新規メンテナンスリリースへのアップグレード
Windchill PDM Essentials は
Windchill PDMLink と同じ方法で PTC ソリューションインストーラ (PSI) を使用して更新され、
Windchill Installation Assistant は使用されません (これは新規インストールまたは新規リリースへのアップグレードの一環としてのみ使用されます)。展開済みの
Windchill PDM Essentials にプラットフォームのメンテナンスリリースの更新を適用するには、PTC サポート Web サイト (
http://www.ptc.com/support/support.htm) の
Windchill PDM Essentials ダウンロードファイルのセクションで、
Windchill サービスパックをダウンロードする必要があります。
必要なイメージをダウンロードし、次の手順でメンテナンスリリースの更新を適用します。
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Windchill 製品を本番環境に配置する前に、テスト (本番前) システムを使用して、Windchill 製品が期待どおりに機能していることを確認してください。これにより、実運用システムのアクティビティに支障を来すことなく、潜在的な問題を把握できます。メンテナンスリリースをテストシステムにインストールして、その結果に問題がなければ、実運用システムでもメンテナンスリリースのインストールプロセスを実行します。テストシステムと実運用システムでのメンテナンスリリースのインストール作業は同じなので、効率的な作業が可能となります。
本番サーバーを直接更新する場合は、必ずサーバーおよびデータベースのバックアップを作成するか、仮想環境に展開済みの場合はスナップショットを取得してください。これにより、更新に問題が生じた場合に、システムを復元できます。バックアップの詳細については、後述のステップ 3 を参照してください。
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更新の前に、単純番号 (ハーバードシリーズとも呼ぶ) バージョンスキームを使用するようソースシステムがセットアップされているかどうかを確認します。既存のドキュメントと CAD ドキュメントにはバージョンと作業版数指定子があります。ドキュメントと CAD ドキュメントのバージョンが 1.1, 1.2,....2.1, 2.2,... などとして表示される場合、そのバージョンスキームは単純番号 (ハーバードシリーズ) です。システムで単純番号 (ハーバードシリーズ) バージョンスキームが使用されている場合にはそのことを覚えておいてください。更新プロセスで追加のステップが必要です。詳細については、単純番号 (ハーバードシリーズ) バージョンスキームでの更新後のステップを参照してください。
1. ターゲットシステムに、ダウンロードしたイメージ用のステージングディレクトリを作成します。メディアファイルを新しいステージングディレクトリに配置します。
a. 「ステージングにコピー」をクリックします。
b. 「ブラウズ」をクリックし、CD の ZIP ファイルを含むディレクトリ、または製品 CD が挿入されている CD ドライブを参照します。
c. 「OK」をクリックします。
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ステージングディレクトリは、インストールの開始前に製品媒体をコピーするディレクトリです。これにより、PTC ソリューションインストーラは、インストール中にプロンプトを表示するために中断することなく各 CD イメージにアクセスできます。
ステージング領域を使用すると、インストール時間が短縮され、インストール中に媒体を挿入する必要がありません。
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2. サイトで Windchill を実装する際に、PTC によって提供されたファイルを修正する必要がある場合、メンテナンスのインストールプロセスで PTC から配布されたファイル (site.xconf ファイル以外) を上書きする可能性があることに注意してください。これには、修正したファイルも含まれます。
テストシステムを使用すると、PTC からの更新をサイトで修正されたファイルに組み込み、実運用システムで実行中の作業に支障を与えることなく、ユーザー独自のカスタマイズを使用してメンテナンスリリースまたはポイントリリースを検証できます。サイトで修正されたファイルのコピーは、Windchill インストールディレクトリの下位にある安全な領域のディレクトリ構造に保存しておいてください。続いて、PTC ソリューションインストーラを実行し、サービスパックのインストールタイプのオプションで「サイトにより修正されたファイルの安全領域への更新」を選択して、次の手順に従います。メンテナンスリリースで変更されているファイルにアクセスして、サイトで修正されたファイルを更新できます。サイトで修正されたファイルの更新後、再度次の手順に従い、テストシステム上で「完全」なサービスパックインストールを実行して、サイト修正を組み込んだ更新後のシステムが、要件どおりに機能することを確認できます。
