NC シーケンスの共通パラメータ
すべての NC シーケンスに共通するパラメータを以下に説明します。これらのパラメータは、パラメータ設定時のブランチ名に対応した見出しの下にリストされています。NC シーケンス固有のパラメータについては、「関連項目」のリンクを参照してください。
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• デフォルトが -1 のすべてのパラメータに値を指定する必要があります (これらのパラメータには、デフォルト値は設定されていません)。
• 一部のパラメータでは (-) の値をとる (つまり "無視" する) ことができます。これにより、そのパラメータは使用されなくなります。通常、システムデフォルトやほかのパラメータが代わりに使用されます。"-" 値は、この値がデフォルトとなるパラメータでのみ使用できます。
• NC シーケンスパラメータの長さの単位 (該当する場合) は、ワークピースの単位と同じです。ワークピースの単位を「同一サイズ」(Same Size) オプションで変更した場合 (このとき、寸法値が変更されます)、既存の NC シーケンスの該当するパラメータもまたすべてスケール変更されます。
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名前
「マシン名」
ポストプロセスに必要なマシン名。デフォルトの「マシン名」はターニングでは「ターン」、その他の NC シーケンスは「ミル」になります。
「マシン ID」
ポストプロセスに必要なマシン ID。デフォルトの「マシン ID」は 01 です。
「NCL ファイル」
NC シーケンスの CL ファイルのデフォルト名。自動生成されるデフォルト値は (-) です。
「加工前ファイル」
CL ファイルの冒頭に含めるファイル名を入力します。このファイルはカレントワーキングディレクトリになければならず、拡張子 .ncl を付ける必要があります。デフォルトは (-)、つまりなしです。
「加工後ファイル」
CL ファイルの最後に含めるファイル名を入力します。このファイルはカレントワーキングディレクトリになければならず、拡張子 .ncl を付ける必要があります。デフォルトは (-)、つまりなしです。
カットパラメータ
「公差」(TOLERANCE)
以下の図に示すようにツールパスは小さな直線増分で移動して、カーブジオメトリを近似します。直線径路 (パス) がカーブジオメトリから離れる最大許容距離は「公差」で設定します。デフォルトの「公差」(TOLERANCE) は 0.001 インチ (0.025 mm) です。
1. 「公差」(TOLERANCE)
2. 設計サーフェス
3. 加工サーフェス
4. 工具中心線パス
5. 工具
「最大離散化ステップ」(MAX_DISCRETIZ_STEP)
ツールパスの 2 点間の最大許容距離を指定します。このパラメータは、サーフェスミリング (アイソライン、投影カット)、カットラインミリング、通常ミリング、プロファイルミリング、仕上げ、ボリュームミリング (プロファイルのみ) で、ボールエンドミル、ラジアスエンドミル、フラットエンドミルの各工具に使用できます。
ツールパスの 2 点間の距離が「最大離散化ステップ」(MAX_DISCRETIZ_STEP) よりも長い場合、Creo NC は中間点を作成して、2 点間の距離が常に「最大離散化ステップ」(MAX_DISCRETIZ_STEP) よりも短くなるようにします。中間点は公差値以内にあり、ガウジ回避されます。
「最大離散化ステップ」に値が何も指定されない場合 (デフォルト)、ツールパス点の生成には公差値のみが使用されます。
1. 「最大離散化ステップ」(MAX_DISCRETIZ_STEP)
「最小離散化ステップ」(MIN_DISCRETIZ_STEP)
ツールパスの 2 点間の最小許容距離を指定します。デフォルトはありません。この値を設定する場合、公差より大きい値にします。
「点分布」(POINT_DISTRIBUTION)
ツールパス上の点分布方法を定義します。次のオプションがあります。
• 「整列」(ALIGNED) (デフォルト) - ツールパスのスライス内の点が、前後のスライスの点に沿って整列します。
• 「シフト」(SHIFTED) - ツールパスのスライス内の点は、前後のスライスの点に沿って一列に並びません。
