ファスナーのデータファイル
Creo Intelligent Fastener を使ってアセンブリされるファスナーのすべての情報は、ファスナーのデータファイルから読み取られます。ファスナーのデータファイルには、ファイル拡張子 .dat が付きます。各 DAT ファイルは 2 つのセクションに分かれています。
DAT ファイルの最初のセクションでは、ファスナーのタイプやファスナーの単位など、ファスナーの基本情報が提供されます。
2 番目のセクションには、ファスナーインスタンスの定義が含まれます。定義を提供するには、次の 2 つの方法があります。
単一ファスナーインスタンスごとに 1 行を追加する
ファミリーテーブルのマッピングを使用して、ファスナーインスタンスの情報をジェネリック部品から直接取得します。
ファスナーのタイプごとに、「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) および「ピンファスナーの定義」(Dowel Pin Fastener Definition) ダイアログボックスの 2D プレビューに必要ないくつかの寸法があります。ファスナーインスタンスが存在する場合でも、これらの値が使用可能でなければなりません。
* 
DAT ファイル内で値を区切るには、TAB キーを押します。
DAT ファイルのセクション 1
DAT ファイルの最初のセクションについて次の表で説明します。
ファスナーの情報
キーワード
ファスナーのタイプ。以下のいずれかです。
SCREWTYPE
WASHERTYPE
NUTTYPE
INSERTTYPE
PINTYPE
ファスナーのタイプとインデックス。
UNIT
ファスナーの単位。以下のいずれかです。
MM
INCH
INFO または LABEL
オプション値。「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスに表示するファスナーのラベル。値が指定されていない場合、Creo Intelligent Fastener はライブラリ翻訳ファイルを使用して、「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスのラベルを取得します。
HELPTEXT
オプション値。「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスで、ラベルに表示するヘルプテキスト。値が指定されていない場合、Creo Intelligent Fastener はライブラリ翻訳ファイルを使用して、「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスのヘルプテキストを取得します。
SUBINFO
オプション値。列の値を入力します。選択したサイズに複数のインスタンスがある場合は、列にある値がショートカットメニューに表示され、その中からインスタンスを選択できます。
グラフィックウィンドウに配置参照を表示するには、Creo Parametric コンフィギュレーションオプション show_selected_item_idyes に設定します。次に、配置参照にポインタを合わせると、ID が表示されます。ファスナーのデータファイルから、異なる配置参照を持つファスナー部品を参照している場合は、最初の IDS の後にそれらの配置参照のペアを追加します。必ず、TAB キーを押して値を区切ってください。
* 
断面 2 に配置参照を追加することもできます。その後で、断面 1 からそれを除去する必要があります。
配置参照
キーワード
SURFACE
参照平面のアイテム ID またはアイテム名。方向を反転するには、ID または名前の前にマイナス記号 (-) を追加します。
AXIS
参照軸のアイテム ID またはアイテム名。
ORIENT
オプション値。方向平面のアイテム ID またはアイテム名。方向を反転するには、ID または名前の前にマイナス記号 (-) を追加します。
カウンタボアの事前選択は、次に示すファスナーのタイプについて有効です。
SCREWTYPE
WASHERTYPE
NUTTYPE
カウンタボアの事前選択
キーワード
CBSCR
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの列の名前。ファスナーが選択されている場合、このカウンタボアの直径が「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスの「側面 1 - カウンタボア」(Side 1 - Counterbore) で事前選択されます。
CBNUT
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの列の名前。ファスナーが選択されている場合、このカウンタボアの直径が「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスの「側面 2 - カウンタボア」(Side 2 - Counterbore) で事前選択されます。
コンフィギュレーションファイルからの別のテーブルの選択。この DAT ファイルに使用するテーブルを入力します。値を指定しなかった場合は、デフォルトのテーブルが使用されます。
テーブル選択
キーワード
THREAD
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの THREAD テーブルの名前。次に示すファスナータイプに対してのみ有効です。
SCREWTYPE
NUTTYPE
INSERTTYPE
RUNOUT
