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ISO 1101:2012 の規則セット
製品の幾何特性仕様 (GPS) は、モデル内および技術図面上の設計要件を伝達するためのシンボル言語です。ただし、GPS は 100 以上の規格に関連しており、その多くは設計モデルへの GD&T の適用に直接影響しません。ISO 14638:1995 では、GPS の国際的な規格化の概要が示され、GPS の概念が説明されるとともに、既存および将来の規格を含む GPS のマスタープランが示されています。GPS は ISO 1101:2012 で定められている幾何寸法公差 (GD&T) に基づいています。
GD&T Advisor の ISO 1101:2012 規則セットは次の規格に基づいています。
ISO 1101:2012 - Geometric Product Specifications (GPS) - Geometrical tolerancing - Tolerances of form, orientation, location, and run-out - ワークピースの幾何公差に関する基本情報とその要件が規定されています。幾何公差の当初の基本原理が示され、その原則が定められています(注記 1 を参照)。
ISO 16792:2015 - Technical product documentation - Digital product definition practices - 設計モデル上にアノテーションを表示するときの規則が定められています (注記 2 を参照)。
ISO 8015:2011 - Geometrical product specifications (GPS) - Fundamentals - Concepts, principles and rules - 寸法 (直線および角度) 公差と幾何公差の関係についての原則が規定されています。
ISO 2768-1:1989 - General tolerances - Tolerances for linear and angular dimensions without individual tolerance indications - 指示がない直線寸法と角度寸法の一般公差が規定されています。
ISO 2768-2:1989 - General tolerances - Geometrical tolerances for features without individual indications - 個別の指示がない形体を制御する一般幾何公差が規定されています(注記 3 を参照)。
ISO 5459:2011 - Geometrical product specifications (GPS) - Geometrical tolerancing - Datums and datum systems - 幾何公差のデータムとデータム系、その定義、具体的な実例とその指示が含まれています。
ISO 5458:1998 - Geometrical Product Specification (GPS) - Geometrical tolerancing - Positional tolerancing
ISO 2692:2006 - Geometrical Product Specification (GPS) - Geometrical tolerancing - Maximum material requirement (MMR), least material requirement (LMR), and reciprocity requirement (RPR)
ISO 286:2010 - Geometrical product specifications (GPS) - ISO code system for tolerances on linear sizes
ISO 10579:2010 - Geometrical product specifications (GPS) - Dimensioning and tolerancing - Non-rigid parts
その他の関連規格
これらの規格には、該当する規格を示す注記が設計モデルに含まれているという要件があります。詳細については、規格の参照注記を参照してください。
 
1. ISO 1101:2012 の第 2 節で参照先の規格のリストが示され、次のように規定されています。
次の関連ドキュメントはこのドキュメントに不可欠です。日付が記載されているものは、示されている版のみが適用されます。日付が記載されていないものは、最新版の参照ドキュメント (修正を含む) のみが適用されます。
ほとんどの部品では、上記の規格は ISO 1101:2012 で日付が指定されているので、(最新版ではなく) 示されている版のみが適用されます。このトピックの詳細については、Henrik S. Nielsen 著 The ISO Geometrical Product Specification Handbook を参照してください。この本は ISO GPS に基づいた部品に GD&T Advisor を使用するすべての人に強くお勧めします。
2. ISO 16792 では、モデルの要件とともに、技術図面上のビューに関する例外と追加の要件が定められています。GD&T Advisor ではモデルの要件に従ってアノテーションが作成されます。
3. ISO 2768 への参照には、一般幾何公差の等級を表す文字 (H、K、L) が含まれています。ISO 2768-2 に従って、幾何公差の指示がない形体には一般幾何公差が適用され、一般幾何公差を使用して、真直度、平面度、平行度、直角度、対称度、円周振れを拘束できます。一般幾何公差はその他の幾何公差特性には適用できません。
形体の位置または方向を拘束する一般幾何公差の解釈で問題が生じることがあります。一般に、形体の位置または方向を拘束する幾何公差はデータム参照枠 (DRF)を参照する必要があります。しかしながら、一般幾何公差によって参照される DRF はないので、平行度、直角度、対称度、円周振れの一般幾何公差の意味があいまいになることがあります。さらに、ISO 2768-2 によれば、一般幾何公差から外れているワークピースは、機能が損なわれない場合、自動的に却下されることはありません。したがって、形体の位置または方向の許容偏差を定義する際に一般幾何公差を使用することは推奨されていません。このような理由により、GD&T Advisor では形状の一般幾何公差 (真直度や平面度など) は考慮されますが、その他の幾何公差 (平行度、直角度、対称度、円周振れなど) は考慮されません。