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ジョブコンポーネントの解析
設計モデルに対して有限要素解析を1回実行する前に、数種類の情報が必要です。必要な最も基本的な情報は次のとおりです。
解析条件名
解析またはメッシュ作成の準備のためには、最初に解析条件を作成し、名前を付けます。単一のパーツの場合、解析条件を解析またはメッシュ処理する パーツと関連付ける必要があります。アセンブリの場合、解析条件を解析するパーツを含むアセンブリと関連付ける必要があります。これは、「FEA」タブの「解析条件」グループにあるボタンを使用して行います。
材質特性
実際のパーツまたは構造で使う予定の材質には、固有の物理特性があります。解析条件情報には、材質とその物理特性の情報を含めなければなりません。
Creo Elements/Direct Finite Element Analysis では、一般の材質データベース、ユーザやその企業によって保持される材質の優先リスト、または現在の Creo Elements/Direct Finite Element Analysis セッションで使われる材質のリストから、事前定義済みの材質を特性とともに選択できます。
境界条件
設計されたモデルの動作環境を最も良く表すように、使用時にオブジェクトが どのように拘束されるかを定義しなければなりません。例えば次のような 場合を考えます。xおよびz軸に沿って移動できるが、y軸に沿っては移動できない 床の上にあるかどうか。1つの稜線に沿った金属キャビネットの内部に接続されているかどうか。長さの向かい合った端の6個の支点で土台に固定されているかどうか。
機械的境界条件は、設計モデルが理論上どこにどのように支えられているか、または 地面に固定されているかを定義し、環境的な拘束を受ける変位制限です。同様に、熱量境界条件は、環境に関して設計モデルを理論的に維持する方法を定義する、温度および熱流の制限です。
操作条件の下でモデルが理論的に支えられている位置を拘束と言います。これらはモデルがあらゆる方向または選択した方向に移動や変形することを 防ぐためのモデル上の点群で、例えばスポット接続やボルト位置を表現できます。このプロセスは、自由度の拘束としても知られています。
モデリング/解析環境で、モデルに拘束を適用する場合、現実の支持効果を再現 しなければなりません。
Creo Elements/Direct Finite Element Analysis では、各頂点で、稜線に沿って、または面全体で設計モデルに拘束を設定できます。
荷重
最善の固定方法と、使用される環境条件に従って設計モデルを拘束したら 、パーツの「通常」の使用中に影響をうける特定の面に、シミュレートされた荷重を 適用できます。
荷重は、次の3種類の情報から構成されます。
位置 (機械的荷重および熱荷重)
大きさ (機械的荷重および熱荷重)
方向 (機械的荷重および熱荷重)
Creo Elements/Direct Finite Element Analysis で荷重を適用する場合、荷重を適用する頂点、稜線、または面を指定します。次に荷重の値を設定します。最後に、機械的荷重の場合は、適用する荷重の方向をモデルおよび選択した座標系に対して設定します。
1つの解析条件で、複数の荷重と荷重の種類を設計モデルに適用できます。パーツや構造に対して同時に発生すると予測される荷重の位置、大きさ、および方向の選択のプロセスを繰り返すことができます。
もう1つの荷重の種類は、強制変位と言います。これは、1つまたは複数の軸に沿って指定した距離移動する必要がある特定の点、稜線、または面の指定です。
熱量解析の場合は、モデルに対して自由対流荷重も適用できます。
座標系
解析モデル全体に対する個々の座標系の作成または規定は、特定の解析モデルでは役に立ちますが、Creo Elements/Direct Finite Element Analysis では必要はありません。ただし荷重および境界条件の適用時には、座標系を指定しなければなりません。
Creo Elements/Direct Finite Element Analysis 内では、次の 3 の座標系を使用できます。
グローバル
ローカル
円柱
Creo Elements/Direct Finite Element Analysis で使われるグローバル座標系は、設計モデルを作成した Creo Elements/Direct Modeling 環境から直接取られます。この座標系は、Creo Elements/Direct Modeling で使われるものと同じグローバルデカルト座標系です。
グローバルおよびローカル座標系は、Creo Elements/Direct Modeling とまったく同じように使い、操作します。詳細は、Creo Elements/Direct Modeling のマニュアルを参照してください。
半径、接線方向および軸座標に負荷と拘束を設定するときに、円柱座標系を使うと 柔軟性が増します。
メッシュ: ノードと要素
材質特性、荷重、および境界条件を定義すると、モデルを有限要素の集合に 細分つまり"分離"する準備が整います。分離プロセスの結果を表示すると網、つまりメッシュに似ているので、一般にこのプロセスをメッシングと言います。Creo Elements/Direct Finite Element Analysis では、メッシングプロセスは自動的に行われ、解析の実行時にユーザには見えません。ただし、メッシュの作成にユーザが操作を加えられないという ことではありません。
メッシュは有限要素とノードから構成されます。ノードは、モデル図形を 定義または区別し、要素を接続するのに役立つ幾何学的点です。変位や反力などの すべての解析結果は、ノードで判断されます。これは、有限要素法解析で使われる 方程式の基礎を形成するノード変位です。
解析結果を作成したい特定位置がモデルにある場合、Creo Elements/Direct Finite Element Analysis では、特定の点や図形上に要素を集中するなどのメッシュ条件を設定したり、特定のノード位置を頂点、稜線、および面上に定義できます。これらのノード位置をハードポイントと言います (ハードポイントをシードポイントまたはグリッドポイントと言う FEA システムもあります)。
Creo Elements/Direct Finite Element Analysis で設計モデルのメッシュを作成する場合、指定した任意の位置でメッシュを調整します。つまり、モデルに対して最適化された要素サイズと形状に従って自動的に 位置付けるのではなく、メッシュ要素は重要な領域に集中され、特定のハードポイント に接合されます。
メッシュ条件を指定することにより、自動的に生成された他のノードとともに、生成されたソルバ方程式と結果は、特定のユーザ定義の精緻化を考慮します。
メッシュ調整の目的は、モデルのノードから解析される結果が、指定された パラメータに対して可能な限り正確であることを保証することです。