Creo View Adapter for Creo Illustrate の設定
Creo View Adapter for Creo Illustrate の概要
このセクションでは、Adapter for Creo Illustrate の設定方法について説明します。この構成では Creo Illustrate バッチのバンドルされたコマンドラインバージョン (ILLUSTRATE_BATCH) を使用して、Creo Illustrate 3D イラストレーション (C3DI) ファイルが Creo View 構造 (PVZ) ファイルに変換されます。
この変換プロセスは「パブリッシング」と呼ばれます。最初に、illustrate2pv_config ツールを使用して Creo View Adapter for Creo Illustrate を設定しなければなりません。
パブリッシングは、次の 2 つのうちいずれかの方法で行われます。
• コマンドラインパブリッシングと呼ばれる方法を使用してコマンドシェルでファイルを変換します。この方法については、「Creo Illustrate コマンドラインパブリッシング」のセクションで説明します。
• 必要に応じて、直接操作するのではなく、バックグラウンドで Adapter for Creo Illustrate を実行してファイルを変換します。これをサーバー制御 (Worker) パブリッシングと呼びます。この方法については、「Creo Illustrate サーバー制御パブリッシング」のセクションで説明します。
パブリッシングの際、管理者はレシピの設定により全変換プロセスを制御できます。レシピの概念の概要については、
CAD データ変換のためのレシピ編集の概要を参照してください。
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• 設定されている Creo Illustrate パブリッシング設定に基づいて、パブリッシングされた製品表現構造によって参照されない、WMV、MP4、U3D などの追加のファイルが生成されることがあります。
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Creo View Adapter for Creo Illustrate の必要条件
Creo View Adapter for Creo Illustrate を実行するには、以下のことを確認します。
• オペレーティングシステムに十分な CPU とストレージシステムが搭載されている。
Windows での illustrate2pv_config を使用した Creo View Adapter for Creo Illustrate の設定
設定ツールを使用して Creo View adapter for Creo Illustrate を設定するには、以下のステップに従います。
1. Creo Illustrate アダプタに必要な Creo View Adapter Worker ファイルをインストールするには、<インストールディレクトリ>\bin をブラウズし、illustrate2pv_config をダブルクリックします。「Creo Illustrate Configuration」ダイアログボックスが開きます。新規設定の場合は、ステップ 3 に進みます。
2. 「Existing Configuration」を使用するには、
「Setup Directory」ボックスの横の
![](../../creo_view/images/open_6.png)
をクリックし、設定をブラウズして
「Open」をクリックします。インストールが設定されます。
3. 「Parameters」で、アダプタの「Client/Server Version」をボックスから選択します。
4. 「Setup Directory」ボックスで、次のいずれかの操作を実行します。
◦ デフォルトのパスを受け入れます。
◦ ![](../../creo_view/images/open_6.png)
をクリックし、アダプタのセットアップディレクトリをブラウズするか作成して、
「OK」をクリックします。
| ディレクトリへのパス内に空白が含まれていないことを確認します。 |
5. 「Illustrate Adapter Configuration」ダイアログボックスの「Components」グループ設定を使用して、設定するパブリッシングコンポーネント、およびシステムで Visualization サーバーのホストとポートを検索する方法を定義します。「Components」グループボックスには以下があります。
◦ 「Create illustrate2pvbatch」 - コマンドラインからバッチモードで Creo Illustrate を実行して、ファイルのバッチを Creo View ビューデータに変換します。
◦ 「Create illustrate2pvworker」 - Windchill Visualization Service が使用する起動スクリプトを作成して Adapter を Worker モードで起動し、結果を Windchill パブリッシングプロセスの一部としてパブリッシングします。このためには、アダプタは Windchill サーバーについての詳細情報を必要とします。
▪ 「Server Host」 - Windchill サーバーのホスト名。
▪ 「Server Port」 - Windchill サーバー上の Worker Agent との通信に使用するポート。
▪ 「Worker Alias」
必要に応じて、Worker のエイリアス名を入力します。
▪ Worker のエイリアス名は、Worker を設定するために必須ではありません。
▪ Worker エイリアス名にはスペースを含めないでください。
▪ 「Test Server」
エイリアス Worker の場合にサーバーのホスト、ポート、エイリアス名を指定した後は、「Test Server」をクリックして次の操作を実行します。
▪ マシン名、ポート番号、Worker の可用性、エイリアス名を検証します。
▪ テストサーバーがその場所にある Worker Agent に接続できることを確認します。
