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例: 定積分における TOL とメソッドの効果
許容誤差パラメータ
収束許容誤差 (TOL) というシステム変数が定積分の結果に与える影響について考察します。TOL は、「計算」タブの「ワークシートの設定」グループ、またはワークシート内で直接設定できます。
1. 次の積分を計算します。
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TOL のデフォルト値を使用して解が求められます。
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2. 許容誤差をゆるく設定して積分を再計算します。
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3. 許容誤差を厳しく設定して積分を再計算します。
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不連続関数
不連続関数は振幅と不連続性が大きい場合に積分の一部の値で不安定になることがあります。積分する前に、積分区間に可積分領域が含まれているかどうかを確認する必要があります。TOL をいろいろな値に変更してみることも可能です。
1. Heaviside Step 関数Φを使用して、不連続鋸歯状波関数を定義します。
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2. 収束許容誤差の変数を定義します。
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TOL (10-15) の最小値は不連続性が大きい関数には小さすぎるので、このアルゴリズムでは不適切な推定値が返ることがあります。
3. 鋸歯状波関数 f(x) と積分 Int(x) をプロットします。積分関数を係数 4 で尺度化します。
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この積分関数は、x = 15 の近くで急激に変化しています。不連続関数を積分するとこのような問題が発生することがあります。TOL10-10 未満にすると問題がさらに大きくなります。
4. 有効な解を求めるには、関数の不連続点に対応して細かく分割して積分します。
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5. f(x) と新しく定義した Int2(x) をプロットします。
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x = 15 の近くに見られたスパイクが消えています。
積分の制約
数値積分では、ほぼゼロに近い値の関数における極小のパルスを積分するとゼロになる場合が多いという制約があります。通常、積分領域の 95 % を超える部分で被積分関数がゼロである場合、このアルゴリズムではゼロ以外の点での被積分関数を評価 (計算) しないことがあります。
1. 幅 1.0 のゼロ値信号内に幅 0.05 の狭いパルスを定義し、プロットします。
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2. 関数の数値積分を計算します。
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結果は、パルス 0.05x1.0 の面積 (0.05) に等しくなります。
3. この問題を解決するには、被積分関数のゼロ以外の部分を含む小さな領域で積分を行います。
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積分の結果、正しい値が返されます。
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