。
優先曲げ半径の設定
Creo Elements/Direct Sheet Metal は適切な曲げ半径を計算して、ツールテーブルから最適な半径を見つけようとします。固定半径または最小半径を入力するには、以下の行をコメントアウトして、デフォルトアクションを無効にする必要があります。
; (sha-set-default-bend-radius-function 'sha-default-bend-radius)
また、以下の行を
(sha-set-default-bend-radius-function nil)
Creo Elements\Direct Modeling [Version]\personality\SheetAdvisor\sha_demoshop.lsp ファイルに追加する必要があります。
Creo Elements/Direct Sheet Metal の作業では、2 つの曲げ半径から選択できます。「ショップ ベースの設定」ダイアログボックスで、「固定半径」と「最小半径」のどちらかを指定します。
固定半径の値は、ユーザが指定します。材質で許される最小半径より大きければ、値の指定は材質に関係あり ません。
「最小半径」はコンテキストによって決まり、編集できません。これは、次にあげるパラメータの中の最小値です。
材質の最小半径
曲げ工程
使用可能な曲げツール (ショップごと)
それ以外の半径を sha_customize ファイルに設定していなければ、Creo Elements/Direct Sheet Metal は「最小半径」オプションがオンの状態で起動されます。
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指定した半径は、板金設計の内側の曲げ半径に使われます。外側の曲げ半径は、指定した値に材料の厚みを加えたものです。
固定半径をアクティブにするには、次のようにします。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「半径」をクリックします。
3. 必要なら、「半径」の隣の値を変更します。半径値を入力しても、テーブル内のツールをダブルクリックしてもかまいません。
Creo Elements/Direct Sheet Metal は、表示された固定曲げ半径を初期値として使用します。
最小半径をアクティブにするには、次のようにします。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「最小半径」をクリックします。
Creo Elements/Direct Sheet Metal では、材質に依存する最小曲げ半径を初期値として使用します。半径値は、該当する「シート追加」ダイアログボックスに表示されます。
割れ止めね初期値の設定
曲げ割れ止めとコーナ割れ止めは、製作中に材質が歪まないようにするために必要です。
曲げ割れ止めおよびコーナ割れ止めのタイプと寸法は、設計に大きく依存し、自由に選択できます。
下図は、幅寸法 (「ツール寸法」) と深さ寸法が、いろいろな割れ止め タイプとどのように関連しているかを示したものです。
曲げ割れ止めタイプの初期値の設定
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「曲げ割れ止め」「タイプ」ボックスをクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal で、曲げ割れ止めに適した穴開けツールを含むオプションリストが表示されます。
3. 穴開けツールタイプをクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal でリストが閉じ、「タイプ」ボックスに指定された穴開けツールタイプが表示されます。
ここで設定した曲げ割れ止めタイプは、曲げ割れ止めが必要になる「シート追加」ルーチンすべてにおいて、初期設定値として使われます。
曲げ割れ止めツールの初期値の設定
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「ツール寸法」をクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal はテーブルを開きます。このテーブルには、設定されたタイプで使用可能な穴開けツールが含まれます。
3. テーブルでツールを 1 つハイライトして、「適用」をクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal でテーブルが閉じ、該当する割れ止めツールの値が「ツール寸法」ボックスに表示されます。
ここで設定した曲げ割れ止めツールは、曲げ割れ止めが必要になる「シート追加」ルーチンすべてにおいて、初期設定値として使われます。
曲げ割れ止め深さの初期値の設定
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「曲げ割れ止め」「深さ」をクリックして、割れ止め深さを入力します。
3. [Return] を押します。深さの値が「深さ」ボックスに表示されます。
ここで設定した曲げ割れ止め深さは、曲げ割れ止めが必要になる「シート追加」ルーチンすべてにおいて、初期設定値として使われます。
コーナ割れ止めタイプの初期値の設定
コーナ割れ止めの動作は、曲げ割れ止めとは少々違います。曲げ割れ止めの場合と同様に、(円形または長方形の)複数の穴開けツールの中から、コーナ割れ止めに適したものを選択できます。しかし、3D パーツと 2D 展開図の両方において、必ず長方形の割れ止めが表示されます。2D 展開図のツール ID が、唯一正確な穴開けツールを表します。
コーナ割れ止めのタイプと寸法は設計に大きく依存し、自由に選択できます。
コーナ割れ止めタイプの初期値を指定するには、次のようにします。
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「コーナ割れ止め」「タイプ」ボックスをクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal で、コーナ割れ止めに適した穴開けツールを含むオプションリストが表示されます。
3. 穴開けツールタイプをクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal でリストが閉じ、「タイプ」ボックスに指定された穴開けツールタイプが表示されます。
ここで設定したコーナ割れ止めタイプは、コーナ割れ止めが必要になる「シート追加」ルーチンすべてにおいて、初期設定値として使われます。
コーナ割れ止めツールの初期値の設定
1. 「ファイル」 > 「設定」 > 「Sheet Metal」 > 「ショップベースの設定」の順にクリックします。「ショップベースの設定」ダイアログボックスが開きます。
2. 「ツール寸法」をクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal はテーブルを開きます。このテーブルには、設定されたタイプで使用可能な穴開けツールが含まれます。
3. テーブルでツールを 1 つハイライトして、「適用」をクリックします。Creo Elements/Direct Sheet Metal でテーブルが閉じ、該当する割れ止めツールの値が「ツール寸法」ボックスに表示されます。
ここで設定したコーナ割れ止めツールは、曲げ割れ止めが必要になる「シート追加」ルーチンすべてにおいて、初期設定値として使われます。
シートパーツのチェックオプションの設定
Creo Elements/Direct Sheet Metal には、自動的な「パーツチェック」機能があり、板金パーツが正しいものであることを確認できるようになっています。「パーツチェック」「自動」チェックボックスの初期値はオンです。
「自動」チェックボックスがオフになっていると、場合によっては、シートを追加すると板金パーツが壊れることもあります。設計に差し障りがないと判断した場合には、チェックボックスをオフにして処理速度を向上させることもできます。
この場合、Creo Elements/Direct Modeling の 「パーツチェック」ボタンで、ユーザの設計を確認する必要があります。「パーツチェック」は、「検証」グループの「解析」タブにあります。チェックして問題が見つかったら、問題のある領域の稜線がハイライトされます。