例: 交互作用
effects関数を使用して、実験における交互作用の役割を理解します。
2. 実験のため、Vals に具体的な値を指定します。"Gender" (性別) 因子は、"Male" (男性) と "Female" (女性) の 2 水準に分かれています。"Age" (年齢) 因子は、"Young" (若)、"Middle" (中)、"Old" (高) の 3 水準に分かれています。因子によって水準の数が異なるので、空の要素を埋めるため、Vals の 1 行目に NaN が挿入されています。
3. doelabel関数を使用して、性別と年齢による実験の結果を並べ替えます。
行列 X と D は同じですが、因子と水準が X では仮の符号で表され、D では具体的な値 (名前) で表されています。
交互作用なし - 有意因子が 1 つだけの場合
1. 各年齢性別グループ (Run 1、Run 2 ...) ごとに、あるタスクの習得に要した平均時間を計測した結果、下記のようであるとします。Run 1 では、若年男性の平均習得時間は 9 分です。
2. effects 関数を呼び出して、性別、年齢、およびその交互作用の効果を調べます。
部分行列 Gender は、性別が習得時間に影響しないことを示しています。したがって、年齢と性別の間には、注目すべき交互作用効果はありません。
3. 効果グラフを作成して、年齢が習得時間に与える影響を確認します。若年グループは、このタスクを習得するのに平均 9 分かかっています。
交互作用なし - 有意因子が 2 つの場合
1. 各グループが 2 つ目のタスクの習得に要した平均時間を格納します。
2. effects 関数を呼び出して、性別、年齢、およびその交互作用の効果を調べます。
年齢が習得時間に与える影響は 1 つ目のタスクと同じです。ただし、今回は男性の方が女性よりもタスクの習得に時間がかかっています。
3. A と B の異なる水準で AB の交互作用効果を計算するため、i と j をそれぞれ A と B の水準として定義し、mABi, j を i と j における AB の平均応答として定義します。
4. mean関数を使用して、この実験全体の平均と各因子の平均を計算します。
5. 各因子の水準効果を計算します。
6. augment関数を使用して、因子
A および
B の水準ごとに、実験全体の平均、
A の水準効果、水準
A および
B の
B の水準効果の和である付加因子効果を計算します。
7. 交互作用効果、つまり AB の平均応答から A と B の各水準での付加因子効果を引いた値を計算します。
このタスクでは、年齢と性別の間に交互作用効果はありません。
8. 各性別の平均習得時間をプロットします。2 つ目のタスクを習得するのに若年女性は平均 7 分かかっています。性別と年齢の間に交互作用効果はないので、2 本の曲線は平行になっています。
重要な交互作用がある場合
1. 各グループが 3 つ目のタスクの習得に要した平均時間を格納します。effects 関数を呼び出して、性別、年齢、およびその交互作用の効果を調べます。
年齢の影響は 1 つ目および 2 つ目のタスクと同じですが、性別の影響は 2 つ目のタスクよりも小さくなっています。3 つ目のタスクでは、年齢と性別の間に交互作用効果はありません。
2. 次のように交互作用効果を計算します。
3. mean 関数を使用して、この実験全体の平均と各因子の平均を計算します。
4. augment 関数を使用して、因子 A と B の水準ごとに、実験全体の平均と、A の水準効果と各水準 A と B の B の水準効果の和である付加因子効果を計算します。
5. 交互作用効果、つまり AB の平均応答から A と B の各水準での付加因子効果を引いた値を計算します。
交互作用 AB の平均応答と付加因子効果との間に差があります。
6. 各性別の平均習得時間をプロットします。3 つ目のタスクでは、若年男性と若年女性との間に習得時間の違いがありませんが、高齢男性は高齢女性よりも習得に時間がかかっています。年齢と性別の間に重要な交互作用があるので、2 本の曲線は平行になっていません。
重要でない交互作用がある場合
1. 各グループが 4 つ目のタスクの習得に要した平均時間を格納します。
2. effects 関数を呼び出して、性別、年齢、およびその交互作用の効果を調べます。
性別と年齢の影響は 3 つ目のタスクとほぼ同じように見えます。
3. 各性別の平均習得時間をプロットします。2 本の曲線はほぼ平行なので、年齢と性別の間に交互作用はありますが、その交互作用は重要でないことがわかります。
参考文献
Neter, J., Kutner, M.H., Nachtsheim, C.J., Wasserman, W., Applied Linear Statistical Models, 4th ed., McGraw-Hill/Irwin, Boston, 1996, pp. 803.