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アイテムリビジョン機能
アイテムリビジョンは、アイテムの履歴における明確な時点をマークします。Windchill RV&S でアイテムを表示すると、そのアイテムの履歴を参照する識別子がリビジョンによって提供されます。また、これと同じアイテムをレポートまたは ReqIF 形式でパートナーにエクスポートする場合や、パートナーがアイテムについて話し合うために連絡してきた場合に、たとえばアイテム 123 のリビジョン 1.2 に関する話し合いを、同じアイテム定義と理解に基づいて行うことが可能になります。
このことは、Windchill RV&S に直接アクセスできるユーザー全員に当てはまります。アイテムを一覧表示すると、アイテムリビジョンを明確に把握できます。パートナーとのシナリオでは、会話、レポート、電子メールなどによる内部のコミュニケーションに特定のリビジョンが含まれ、すべての当事者が完全に同じ定義を使用できるようになります。
リビジョン識別子は、2 つの部分から成る小数として major.minor の形式で表されます。ここで、小数点の左側にある数字はメジャーリビジョン、小数点の右側にある数字はマイナーリビジョンです。ワークフローとドキュメントのプロパティの値を指定することによって、リビジョン番号のリビジョンパターンを定義します。たとえば、デフォルトのリビジョン番号の順序は 0.1、0.2、0.3、... 1.0、1.1、1.2 となります。
リビジョンを増分する方法
Windchill RV&S には、アイテムのリビジョンを増分するための次のオプションがあります。
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リビジョン番号を自由に設定する方法はありません。アイテムにリビジョンが適用されると、リビジョン方式によって定義されている、次に利用可能な番号がリビジョン番号として設定されます。
リビジョン適用済みアイテムをコピーしても、既存のアイテムのリビジョン適用済みラベルが新しいアイテムにコピーされるわけではありません。
GUI コマンド: 「アイテム」 > 「リビジョン増分」により、アイテムのリビジョンが増分されます。
リビジョンを増分する方法の詳細については、『Windchill RV&S ヘルプセンター 』を参照してください。
CLI コマンド: im incrementrevision ではアイテムのリビジョンが増分されます。
次の CLI コマンドによって、リビジョンが増分されます。
CLI コマンドの詳細については、『CLI マニュアルページ 』を参照してください。
Windchill RV&S トリガーメソッドと JavaBeans
Windchill RV&S には、管理者がカスタムアイテムのリビジョンソリューションを定義できるトリガーメソッドと JavaBeans があります。カスタム ソリューションは、次のように使用できます。
状態が「レビュー」のときなどの状態移行を例とするワークフローの変化に基づいて、アイテムのリビジョンを自動的に増分する
リビジョンが適用されていない変更が含まれているアイテムの編集を試みるなど、特定の編集を拒否または避ける
Windchill RV&S のトリガーメソッドと JavaBeans の詳細については、次に示す Windchill RV&S Server のホームページにある『イベントトリガーに関する Java のドキュメンテーション』を参照してください。
http://localhost:port/documentation/javadocs/triggers/index.html
アイテムリビジョンの検索と表示
Windchill RV&S では、GUI、Web インタフェース、および CLI を使用してアイテムリビジョンを表示できます。
特定のリビジョンのリビジョン適用済みアイテムを開くには、リビジョンラベルを itemID revisionID 形式で指定します。たとえば、184 2.1 の場合は次のとおりです。
GUI では、アイテムに対して「アイテム」 フィールドにアイテムリビジョンラベルを指定します。
Web では、「アイテムへ移動」フィールドにアイテムのリビジョンを指定します。
「アイテムの詳細」ビュー:
カスタム タブには、次のリビジョンフィールドが表示されることがあります。
「リビジョン」には、アイテムの最新のリビジョンが表示されます。たとえば、2.1 と表示されます。
「リビジョン増分日付」には、最新のリビジョンの日付と時刻が表示されます。
「重要な編集日付」 には、アイテムに変更が加えられた日付と時刻が示されます。
「アイテムリビジョン以降の重要な変更」は、前回のアイテムのリビジョンの後でフィールドが変更されたかどうかを示します。変更がある場合、この値は true になります。変更がない場合、この値は false になります。
「共有アイテムの重要な編集の日付」 は、「参照」関連フィールドを使用してノード アイテムに関連付けられている共有アイテムの 「入力リビジョン日付」の値を表示する FVA フィールドです。このフィールドは通常、表示する必要がありません。
ラベルがタイプに対して有効になっている場合は、「ラベル」 タブにリビジョンラベルが表示されます。デフォルトで、リビジョンラベルは昇順で表示されます。「ラベル」フィールドには、それぞれのリビジョン番号が表示されます。たとえば、2.1 のように表示されます。「日付」フィールドには、リビジョンの増分ごとの日付と時刻が表示されます。たとえば、10-Apr-2012 4:45:52 PM です。
