どのようなパーツやアセンブリでも、モデルで複数回使う場合、コピー機能より共有機能を使うことをお勧めします。パーツを共有にすると、共有したパーツの編集が、そのパーツの他のすべての共有インスタンスに、確実かつ自動的に反映されます。パーツの編集の共有とは、図形上の変更だけでなく、基本的な設定や他に共有できる属性の変更を共有することも意味します。

パーツまたはアセンブリを共有する場合、データのもっとも大きな部分、特にパーツの図形にかかわるデータが、すべてのインスタンス間で共有されます。したがって、このように共有されるデータはメモリに 1 つしか存在しません。一方、共有する項目ごとに複写する必要があるのは、たとえば位置データのように小さなデータになります。

4 つのローラーアセンブリと 1 つのハウジングで構成されているローラーガイドアセンブリを考察してください。各ローラーアセンブリは以下のパーツで構成されています。

ローラーアセンブリのコピーを 4 個作成する場合、コピーを保存すると、次のようにファイルが 27 個作成され、それぞれに対応する容量のデータが格納されます。

ローラーアセンブリでリテインボルトとワッシャを共有し、ローラーアセンブリをローラーガイドアセンブリで 4 回共有することにより、以下に示すとおりファイル数が 7 個に減ります (データ量もそれに対応して小さくなります)。

この例から、アセンブリとそのサブアセンブリおよびパーツを共有することによって、アセンブリのコピーで必要になるディスクスペースと比べれば、ごくわずかなスペースしか必要ないことがわかります。

共有アセンブリは、同じパーツを共有するとともにアセンブリ内のパーツの配置など、パーツ間の関係に関する情報も共有しています。共有アセンブリの 1 つ、パーツ間の関係、または 1 つのアセンブリの中 の 1 つのパーツを変更した場合、他のアセンブリも同じように変更されます。一方、共有パーツまたはアセンブリ自体の位置を変更しても、他に影響しません。これは、共有パーツの各インスタンスに固有のトップレベルの位置情報(パーツの色を含む)は共有されないためです。共有パーツまたはアセンブリは、他のアセンブリ内で自由に使用できます。

他の共有アセンブリの対応するパーツを 変更せずに、共有アセンブリの1つのパーツの (位置や色などの) "インスタンス" 情報を変更したい場合もあります。これは、パーツインスタンスは1度だけ設定されるので (パーツインスタンスは共有アセンブリの固有のコンテンツが付加されます)、通常のアセンブリの共有では不可能です。ただし、共有アセンブリによって定義される共通の固有のコンテンツを保持したまま、共有アセンブリのコンポーネントの selective instances を作成して、固有のインスタンス情報を作成できます。

Creo Elements/Direct Modeling では、直線状、放射状、あるいはユーザ定義のオフセットで共有された一連の複写を作成できます。共有複写の位置は、新たに指定しないと元の位置に重なります。共有複写を構造一覧で選び、「パーツ & アセンブリ」メニューの再配置機能を使えば、共有複写をいつでも移動することができます。

また、共有パーツおよびアセンブリは、いつでも共有を解除することができます。解除によって共有関係が切られ、独立したパーツまたはアセンブリが作成されます。共有を解除したパーツを変更しても、他のパーツやアセンブリに影響することはありません。

要約すると、共有パーツまたはアセンブリには次のような利点があります。