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部分的なねじ止り穴パラメータ
部分的なねじ止り穴を作成、コピー、または編集する際に、「部分ねじ止り穴」ダイアログボックスが表示されます。これらのダイアログボックスのパラメータを次の表に示します。
編集コマンドを使用する場合、既存の値がモデルからダイアログフィールドにロードされ、編集できるようになります。
「イメージの表示」をクリックして、部分的なねじ止り穴のグラフィック表現を表示します。T&Q の表示をクリックして、公差とサーフェイス品質のデータ入力フィールドをダイアログボックスに追加します。
ダイアログフィールド
(キーワード)
タイプ
ラベル
説明
(SEL_FACE)
ドリル操作を行う面を指定します。自動パラメータ取得を無効に設定していない限り、面をクリックすると、「中心点」「軸方向」が得られます。
中心点
(CEN_PNT)
3D 位置
ドリル操作の中心点を指定します。ほかの穴加工操作により開始面が後で削除された場合、中心点は空間に残ったままにすることができます。自動パラメータ取得を無効に設定していない限り、をクリックしてから面上の点をクリックすると、クリックした点から中心点が得られます。
(AXIS)
3D 軸 (方向 + 位置 + 上方向)
加工穴の軸を指定します。ほかの穴加工操作により開始面が後で削除された場合、中心点は空間に残ったままにすることができます。自動パラメータ取得を無効に設定していない限り、をクリックしてから面上の点をクリックすると、クリックした点に対して鉛直の軸が得られます。
タップ単位
(TAP_UNITS)
キーワード
現在、次のねじがサポートされています。
:METRIC
:INCH
:BSW
:BSF
:BSP
:UNC
:UNF
:NPT
:PIPE_RP
:PIPE_G
:TRAPEZOID
:FLAT_TRAPEZOID
:SAW
:ROUND
:ROUND_MINING
:EDISON
:PIPE_JIS_B_0203
:PIPE_Pg
:metric_fine
Creo Elements/Direct Modeling でメートル法の長さ単位が設定されている場合、デフォルトはメートルねじです。
また、英国式の長さ単位が設定されている場合は、:inch がデフォルトです。
ねじ直径
(THREAD_DIA)
長さ
D1
名目上のねじの直径です。
ねじピッチ
(THREAD_SIZE)
長さ
ねじのサイズです。
ねじ Tpi
(THREAD_TPI)
ねじのサイズを指定する別のパラメータで、すべての英国式のねじやパイプねじに対してインチあたりのねじ山数を入力します。
条数
(THREAD_STARTS)
ねじ開始の数です。この値は、ねじ穴の幾何表現には影響しませんが、正確な製造文書を作成する際にねじの完全な仕様の一部として必要になります。指定省略時は 1 です。
方向
(THREAD_HAND)
キーワード
ねじの方向です。この値は、ねじ穴の幾何表現には影響しませんが、正確な製造文書を作成する際にねじの完全な仕様の一部として必要になります。
次のキーワードが使用できます。
:right (デフォルト)
:left
管用呼び径
(NOMINAL_PIPE_DIa)
長さ
パイプねじの名目上の直径で、ねじの "外径" ではありません。この値は、ねじ穴の幾何表現には影響しませんが、正確な製造文書を作成する際にパイプねじの完全な仕様の一部として必要になります。
ドリル直径
(DRILL_DIA)
長さ
ドリル加工する穴の直径です。
タップ深さ
(TAP_DEPTH)
公差付き長さ
T2
ねじの深さです。
Creo Elements/Direct Annotation 3D モジュールを使ってダイアログボックス内でこのパラメータに対する公差を追加していた場合、または直接指定していた場合、公差は受信する CAM システムに転送される出力ファイルに ISO または値で書き込まれます。
通常、タップ深さ (パラメータ) はねじ直径から算出され、システム (Creo Elements/Direct Modeling) によってデフォルト値に設定されます。この値は、明示的に設定しないかぎり、ドリル深さによって駆動されます。
* 
タップ深さの値を設定するには:
