ドレーピングシミュレーション
ドレーピングについて
複合材プライは、二重に湾曲した非ガウスのサーフェスに適合させるために変形させる必要があります。Creo は、キネマティックドレーピングアルゴリズムを使用して、プライに必要なせん断変形をモデル化して、必要な形状に適合させることができるようにします。プライ内のせん断変形は、プライの生産可能性を理解するために役立ちます。このアルゴリズムにより、プライフラットパターンも生成されます。プライフラットパターンにより、平展開状態のプライ形状を作成できます。これはプライの繊維を物理的に切断するために便利です。
キネマティックドレーピングモデルは、所定のケースにおいて固有の解決を特定するための初期拘束を必要とします。初期拘束は、シードポイントと、シードポイントを通る 1 本の縦糸の繊維と 1 本の横糸の繊維を表す 2 つの方向です。
シードポイントは、プライとモールドまたは基礎プライの間の最初の接触点です。固定縦糸の繊維と固定横糸の繊維がシードポイントを通ります。固定縦糸の繊維の方向は、プライのロール方向を基準にして定義されます。この方向によってドレーピング方向が指定されます。固定横糸の繊維の方向は、固定縦糸の繊維の方向に対して 90 度から始まります。
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固定横糸の繊維の方向と固定縦糸の繊維の方向を物理的な繊維の方向に整列させることをお勧めしますが、必ずしも整列している必要はありません。
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プライのロール方向にドレーピング角度のオフセットを適用することで、ドレーピング方向を変更できます。網目の固定縦糸と固定横糸の繊維によって、プライをスムーズにするための方向が決まります。これらによってプライが論理的に 4 つの象限に分割されます。これらの象限はそれぞれ別個にドレーピングされます。
• A - 固定縦糸の繊維
• B - 固定横糸の繊維
プライのキネマティックドレーピングをモデル化するプロセスでは、ドレープ点の位置が計算され、網目が生成されます。ドレープ点は、縦糸の繊維と横糸の繊維の交差場所です。これらをドレーピングするには、これらがモールドまたは基礎プライのサーフェス上になければなりません。網目はドレープ点のネットです。横糸の方向と縦糸の方向において隣接するドレープ点の位置が判明している場合、あるいは縦糸の方向または横糸の方向において先行する 2 つのドレープ点の場所が判明している場合にのみ、ドレープ点の位置を特定できます。繊維は伸ばすことができないので、隣接するドレープ点の間の距離は一定であり、これをステップの長さと呼びます。Creo では、ステップの長さを柔軟に調整できます。
ドレーピング結果
せん断 - ドレーピング中にフラットプライが必要な形状に適合するときに、平面内せん断変形を表示します。プライがせん断できるかどうかは、警告角度と制限角度によって定義されるプライの微小機械配置によって異なります。次の図のせん断角度は 90°-α1 です。
縦方向と横方向 - プライが変形するときに、縦方向と横方向の予測される実際の方向を示します。網目要素のグローバル回転により、これらの方向はせん断角度と関連していますが、同じではありません。
ドレーピングされたプライ厚み - 変形前の四角形要素の面積に対するせん断された網目要素の面積の比率をプライ厚みに掛けた結果を表示します。一般的に、現実的なせん断変形の繊維の角度の偏差と比較すると、厚みの変化によって生じる積層特性の差はわずかです。したがって、これは下流解析で考慮されないことがよくあります。次の図は、せん断変形によるプライ形状の変化の例を示します。