アプリケーションオプションの設定
システムアプリケーションオプションは、Creo Parametric インストールフォルダ内の ...\Common Files\gdt_home フォルダにあるファイル GDTAAppOptions.xml で定義されています。
この XML ファイルには、Restricted、AppOptions、AdvisorTest、StandardHoleText、および ApplicationNotes の 5 つの 1 次要素が含まれています。ファイル GDTAAppOptions.xml を編集した場合、これらの変更が有効になるためには、GD&T Advisor を停止して再起動する必要があります。
制限 GCS
Restricted 要素には、制限される可能性がある各幾何公差特性記号を表す属性が含まれています。この属性値を "Y" に設定した場合、幾何公差特性記号は制限されたものとして設定され、その記号は「幾何公差特性記号の選択」(Geometric Characteristic Symbol Selector) メニューから除外されます。選択されているオプションは、「アプリケーションオプション」(Application Options) ウィンドウの「システムオプション」(System Options)/「制限 GCS」(Restricted GCS) タブに表示されます。
オプションの設定
次に示す各オプションは各種テキスト文字列のコンテンツを制御します。
Offset_Dim_Text - このオプションの値に指定した文字列によって、オフセット寸法の寸法アノテーションに追加されるオプションのテキストを定義します。詳細については、平面サーフェス形体のスキームオプション (ASME)または平面サーフェス形体のスキームオプション (ISO)を参照してください。
ASME_Pattern_Number_Text - サイズ形体のパターンのアノテーションはパターンのメンバー数を示します (たとえば、このオプションの値を 'X' にすると、3X になります)。このオプションは ASME 公差規格を参照するモデルにのみ適用可能です。
ISO_Pattern_Number_Text - サイズ形体のパターンのアノテーションはパターンのメンバー数を示します (たとえば、このオプションの値を 'x' にすると、3 x になります)。このオプションは ISO 公差規格を参照するモデルにのみ適用可能です。
ISO_Thread_Depth_Text - このオプションの値に指定した文字列によって、ねじ深さ寸法の寸法アノテーションに追加されるオプションのテキストを定義します。このオプションは ISO 公差規格を参照するモデルにのみ適用可能です。
Draft_Angle_Text - このオプションの値に指定した文字列によって、ドラフト角度寸法の寸法アノテーションに追加されるテキストを定義します。
ASME_Thread_as_Primary_Dim - この値が yes に設定されている場合、ねじ切り穴のアノテーションはねじ直径に接続され、ドリル直径寸法は表示されません。
Auto-update_Gen_Prof_Refs - この値が yes に設定されている場合、モデルの更新時に一般輪郭度公差の参照が自動的に更新されます。または、GD&T Advisor コマンドリボンの「操作」(Operations) グループで「一般輪郭公差の参照を更新」(Update General Profile references) を選択することで参照を更新できます。
テキスト文字列オプションでは、アノテーションにテキストを追加しない場合、値に Null 文字列 ("") を指定できます。アプリケーションオプションファイルにいずれかのテキスト文字列オプションのオプションを含めなかった場合、デフォルトの文字列値が使用されます。
次のオプションには、アノテーションテキストに数値を含めるかどうかを指定する追加の属性 show_count が含まれています。
<Option name="option_name" show_count="yes/no" value="option_value"/>
ASME_Multi-surface_Text - 複数サーフェス形体の場合 (形体の説明を参照)、幾何公差アノテーションに、そのアノテーションが適用されるサーフェスの数を示す注記が含まれます (たとえば、このオプションの値を 'SURFACES' にすると、3 SURFACES になります)。このオプションは ASME 公差規格を参照するモデルにのみ適用可能です。
ISO_Multi-surface_Text - 複数サーフェス形体の場合 (形体の説明を参照)、幾何公差アノテーションに、そのアノテーションが適用されるサーフェスの数を示す注記が含まれます (たとえば、このオプションの値を 'x' にすると、3x になります)。このオプションは ISO 公差規格を参照するモデルにのみ適用可能です。
たとえば、次のオプションを使用して、数値がないアノテーションを表示できます。
<Option name="ASME_Multi-surface_Text" show_count="no" value="MULTIPLE SURFACES"/>
次のオプションはモデルのその他の要素を制御します。
PLN_DFS_Attach - データム形体として設定されている平面サーフェスにセットデータムタグアノテーションを配置する方法を指定する次のいずれかの値を定義できます。
幾何公差内
ジオメトリ上
FOS_U_Min - このオプションの値に指定した数値によって、サイズ形体と見なされるために必要な円筒または円錐サーフェスの最小部分 (度数) を定義します。指定する値は 160 から 359 の範囲でなければなりません。
ASME_Thread_as_Primary_Dim - この値が yes に設定されている場合、ASME モデルの穴注記アノテーションの主寸法としてねじ仕様が表示され、穴のドリル直径は注記で省略されます。