リビジョンラベルを使用して移動するには、ラベルを右クリックして、「表示」 または 「指定した時点の表示」 を選択します。
ラベル :head はシステムによって挿入されるラベルであり、常にリストのはじめに表示されます。:head の日付と時刻はリビジョン操作によって更新されます。そのため、:head ラベルは常に最新のアイテムリビジョンを表します。
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通常、リビジョンラベルとリビジョン以外のラベルを区別することはできません。また、リビジョンラベルおよび「:」で始まるシステム定義ラベルは、リビジョンが有効などのタイプについても手動で追加、移動、削除することはできません。
「履歴」 タブには、各リビジョンの履歴が表示されます。リビジョン日付のハイパーリンクを選択すると、その日付と時刻の時点におけるアイテムが表示されます。履歴アイテムのタイトルとヘッダーには、現在表示しているアイテムのリビジョンと日付/時刻が示されます。たとえば、Requirement:184 [2.1] as of Apr. 10, 4:45:52 AM のように表示されます。
アイテムリビジョンは、履歴レポートやアイテム差異レポートなどのレポートとクエリに含めることができます。
リビジョンの検索と表示の詳細については、Windchill RV&S ヘルプセンター を参照してください。
アイテムリビジョン機能の設定
次の表に、アイテムリビジョン機能の設定に必要な手順を示します。
タスク
参照情報
手順 1: 既存のラベル形式を評価する
手順 2: 初期メジャーリビジョンおよびマイナーリビジョン番号のリビジョン方式を定義する
手順 3: タイプのリビジョン機能を有効にする
手順 4: タイプのリビジョンフィールドと重要な編集フィールドを表示して、場合によって変更する
手順 5: 任意: トリガー スクリプトを作成する
手順 6: 任意: イベント トリガーを作成する
「ワークフローとドキュメント」 ノードの Administration Client で次の手順を実行します。
手順 1: 既存のラベル形式の評価
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この手順は、「n.n」形式の既存のラベルまたは「:」で始まるラベルがある場合に該当します。該当しない場合は、手順 2 に進んでください。
major.minor 形式のラベルと先頭にコロン (:) が付いたラベルでは、リビジョンラベルのために予約された構文が使用されます。リビジョン機能がタイプに対して有効になると、予約済みの構文を含む非リビジョンラベルの追加を試みてもエラーとなります。
major.minor 形式の既存のラベルを持つタイプに対してリビジョン機能を有効にする場合、これらのラベルはリビジョンラベルと競合する可能性があるため、削除または置換することをお勧めします。
たとえば、非リビジョンラベル 1.3 は、リビジョン機能が有効になる前にアイテムに追加されます。リビジョンは後に 1.0 のリビジョン形式で有効化されます。リビジョン 1.1 および 1.2 は正常に増分されます。ただし、次に 1.3 へのリビジョン増分が試みられると、既存の非リビジョンラベル 1.3 と競合し、エラーが発生します。この場合は、リビジョンの増分が許可される前に、競合するラベルを削除または置換する必要があります。
既存のラベルを置換するには、まず major.minor 以外の形式を使用して新しいラベルを作成し、既存のラベルを削除します。このトピックの詳細については、『Windchill RV&S ヘルプセンター 』を参照してください。
手順 2: 初期メジャーリビジョンおよびマイナーリビジョン番号のリビジョン方式を定義する
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以下のプロパティに対する変更はただちに有効になります。Windchill RV&S Server を再起動する必要はありません。これらの値を変更しても、すでに設定されているリビジョンには影響しません。
1. 「構成」 > 「プロパティ」ノードを選択します。「プロパティ」ビューが表示されます。
プロパティ mksis.im.initialRevisionMajor および mksis.im.initialRevisionMinor は、リビジョン機能を有効にしたアイテム タイプのリビジョンの初期の開始値を制御します。
mksis.im.initialRevisionMajor はリビジョンの最初の部分で、メジャーリビジョン (小数点の左側の数字) と呼ばれます。
mksis.im.initialRevisionMinor はリビジョン番号の 2 番目の部分で、マイナーリビジョン (小数点の右側の数字) と呼ばれます。
これらのプロパティを組み合わせてリビジョン番号方式を設定します。Windchill RV&S では、0.0、0.1、1.0、および 1.1 の 4 つのリビジョン番号体系がサポートされています。デフォルトの体系は 0.1 です。
次の表に、各リビジョン方式によって構成されたリビジョンパターンを示します。
初期メジャーリビジョンの設定…
初期マイナーリビジョンの設定…
最適なリビジョンパターン...
0
0
0.0, 0.1, 0.2, ... 1.0, 1.1, 1.2, ... 2.0, 2.1, ...
0
1
0.1, 0.2, … 1.1, 1.2, ... 2.1, 2.2, ...
1
0
1.0, 1.1, 1.2, … 2.0, 2.1, ...
1
1
1.1, 1.2, … 2.1, 2.2, ...
