Creo Simulate での均質格子の操作
均質化について
格子のセルの数が多い (24,000 個を超える) 場合、フルジオメトリモデルや簡略ジオメトリモデルの保存やシミュレーションには膨大な量の計算リソースが必要なので、これらのタスクを実行することは非現実的です。モデリングするオブジェクトに多数の反復格子セルが含まれている場合、そのオブジェクトの挙動は、連続する材料から成るボディの挙動とよく似ています。大きな格子構造のモデリングを簡単に行うには、格子構造と同じ有効材料特性を持つ連続するソリッドとして格子構造を表します。このような有効材料特性を持つソリッドは、元の格子構造と同じ質量特性、剛性、熱伝達率、多孔性などを持ちます。これらの有効材料特性を導出することを均質化と呼びます。Creo 6.0 で使用されている均質化の手法では、等価有効特性を計算して Creo Simulate に与えることによって、大きな格子構造のモデリングが簡単に行われます。このプロセスを以下の図に示します。
1. 格子構造
2. 均質連続体
3. 均質化のプロセス
均質格子でのシミュレーション解析実行のワークフロー
Creo Parametric「格子」(Lattice) フィーチャータブにあるオプションを使用して、均質ボリュームに格子フィーチャーを作成します。
1. ソリッドモデルを作成するか、既存のモデルを開きます。
2. 均質ボリュームに格子フィーチャーを作成する際には、Creo Parametric「格子」(Lattice) フィーチャータブで、以下のようにします。
格子の表示として、 「均質」(Homogenized) を選択します。
「格子の領域」(Lattice Region) タブで「シェルを作成」(Create shell) を選択した場合、均質ボリュームが完全には閉じていないことを確認します。均質ボリュームで 1 つ以上の除外されたシェルサーフェスを選択します。
「格子タイプ」(Lattice Type)「ビーム」(Beams) を選択します。
「セルタイプ」(Cell Type) タブで、サポートされている以下のセル形状のいずれかを選択します。
正方形
六角形
八角形
3. 部品に均質ボリュームを定義した後、Creo Simulate でその部品を開きます。モデルの残りの部分と区別するため、均質ボリュームは別の色 (シアン) で表示されます。
1. 均質ボリューム
2. 適用される荷重
3. 適用される拘束条件
4. 荷重、拘束条件、材料をモデルに指定します。均質ボリュームに指定する材料は異方性材料特性を持っている必要があります。
5. 線形静解析または固有値解析を作成します。
6. 解析を実行します。Creo Simulate で均質格子として表すボリュームに単位セルつまり RVE が作成され、以下のように連続する 2 つの解析が実行されます。
1 つ目の解析はバックグラウンド解析であり、単位セルつまり RVE (representative volume element) に対して実行されます。このステップでは、RVE の等価均質材料特性が計算されます。
2 つ目のステップでは、ユーザーが定義した解析が実行されます。ここでは、前のステップで実行されたバックグラウンド解析で計算された等価材料特性が使用されます。解析フォルダ内の rpt ファイルに、等価材料密度と 6x6 スカイライン剛性マトリックス (上三角マトリックス) の値を含む均質材料特性があります。これらの値を使用して、ユーザーが定義した解析である 2 つ目の解析が実行されます。
解析が完了した後、結果を評価します。
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