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Windchill 実行時アーキテクチャの概要
以下の図は、Windchill ソリューションのアーキテクチャを主要コンポーネントによって大まかに示したものです。
この図には、Windchill ソリューションを構成する一般的なコンポーネントが示されています。ソリューションによっては、含まれるコンポーネントが多少異なる場合があります。使用している Web サーバーにかかわらず、Windchill は常に Embedded Servlet Engine をインストールして使用します。また、ユーザーがほか種類のクライアントにアクセスする場合や、Windchill とやり取りするその他の製品 (Cognos Reporting ツールや Windchill Arbortext Publishing Engine など) がインストールされている場合があります。コードをカスタマイズしたために別のコンポーネントがアーキテクチャに追加される場合もあります。
Windchill サーバーコンポーネントの格納場所は、使用可能なマシンの種類と数に基づいて決定します。以下の設定が可能です。
Windchill サーバーコンポーネントをそれぞれ別々のマシンに格納
複数のコンポーネントを同じマシンに格納
すべてのコンポーネントを 1 台のマシンに格納
Windchill ソリューションの複数の同時インスタンスを同じサーバーに格納
Windchill の複数のインスタンスを同じサーバー上にセットアップする方法については、複数のマシンへのインストール (ソリューションのインストール)を参照してください。
Windchill サーバーコンポーネントには、以下のものが含まれます。
Windchill クライアント
Windchill アプリケーションサーバー (サーバーマネージャおよび 1 つ以上のメソッドサーバーで構成)
HTTP Web サーバー
Java EE サーブレットコンテナ
リレーショナルデータベースサーバー
LDAP サーバー
リバースプロキシサーバー (オプション)
SiteMinder などの認証サーバー (オプション)
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これらのコンポーネントの多くは、ロードバランスを目的として、またはレスポンス時間を短縮するために、複数回配置できます。
以下のトピックでは、複数のコンポーネントを連携させる方法について概説します。ヘルプセンターの「特殊な管理」セクションのその他のトピックでは、Windchill 環境でコンポーネントを構成する方法について詳しく説明します。
Windchill クライアントと Windchill Web アプリケーション
Windchill のインストール時に、Windchill 用の Web アプリケーションがサーブレットエンジンで設定されます。上図に示されているように、ユーザーが Windchill とやり取りするには、Web ブラウザから Windchill Web アプリケーションの URL を入力するか、Creo Elements/Pro 5.0 またはいずれかのワークグループマネージャを使用します。これらの対話方法は、Web サーバーとサーブレットエンジンで処理されます。
Web サーバーはクライアントから要求を受け取り、URL を解析して、適切なコンテンツを要求元クライアントへ返します。
Embedded Servlet Engine は、Java コードを使用するダイナミック HTML ページを生成します。通常、ダイナミック HTML は、Web アプリケーションとしてまとめられた JSP (Java Server Pages) またはサーブレットから生成されます。さらに、JSP には、Windchill やほかのサードパーティのデータソースを統合する Info*Engine タスクを埋め込むこともできます。Info*Engine の設定の詳細については、Info*Engine の操作を参照してください。
Windchill サーバーマネージャとメソッドサーバー
サーバーマネージャには、主として以下の 2 つのタスクがあります。
メソッドサーバーを起動して、監視する
メソッドサーバー間およびクラスタ全体 (クラスタ環境を設定した場合) におけるキャッシュの反映を管理する
クラスタの詳細については、クラスタ Windchill 環境のインストールと設定を参照してください。
Windchill をオンラインにするには、サーバーマネージャを起動します。サーバーマネージャは監視対象となるメソッドサーバーを起動し、登録します。
動作中のサーバーマネージャは、wt.properties ファイルで定義された負荷分散アルゴリズムによって (デフォルトの最も効果的な設定はラウンドロビンです)、新規クライアントリクエストをそれぞれ、レジストリ内の次のメソッドサーバーにルーティングします。
メソッドサーバーは、Windchill アプリケーションの中心となるコンポーネントです。メソッドサーバーは、オブジェクト間の対話を管理し、動作およびビジネス規則を強制します。
メソッドサーバー構成には、1 つ以上のメソッドサーバーを含めることができます。メソッドサーバーが 1 つだけの場合、Embedded Servlet Engine は次の Web アプリケーションで構成されます。