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの RUNOUT テーブルの名前。ファスナータイプ SCREWTYPEに対してのみ有効です。
ADDCB
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの ADDCB テーブルの名前。ファスナータイプ SCREWTYPEに対してのみ有効です。
ETSCR
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの ETSCR テーブルの名前。ファスナータイプ SCREWTYPEに対してのみ有効です。
MUSCR
オプション値。ifx_screw_data.cfg ファイルからの MUSCR テーブルの名前。ファスナータイプ NUTTYPEに対してのみ有効です。
TOL
オプション値。ifx_pin_data.cfg ファイルからの TOL テーブルの名前。ファスナータイプ PINTYPEに対してのみ有効です。
複数の穴チャートが使用可能な場合は、事前選択される穴チャートを使用します。DAT ファイルのヘッダーで穴チャートが指定されている場合は、その穴チャートが事前選択されます。ファイルが存在しない場合は、警告が表示されます。
穴チャートの事前選択
キーワード
THREAD_NAME
オプション値。穴チャートから ISO などの THREAD_NAME の値を入力して穴を作成します。
* 
この入力は、DAT ファイルのすべてのインスタンスに対して有効です。別の穴チャートを使用するには、このキーワードを DAT ファイルのセクション 2 の列で使用します。
THREAD_NAME_CLEARANCE
THREAD_NAME_COUNTERBORE
THREAD_NAME_COUNTERSINK
THREAD_NAME_THREAD
オプション値。これらのキーワードは、特殊な穴タイプに使用します。値をタブまたはセミコロンで区切ります。これらは以下のファスナータイプに対して有効です。
SCREWTYPE
WASHERTYPE
NUTTYPE
INSERTTYPE
* 
これらの値の優先順位は、SCR_THREAD_SERIES_* オプションよりも高くなっています。
THREAD_NAME_BLIND
THREAD_NAME_COUNTERBORE
THREAD_NAME_CLEARANCE
オプション値。これらのキーワードは、特殊な穴タイプに使用します。値をタブまたはセミコロンで区切ります。これらは、PINTYPE のファスナータイプでのみ有効です。
* 
これらの値の優先順位は、PIN_THREAD_SERIES_* オプションよりも高くなっています。
ファミリーテーブルのキーワードは、ファミリーテーブルのマッピング専用です。
ファミリーテーブル情報
キーワード
FAMPRT
ファミリーテーブルのジェネリック部品の名前 (拡張子なし)。
MUST
NOT
オプション値。これらのキーワードを使用して、パラメータまたは寸法の値が特定の値に適合しているか、適合していないかによってファミリーテーブルのインスタンスをフィルタします。Creo Parametric の有効なパラメータ名または寸法名を、MUST <名前> <値> または NOT <名前> <値> の構文で使用してください。
DAT ファイルのセクション 2
DAT ファイルの 2 番目のセクションについて次の表で説明します。DAT ファイル内で値を区切るには、TAB キーを押します。
DAT ファイルのこのセクションでは、ファスナーのサイズを定義します。各ファスナーサイズに対して 1 行を追加する必要があります。
* 
断面 2 の列で #SURFACE#AXIS、または #ORIENT を使用している場合は、断面 1 からそれを除去する必要があります。
単一ファスナーインスタンス
キーワード
SYMBOL
INSTANCE
有効な Creo Parametric ファイル名を持つ列。以下のインスタンス名が有効です。
既存のファスナー部品
既存のファミリーテーブルのインスタンス部品
存在しないファスナー部品。部品は、ファスナーをアセンブリするときに、その場で作成されます。
STRING
ねじファスナーのみ。値は、「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスの「ねじ」(Screw) リストに表示されます。
#THREAD_NAME
#THREAD_NAME_CLEARANCE
#THREAD_NAME_COUNTERBORE
#THREAD_NAME_COUNTERSINK
#THREAD_NAME_THREAD
#THREAD_NAME_BLIND
オプション値。さらなる THREAD_NAME をセミコロンで区切ります。詳細については、テーブル「穴チャートの事前選択」を参照してください。
* 
これらの値が最も優先されます。これらは *_THREAD_SERIES_* オプションとセクション 1 の値を上書きします。
#SURFACE
オプション値。参照平面のアイテム ID またはアイテム名。方向を反転するには、ID または名前の前にマイナス記号 (-) を追加します。
#AXIS
オプション値。参照軸のアイテム ID またはアイテム名。
#ORIENT
オプション値。方向平面のアイテム ID またはアイテム名。方向を反転するには、ID または名前の前にマイナス記号 (-) を追加します。
<列>
寸法またはパラメータの名前。DAT ファイルに追加する列を定義できます。列の名前の付いた寸法またはパラメータがファスナーテンプレートに見つからない場合は、指定した値を持つ文字列パラメータが作成されます。
