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GD&T の概要
GD&T とは
設計モデルは部品設計のモデル化表現です。ただし、設計モデルそのものは設計を完全に定義していません。製造プロセスの不完全性により、物理的な部品が設計モデルと完全に一致することはありません。設計の重要な側面は、部品形体が (設計モデルで定義されている) その理論上正確なジオメトリから逸脱してもよい量を指定することです。
幾何寸法公差 (通常は GD&T と呼ぶ) は、エンジニアリング図面モデル上で形体ジオメトリの許容偏差を定義するときに使用するシンボル言語です。GD&T の言語は寸法、公差、シンボル、定義、規則、規約から成り、これらを使用して、設計モデルの各形体の位置、方向、サイズ、形状に関する機能要件を正確に伝達できます。したがって、GD&T は、設計者がその設計モデルに関して "意味すること" をまさに伝達可能な言語です。生産部門はこの言語を使用して設計意図を理解し、検査部門はこの言語からセットアップの要件を把握します。
言語が有効となるためには、共通の規格に基づいている必要があります。ASME と ISO の両方に、GD&T の適用と使用に関する規格があります。ASME 規格は一般的に米国の会社で使用され、ISO 規格はその他の国を拠点とする会社で使用されることが一般的です。これらの各組織内に、GD&T のトピックに適用可能ないくつかの規格があります。さらに、各規格は定期的に改訂され、各バージョンの規格がその採用年によって識別されます。
GD&T Advisor では次の公差規格がサポートされます (規格をクリックすると、その規則セットによって参照される特定の規格に関する詳細情報のページが開きます)。
ASME Y14.5-2009
ISO 1101:2012
設計モデルに GD&T を適用する際の一般的なアプローチ
設計モデルは、形体と呼ばれる一連のジオメトリ形状から成ります (サポートされる形体タイプの完全なリストについては、形体の説明を参照してください)。完全な設計では、各形体の理想的なジオメトリとともに、そのジオメトリ属性 (位置、方向、サイズ、形状など) の許容偏差が定義されている必要があります。設計モデル内の形体のジオメトリ属性の許容偏差を定義するには 2 つの一般的なアプローチがあります。GD&T は、部品がどのように機能するかに基づいて各形体に適用するか、部品の製造方法に基づいて適用できます。GD&T は部品の機能に基づいて適用することが一般的に推奨されています。GD&T を設計モデルに適用する最初のステップとして、データム参照枠を確立します。確立された 1 つ目のデータム参照枠を主要なデータム参照枠と呼びます。機能に基づいて GD&T を適用するアプローチでは、主要な DRF を確立するときに使用するデータム形体として、部品をそのアセンブリ内で方向設定および位置決めしているサーフェスを使用することが一般的です。データム形体を選択する際には次の事柄についても考慮する必要があります。
製造に関する考慮事項 - 部品を加工取付具内で方向設定および位置決めしているサーフェスをデータム形体として選択できます。
検査に関する考慮事項 - 検査中に部品を方向設定および位置決めしているサーフェスをデータム形体として選択できます。
主要な DRF を確立した後は、GD&T を使用して、機能に基づいたその DRF を基準にして、モデル内の各形体のジオメトリ属性を拘束できます。複雑な部品では、複数の DRF を確立する必要がありますが、最終的には直接または間接的に、主要な DRF に部品内のすべての形体が拘束される必要があります。GD&T Advisor の便利なツールを使用して、部品上の形体を定義し、GD&T をそれらの形体に適用してから、各形体および形体に適用されている GD&T を評価して、形体のすべてのジオメトリ属性が完全に拘束されているかどうかを調べることができます。
公差規格には、モデルの形体に直接適用されるアノテーションに加え、各種の一般注記も必要です。GD&T Advisor には、これらの注記を容易に管理できるツールが備わっています。詳細については、プロパティ & 注記ASME 参照規格注記、およびISO 参照規格注記を参照してください。