複数のメソッドサーバーを使用する場合、通常、そのうち 1 つ以上をバックグラウンドメソッドサーバーとして指定します。バックグラウンドメソッドサーバーを配置した場合、フォアグラウンドメソッドサーバーがクライアント要求を処理し、バックグラウンドメソッドサーバーは、電子メール通知の送信、ワークフローの実行、非同期タスクの実行など、バックグラウンドキューアクティビティを管理します。複数のメソッドサーバーがある場合、Windchill および Windchill Help Center の Web アプリケーションはフォアグラウンドメソッドサーバーのみで実行されます。
Java Management Extensions (JMX) MBean を使用して、Windchill アプリケーションのさまざまな要素を監視および管理できます。Using Java Management Extensions (JMX) の使用を参照してください。Windchill の起動の詳細については、MBeans を使用した Windchill システムの起動および停止を参照してください。
また、「サーバーステータス」ページ (「サイト」 > 「ユーティリティ」を選択) には、実行中のシステムに関する情報が表示されます。「サーバーステータス」ページの詳細については、サーバーステータスを参照してください。
Windchill Web アプリケーションと Windchill Help Center
Windchill インストールの一環として、Windchill ドキュメンテーション (オンラインヘルプと参照トピックの両方) が別の Web アプリケーション (Windchill Help Center) としてインストールされ、サーブレットエンジンで設定されます。高度なサーチ機能を提供し、オンラインヘルプと Windchill 参照トピックに容易にアクセスできるようにするため、Windchill Help Center は、WHC ディレクトリにある Windchill codebase ディレクトの外部で管理されます。Windchill Help Center にアクセスするには、Windchill ページの最上部にある「クイックリンク」 > 「ヘルプ」から「Windchill ヘルプセンター」をクリックするか、インタフェースで任意の「ヘルプ」 アイコンをクリックします。
さらに、管理、インストール、アップグレード、カスタマイズに関する多数のトピックが PDF 形式で提供されているので、Windchill Help Center 以外からもこれらのトピックを参照できます。PTC Web サイトの「参照ドキュメント」リンク (以下の URL) では、各 Windchillガイドの最新バージョンを入手できます。
http://www.ptc.com/appserver/cs/doc/refdoc.jsp
ユーザーは Windchill Web アプリケーションを介して Windchill と対話します。Windchill インタフェースへのアクセスについては、ヘルプセンターの「Windchill の基本操作」を参照してください。
Windchill および WHC ディレクトリの全体的な構造については、ディレクトリ構造を参照してください。
RDBMS データベースと LDAP ディレクトリサーバー
Relational Database Management System (RDBMS) データベースは Windchill アプリケーションの基盤であり、RDBMS データベースは、アプリケーションの状態を表すテーブルを常に管理します。
データベースはビジネスオブジェクトメタデータを保存します。コンテンツを保存することもできます。Windchill アプリケーションにおけるオブジェクト間のリンクは、RDBMS データベース内ではプライマリキー/外部キー関係として表されます (ただし、この関係は必ずしも直感的ではありません)。
LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) ディレクトリサーバーは、Windchill のユーザーとグループに関する情報、および内部システムグループを管理します。このディレクトリサーバーには Info*Engine 設定情報も含まれます。
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LDAP ディレクトリサーバーは、RDBMS データベースと常に同期している必要があります。これは、LDAP ディレクトリサービスを RDBMS データベースと同時にバックアップする必要があるということを意味します。
通常、LDAP ディレクトリサーバーはツリー内の一連のノードとして表されます。各ノードには、UID (ユーザー ID) や CN (共通名) などの属性が割り当てられます。ユーザー情報とグループ情報を管理するため、社内の 1 つ以上の LDAP サーバーへ Windchill を接続し、さらに、このソフトウェアに付属の LDAP へ接続するよう設定できます。
インストールしたデータベースの設定の詳細については、データベース情報の入力を参照してください。
インストールしたディレクトリサーバーの設定の詳細については、LDAP の設定の入力を参照してください。