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アップロードとファイルボルト用のデフォルトボルト
新規または移行した Windchill システムの起動時に、デフォルトキャッシュボルト (defaultuploadvault) がローカルシステムに作成されます。デフォルトキャッシュボルトがあると、カスタムキャッシュボルトを設定していない場合でも、一部のアプリケーションでファイルを高速にアップロードできます。
defaultuploadvault は、最初は以下の一時ディレクトリに格納されています。
<Windchill>/vaults/defaultuploadvault
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ドキュメントまたは CAD ドキュメントを Windchill で作成するには、書き込み可能キャッシュボルトが必要です。
defaultuploadvault ボルトは、標準キャッシュとして指定されるレプリカボルトで、デフォルトのマスターアップロードが実行される場所です (一部例外があります)。また、サイトのデフォルトターゲットとしても指定されることがあり、主に予測レプリケーションとアドホックレプリケーションに使用されます (レプリケーション規則がない場合など)。
デフォルトシステムボルト (名前は defaultsystemvault で、タイプは FvVault) は、標準では有効になっていませんが、プロパティ wt.fv.useVaultsForAllContent が true に設定されているとマスターサイト上で作成されます。その場合、適用可能なボルト規則のないコンテンツは defaultsystemvault に保存されます(プロパティがデフォルト値の false に設定されている場合、適用可能なボルト規則のないコンテンツはデータベース BLOB に保存されます)。言い換えれば、スケジュールされたリボルト処理またはファイル同期処理に従ってコンテンツをアップロードしリボルトするために、特定のボルトを作成して指定することはできますが、システムは標準で defaultuploadvault ボルトへのコンテンツのアップロードを処理でき、(wt.fv.useVaultsForAllContent is を true に設定すれば) defaultsystemvault ボルトに対するリボルトを処理できます。
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マスターサイトでプロパティ wt.fv.forceContentToVault を true に設定してある場合、すべてのサイト (マスターとリモート) を通じて許可されるマスターボルトは 1 つだけで、そのボルトはマスターサイトに存在する必要があります。
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「ドキュメントを圧縮ファイルからアップロード」操作を使用して作成する新規ドキュメントは、マスターボルトに追加されます。ファイルはサーバーのレベルで抽出され、サーバーからアップロードされます。
フォルダを再配置してボルトを再配置するには
1. フォルダを更新し、読み取り専用ステータスを割り当てておくことによって、ほかのファイルが現在の場所にアップロードされるのを防ぎます。
2. 既存のファイルを新しい保存先にコピーします。
3. 新しいパスでマウントを更新します。
4. フォルダを再更新して読み取り専用ステータスをオフにします。
フォルダとマウントの詳細については、マウントについてを参照してください。
defaultuploadvault ボルトは、ほかのボルトと同様にファイルストレージとして使用できますが、一般には、ボルト規則を使用して異なるボルトまたは Windchill データベースを長期的なファイルストレージとして指定します。その場合、defaultuploadvault ボルトにアップロードされたファイルは、指定した保存先にリボルトされます。コンテンツファイルのリボルトまたはレプリケーションにはファイル同期化が前提条件です。詳細については、ファイル同期化を参照してください。
ファイルは defaultuploadvault ボルトにアップロードされ、次回のスケジュール化されたリボルトセッション中に、作成済みのファイルボルト規則に従ってコンテンツがリボルトされます。キャッシュボルトの非参照ファイルは、バックアップ手順の最後にパージしてください。
キャッシュボルトは、サイトのほかのボルトに比べて非参照ファイルがすぐに蓄積してしまうので、ファイルを定期的にクリーンアップする必要があります。ボルトのクリーンアップの詳細については、Windchill ボルトコンフィギュレーションの「ボルトの保守」セクションを参照してください。
起動時に作成したスケジューラオブジェクトは定期的に実行され、非参照のデータベース情報がクリーンアップされます。wt.properties ファイルで、wt.fv.purgeUnreferencedFvItemsInterval プロパティはボルトのパージのタイミングを制御し (デフォルトは毎日)、wt.fv.purgeUnreferencedFvItemsOlderThan プロパティは非参照オブジェクトをパージする期間を制御します (デフォルトは 30 日)。これらのプロパティの値は、必要に応じて修正できます。
グラフィカルユーザーインタフェースを使用して、またはマッピング規則ファイル内でプロパティを設定しない場合は、xconfmanager ユーティリティを使用してプロパティを追加または編集します。詳細については、xconfmanager ユーティリティの使用を参照してください。
ローカルバックアップボルト
これは、元のキャッシュボルトが読み取り専用の場合にキャッシュボルトとして機能する特殊なタイプのボルトです。ローカルバックアップボルトは、「サイト」 > 「ユーティリティ」 > 「ファイルサーバー管理」 > 「ボルトコンフィギュレーション」ページから、または FvLoader/ReplicaLoader コマンドラインツールを使用して作成できます。キャッシュボルトとは異なるストレージデバイスにローカルバックアップボルトをマウントします。
wt.fv.faultTolerantVaultsAutoRestore プロパティを true に設定して、ローカルバックアップボルトをキャッシュボルトとして使用できるようにします。すべてのサイトに対して 1 つのローカルバックアップボルトのみを使用でき、このボルトはマスターサイトになければなりません。
wt.fv.faultTolerantVaultsAutoRestore=true の場合、Windchill は元のキャッシュボルトを読み取り専用状態から自動的に復元するためのバックグラウンドジョブを作成します。以下のプロパティを使用してバックグラウンドジョブを設定します。
プロパティ
説明
wt.fv.faultTolerantVaults.autoRestoreAttempts
読み取り専用のキャッシュボルトを自動的に復元する試行の回数を指定します。デフォルト値は 12 です。
wt.fv.faultTolerantVaults.autoRestoreInterval
読み取り専用のキャッシュボルトを自動的に復元する頻度を分単位で指定します。デフォルト値は 5 です。
wt.fv.faultTolerantVaults.queueName
キャッシュボルト自動復元ジョブを実行するキューを指定します。デフォルト値は commonScheduleQueue です。
バックグラウンドジョブは、デフォルトでは 5 分間隔で 12 回実行されます。この間にキャッシュボルトが自動的に復元されない場合、電子メール通知が生成されます。管理者が元のキャッシュボルトを手動で復元しなければなりません。電子メール通知の詳細については、ファイルボルトの警告を参照してください。元のキャッシュボルトが自動または手動で読み取り/書き込み状態に復元されると、ローカルバックアップボルトはキャッシュボルトとして機能しなくなります。ローカルバックアップボルトにアップロードされたファイルは、自動的にターゲットボルトと同期されます。