「Server Configuration Test」ウィンドウに、次の結果が表示されます。
▪ 「Worker Type」
▪ 「Server」
▪ 「Port」
▪ 「Alias」
▪ 「Test Connection to Server」 - 「Server Configuration Test」ダイアログボックスが開きます。テスト結果が「Succeeded」または「Failed」で、結果のメッセージが「Set keepalive ok」で始まっている場合は、「OK」をクリックしてセットアップを続行します。
6. 「Setup」をクリックします。Creo Illustrate Adapter が設定されると、「Setup Complete」ダイアログボックスが開きます。
7. 「OK」をクリックします。Creo Illustrate Adapter の設定が完了しました。
8. 設定後、「Recipe Editor」をクリックすると、この設定のレシピファイルを編集できます。
| レシピファイルへの変更は、上級ユーザーのみが実行してください。 |
9. 「Exit」をクリックします。「Exit illustrate2pv_config」ダイアログボックスが開きます。
10. 「Yes」をクリックして終了します。
Creo Illustrate Adapter の設定の検証
以下の手順に従って設定を検証します。
1. illustrate2pv_config を終了した後、前の手順で指定したセットアップディレクトリに以下のファイルが配置されていることを確認します。
◦ illustrate2pv_config.log - illustrate2pv config ユーティリティで作成されたログファイル。
◦ adapter.pvi - Worker の設定およびディレクトリが表示されます。このファイルをダブルクリックして設定ツールを開き、設定内容を調べます。
◦ debug_options.txt - アダプタを詳細 (デバッグ) モードで実行するための追加のコマンドラインオプションが含まれます。
◦ illustrate2pvbatch.bat - コマンドラインパブリッシングスクリプト。
◦ illustrate2pvworker.bat - サーバー制御パブリッシングスクリプト。
◦ purge.bat - Worker によって生成されたすべてのログファイルをセットアップディレクトリから除去します。
2. 以下の方法により、設定の各コンポーネントが正しく機能していることを確認できます。
◦ 「Creo Illustrate ファイルのコマンドラインパブリッシング - illustrate2pvbatch の使用」のセクションの指示に従って、illustrate2pvbatch を使用します。コマンドラインからバッチパブリッシングが正常に終了した場合は、設定の環境がコマンドラインパブリッシングをサポートしていることを意味します。
◦ 「Creo Illustrate のサーバー制御パブリッシング - illustrate2pvworker の使用」のセクションの指示に従って、illustrate2pvworker を設定します。
Creo Illustrate ファイルのコマンドラインパブリッシング - illustrate2pvbatch の使用
シェルコマンドラインから、illustrate2pvbatch スクリプトを使用して Creo Illustrate データを Creo View フォーマットに変換できます。
プロンプトで単純なコマンドを入力すると、Worker Agent が変換され、Creo View クライアントを使用してすぐに表示可能になります。
Creo View Adapter for Creo Illustrate を操作するには、単一のコマンドを利用してファイルをパブリッシングする必要があります。
コマンドラインの形式は以下のとおりです。
illustrate2pv [options] <files>
コマンドラインオプションのリストについては、「illustrate2pvbatch コマンドラインオプション」を参照してください。
コマンドラインから変換を行うには、以下のステップに従います。
1. コマンドプロンプトを開き、変換するファイルが格納されているディレクトリに移動します。
この例では、ディレクトリは C:\\illustrate_data\\ です。
2. 以下のような、illustrate2pvbatch コマンドを入力します。
C:\ptc\illustrate_setup\illustrate2pvbatch -p output Illustration_2.c3di
この例では、コマンドラインは左から右に以下のように分けることができます。
a. アダプタの設定を格納するセットアップディレクトリ、その次にデータ変換のコマンドが続きます。
C:\ptc\illustrate_setup\illustrate2pvbatch
b. オプション -p <output path> が出力として表示されます。これは、変換されたデータが表示されるディレクトリの名前です。
c. 変換されるファイルは Illustration_2.c3di という名前でカレントディレクトリ内に存在します。
3. Enter キーを押すと illustrate2pvbatch が開始されます。コマンドプロンプトに戻ると、変換は完了します。
| illustrate2pvbatch コマンドでは一度に複数のファイルをパブリッシングできます。一連のファイルをパブリッシングするには、コマンドラインにすべての名前をスペースで区切って入力します。ワイルドカードとしてアスタリスク (*) も使用できますが、返されたデータが正しいことを確信できる場合にかぎります。 |
4. 変換されたデータの出力は、Creo View クライアントで開きます。
これで、コマンドラインパブリッシングを使用してファイルを Creo View フォーマットに変換する手順が完了しました。
Creo Illustrate のサーバー制御パブリッシング - illustrate2pvworker の使用
