ドレーピングシミュレーションの実行
プライの生産可能性を解析し、プライのフラットパターンを作成するには、ドレーピングシミュレーションを実行します。ドレーピングシミュレーションは、プライがサーフェスのジオメトリに従う際の材料の繊維方向の変化を理解するのにも役立ちます。
複合材フィーチャーにはドレーピングシミュレーションフィーチャーを 1 つだけ作成できます。ドレーピングシミュレーションフィーチャーがすでに存在する場合、同じ「ドレーピングシミュレーション」(Draping Simulation) コマンドを使用してフィーチャーを再定義できます。
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多数のプライに対してドレーピングシミュレーションを実行するには、オブジェクト-アクションアプローチを使用した方が簡単です。プライを先に選択してから、「ドレーピングシミュレーション」(Draping Simulation) コマンドを使用します。
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ドレーピングシミュレーションを実行するには次の手順に従います。
1.
「ドレーピングシミュレーション」(Draping Simulation) をクリックします。
「ドレーピングシミュレーション」(Draping Simulation) タブが開きます。
2. 「セット」(Sets) タブでセットを選択するか、「新しいセットを追加」(Add new set) をクリックして新しいセットを作成します。右側でハイライトされているセットを次のように定義します。
a. 「プライ」(Ply) ボックスをクリックし、積層ツリーからプライを選択します。ドレーピング結果がグラフィックウィンドウに表示され、シードポイントが黄色でハイライトされて結果の凡例が表示されます。
b. シードポイントのデフォルト位置を変更するには、「シードポイント」(Seed point) ボックスをクリックし、次のいずれかの操作を行います。
▪ プライ境界内の既存のデータム点またはフィールドポイントを選択します。
▪ プライ境界内にデータム点を作成し、その点をシードポイントとして選択します。データム点を作成するには、 > の順にクリックします。
▪ プライ境界内の位置を選択します。
▪ プライが非表示になっている場合、プライを再表示して前述のオプションを使用するか、プライ境界内でシードポイントをドラッグできます。
c. 「ステップの長さ」(Step length) ボックスをクリックし、ドレーピングシミュレーションの解像度を入力するか選択します。入力する数値を小さくするほど、解像度が上がります。
| 一般的に、ステップの長さは、ドレープによって取り込まれる最小プライジオメトリフィーチャーのサイズの半分より短くすることをお勧めします。 |
d. 「ドレーピング角度のオフセット」(Draping angle offset) ボックスで、材料ロール方向からのドレーピングシミュレーション方向の角度オフセットを指定します。デフォルト値は、材料定義で定義されている 1 つ目の構成繊維の角度に基づいています。デフォルト値を変更するには、「ドレーピング角度のオフセット」(Draping angle offset) ボックスをクリックし、値を入力するか選択します。
e. 「簡略化角度」(Simplification angle) ボックスをクリックし、ポリラインセグメント間の傾斜度公差を入力するか選択します。ポリラインセグメント間の傾斜度公差が「簡略化角度」(Simplification angle) ボックスで指定した角度より小さい場合、ポリラインセグメントはマージされます。
f. 「基礎プライでドレープ」(Drape over underlying plies) を選択して、プライ位置を計算し、積層スタック内の基礎プライの厚みを考慮してプライ形状を生成してから、生成されたプライ形状に基づいてドレーピングシミュレーションを実行します。
g. 基礎プライの厚みにすべてのプライの硬化後状態と硬化前状態のどちらを使用するかを指定するには、「オプション」(Options) タブで次のいずれかのオプションを選択します。
▪ プライの硬化後厚み
▪ プライの硬化前厚み
h. 大きなレイアップサーフェス上の特に小さなプライに対し、ドレープの微調整を増加するには、「ドレーピング微調整」(Draping refinement) を選択します。
3. 結果の凡例で、次のいずれかの結果タイプを選択します。
◦ 「せん断」(Shear) - ドレーピングされたプライのせん断変形を表示します。
◦ 「縦方向」(Longitudinal Orientation) - ドレーピングによるプライ縦方向の実際の方向を表示します。
◦ 「横方向」(Transverse Orientation) - ドレーピングによるプライ横方向の実際の方向を表示します。
◦ 「ドレーピングされたプライ厚み」(Draped Ply Thickness) - ドレーピングによる実際のプライ厚みを表示します。
4. 「スケール」(Scale to) リストで、せん断結果の凡例スケーリングとして次のいずれかを選択します。
a. 「最大/最小」(Max/Min) - 凡例を結果の最大値と最小値に合わせてスケール設定します。
b. 「警告角度/制限角度」(Warn/Limit Angle) - 凡例を材料の警告角度と制限角度に合わせてスケール設定します。このスケール設定はせん断結果にのみ適用されます。材料定義で警告角度と制限角度が指定されている場合、せん断結果はデフォルトで「警告角度/制限角度」(Warn/Limit Angle) のスケール設定で表示されます。
5. (オプション)
「補助表示」(Auxiliary Display) をクリックすると、選択したプライのフラットパターンが別のウィンドウに表示されます。
6.
「OK」をクリックします。
ドレープのステータスの表示
ドレープのステータスを表示するには、積層ツリーで
「ドレーピングマネージャ」(Draping Manager) をクリックします。ドレープのステータスは次のように識別されます。
• ![](../composite_design/images/ccx_violation_green12x12.png)
- せん断結果の最大絶対値が材料の警告角度を下回っています。
• ![](../composite_design/images/ccx_violation_yellow12x12.png)
- せん断結果の最大絶対値が材料の警告角度を上回っていますが、制限角度は下回っています。
• ![](../composite_design/images/ccx_violation_red12x12.png)
- せん断結果の最大絶対値が材料の制限角度を上回っています。
• ![](../composite_design/images/ccx_violation_uncomputed12x12.png)
- 材料定義で警告角度、制限角度、またはその両方が指定されていません。
• ![](../composite_design/images/draping_analysis_failed12x12.png)
- プライのドレーピングシミュレーションに失敗しました。
プライ名の前に、エラーを示す次のアイコンが表示されることがあります。
• ![](../composite_design/images/glyph_warning_9x9.png)
- プライのロール幅が材料定義ダイアログで指定されていません。
• ![](../composite_design/images/glyph_error_9x9.png)
- プライの幅が指定されたロール幅より広くなっています。
ドレーピングシミュレーションの後のドレーピング結果の表示
• ドレーピング結果の表示モードをアクティブ化するには、グラフィックツールバーで > の順にクリックします。プライを一度に 1 つずつ選択して、そのドレーピング結果を確認できます。プライのドレーピング結果は、プライが正常なドレーピング結果を持つ場合にのみ表示されます。
• ドレーピング結果の表示モードを非アクティブにするには、グラフィックツールバーで > の順にクリックします。
ドレーピングシミュレーションの後のフラットパターンプレビューの表示
• 別のウィンドウを開いてフラットパターンプレビューを表示するには、グラフィックツールバーで > の順にクリックします。プライを一度に 1 つずつ選択して、そのフラットパターンを確認できます。
• ウィンドウを閉じるには、グラフィックツールバーで > の順にクリックします。