このパラメータは、サーフェスミリング (アイソライン、投影カット)、カットラインミリング、通常ミリング、プロファイルミリング、仕上げ、ボリュームミリング (プロファイルのみ) で、ボールエンドミル、ラジアスエンドミル、フラットエンドミルの各工具に使用できます。
送り
「カット送り速度」(CUT_FEED)
切削動作に使用する送り速度です。デフォルトの「カット送り速度」(CUT_FEED) は設定されていません ("-1" として表示されます)。
CUT_UNITS
これには、「インチ/分」(IPM) (デフォルト)、「フィート/分」(FPM)、「mm/分」(MMPM)、「フィート/回転」(FPR)、「インチ/回転」(IPR)、「mm/回転」(MMPR) が含まれます。
「リトラクト送り速度」
ツールがワークピースから離れる速度です。デフォルトの「リトラクト送り速度」は (-) で、この場合「カット送り速度」が使用されます。
「リトラクト単位」
これには、「インチ/分」(IPM) (デフォルト)、「フィート/分」(FPM)、「mm/分」(MMPM)、「フィート/回転」(FPR)、「インチ/回転」(IPR)、「mm/回転」(MMPR) が含まれます。
FREE_FEED
早送りに使用する送り速度 (早送りの速度単位には「リトラクト単位」が使用されます)。デフォルトの「自由送り速度」は (-) で、この場合「早送り」コマンドが CL ファイルに出力されます。「自由送り速度」が 0 の場合も同じ結果になります。
「プランジ送り」
ツールがワークピースに接近し、プランジ (降下) する速度です (ミリングおよびターニング用)。デフォルトの「プランジ送り」は (-) で、この場合「カット送り速度」が使用されます。
「プランジ単位」
これには、「インチ/分」(IPM) (デフォルト)、「フィート/分」(FPM)、「mm/分」(MMPM)、「フィート/回転」(FPR)、「インチ/回転」(IPR)、「mm/回転」(MMPR) が含まれます。
マシン
「直線公差」(LINTOL)
複数軸ミリングとミル/ターンロータリーリニアリゼーションのポストプロセッサで使用するリニア公差補間値を指定できます。"LINTOL / r" 実行文が CL ファイルの最初に出力されます。デフォルトの「直線公差」は (-) で、この場合「直線公差」文は出力されません。
円弧補間
円弧または円に沿ったツールモーションが CL ファイルに出力されるフォーマットを指定します。次のオプションがあります。
• 「点群のみ」(POINTS_ONLY) - 円弧補間機能のないマシンで、このフォーマットを使用します。前の図に示すように、円弧は公差内の一連の直線動作により近似されます。
• 「円弧のみ」(ARC_ONLY) (デフォルト) - 完全円弧補間のあるマシンでこのフォーマットを使用します。「円」実行文とポストプロセスに必要な最少数の点だけが、CL ファイルに出力されます。点の数は、「円弧点数」パラメータで定義します。
• 「点群&円弧」(POINTS_&_ARC) - 「円」実行文と、公差値内の最大数の点が CL ファイルに出力されます。
• 「APT フォーマット」(APT_FORMAT) - ポストプロセッサが APT フォーマットの円形モーションを想定している場合、これを使用します。
| パラメータ CIRC_INTERPOLATION は CL データ出力のフォーマットのみを指定します。カーブ状のジオメトリに沿った実際のツールパスは、前の図に示されるように、常に「公差」パラメータ値に従って生成されます。 |
「3D NURBS 出力」
「はい」(YES) に設定すると、Creo NC は、開始モーションと終了モーションを含めて送り速度が変化するたびに、直線補間出力または円弧補間出力ではなく NIRBS 補間出力を作成します。ツールパスは、C2 連続を維持するようできるだけ円滑化され、曲率の変更は最小限に留められます。デフォルトの値は "NO" です。
NURBS 補間がサポートされているのは、サーフェスミリング (3 軸および 5 軸)、仕上げ、軌道ミリング、スワーフミリング、プロファイルミリング、ボリュームミリング、荒削り、中荒削り、ローカルミリング、フェースミリング、ポケットミリング、コーナー仕上げです。