Visualization サーバーはイラストレーションドキュメントをパブリッシングするリクエストを開始する際に、illustrate2pvworker スクリプトを実行することで Worker を開始します。この Worker を使用してバックグラウンドでパブリッシングジョブが処理されます。この Visualization サーバーは、
Windchill サーバーである場合も、カスタマイズされた別のサーバー環境である場合もあります。パブリッシング Worker は、Visualization サーバーが全機能を発揮するうえで重要なリンクです。詳細については、
Visualization サーバーの定義を参照してください。
illustrate2pvworker スクリプトは <setup_directory> 内に作成されています。Worker Agent がこの Worker を使用するように設定する場合は、実行コマンド <setup_directory>/illustrate2pvworker.bat を使用します。
Worker Agent が Adapter for
Creo Illustrate を使用するように設定する方法については、
Visualization サーバーの定義を参照してください。
Adapter for Creo Illustrate の高度なアダプタ設定
このセクションで説明する手順は、上級ユーザーのみを対象としています。
高度なアダプタ設定では、管理ユーザーとエンドユーザーの両方にさまざまな情報が提供されています。この情報には、Creo Illustrate アダプタのさまざまな追加機能の設定手順も含まれます。Creo Illustrate レシピ設定に関するアダプタ固有の情報については、Advanced タブおよび Parameters タブの「Miscellaneous」サブタブを参照してください。
Adapter for Creo Illustrate のコマンドライン構文
Creo Illustrate ファイルは、illustrate2pvbatch を使用してコマンドラインから変換できます。この章では、コマンドラインパブリッシングで使用できるすべてのコマンドラインオプションについて説明します。詳細については、「Creo Illustrate ファイルのコマンドラインパブリッシング - illustrate2pvbatch の使用」のセクションを参照してください。
| コマンドラインオプションのほとんどは、illustrate2pvworker スクリプトでも使用できます。 |
ファイルのパブリッシングに使用するコマンド文字列は以下のフォーマットに従っています。
illustrate2pvbatch [options] <illustrate_data>
コマンドラインオプションは、以下を入力すると表示されます。
illustrate2pvbatch –h
返されるオプションについては、以下の表で説明します。
使用可能なコマンドラインオプション
コマンド | 目的 |
---|
–? –h | 基本的なヘルプページ。 |
@<file> | レスポンスファイル <file> からオプションを読み取ります。 |
–CP | サーバーへのパイプ通信を使用します。 |
–CS<host><socket> | ソケット通信 <host><socket>。 |
-DA<alias> | Worker のエイリアス名を定義します。 |
–d<depth> | 変換ファイルの深さを設定します。変換中、アセンブリファイルによって階層を検索する深さが決定されます。デフォルトは all です。 |
-De<variable> <value> | 環境設定を定義し、その値を設定します。 |
-Dr<variable> <value> | レシピ設定変数の値を設定します |
–ED | 環境を dvconvert モードに設定します。 |
–EP | 環境を publisher モードに設定します。 |
–EW<type> | 環境を Worker モードに設定します。<type> が Worker Agent に渡され、Worker タイプが特定されます。 |
–H | 拡張ヘルプオプション。 |
–I | 使用するアダプタのバーションを指定します。 |
–o<name> | 出力ファイルのベース名を設定します。 |
–p<name> | 出力の基本パスを設定します。 |
–r<name> | 使用するレシピファイルを設定します。 |
–vc | すべてのコンソール出力を無効にします。 |
–vc1 | すべてのコンソール出力を stdout に転送します。 |
–vc2 | すべてのコンソール出力を stderr に転送します (デフォルト)。 |
–ve[n] | エラーレポートレベルを増分または設定 ([n] が指定された場合) します。-ve0 はすべてのエラーレポートを無効にします。デフォルトは 1 です。 |
–vl<file> | 印刷されたすべての出力を <file> に送ります。 |
–vL<file> | 印刷されたすべての出力を <file> に追加します。 |
-vm[module] <flag> | メインプログラムまたは指定のモジュールの監視ログを有効にします。 |
–vn<file> | 印刷されたすべての出力を新しいログファイル <file>_#.log に送ります。 |
–vp<n> | プロセスの冗長性フラグを設定します。–I オプションを使用して使用可能なモジュールをリストに表示できます。フラグはソースコードでリストされます。 |
–vt | すべての出力に現在の日時のタイムスタンプを付けます。 |
–vT | すべての出力にプロセス実行時のタイムスタンプを付けます。 |
–vw[n] | 警告レポートレベルを増分または設定します。-ve[n] を参照。 |
コマンドライン <illustrate_data> では、変換対象を定義します。illustrate2pvbatch ツールでは一度に複数のファイルをパブリッシングできます。一連のファイルをパブリッシングするには、コマンドラインにすべての名前をスペースで区切って入力します。ワイルドカードとしてアスタリスク (*) を使用できますが、返されたデータが正しいことを確信できる場合にかぎります。オプションを使用したコマンドラインの例を以下に示します。
illustrate2pvbatch -vl mylogfile.txt -vc -p output file.igs