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メジャーの増分によって、順番に示すとおり、最初または次のメジャーリビジョンが設定されます。マイナーの増分によって、最初または次のマイナーリビジョンが順番に設定されます。
最適なパターンに基づいて方式を選択し、それに応じて次のプロパティを設定します。
2. mksis.im.initialRevisionMajor プロパティを右クリックして、「編集」を選択します。
a. 「値」フィールドに、0 または 1 を入力します。デフォルト値は 0 です。
b. 「OK」 をクリックします。
3. mksis.im.initialRevisionMinor プロパティを右クリックして、「編集」を選択します。
a. 「値」フィールドに、0 または 1 を入力します。デフォルト値は 1 です。
b. 「OK」 をクリックします。
手順 3: タイプのリビジョン機能を有効にする
1. 「タイプ」ビューで、編集タイプを選択して、「タイプ」 > 「編集」を選択します。「タイプの編集」 ダイアログ ボックスが表示されます。
2. 「属性」 ノードをクリックします。
3. 「標準」タブで「リビジョンが存在する可能性がある」を有効にします。
リビジョンは、デフォルトでは無効になっています。この属性が選択されている場合、「メジャーリビジョンの増分規則」 ボタンと 「マイナーリビジョンの増分規則」 ボタンが有効になります。このボタンのいずれかをクリックすると、「追加リビジョン規則の編集」ダイアログ ボックスが表示されます。これは「アイテムの編集可能性」ダイアログ ボックスに似ています。
これらの規則により、明示的なユーザーの行為に基づいて、メジャーリビジョンとマイナーリビジョンの増分規則をそれぞれ定義できます。たとえば、特定のユーザーまたはグループのみがリビジョンを増分できるように規則を定義できます。
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このタイプで「ラベルが適用される可能性がある」属性が有効の場合、Windchill RV&S Client、Web インタフェース、および CLI でタイプを表示するとき、リビジョンラベルが「ラベル」タブに表示されます。
4. 「OK」 をクリックします。
手順 4: タイプのリビジョンフィールドと重要な編集フィールドの表示を確認します。これは変更できます。
Windchill RV&S には、あるタイプで属性「リビジョンが存在する可能性がある」が有効な場合に、そのタイプで有効となる次の組み込みフィールドがあります。
リビジョン
リビジョン増分日付
アイテムリビジョン以降の重要な変更
重要な編集日付
共有アイテムの重要な編集の日付
有効な場合、デフォルトで、これらのフィールドはすべてのユーザーに表示されます。これらのフィールドが表示されるユーザーまたはグループを変更する場合は、次の操作を行います。
1. 「タイプ」ビューで、編集するタイプを選択し、「タイプ」 > 「編集」を選択します。「タイプの編集」ダイアログボックスが表示されます。
2. 「表示フィールド」 ノードをクリックします。
3. 「フィールド」 リストと 「選択されたフィールドの表示対象」 リストでフィールドを選択し、フィールドを表示できるユーザーまたはグループを選択または選択解除します。
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必要に応じて、該当するフィールドと表示を既存のプレゼンテーション テンプレートに追加してください。通常、「リビジョン」フィールドに現在のリビジョンと重要な変更が存在するかどうかが表示されるため、そのフィールドだけで十分です。
4. 「OK」 をクリックします。
組み込みフィールドの詳細については、フィールドの概要を参照してください。フィールドの表示の詳細については、タイプのフィールド表示の設定を参照してください。
手順 5: オプション: トリガー スクリプトを作成する
リビジョンが適用されていない変更が存在する場合、リビジョン増分を行うイベントや編集を防ぐイベントを定義する java スクリプトを作成します。Java スクリプトのロジックは、シンプルにすることも複雑にすることもできます。この Java スクリプトは、状態移行のように、定義したイベントに基づいて Windchill RV&S Server で実行されます。
次の例は、リビジョン増分を行うトリガー スクリプトです。
たとえば、incrementMajor.js というトリガー スクリプトを作成し、次のディレクトリに配置します。
installdir/data/triggers/scripts
installdir は、Windchill RV&S Server がインストールされているディレクトリのパスです。
スクリプトには、IssueDeltaBean で incrementMajor() メソッドを呼び出す次の java スクリプト コードが含まれている必要があります。
var delta = bsf.lookupBean("imIssueDeltaBean");
delta.incrementMajor();
手順 6: オプション: イベント トリガーを作成する
Administration Client では、イベント トリガーは、「トリガー」ビューで「トリガー」 > 「作成」を選択することで作成されます。規則に基づいた変更トリガーの作成に必要な一般的な手順を次に示します。
1. イベント トリガーに incrementMajor などの名前を付けてください。
2. 規則に基づいた変更トリガーのタイプを選択します。
3. 「プレイベント」 を実行するトリガーを定義します。
4. トリガーの説明を入力します。
5. トリガーの実行時の規則を 「条件」 に定義します。規則は type = Requirement および state = Review などのように簡単にすることも、必要に応じて複雑にすることもできます。
6. トリガーに実行させる (手順 5 で) 作成済みのスクリプト ファイルをライブラリから選択します。次に、必要に応じてスクリプトにパラメータを指定します。
7. 「OK」 をクリックします。
イベント トリガーの設定の詳細については、規則に基づいた変更トリガーの作成を参照してください。