テストシステムにメンテナンスリリースまたはポイントリリースをインストールし、問題がない場合は、サイトで修正された更新済みのファイルを実運用システムの安全な領域のディレクトリ (<Windchill>/wtSafeArea/siteMod) にコピーします。これで、実運用システムでもメンテナンスリリースまたはポイントリリースのインストールプロセスを実行します。
3. 次の手順を実行して、システムの更新準備を行います。
a. テストシステムと実運用システムが同期していることを確認します。
b. Windchill 製品のファイルを操作する可能性がある Web サーバー、サーブレットエンジン、および Windchill サーバーをすべて停止して、実運用システムをオフラインにします。Windchill サービスおよび Apache サービス (services.msc) の停止と、Windchill ファイルを開いているアプリケーション (たとえば、テキストエディタ、Windchill シェル、Windchill ログファイルなど) の終了も必要です。
c. <Windchill>\Tomcat\instances\ フォルダの内容を削除します。
d. システムをオフラインにしてから、メンテナンスリリースをインストールする前に、必要なバックアップを実行してください。ファイルのバックアップはプロセスの重要なステップです。バックアップファイルがないと、エラーが発生した場合にファイルを復元できない可能性があります。少なくとも次の項目をバックアップする必要があります。
▪ Windchill データベース - SQL Server 環境で使用できるデータベースのバックアップ手順を実行します。このバックアップでは、サイトのデータ復元プロセスに従う必要があります。
▪ Windchill ソリューションのインストールディレクトリ - デフォルトで、これは C:\ptc です。これをバックアップするには、ディレクトリの重複コピーを作成して、サイトのデータ復元プロセスに適合した場所に保存します。
▪ Windchill ソリューション LDAP ディレクトリのコンテンツ (LDIF ファイル) -
LDIF ファイルへのエントリのエクスポートで説明されている LDAP エクスポート手順を実行します。サイトのデータ復元プロセスに適合した場所に LDIF ファイルを保存します。
▪ PTC ソリューションインストーラのグローバルレジストリディレクトリ - <インストール場所>/PSI ディレクトリにある PTC ソリューションインストーラのグローバルディレクトリ "installer" の重複コピーを作成します。この PTC ソリューションインストーラのグローバルレジストリディレクトリは、サイトのデータ復元プロセスに適合した場所に保存します。
4. 更新しているシステムに Windchill Workgroup Manager が含まれている場合は、クライアント JAR ファイルが最新であることを確認します。Windchill Service Pack をインストールすると、クライアント JAR ファイルが自動的に再構築されます。PTC ソリューションインストーラでオプションを選択するときに、オプションの製品で「Windchill Workgroup Manager」を選択します (手順 13 を参照)。
5. PSI の起動:
a. PTC ソリューションインストーラ CD を挿入します。
b. コマンドプロンプトウィンドウから、CD ドライブに移動し、コマンド setup.vbs を入力します。
PSI が開きます。
6. インストールセッションの言語を選択して「OK」をクリックします。
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「インストールを開始する前に」パネルに、Windchill ソリューションのインストールに必要なマニュアルへのリンクが表示されます。
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7. PTC カスタマーライセンス契約に同意します。
8. 「既存のインストールをアップデート」を選択して、「次へ」をクリックします。
9. 更新するインストールを選択して、「次へ」をクリックします。
10. 「製品を選択」ページで「メンテナンスリリースをインストール」を選択し、「次へ」をクリックします。
◦ 使用するソリューションが指定したディレクトリにない場合は、「アップデートされる製品」パネルが表示され、製品の場所を指定できます。
◦ サイトを修正済みの場合は、これらの修正が保存されているディレクトリ <Windchill>/wtSafeArea/siteMod (<Windchill> は Windchill Services のインストールディレクトリ) の有無が、インストーラにより確認されます。インストーラは、サイトで修正されたファイルのコピーがすべて、このディレクトリに保存されていると想定します。ディレクトリが見つからない場合は、「サイトの修正ディレクトリがないことを確認」というメッセージが表示され、サイトで修正されたファイルがないことを確認できます。「はい」をクリックして続行するか、「いいえ」および「キャンセル」をクリックしてインストールを終了します。
11. メディアを含むステージングディレクトリを指定し、「次へ」をクリックします。
12. 既存の Web コンフィギュレーションを保持するかどうかを選択し、「次へ」をクリックします。