これらの値は GD&T Advisor ユーザーインタフェースの「アプリケーションオプション」(Application Options) ダイアログには表示されません。
パラメータ
AdvisorTest 要素には複数の AdvTestParam 要素の数が含まれています。各 AdvTestParam 要素には、パラメータに対応する name 属性と、アドバイザーテストで使用されるパラメータの値を定義する value 属性があります。
<AdvTestParam name="parameter_name" value="parameter_value"/>
以下の表に、システム管理者によって管理されるパラメータと、それらのパラメータが影響するアドバイザーのテストメッセージを示します。これらのアドバイザーメッセージに関するヘルプページで、テストでこれらのパラメータがどのように使用されるかについて詳しく説明しています。
選択されているオプションは、「アプリケーションオプション」(Application Options) ダイアログウィンドウの「システムオプション」(System Options)/「パラメータ」(Parameters) タブに表示されます。
穴注記
StandardHoleText 要素には、その要素の name 属性に対応する穴タイプのフォーマットを定義する複数の HoleNote 要素が含まれています。HoleNote 要素には、穴注記に含めることができるテキスト文字列のコンテンツを定義する複数の HoleNoteText 要素が含まれています。HoleNote の order 属性は、複数の文字列を連結して穴注記を作成するときの順序を定義します。
選択されているオプションは、「アプリケーションオプション」(Application Options) ダイアログウィンドウの「システムオプション」(System Options)/「穴の注記」(Hole Notes) タブに表示されます。
HoleNoteText 要素
HoleNoteText の name 属性は次のいずれかの値をとります。
ASME-US Clearance Hole
ASME-US Blind Drilled Hole
ASME-US Thru Drilled Hole
ASME-SI Clearance Hole
ASME-SI Blind Drilled Hole
ASME-SI Thru Drilled Hole
ISO Blind Drilled Hole
ISO Thru Drilled Hole
name 属性の 1 つ目の部分でそのモデルの公差規格 (ASME または ISO) と単位系 (米国慣用単位または SI) が示され、それに続けて穴タイプが示されます。この穴タイプは Creo で使用可能な穴タイプに対応しています。
HoleNoteText 要素の format 属性は、穴注記アノテーション文字列のフォーマットを定義します。これには次の表に示す変数が含まれます。変数の先頭に '$' を付ける必要があります ($Hole_Diameter など)。これらの変数は、CAD の穴フィーチャーのフィーチャーパラメータに対応しています。明記されている変数では、フィーチャーパラメータの代わりにパラメトリック寸法が使用されます。パラメトリック寸法に関連付けられている変数には、注記内の公差とともに基準寸法値が含まれていることがあります。
変数
値の取得元
Thread_Series
フィーチャーパラメータ
Cbore_Diameter
パラメトリック寸法
Cbore_Depth
パラメトリック寸法
Csink_Diameter
パラメトリック寸法
CSink_Angle
パラメトリック寸法
Pitch
フィーチャーパラメータ
Drill_Point_Angle
フィーチャーパラメータ
Hole_Diameter
パラメトリック寸法
Hole_Depth
パラメトリック寸法
Thread_Diameter
パラメトリック寸法
Threads_Per_Inch
フィーチャーパラメータ
Thread_Depth
パラメトリック寸法
Thread_Length
フィーチャーパラメータ
Class
フィーチャーパラメータ
Screw_Size
フィーチャーパラメータ
さらに、format 属性には次の特殊記号が含まれていることがあります。
記号名
コード
記号
カウンタボア
v
皿穴
w
直径
n
深さ
x
$
°
改行
br
GDTAAppOptions.xml からの例
以下のセクションでは、GDTAAppOptions.XML からの HoleNote 要素の例を示しています。
特定の注記に穴が生成され、その注記にオプションの属性 (皿穴など) が含まれていない場合、対応する注記文字列は <null> になります。わかりやすい表示にするため、例に挙げている注記には公差が示されていません。
ASME-SI Clearance Hole
<HoleNote name="ASME Clearance Hole" order="ThruHole_String,Cbore_String,Csink_String">
<HoleNoteText name="ThruHole_String" format="^n^$Hole_Diameter THRU"/>
<HoleNoteText name="Cbore_String" format="^br^^v^^n^$CBore_Diameter^x^$CBore_Depth"/>
<HoleNoteText name="Csink_String" format="^br^^w^^n^$CSink_Diameter X $CSink_Angle"/>
</HoleNote>
HoleNoteText の名前
属性コンテンツのフォーマットの例
生成される注記の例
ThruHole_String
^n^&Hole_Diameter THRU
Cbore_String
^br^^v^^n^$CBore_Diameter ^x^ $CBore_Depth
Csink_String