「円弧点数」
「円弧補間」が「円弧のみ」に設定された場合に CL ファイルに出力する点の数を指定します。デフォルトは 3 です。
COOLANT_OPTION
これには、「オン」(ON)、「オフ」(OFF) (デフォルト)、「直噴」(FLOOD)、「冷却噴霧」(MIST)、「タップ」(TAP)、「貫通」(THRU) が含まれます。
COOLANT_PRESSURE
これには「なし」(NONE) (デフォルト)、「低」(LOW)、「中間」(MEDIUM)、「高」(HIGH) が含まれます。
「座標系出力」
「マシン座標系」と「シーケンス座標系」のどちらの座標系を、CL データ基準として使用するかを指定します (デフォルトは「マシン座標系」です)。
「取付具オフセット領域」
マシンで使用するレジスタに取付具変換オフセットを指定できます。デフォルトの「取付具オフセット領域」は (-) で、これは "なし" の意味です。「取付具オフセット領域」に別の値 ("n") を指定すると、"SET\ /\ OFSETL, n" 文と "SET / OFSETL, OFF" 文が出力されます。
「シーケンス終了条件」
CL データの最後に NC シーケンスの出力の中止コマンドを指定します。
• 「なし」(NONE) (デフォルト) - コマンドなし。
• 「オペレーション停止」(OPSTOP) - 「オペレーション停止」コマンドが出力されます。
• 「プログラム停止」(PROGRAM_STOP) - 「プログラム停止」コマンドが出力されます。
• 「GOHOME」 - 「HOME に移動」コマンドが出力されます。オペレーションに HOME 点を指定すると、HOME の位置にツールが表示されます。HOME 点を指定しないと「HOME に移動」コマンドが出力されますが、工具は移動せずに警告が表示されます。
「HOME に移動レジスタ」
マシンで使用する「HOME に移動」レジスタを指定できます。「HOME に移動」位置が複数あるマシンの場合、この一意のレジスタによってスピンドルの「HOME に移動」位置を指定できます。CL ファイルで出力を確認するには、「シーケンス終了条件」(END_STOP_CONDITION) パラメータの値が「HOME に移動」(GOHOME) に設定されていなければなりません。CL ファイルでの出力は GOHOME / [整数値] となります。
開始/終了
「モーション開始」
NC シーケンスの開始点からカットモーションの開始までの工具の動作を定義します。(「シーケンス設定」(SEQ SETUP) メニューの「開始」(Start) オプションを使用して) 開始点を指定しない場合、このパラメータは無視されます。次の値を指定できます。
• 「直接」(DIRECT) (デフォルト) - NC シーケンスの開始点から切削の開始まで、アプローチモーションは直線になります。
• 「Z_ 第 1」(Z_FIRST) - 工具は最初に NC シーケンス座標系の Z 軸に平行な方向に移動し、続いて Z 軸に垂直な方向に移動して切削を開始します。
• 「Z_ 最後」(Z_LAST) - 工具は最初に NC シーケンス座標系の Z 軸に垂直な方向に移動し、続いて Z 軸に沿って移動して切削を開始します。
ワイヤ放電加工には適用されません。
「モーション終了」
カットモーションの終了位置から NC シーケンスの終点までのツール動作を定義します。(「シーケンス設定」(SEQ SETUP) メニューの「終了」(End) コマンドを使用して) 終点を指定しない場合、このパラメータは無視されます。次の値を指定できます。
• 「直接」(DIRECT) (デフォルト) - 切削の終了から NC シーケンスの終点まで、終了モーションは直線になります。
• 「Z_ 第 1」(Z_FIRST) - 工具は最初に終点の Z 軸に到達するまで NC シーケンス座標系の Z 軸に平行な方向に移動し、続いて Z 軸に垂直な方向に移動して終点に到達します。
• 「Z_ 最後」(Z_LAST) - 工具は最初に終点の XY 座標に到達するまで Z 軸に垂直な方向に移動し、続いて Z 軸に沿って移動して終点に到達します。
• 「X_ONLY」 - 工具は X 軸方向にのみ移動します。
• 「Z_ONLY」 - 工具は Z 軸方向にのみ移動します。
ワイヤ放電加工には適用されません。