Creo Ansys Simulation での疲労解析
疲労解析について
Creo Ansys Simulation における疲労解析では、既存の構造解析ソリューションから得られた応力または歪みの結果を使用して、疲労寿命、疲労ダメージ、安全係数を評価できます。疲労解析は、計算済みの構造結果に対して実行されるポストプロセス計算です。
疲労挙動は、疲労計算の実行方法を定義します。これには、疲労解析の方法、荷重の定義、応力成分や歪み成分、寿命関連のパラメータが含まれます。各疲労結果は、単一の疲労挙動を参照します。
疲労検討を実行するための前提条件
• 疲労挙動や結果を定義する前に、まず静的構造解析または非定常構造解析を定義する必要があります。
• 疲労評価を行うには、モデルにソリッドジオメトリのみが含まれている必要があります。ビーム、シェル、およびシェルペアのモデル化はサポートされていません。参照は、ボディまたは構成部品でなければなりません。
• 疲労結果を定義する前に、必要なすべての
疲労材料特性が定義されていることを確認してください。
• 疲労挙動や疲労結果を定義し、疲労解析を実行するには、アドバンス Creo Ansys Simulation ライセンスが必要です。
疲労材料特性の定義
疲労結果を計算する前に、モデルに指定されているすべての材料の疲労材料特性を定義する必要があります。既存の材料を修正するか、新しい材料を作成します。「材料定義」(Material Definition) ダイアログボックスの「疲労」(Fatigue) 領域で、次の特性を定義します。
• 「応力寿命カーブ」(Stress Life Curve) - 応力寿命 (S-N) カーブは、弾性 (高サイクル) 疲労条件下における、両振れ応力振幅と破壊までのサイクル数との関係を定義します。これは、周期荷重条件下における材料の疲労寿命を予測するのに役立ちます。応力寿命カーブを、応力振幅と破壊までのサイクル数の関係を示すテーブル関数として定義します。応力振幅は正の値である必要があります。応力振幅とサイクル数の両方で同じスケール (線形または対数) を使用する必要があります。(応力振幅に線形を使用してサイクル数に対数を使用すること、またはその逆はサポートされていません)。
• 「強度係数」(Strength Coefficient) - 強度係数は、歪み寿命 (ε–N) 方程式における疲労強度の切片です。これは、疲労カーブの弾性部分から外挿された、1 回の反転 (2N = 1) における応力振幅を表します。強度係数の値が高い材料は、弾性領域において疲労ダメージに対する耐性が高くなります。
• 「強度指数」(Strength Exponent) - 強度指数は、対数-対数スケールにおける歪み寿命カーブの弾性部分の勾配を定義します。強度指数がより負の値になるほど勾配が急であることを表し、これは応力によって疲労寿命がより急速に低下することを示します。
• 「延性係数」(Ductility Coefficient) - 延性係数は疲労延性の切片を表し、1 回の反転における塑性歪み振幅に対応します。これは、歪み寿命疲労解析で使用され、疲労寿命に対する塑性歪みの寄与を表します。延性係数の値が高いほど、材料が破壊前により大きな塑性変形に耐えられることを意味します。
• 「延性指数」(Ductility Exponent) - 延性指数は、歪み寿命カーブの塑性部分の勾配を定義します。これは、歪み寿命疲労解析でのみ使用され、塑性歪みの増加に伴って疲労寿命がどの程度の速さで低下するかを制御します。通常、延性指数の値は負です。延性指数がより負の値になるほど、材料は塑性変形によって疲労寿命をより急速に失うことを意味します。
• 「周期強度係数」(Cyclic Strength Coefficient) - 周期強度係数は、安定した周期荷重下で単位塑性歪みを生じさせるのに必要な応力を定義します。これは、周期応力-歪み挙動に使用され、弾性応力を周期塑性歪みに変換するために必要です。また、歪み寿命疲労解析および平均応力修正においても重要です。周期強度係数の値が高いほど、周期塑性変形に対する耐性が高いことを意味します。
• 「周期歪み硬化指数」(Cyclic Strain Hardening Exponent) - 周期歪み硬化指数は、周期応力-歪みカーブの非線形性を定義します。周期強度係数と組み合わせて使用することで、周期荷重下において、塑性歪みに伴って応力がどのように増加するかを制御します。これは、歪み振幅に影響し、疲労寿命の計算で使用されます。周期歪み硬化指数の値が高いほど、周期歪み硬化が強いことを意味し、この値が低いほど、周期荷重下で材料が軟化しやすいことを示します。
