モジュール関連変数
Creo Flow Analysis の各物理モジュールには、定義式エディタに関連付けられている変数と積分量があります。各モジュールで使用可能な個々の変数名がモジュール関連定義式にリストされています。定義式 module[.subname].exists はモジュールが現在のプロジェクトに存在するかどうかをチェックします。
例:
disp = trans_1D_1CV.displacement
pre = flow.P
temp = (heat.exists?) heat.T : 300
従属変数または独立変数
各モジュールをアクティブ化すると、そのモジュールの従属変数および独立変数 (1 次、プロパティ、派生) を Creo Flow Analysis 全体の定義式でアクセスして使用できます。これらの従属変数と独立変数は解ドメインにおける各セルの値を含む配列に対応しています。
定義式エディタにおける 1 次変数、プロパティ変数、派生変数の一般的なフォーマットは module[.subname].var です。
従属変数と独立変数には次のような特性があります。
• 変数のリストに対応していますが、一部の変数名は異なる場合があります。
• 定義式に使用可能な 1 次変数、プロパティ変数、派生変数の変数名は filename_points.txt ファイルに示されます。点プローブがアクティブな状態でコードを実行した場合、このファイルを生成してコード内の特定の変数のプローブ可能な名前を調べることができます。
• 流れモジュール変数の速度ベクトル V など、points.txt ファイルにリストされていない変数名を使用できます。
• 変数名が間違っている場合や使用できない場合、その変数を保存しようとするとエラーメッセージが生成されます。
• 変数表示関数を使用して、派生変数の形式で従属変数を作成できます。定義式エディタにおける派生変数の使用例を以下に示します。
◦ 共通モジュール - Creo Flow Analysis で共有されるモジュールこのモジュールはその他のモジュールとは異なる規則に従います。ここではモジュール名として "common" の代わりに "share" が使用され、たとえば common.var_name ではなく share.var_name が使用されます。あるいは、"share" を完全に省略して、share.var_name を名前だけに簡略化できます。
▪ share.density または share.rho: 密度 [kg/m3]
▪ share.porosity または share.por: 多孔性 [ ]
▪ share.cells_vol: セルボリューム [m3]
◦ 流れモジュール
▪ flow.pressure または flow.P: 圧力 [Pa]
▪ flow.V: (ベクトル) 速度 [m/s]
▪ flow.u/flow.v/flow.w: 直交速度成分 [m/s]
▪ flow.viscosity または flow.mu: 層流動粘度 [Pa-s]
▪ flow.totalP: 合計圧力 [Pa]
▪ flow.vMag: 速度のマグニチュード [m/s]
▪ flow.labVr/flow.labVt/flow.labVa: ラジアル方向/接線方向/軸方向での速度の成分 [m/s]
▪ flow.relVr/flow.relVt/flow.relVa: ラジアル方向/接線方向/軸方向での相対速度の成分 [m/s]
▪ flow.relVelocity: (ベクトル) 相対速度 [m/s]
▪ flow.vrMag: 相対速度のマグニチュード [m/s]
▪ flow.vorticity: (ベクトル) 渦度 [1/s]
▪ flow.vorticityMag: 渦度マグニチュード [1/s]
▪ flow.mach: マッハ数 [ ]
▪ flow.sspd: 音速 [m/s]
◦ キャビテーションモジュール
▪ cavitation.Fgas: 遊離ガスの質量分率 [ ]
▪ cavitation.Fvap: 蒸気の質量分率 [ ]
▪ cavitation.Dgas: 油溶性ガスの質量分率 [ ]
▪ cavitation.volFracGas: 遊離ガスの体積分率 [ ]
▪ cavitation.volFracVap: 蒸気の体積分率 [ ]
▪ cavitation.volFracDGas: 油溶性ガスの体積分率 [ ]
▪ cavitation.volFracT: 全気相の体積分率 [ ]
▪ cavitation.damagepower: キャビテーション損傷力 [W]
◦ 乱流モジュール
▪ turbulence.tke: 乱流運動エネルギー [m2/s2]
▪ turbulence.ted: 乱流運動エネルギー消散率 [m2/s3]
▪ turbulence.muT: 乱流粘度 [Pa-s]
◦ 熱モジュール
▪ heat.temperature または heat.T: 温度 [K]
▪ heat.conductivity または heat.K: 熱伝導率 [W/m-K]
▪ heat.capacity または heat.C: 熱容量 [J/Kg-K]
▪ heat.Ht: 全エンタルピー [J/kg]
▪ heat.Et: 合計内部エネルギー [J/kg]
▪ heat.Tt: 全温度 [K]
◦ 種モジュール
▪ species[.subname].concentraction または species.[subname].C: 濃度 [ ]
▪ species.[subname].D: 拡散率 [m2/s]
◦ 多成分モジュール
▪ component[.subname].C: 成分濃度 [ ]
▪ component[.subname].D: 成分拡散率 [m2/s]
▪ component[.subname].soretDiff: ソレー拡散率 [m2/s]
▪ flowcomp[.subname].viscosity: 成分粘度 [Pa-s]
▪ heatcomp[.subname].K: 熱伝導率 [W/m-K]
▪ heatcomp[.subname].C: 成分熱容量 [J/kg]
▪ sharecomp[.subname].rho: 成分密度 [kg/m3]
◦ 多相モジュール
▪ phasecomp[.subname].vFrac: 成分体積分率 [ ]
▪ flowphasecomp[.subname].viscosity: 成分粘度 [Pa-s]
▪ heatphasecomp[.subname].K: 成分熱伝導率 [W/m-K]
▪ heatphasecomp[.subname].C: 成分熱容量 [J/kg-K]
▪ sharephasecomp[.subname].rho: 成分密度 [kg/m3]
例
air_visc = flowphasecomp.air.viscosity
◦ ダイナミックモジュール
▪ ダイナミック直線移動モジュール
▪ trans_1d[.subname].displacement: 変位 [m]
▪ trans_1d[.subname].velocity: 速度 [m/s]
▪ trans_1d[.subname].acceleration: 加速度 [m/s2]
▪ trans_1d[.subname].force: フォース [N]
▪ ダイナミック回転モジュール
▪ rotate_1d[.subname].angle: 角度 [rad]
▪ rotate_1d[.subname].omega: 角速度 [rad/s]
▪ rotate_1d[.subname].rpm: 回転速度 (毎分回転数) [rpm]
▪ rotate_1d[.subname].torque: トルク [N-m]
▪ rotate_1d[.subname].acceleration: 角加速度 [rad/s2]
▪ ダイナミックモジュールでの高度な変数
以下の変数は、拘束が適用されて拘束に基づく修正が加えられる前の ODE の解です。これらは、円の内側の 2 次元運動など、さらに複雑な拘束で使用できます。
▪ trans_1d[.subname].ode_displacement: 変位の初期 ODE 解 [m]
▪ trans_1d[.subname].ode_velocity: 速度の初期 ODE 解 [m/s]
▪ rotate_1d[.subname].ode_displacement: 角度変位の初期 ODE 解 [rad]
▪ rotate_1d[.subname].ode_velocity: 角速度の初期 ODE 解 [rad/s]
例
▪ dy = trans_1d.Y.ode_displacement
▪ domega = rotate_1d.Y.ode_velocity