^br^^w^^n^$CSink_Diameter x $CSink_Angle
HoleNote の名前
属性コンテンツの順序の例
生成される注記の例
ASME-SI Clearance Hole
ThruHole_String、Cbore_String、Csink_String
ASME-US Blind Drilled Hole
<HoleNote name="ASME-US Blind Drilled Hole" order="BlindHole_String,Cbore_String,Csink_String,BlindThread_String">
<HoleNoteText name="BlindHole_String" format="^n^$Hole_Diameter^x^$Hole_Depth"/>
<HoleNoteText name="BlindThread_String" format="^br^^n^$Thread_Diameter-$Threads_Per_Inch $Thread_Series-$Class^x^$Thread_Depth"/>
<HoleNoteText name="Cbore_String" format="^br^^v^^n^$CBore_Diameter^x^$CBore_Depth"/>
<HoleNoteText name="Csink_String" format="^br^^w^^n^$CSink_Diameter X $CSink_Angle"/>
</HoleNote>
要素名
属性コンテンツのフォーマットの例
生成される注記の例
BlindHole_String
^n^$Hole_Diameter ^x^ $Hole_Depth
BlindThread_String
^br^^n^$Thread_Diameter-$Threads_Per_Inch $Thread_Series-$Class^x^$Thread_Depth
Cbore_String
^br^^v^^n^$CBore_Diameter ^x^ $CBore_Depth
Csink_String
^br^^w^^n^$CSink_Diameter x $CSink_Angle
<null>
HoleNote の名前
属性コンテンツの順序の例
生成される注記の例
ASME-US Blind Drilled Hole
BlindHole_String、Cbore_String、Csink_String、BlindThread_String
ISO Thru Drilled Hole
<HoleNote name="ISO Thru Drilled Holes" order="ThruThread_String,BlindThread_String">
<HoleNoteText name="BlindThread_String" format="M$Thread_DiameterX$Pitch-$Class"/>
<HoleNoteText name="ThruThread_String" format="M$Thread_DiameterX$Pitch-$Class THRU"/>
</HoleNote>
注記名
属性コンテンツのフォーマットの例
生成される注記の例
ThruThread_String
M$Thread_Diameter x $Pitch-$Class THRU
BlindThread_String
M$Thread_Diameter x $Pitch-$Class
HoleNote の名前
属性コンテンツの順序の例
生成される注記の例
ISO Thru Drilled Hole
ThruThread_String、BlindThread_String
貫通穴には貫通ねじ切りかブラインドねじ切りがある場合がありますが、もちろんその両方はないので、この穴タイプでは順序は関係ありません。「アプリケーションオプション」(Application Options) ウィンドウのプレビューパネルには、貫通ねじ切りのプレビューのみが表示されます。
管理者定義の注記
ApplicationNotes 要素内で、管理者定義の注記を定義できます。管理者定義の各注記は AppNoteText 要素から成り、これにはオプションで 1 つの NoteVariable 要素が含まれます。次に例を示します。
<AppNoteText name="Example Note" text="ADMINSTRATOR-DEFINED NOTE: $Example_var" display="Optional">
<NoteVariable name="Example_var" type="String"/></AppNoteText>
AppNoteText 要素には次の属性があります。
Name - 「モデル特性を編集」(Edit Model Properties) ウィンドウの注記リストに表示される注記の名前。この名前がその他すべての注記名と重複していてはなりません。
Text - 注記に含まれるテキスト。変数を含める場合 (注記を適用するときにユーザーがその値を指定)、その変数名の先頭に '$' 記号を付ける必要があります。
Display - 'Optional' (オプション) または 'Required' (必須) を指定できます。必須の注記は自動的に表示されます。ユーザーはオプションの注記を表示するかどうかを選択できます。
注記テキストに変数が含まれる場合、NoteVariable 要素が必要です。NoteVariable 要素には次の属性があります。
Name - 変数の名前。
Type - 変数のタイプ。type 属性は次のいずれかの値をとります。
String
Real
Integer
Parameter
管理者定義のすべての注記が「モデル特性を編集」(Edit Model Properties) ウィンドウの「プロパティ & 注記」(Properties & Notes) タブに表示されます。
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