このセクションでは、ファミリーテーブルのジェネリック部品からファスナーインスタンス情報を直接検索することもできます。
ファミリーテーブルのマッピング
キーワード
SYMBOL
INSTANCE
ファミリーテーブルのマッピングを使用するには、#FAMTAB を入力します。
#THREAD_NAME
#THREAD_NAME_CLEARANCE
#THREAD_NAME_COUNTERBORE
#THREAD_NAME_COUNTERSINK
#THREAD_NAME_THREAD
#THREAD_NAME_BLIND
オプション値。さらなる THREAD_NAME をセミコロンで区切ります。詳細については、テーブル「穴チャートの事前選択」を参照してください。
* 
これらの値が最も優先されます。これらは *_THREAD_SERIES_* オプションとセクション 1 の値を上書きします。
#SURFACE
オプション値。参照平面のアイテム ID またはアイテム名。方向を反転するには、ID または名前の前にマイナス記号 (-) を追加します。
#AXIS
オプション値。参照軸のアイテム ID またはアイテム名。
#ORIENT
オプション値。方向平面のアイテム ID またはアイテム名。方向を反転するには、ID または名前の前にマイナス記号 (-) を追加します。
<文字列>
ねじファスナーのみ。
UNIT=MM の場合は、M<DN> と入力します。
UNIT=INCH の場合は、Creo Parametric の寸法名を入力します。
値は、「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) ダイアログボックスの「ねじ」(Screw) リストに表示されます。
<列>
Creo Parametric の寸法またパラメータの名前。名前を変更した値を使用しないでください。ファスナーのタイプによっては、「ねじファスナーの定義」(Screw Fastener Definition) および 「ピンファスナーの定義」(Dowel Pin Fastener Definition) ダイアログボックスの 2D プレビューに対して、別々の列が必要になります。
単一ファスナーインスタンス用の DAT ファイルの例を次に示します。インスタンスごとに 1 行が必要です。
! Fastener Information
SCREWTYPE 20
UNIT MM
INFO ISO 4014
SUBINFO BUW_SIZE
! Placement References
SURFACE 124 -12 PLACEMENT_SURFACE
AXIS 341 24 PLACEMENT_AXIS
! Hole Chart Preselection
THREAD_NAME ISO
! Counterbore Preselection
CBSCR DIN974-2 R1
! Fastener Instances
SYMBOL STRING DN LG B S K DG P BUW_NAME BUW_TYPE BUW_SIZE
INSTANCE STRING DN LG B S K DG P name type size
...
ISO4014-M10x65-5_6 M10 10 65 26 16 6.4 8.5 1.5 hexheadscrew ISO 4014 M10 x 65 - 5.6
ISO4014-M10x65-8_8 M10 10 65 26 16 6.4 8.5 1.5 hexheadscrew ISO 4014 M10 x 65 - 8.8
ISO4014-M10x70-5_6 M10 10 70 26 16 6.4 8.5 1.5 hexheadscrew ISO 4014 M10 x 70 - 5.6
ISO4014-M10x70-8_8 M10 10 70 26 16 6.4 8.5 1.5 hexheadscrew ISO 4014 M10 x 70 - 8.8
...
M12x60-5_6<ISO4014> M12 12 60 30 18 7.5 10.2 1.75 hexheadscrew ISO 4014 M12 x 60 - 5.6
M12x60-8_8<ISO4014> M12 12 60 30 18 7.5 10.2 1.75 hexheadscrew ISO 4014 M12 x 60 - 8.8
...
ファミリーテーブルマッピング用の DAT ファイルの例を次に示します。寸法とパラメータのマッピングを示す 1 行の #FAMTAB だけが必要です。
! Fastener Information
SCREWTYPE 1
UNIT MM
INFO DIN 912 Famtab
SUBINFO MATERIAL
! Placement References
SURFACE 28
AXIS 71
! Counterbore Preselection
CBSCR DIN974-1 R1
! Family Table Information
FAMPRT din912
MUST NORM DIN912
NOT DIA 22.0
NOT DIA 27.0
! Fastener Instances
SYMBOL STRING DN LG B S DK K DG P
INSTANCE STRING DN LG B S DK K DG P
#FAMTAB M<DN> d5 d3 d4 d8 d12 d7 d6 pitch
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