13. Windchill Workgroup Manager の更新の一部として Windchill の更新をインストールする場合、インストールの対象として該当するすべての Windchill Workgroup Manager オーサリングアプリーションの横のチェックボックスをオンにします。
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Windchill サーバーへの Windchill Workgroup Manager のインストールに加え、ユーザーは Windchill Workgroup Manager クライアントソフトウェアもインストールする必要があります。これらの手順は、ガイドおよび Windchill Workgroup Manager ヘルプセンターの該当する CAD およびオーサリングツールの「インストールおよびコンフィギュレーション」セクションに掲載されています。
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14. 「インストールタイプを選択」パネルで、「完全」を選択し、「次へ」をクリックします。
15. 更新する必要がある製品とコンポーネントがリストされます。また、再インストールして更新を完了する必要がある製品も表示されます。
「次へ」をクリックします。
16. Apache Web サーバーおよび Tomcat に更新が必要な場合、このパネルには設定ファイルを保存するオプションが表示されます。このチェックボックスをオフにすると、Apache に付属のデフォルトの httpd.conf ファイルによって既存の httpd.conf ファイルが上書きされます。このチェックボックスをオンにすると、既存の httpd.conf ファイルは上書きされません。
「次へ」をクリックします。
17. 「インストールの概要」ページで、情報を確認して「インストール」をクリックします。
18. インストールが正常に完了すると、「インストール完了」パネルに、インストールの影響を受けたディレクトリが表示されます。実行したインストールタイプに応じて、これらのディレクトリは、選択したインストール先ディレクトリ、選択したディレクトリ、および <Windchill>/wtSafeArea/ptcCurrent ディレクトリ、または <Windchill>/wtSafeArea/ptcCurrent ディレクトリのみの場合があります。
インストールログファイルは、<Windchill>/installer/logs ディレクトリにあります。インストールのログファイルには以下の名前が付きます。
WSP_InstallLog.xml
WSP_PtcInstall.log
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インストールに失敗すると、エラーメッセージと該当するログファイル名がパネルに表示されます。ログファイルは、失敗の原因を特定する際に役立ちます。
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インストールに関するサポートを依頼する場合は、ログファイルの内容もお知らせください。ログファイルは、Windchill Service Pack のインストールごとに個別に作成されます。それぞれのログファイルのセットは、インストールディレクトリの下の installer/logs ディレクトリにあります。
20. Windchill Service Pack のオプションを使用して既存のインストールの更新 (メンテナンスリリースの更新など) を完了した後は、更新ツールを実行する必要があります。
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更新ツールを実行するには、Web サーバー、Windchill Directory Server、およびデータベースが起動して動作している必要があります。
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更新ツールを実行するには、Windchill シェルから Windchill 管理者 (wcadmin) として、次のコマンドを実行する必要があります。
Update_Tool.bat -username <username> -password <password> -noui
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更新ツールが実行を完了する前にサーバーがシャットダウンした場合、Windchill サービスが自動的に開始しようとすると、開始時に次のようなエラーが発生します: The Windchill service on Local Computer started and then stopped. Some services stop automatically if they are not in use by other services or programs
この問題を解決するには、以下の手順に従います。
a. マシンをセーフモードで開始します。
b. 「スタート」メニューの > から Windows サービスにアクセスします。
c. Windchill PDM Essentials Windows サービスの「スタートアップの種類」プロパティの値を「自動」から「手動」に変更します。
d. マシンを再起動します。