疲労解析の実行
手順 1: 構造解析の実行
1. 構造検討を作成し、荷重、拘束条件、材料を適用します。
2. シミュレーション検討を実行し、応力結果または歪み結果が使用可能であることを確認します。
手順 2: 疲労挙動の定義
1. 「結果を定義」(Define Results) の横の矢印をクリックし、
「疲労挙動」(Fatigue Behavior) を選択します。
2. 「疲労挙動」(Fatigue Behavior) ダイアログボックスで、次のいずれかの解析タイプを選択します。
◦ 「応力寿命」(Stress life) - 応力寿命は、通常、高サイクル疲労に使用され、応力結果と応力寿命カーブを使用して疲労を計算します。
◦ 「歪み寿命」(Strain life) - 歪み寿命は、通常、低サイクル疲労に使用され、歪みベースの方程式を使用します。この方法では、無限寿命限度およびその他の歪み寿命のパラメータを定義する必要があります。
3. 「成分」(Component) リストから、疲労計算に使用する応力または歪みの成分を選択します。
4. 次のいずれかのタイプの荷重オプションを選択します。
◦ 「完全反転」(Fully reversed) - これは、平均値がゼロの一定振幅荷重です。最大応力 (または歪み) は、同等の引張りと圧縮の間で対称的に両振れします。
◦ 「ゼロ」(Zero) - このタイプの一定振幅荷重では、応力はゼロと正の値の間で変動します。平均応力値はゼロではない値になります。
◦ 「比率」(Ratio) - このタイプの一定振幅荷重では、応力は荷重比率によって定義される 2 つの値の間で変動します。
荷重タイプが「ゼロ」(Zero) または「比率」(Ratio) の場合は、次の設定を指定します。
◦ 「平均応力理論」(Mean stress theory) - 応力寿命タイプの挙動として、
「なし」(None)、
「グッドマン」(Goodman)、または
「ゲルバー」(Gerber) のいずれかの値を選択します。疲労挙動で使用する平均応力理論を選択する際の参考として、
疲労設計における適切な平均応力修正の選択のトピックを参照してください。
歪み寿命タイプの挙動として、「なし」(None)、「Morrow」、または「SWT」のいずれかを選択します。
◦ 「荷重比率」(Loading ratio) - 荷重比率を指定します。荷重比率が 3 の場合、応力または歪みは実際の振幅とその 3 倍の振幅の間で変動し、平均は振幅の 2 倍になります。
5. スケール係数 (平均値および交互値に対する乗算係数) を指定します。
6. 次の追加設定の値を指定します。
◦ 「無限の寿命」(Infinite life) - これは、歪み寿命解析タイプの最大寿命です。
◦ 「設計寿命」(Design life) - モデルの設計目標となる寿命を指定します。
◦ 「寿命単位」(Life units) - 寿命の単位を選択します。これには、ブロック、日、分、秒などの値を指定できます。
7. 「OK」をクリックすると、疲労挙動が作成されます。
手順 3: 疲労結果の定義
2. 「結果タイプ」(Results type) リストから「その他」(Others) を選択して、「その他の結果タイプ」(Other Result Types) ダイアログボックスを開きます。「疲労」(Fatigue) グループを展開し、必要な疲労結果を選択します。
3. 参照としてソリッドボディまたは構成部品を選択します。
4. 既存の疲労挙動を選択するか、新しい疲労挙動を作成します。
5. 検討が非定常の場合は、シミュレーションステップを選択します。
6. 「OK」をクリックすると、疲労結果が計算されて表示されます。
手順 4: 結果のレビューと更新
疲労結果が等高線図として表示されます。疲労挙動が修正されると、関連付けられているすべての結果はモデルツリー内で「古い」としてマークされ、更新時に再評価する必要があります。
サポートされる疲労結果
疲労結果は、ユーザー定義の等高線図としてのみ表示できます。ベクトルプロットおよびプローブは、疲労結果ではサポートされていません。
疲労挙動に対して、次の疲労結果を定義できます。
• 両軸指示
• 対応両振れ応力。対応両振れ応力の結果には、応力寿命疲労挙動を使用します。
• 疲労ダメージ
• 疲労寿命
• 安全係数
これらの結果の解釈の詳細については、
疲労検討における結果の解釈のトピックを参照してください。