「タップ深さ」ボックスに値を入力し、Enter キーを押すか、
「タップ深さ」ボックスをクリックして実際の値をそのまま指定し (パラメータをアクティブ化するため)、Enter キーを押します。
タップ深さによって駆動されている状態のときに、ドリル深さが変更されると、タップ深さは、ドリル深さから標準タップクリアランスを引くことで、もう一度再計算されます。
ドリル深さ
(DRILL_DEPTH)
公差付き長さ
T1
ドリル加工の深さを指定します。深さは、ドリル加工される円柱の長さとして定義され、ドリルツールの先端を含みません。
Creo Elements/Direct Annotation 3D モジュールを使ってダイアログ内でこのパラメータに対する公差を追加していた場合、または直接指定していた場合、公差は受信する CAM システムに転送される出力ファイルに ISO または値で書き込まれます。
通常、ドリル深さはねじ直径と非表示の標準タップクリアランスのカスタマイズ値 (STD_TAP_CLEARANCE) から算出されます。ドリル深さ (パラメータ) はシステム (Creo Elements/Direct Modeling) によってデフォルト値に設定されます。この値は、明示的に設定しないかぎり、タップ深さによって駆動されます。
* 
ドリル深さの値を設定するには:
「ドリル深さ」ボックスに新しい値を入力し、Enter キーを押すか、
「ドリル深さ」ボックスをクリックして実際の値をそのまま指定し (パラメータをアクティブ化するため)、Enter キーを押します。
ドリル深さによって駆動されている状態のときに、タップ深さが変更されると、ドリル深さは、タップ深さに標準タップクリアランスを足すことで、もう一度再計算されます。
円錐角度
(CONE_ANGLE)
角度
A1
ドリル操作で使用されるドリルツールの先端角度です。デフォルトで 118°が使用されます。先端角度には、0 < A1 <= 180°という制限があります。平面止まり穴を作成できますが、そのための特殊なコマンドがあります (コマンドの名前で BLINDHOLE を FLAT_BLINDHOLE に置き換えてください)。
Chamfer Depth
(CHAMFER_DEPTH)
長さ
T3
軸方向で測定した面取りの深さです。
面取り角度
(CHAMFER_ANGLE)
角度
くぼみツールの先端角度です。
名前
(NAME)
文字
新しい集合体の名前を指定します。編集の際、この名前は固定されます。集合体の名前を変更するには、名前変更を使用します。
フラグ DP
(FLAG_Dp)
フラグ文字を含むドックプレーンです。
最初にダイアログボックス内でこの変数をオンにすると、計算されたデフォルト値がアクティブ化されます。
ドックプレーンのフラグ文字を使用せず、フリーのフラグ文字を取得する場合は、この変数をオフにします。後から同じダイアログボックスでこの変数をオンにして、最後に指定した値を再度アクティブ化することができます。
深さ DP
(DEPTH_DP)
深さに関する寸法を含むドックプレーンです。
最初にダイアログ内でこの変数をオンにすると、計算されたデフォルト値がアクティブ化されます。
ドックプレーンの寸法を使用せず、フリーの寸法を取得する場合は、この変数をオフにします。後から同じダイアログボックスでこの変数をオンにして、最後に指定した値を再度アクティブ化することができます。
DriDeSfty
(DRILL_DEPTH_SAFETY_ZONE_THICKNESS)
長さ
安全域に関連する深さの線幅 (円錐先端の壁厚など)。
安全域を使用しない場合は、この変数をオフにします。後から同じダイアログボックスでこの変数をオンにして、最後に指定した値を再度アクティブ化することができます。
DiaSfty
(DRILL_DIA_SAFETY_ZONE_THICKNESs)
長さ
安全域に関連する直径の線幅 (穴のまわりの "パイプ" の壁厚など)。
安全域を使用しない場合は、この変数をオフにします。後から同じダイアログボックスでこの変数をオンにして、最後に指定した値を再度アクティブ化することができます。
キーワード値のペアとして次のパラメータをユーザ入力ラインまたはカスタマイズテーブルに入力できます。
ダイアログフィールド
(キーワード)
タイプ
ラベル
説明