e. 更新ツールを実行します。
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「データベースでフェーズ新規データを読み込みを完了としてマークしています。」というメッセージが表示された場合、更新ツールは正常に完了しています。
21. Windchill Service Pack のインストールで Windchill ソリューションのインストールディレクトリが更新される場合は、 > > に移動して、更新された Windchill 製品のバージョンが正しいことを確認します。
「リリース」および「製造コード」フィールドは、更新された正しいバージョンを反映している必要があります。
windchill version コマンドでも、Windchill の適切なバージョンを検証できます。
Windchill のバージョンから、いずれかのコンポーネントのインストールが不完全であることがわかった場合は、「復元」インストールタイプオプションを選択して、インストールを再実行してください。
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最初にテストシステムにインストールしている場合は、実運用システムでインストールを繰り返す必要があります。
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この URL では、PTC オンラインサポートの参照ドキュメントの Web ページが表示されます。ドキュメントのサーチ基準で、「製品」ドロップダウンリストから該当する製品を、「報告されたリリース」ドロップダウンリストから現在のリリースを、「文書の種類」ドロップダウンリストから「最初にお読みください」を、「ユーザーロール」ドロップダウンリストから「管理者」を選択します。
23. 更新の一部として、モデル化されたテーブルのテーブルスペースが WCAUDIT からその他のテーブルスペースに変更された場合は、変更が検出され、「データベーススキーマをアップグレード」フェーズの間に次のスクリプトが生成されます。
<windchill>\Upgrade\UpgradeReports\UpgradeDatabaseSchema\MoveTablesSql-<date>.sql
この場所にスクリプトが存在している場合は、このスクリプトを手動で実行して、既成のデータベーススキーマに一致するように、テーブルを WCAUDIT テーブルスペースに移動する必要があります。
24. Apache Web Server および Windchill サーバーの Windows サービスを再起動して、システムをオンラインに戻します。
Windchill Service Pack の更新については、
既存のインストールの更新を参照してください。
単純番号 (ハーバードシリーズ) バージョンスキームでの更新後のステップ
単純番号 (ハーバードシリーズ) バージョンスキームを使用するようソースシステムがセットアップされていた場合、更新が正常に完了した後で次の追加のステップを実行します。
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既存のドキュメントと CAD ドキュメントにはバージョンと作業版数指定子があります。ドキュメントと CAD ドキュメントのバージョンが 1.1, 1.2,....2.1, 2.2,... などとして表示される場合、そのバージョンスキームは単純番号 (ハーバードシリーズ) です。
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Windchill シェルで、次のコマンドを入力して適切なプロパティを追加します。
• xconfmanager -s wt.series.HarvardSeries.Number.delimiter=. -s wt.series.HarvardSeries.Number.depth=16 -s wt.series.HarvardSeries.Number.level.1=wt.series.IntegerSeries -t codebase/wt.properties -p
• xconfmanager --add wt.series.HarvardSeries.seriesNames=MilSpec,Number -t codebase/wt.properties -p
xconfmanager ユーティリティの詳細については、
xconfmanager ユーティリティの使用を参照してください。
上記の手順を行わないと、次のエラーが発生します。
ERROR [ajp-bio-8010-exec-1] com.ptc.core.htmlcomp.jstable.JSPersistableDataUtility cadauth
- JSPersistableDataUtility.getValue :: wt.util.WTRuntimeException:
Unable to construct version identifier for series: wt.series.HarvardSeries.Number;
nested exception is:
java.lang.reflect.InvocationTargetException
wt.util.WTRuntimeException: Unable to construct version