統計設計検討について
統計設計検討では、設計変数である寸法とパラメータ、および複数目的の設計検討 (MODS) の設計目標であるパラメータに統計分布を指定できます。Creo Parametric では、MODS (MODSRS) への応答サーフェスおよび対応する設計変数に指定されている統計分布を使用して多数の近似実験を実行することで、MODS の設計目標の分布パラメータが求められます。統計設計検討の結果を使用して、設計目標の "最適に近い" 操作点を見つけることができます。
次の表に、使用可能な統計分布のタイプ、統計設計スタディで使用される方程式、および統計設計スタディによって生成されるパラメータを示します。
統計分布
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方程式
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パラメータ
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指数分布
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λ: 率
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対数正規分布
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μ: 平均
σ: 標準偏差
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正規分布
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μ: 平均
σ: 標準偏差
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一様分布
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パラメータなし
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ワイブル分布
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λ: 尺度
k: 形状
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MODS の設計目標の統計分布のタイプを選択できます。これに従って、応答サーフェスのサンプリングに最も適合する分布パラメータが計算されます。「統計設計検討」(Statistical Design Study) ダイアログボックスの「設計変数」(Design Variables) セクションにリストされている設計変数および「設計ゴール」(Design Goals) セクションにリストされている設計目標では、デフォルトで正規タイプの統計分布が選択されます。
統計設計検討には次の実行方法があります。
• 「単一」(Single) - 検討で単一の操作点が使用され、設計変数の統計分布に従ってすべてのサンプルが操作点の近傍にあります。統計分布のタイプが対数正規分布または正規分布の場合、操作点は分布の平均になります。
• 「MODS」 - MODRS のデザインスペース内に均一に分布された点が検討で使用されます。統計設計検討の設計目標は、元の MODS の目標の統計分布パラメータです。動作点の数は、MODS に指定されている実験の数と等しくなります。操作点ごとに、統計設計検討が実行され、設計目標の統計分布パラメータが計算されます。これらのパラメータは「複数目的の設計検討」(Multi-Objective Design Study) ダイアログボックスの「テーブルデータ」(Table Data) セクションに表示されます。これらのパラメータの列名は DISTRIBUTIONPARAMETERNAME-DESIGNGOALNAME というフォーマットで表示されます。たとえば、LENGTH:CIRCUMFERENCE_1 という名前の解析フィーチャーの標準偏差は STANDARD_DEVIATION-LENGTH:CIRCUMFERENCE_1 というフォーマットで表示されます。
設計目標に「下限」(Lower Limit) や「上限」(Upper Limit) などの制限を適用できます。Creo Parametric では、適用された制限に基づいて、100 万単位ごとの不具合 (DPMU) および平均値からの標準偏差が計算されます。これらの標準偏差は上限と下限の「n x シグマ」(n x Sigma) として表されます。「設計ゴールの統計プロパティ」(Design Goal Statistical Properties) ダイアログボックスに生成されるグラフで、赤色の垂直線はユーザーが定義した上限値と下限値を示し、赤色のシェード領域は不具合の領域を示し、ユーザーが定義した制限から外れた実験の数を把握できます。
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注記 シックスシグマプロジェクトでは、合格限界が平均値からプラスマイナス 6 σ (σ: 標準偏差) 離れた位置にくるように設計目標が定義されます。つまり、設計目標が 99.9997 % の確率で合格限界内に収まることを意味します。プラスマイナス 3 σとは、設計目標が 93.3 % の確率で合格限界内に収まることを意味します。
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「保存」(Save) コマンドで検討をディスクに保存し、モデルに戻ってからそれを開くこともできます。検討を保存した場合、設計変数とともに設計変数の統計分布のタイプとパラメータが保存されますが、設計目標とともに保存されるのは設計目標に指定されている統計分布のタイプだけで、設計目標の分布パラメータは再び計算する必要があります。