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ブランチされたドキュメントへのトレースの伝播
ドキュメントのブランチを作成するときにコピーされるフィールドは、管理者によって決定されます。ブランチ時に関連フィールドを自動的にコピーしないことをお勧めします。これにより、トレースの伝播コマンドを使用して、ブランチされたドキュメントにコピーされるトレースの関連を制御できます。
トレースの関連の詳細については、トレースの関連の管理を参照してください。
ドキュメントのブランチ作成の詳細については、ドキュメントのブランチの作成を参照してください。
例 1: ブランチされた 2 つのドキュメント間でのトレースの伝播
特定のソフトウェア コンポーネントのバージョン 2 の計画を開始するとします。このコンポーネントのバージョン 1 には、要件文書、および関連するテスト ノードに対するトレースの関連があります。アナリストは、バージョン 2 の要件に関する作業を開始するときに、元の要件文書のブランチを作成します。ブランチ操作時にコピーされるトレースの関連を管理者が設定していないので、テスト文書に対するトレースの関連はコピーされません。テスト作成者は、バージョン 2 のテスト計画に関する作業を開始するときに、元のテスト文書のブランチを作成します。要件文書に対するトレースの関連はコピーされません。
要件のアナリストは、バージョン 2 の要件文書を発行する前に、関連するテスト計画を必要とします。このアナリストは、バージョン 1 の要件とテスト ドキュメントの間に存在するトレースの関連を、バージョン 2 にコピーする必要があります。このコピーは、トレースの伝播コマンドを使用して実行します。
この例は、2 つのブランチ間のトレースの関連の単純な伝播を示しています。
例 2: ブランチへの既存のトレースの関連の伝播
2 つのドキュメント間の既存のトレースの関連を、一方のドキュメントのブランチにコピーできます。この場合、ドキュメントの 1 つのバージョンから関連ドキュメントの 2 つのバージョンへのトレースの関連が作成されます。たとえば、トレースの関連が要件文書とテスト文書の間に存在し、その要件に対する新しいテスト ケースが、既存のテスト ケースのブランチを作成することによって作成されており、要件から新しいテスト ケースにトレースの関連を作成するとします。
トレースの伝播方法
トレースを伝播するときは、まず、トレースの伝播先となるドキュメントを選択します。トレースの伝播ウィザードでは、これは、コピー先の開始ドキュメントと呼ばれます。例 1 では、トレースの伝播先となるドキュメントとして、要件文書 A1 を選択することになります。その後、次の項目を指定します。
1. トレースの伝播元となるドキュメント。たとえば、ブランチの作成元となった元の要件文書です。トレースの伝播ウィザードでは、これは、コピー元の開始ドキュメントと呼ばれます。例 1 では、要件文書 A になります。
2. トレースの伝播元となるドキュメントとのトレースの関連を持つドキュメント。トレースの伝播ウィザードでは、これは、コピー元の終了ドキュメントと呼ばれます。例 1 では、テスト文書 B になります。
3. トレース ドキュメントの伝播先となるドキュメント。たとえば、ブランチされた要件文書のテスト文書です。トレースの伝播ウィザードでは、これは、コピー先の終了ドキュメントと呼ばれます。例 1 では、テスト文書 B1 になります。
4. 伝播先ドキュメントに伝播するトレースの関連。たとえば、テストの関連です。
このプロセスでは、次の 2 つの対応関係が作成されます。
コピー先の開始ドキュメント内の各エントリをコピー元の開始ドキュメント内の対応するエントリに関連付ける対応関係
コピー先の終了ドキュメント内の各エントリをコピー元の終了ドキュメント内の対応するエントリに関連付ける対応関係
Windchill RV&S によって、トレースの関連が伝播されます。トレースの伝播元となる各コピー元の開始ドキュメントについては、Windchill RV&S によって、コピー先の開始ドキュメントに送られるすべてのトレースの関連が決定されます。各トレースの関連については、Windchill RV&S によって、対応するコピー元の終了ドキュメントとコピー先の終了ドキュメントが検索されます。トレースの関連がコピー先の終了ドキュメントに存在しない場合は、Windchill RV&S によって作成されます。
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トレースは、ドキュメントのコンテンツが編集または移動された場合でも正しく伝播されます。
要検討トレース
このコマンドを使用してトレースの関連を伝播した後、新しく作成されたトレースの関連のうち、推測と見なされたものは、確認できるようにフラグが付けられます。トレースは、次の場合に推測のフラグが付けられます。
コピーされるトレースの関連に推測フラグが存在する場合 (トレースの関連がコピー先の終了ドキュメント上に既に存在し、そのトレースの関連が推測ではない場合も含まれます)。
コピー元の開始ドキュメントの共有アイテム ID がコピー先の開始ドキュメントの共有アイテム ID と異なる場合、またはコピー先の終了ドキュメントの共有アイテム ID がコピー元の終了ドキュメントの共有アイテム ID と異なる場合、コピー先の終了ドキュメントにおいて新しいトレースは推測とマークされます。
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要検討トレースの消去の詳細については、要検討トレースの関連の管理を参照してください。
重要な考慮事項
一対のドキュメント間で伝播できるトレースは一度に 1 つだけです。
トレースは、ブランチが作成された時点ではなく、現在時点で伝播されます。したがって、ブランチの作成以降にトレースに対して行われたすべての変更が伝播されます。
トレースの伝播を通じて新しいトレースの関連が作成されると、ドキュメント ノード履歴とドキュメント履歴に記録されます。
コンテンツアイテムとドキュメント以外のアイテムとの間のトレースは、トレースの伝播中に無視されます。
GUI でトレースを伝播する場合、ブランチ作成履歴で、コピー先の開始ドキュメントとコピー元の開始ドキュメントを相互に関連付ける必要があります。CLI コマンド im propagatetraces にはこの制限はありません。
ブランチされたドキュメントにトレースの関連を伝播するには