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DITA 文書での完全性チェックの使用
Arbortext Editor では、標準的な完全性チェック機能だけでなく、DITA 文書を対象に拡張完全性チェックを実行できます。DITA 文書を作成しているときに、「ツール」 > 「完全性チェック」の順に選択するか、「完全性チェック」ツールバーのボタンをクリックすると、最初に標準の完全性チェックが文書に対して実行されます。標準の完全性チェックが終了すると、Arbortext Editor によって拡張完全性チェックが実行され、DITA 固有の問題が検出されます。問題がある場合は「完全性チェックログ」で報告されます。拡張完全性チェックの実行に時間がかかる場合は、進行状況バーが表示されます。
標準の完全性チェックでは、その文書に関連付けられている文書型に基づいて検証が行われます。拡張完全性チェックでは、DITA 仕様に規定されている内容がチェックされます。ただし、DTD スキーマや XML スキーマに基づく検証は行えません。たとえば、拡張完全性チェックは、ファイルの欠如、不正または不適切な URL フォーマット、不適切な format 属性値と type 属性値、廃止されたエレメントや属性の使用などをチェックします。
DITA のトピックとマップ、どちらにでも拡張完全性チェックを実行できます。DITA トピックの場合、拡張完全性チェックは現在のトピックに対してのみ実行されます。DITA マップの場合は、ditacheckreferences アドバンス環境設定に従って、そのマップだけでなく、そのマップが参照しているその他すべての DITA マップやトピックに対しても拡張完全性チェックが実行されます。さらに、元のマップの参照先である DITA マップが参照している DITA コンテンツも、拡張完全性チェックの実行対象となります。DITA マップの一部を選択し、そのマップ部分にのみ拡張完全性チェックを実行することもできます。その場合、マップ全体には標準拡張性チェックが実行され、選択したマップ部分にのみ拡張完全性チェックが実行されます。
拡張完全性チェックを開始すると、Arbortext Editor ウィンドウ下部のメッセージ領域に「拡張完全性チェックが開始しました...」というメッセージが表示されます。その後も、このメッセージ領域には、拡張完全性チェックの処理状況が表示されます。チェックが完了すると、「拡張完全性チェックが完了しました: エラー/警告はありません」、または「拡張完全性チェックが終了しました: 詳細はメッセージウィンドウを参照してください」というメッセージが表示されます。後者の場合は、「完全性チェックログ」ウィンドウが開き、文書内で検出された DITA 関連の警告やエラーが一覧表示されます。エラーや警告を通知する各メッセージの末尾にリンクがあります。このリンクをダブルクリックすると、エラーや警告が見つかった文書内の該当箇所にカーソルが移動します。DITA マップの参照先文書に関するエラーや警告の場合は、新しい Arbortext Editor ウィンドウに参照先文書が表示されます。
次の DITA 関連問題をチェックするには、拡張完全性チェックを行います。
DITA マークアップの問題 - 非推奨のマークアップの使用、文書型によってチェックされない無効な属性値、特殊化のためのタグの使用などの問題。
DITA 参照の問題 - 無効な href 属性値、異常または不正な format および type 属性値など。
チェックされる format 属性の値は、ditaexpectedformats アドバンス環境設定によって決まります。
DITA キーおよびキー参照の問題 - 未定義のキー参照、無効なキー定義名に関する問題や、Conkeyref 参照の解決に関する問題。
「完全性チェックログ」ウィンドウには、2 つのメニューと 1 つのショートカットメニューがあります。
「ファイル」メニューには以下のオプションがあります。
「保存」 - 「メッセージ」ウィンドウのコンテンツを .xml ファイルに保存します。ウィンドウが表示されてから初めて保存を行う場合、出力ファイル名を選択するように求められます。
「名前を付けて保存」 - 違う名前でコンテンツを出力に保存します。
「HTML 形式で保存」 - コンテンツを .htm ファイルに保存します。
「印刷」 - 「メッセージ」ウィンドウのパブリッシングバージョンを印刷します。この印刷出力には、現在「表示」メニューを選択すると表示される情報が出力されます。
「閉じる」 - 「メッセージ」ウィンドウを閉じます。
「表示」メニューには以下のオプションがあります。
「表示」 - 「メッセージ」ウィンドウに表示するコンテンツの種類を指定します。
「メッセージ」 - すべての情報 (メッセージ、警告、エラー) を表示します。
「警告」 - 警告とエラーのみ表示します。これはデフォルト設定です。
「エラー」 - エラーのみ表示します。
「フォントサイズ」 - 「メッセージ」ウィンドウ内のフォントサイズを変更するための 2 つのオプションを備えています。
「拡大」 - 表示フォントサイズを拡大します。
「縮小」 - 表示フォントサイズを縮小します。
ショートカットメニューは、「メッセージ」ウィンドウ内でマウスの右ボタンをクリックすると表示されます。以下のオプションがあります。
「コピー」 - 選択範囲をクリップボードにコピーします。このオプションは、選択範囲内でクリックした場合にのみ利用できます。
「リンク先」 - 「コンポーザログ」ウィンドウ内のリンク上で右クリックしてこのオプションを選択すると、リンクした文書が表示され、ソース文書内の該当する場所にカーソルが置かれます。このオプションは、「メッセージ」ウィンドウ内にリンクがない場合は効果がありません。
「折りたたみ/展開」 - 現在のエントリを折りたたみおよび展開します。
拡張完全性チェックには以下の制限があります。
DITA マップの場合、そのマップに対してのみ標準完全性チェックが実行されます。元のマップが参照している DITA トピックやマップには実行されません。
ほかのトピックが参照している DITA トピックは、拡張完全性チェックの対象となりません。
多数のトピック参照を含む DITA マップに対して拡張完全性チェックを実行した場合、標準完全性チェックより所要時間が長くなる可能性があります。