(THREAD_TPI_NUM)
負でない数
ねじサイズのインチあたりのねじ山数 (有理数) の分子部分。このパラメータは、次のものに適用できます。
:NPT
および
:UNC
タイプのねじ。その他のタイプのねじでは、カスタマイズテーブルに正の値がある場合、分子の値は強制的にゼロになります。
(THREAD_TPI_DEN)
正の数
ねじサイズのインチあたりのねじ山数 (有理数) の分母部分。このパラメータは、次のものに適用できます。
:NPT
および
:UNC
タイプのねじ。その他のタイプのねじでは、カスタマイズテーブルの値が 1 よりも大きい場合、分母の値は強制的に 1 になります。
次のパラメータはいずれもコマンドライン (ユーザ入力域) のキーワード値のペアにより入力したり、グラフィカルユーザインターフェイスで選択したりできず、カスタマイズテーブル内でのみ使用できます。
ダイアログフィールド
(キーワード)
タイプ
ラベル
説明
(CHAM_DIA)
負でない長さ
正面側の面取りの深さを指定する別の方法です。もしも、
SEL_FACE 面が平面上で穴の軸に垂直である場合、面取りの半径は穴の直径の半分になります。
(STD_TAP_CLEARANCE)
正の数
ドリル深さとタップ深さの差です。
メニューの残りのボタンは、次の操作を実行します。
ダイアログフィールド
(キーワード)
説明
イメージの表示/非表示
(IMAGE_SHOWN)
加工穴のグラフィック表現の表示と非表示を切り替えます。
T&Q の表示/非表示
(TOLERANCE_AND_QUALITY)
追加の公差関連の入力フィールドの、表示と非表示を切り替えます。
次へ
(NEXT)
現在の操作を終了し、ダイアログボックスを開いたまま、次の場所 (作成、コピー) または集合体 (編集) に関するプロンプトを表示します。
十分な情報が得られた時点で、定義している集合体のサイズを大まかに示すグラフィックフィードバックが表示されます。このフィードバックは、すべての新しいパラメータを用いて更新されます。通常、フィードバックは面が選択されたり直径が入力されたりした時点で表示されます。
ダイナミック編集の動作
ダイナミック編集操作 (「モデリング」タブの「3D 編集」「オフセット」コマンドなど) が加工穴集合体と干渉する場合、集合体は無効な状態になります。ラベルが赤く表示され、無効であることが示されます (下図参照)。使用可能であるか否かに関わらず、集合体は無効化されます。
上面の穴の無効化
ただし実際には、ブール演算またはダイナミック編集機能により集合体が無効化されない場合もあります。最新の Creo Elements/Direct Modeling は、コマンド実行後に対話的に動作し (ユーザからのコマンド入力を待機)、最後のコマンドで無効化された集合体を再び有効にすることができるかチェックします。以前に無効化された集合体に対しては、問題が解消されているため、再有効化の可否はチェックされません。単独および複数という再検証ボタンを使用すると、集合体ごとに手動で再検証することができます。これにより、集合体固有の検証ルーチンが呼び出され、集合体が有効であるかどうかがチェックされます。
以下の操作の後に、再検証を行うことができます。
穴の深さを変更する (面移動コマンドを使用)
穴の軸に対し一定の角度で貫通穴を加工する
面取りのタイプ、深さ、または角度のパラメータを変更する
面取りを削除する
円柱が閉じてしまわない方法で、穴のいくつかの部分を切除する (集合体に対し、パンチ操作で鍵穴を作成しても、集合体は有効)
穴に対してさらに大きな貫通穴を加工するか、他の形状でパンチして、穴を 2 つの部分に切り分ける
穴の軸を変更する (面移動コマンドを使用)
以下の操作の後には、再検証を行うことができません。
下穴の直径を変更する (穴の変更コマンドを使用)
ねじ穴の直径を変更する (穴の変更コマンドを使用)
穴開けされた円柱を他の形状に変化させる (「Modeling」タブの「加工」グループの「テーパ」、または不等方向の縮尺などを使用して)
穴を 2 つ以上の部分に切り分けた場合に、穴の一部の直径を変更する
現在は、エクスポートプロセスで有効性がチェックされ、有効な集合体のみが転送されるため、集合体の再検証について配慮する必要はありません。無効な集合体はスキップされます。