取り消し線の管理
管理者は、プロパティ wt.change.enableChangeIntent を設定することによって取り消し線機能を有効にできます。このプロパティが true に設定されている場合、取り消し線の作成が有効になり、取り消し線機能を使用できます。false に設定されている場合 (デフォルト)、取り消し線の作成が無効になり、取り消し線機能は使用できません。
以下のチェックリストに従って、取り消し線機能を使用できるようにシステムを準備します。
• 取り消し線に使用されるライフサイクルテンプレートを定義して設定します。
Windchill では既成のライフサイクルテンプレートの例が用意されています。ライフサイクルテンプレートを使用するには OIR を設定する必要があります。ライフサイクルテンプレートの定義と、取り消し線に使用される任意のビジネスプロセスに基づいて、サポートするアクセス制御ポリシーを確立する必要があります。
• 取り消し線のリビジョンラベルを定義します。
取り消し線は、変更の計画に使用されているリリース済みリビジョンから改訂ラベルを取得します。特定のリリース済みリビジョンに作成された各取り消し線に、リビジョンラベルのプレフィックスと連番が割り当てられます。リビジョンラベルのプレフィックスの選択肢を管理者が設定できます。
• 各タイプのオブジェクトに有効なリリース状態を定義します。
オブジェクトに定義されているリリース状態のセットによって、あるバージョンに取り消し線を作成可能なタイミングおよびバージョンが同期化されるタイミングが決まります。
• 変更通知に実装保留中状態を定義します。
計画、承認、実装準備が整った変更通知のステージング領域を表す新規ライフサイクル状態を追加する必要があります。「実装保留中」状態を採用している変更通知は、「実行を開始」操作を使用して、そのワークフローで変更通知の実装をトリガーします。変更通知の「タイプおよび属性の管理」ユーティリティの「実装保留中」状態フィールドで状態を手動で設定する必要があります。
• 「変更適用オブジェクト」テーブルで取り消し線属性を公開します。
新しい取り消し線属性を、「変更適用オブジェクト」テーブル、変更通知の「変更サマリー」テーブル、および監査変更通知の「監査変更サマリー」の目的のビューに組み込む必要があります。さらに、これらのテーブルに変更意図属性を含めることをお勧めします。
• 変更意図の値をリリースターゲットにマッピングします。
変更意図の値は、対応する結果オブジェクトをリリースしたときに割り当てる必要がある特定のリリースターゲットにマッピングできます。
• 変更通知ワークフローを調整します。
変更通知ワークフローでいくつかの調整を行って、取り消し線を使用して変更通知を計画する方法と、ワークフロー内のどこで承認されるべきかを定義する必要があります。また、やり直しと絞り込みのステップでは、修正のために取り消し線の状態をリセットする必要が生じることがあります。
◦ カスタムワークフローを強化します。
取り消し線操作をアクティブ化するには、ブール型のグローバルワークフロー変数 isRedlineSupported と値 true をカスタムワークフローに追加しなければなりません。これを行わない場合、この変数なしでは古いワークフローに取り消し線操作が表示されません。
同期化を開始するために変更適用オブジェクトをリリースするには、「Release Changeables」ロボットまたは WorkflowProcessHelper.releaseChangeables API を使用しなければなりません。
ワークフロー内の取り消し線の状態を管理するには (取り消し線の承認、絞り込み (作業中状態にリセット)、キャンセルのパスを追加するなど)、WorkflowProcessHelper.setChangeRedlineState API を使用しなければなりません。
同期化をトリガーするには、「オブジェクトリリース状態」マッピング規則を定義しなければなりません。
オブジェクトリリース状態マッピング規則の定義
「オブジェクトリリース状態」マッピング規則は、変更適用オブジェクトのタイプをリリース済み状態にマッピングします。これによって取り消し線の作成が制御されます。
「マッピング規則」テーブルは、プロパティ wt.mappingRules.enableOrganizationRules を true に設定した場合に組織コンテキストで使用できます。デフォルトでは、このプロパティは false に設定されます。組織コンテキストで定義されている規則がサイトコンテキストの規則よりも優先されます。
「オブジェクトリリース状態」マッピング規則の定義方法の詳細については、
変更管理のマッピング規則の定義の「オブジェクトリリース状態」のセクションを参照してください。
「取り消し線のバージョンプレフィックス」プリファレンスの使用
取り消し線に名前を付けるには、組織レベルおよびサイトレベルで使用可能な「取り消し線のバージョンプレフィックス」プリファレンスを使用します。このプリファレンスは、取り消し線バージョンラベルのプレフィックスとして適用されるテキストを指定します。取り消し線のこのプリファレンスを Chg- に設定することをお勧めします。部品に取り消し線が作成されると、このプレフィックスとともに、その取り消し線の作成元のリリース済みリビジョンが表示されます。たとえば、部品の名前が "Engine" でリビジョンが A.1 の場合、この部品に取り消し線を作成すると、取り消し線の名前が "Engine Chg-A-1.0" として表示されます。
このプリファレンスは以下の起動ポイントから表示できます。
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取り消し線ライフサイクルテンプレートの使用
取り消し線ライフサイクルテンプレートは取り消し線用に作成されているデフォルトのライフサイクルテンプレートであり、
「作業中」、
「承認済み」、
「キャンセル」の各状態があります。取り消し線ライフサイクルテンプレートは既成で提供されています。WTPart 用にカスタマイズしたオブジェクト初期化規則 (OIR) にこの取り消し線テンプレートを使用する場合、WTPart の OIR を更新する必要があります。OIR を更新する方法については、セクション
取り消し線の管理の「取り消し線のオブジェクト初期化規則の更新」を参照してください。
取り消し線のオブジェクト初期化規則の更新
このトピックでは、WTPart 用の既存のオブジェクト初期化規則のカスタマイズの例を示します。取り消し線に別個のライフサイクルテンプレートを割り当てるには、その取り消し線の WTPart のオブジェクト初期化規則を更新する必要があります。オブジェクト初期化規則の更新の例を以下に示します。
<!-- set the lifecycle -->
<AttrValue id="adhocVersionInfo" algorithm="wt.rule.algorithm.StringConstant">
<Arg></Arg>
</AttrValue>
<AttrValue id="lifeCycle.id" algorithm="com.ptc.core.foundation.lifecycle.server.impl.LifeCycleTemplateAttributeAlgorithm">
<Value algorithm="wt.rule.algorithm.CaseBranch">
<Value algorithm="wt.rule.algorithm.StringEqualsTest">
<Attr id="adhocVersionInfo"/>
<Arg>adhoc</Arg>
</Value>
<Arg>Redline Life Cycle</Arg>
<Arg>Basic</Arg>
</Value>
</AttrValue>