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溝切り旋盤
溝切り旋盤は両側にカッター刃先のある、異なるタイプのツールで行います。ツールの基準は左側の先端コーナー R の中心にあります。
溝切り旋盤では、ツールは常に溝の底面に垂直にカットします。2 つの隣接するカット間の距離はパラメータ STEP_OVER によって定義し、カットの間のリトラクトの高さ (システムの開始レベル) は CLEAR_DIST に設定します。最終リトラクトはパラメータ PULLOUT_DIST によって制御します。"ROUGH_OPTION" パラメータ値を "ROUGH_&_PROF" に設定すると、ツールが溝を横切る輪郭 (プロファイル) パスを生成します。"ROUGH_STOCK_ALLOW" と "PROF_STOCK_ALLOW" パラメータは仕上げ NC シーケンスの後に残るとり代を定義します。
1. システム開始レベル
2. CLEAR_DIST
3. STEP_OVER
4. プロファイルパス
5. PULLOUT_DIST
"SCAN_TYPE" の値 "TYPE_ONE_DIR" により、溝の一方の側で荒削り溝 NC シーケンスを開始し、次の側に移動できます。一方、TYPE_1 (デフォルト) ではツールは中央から開始し、各側に交互に移動します。別の側から開始する場合は、"CUT_DIRECTION" を REVERSE に設定します。荒削りパスの後の溝の側面のユニフォーム残り代を確認するには、"SCAN_TYPE" を "TYPE_CONNECT" に設定します。
次の図は荒削り溝切り旋盤のスキャンタイプを示します。図の左側には、荒削りパスの順序 (1 から 5) および SCAN_TYPE が TYPE_1 の場合のプロファイルパス (6) を示します。図の右側には、荒削りパスの順序 (1 から 5) および SCAN_TYPE が TYPE_ONE_DIR の場合のプロファイルパス (6) を示します。
ペックサイクル
ペックサイクル (以下の図を参照) は、"PECK_DEPTH" パラメータを 0 (デフォルト) 以外の値に設定している場合のみ、荒削り溝切り旋盤で実行します。
1. ツールは溝の最上部より上の "CLEAR_DIST" のレベルに配置されます。
2. 溝の最上部より下の "PECK_DEPTH" オフセットまでカットします。
3. "PULLOUT_DIST" だけリトラクトします。
4. 溝の最上部より下に、(PECK_DEPTH * 2) オフセットまでカットし、"PULLOUT_DIST" (例) だけリトラクトします。
5. "FULL_RETRACT_DEPTH" が 0 (デフォルト) 以外の値の場合、溝の最上部より下のこの深さに達すると、ツールは "CLEAR_DIST" レベルまでリトラクトします。リトラクトした後、ツールは早送り (ラピッド) で元の位置に移動し、ペック増分でカットを継続します。
6. 溝の底に達すると (該当する場合は「荒削り残り代」(ROUGH_STOCK_ALLOW) を足して)、工具はドウェルし (「遅延」(DELAY) が "-" でない場合)、「クリアランス距離」(CLEAR_DIST) レベルまでリトラクトし (7)、横に移動し (8)、ステップ 1 から継続します。
1. CLEAR_DIST
2. PECK_DEPTH
3. PULLOUT_DIST
4. PECK_DEPTH
5. FULL_RETRACT_DEPTH
6. CLEAR_DIST
7. FULL_RETRACT_DEPTH
8. STOCK_ALLOW
9. CLEAR_DIST
10. CLEAR_DIST
11. STEP_OVER
仕上げグルーブターニング
仕上げグルーブターニングを実行するには "ROUGH_OPTION" パラメータを "PROF_ONLY" に設定します。ツールは溝の最上部より上の "CLEAR_DIST" の位置で開始し、溝の一方の側に降りて、底を横切ってカットし、"PULLOUT_DIST" だけリトラクトして、表面仕上げを残します。"GROOVE_FINISH_TYPE" パラメータで、ツールがプロファイル (輪郭) に沿って移動するとき、中間リトラクトを指定できます。これが "CONTINUOUS" に指定すると、ツールは一方の側で溝に入り、反対側までカットし、もう一方の側で終了します。"NO_BACKCUT" (デフォルト) に設定すると、ツールは一方の側で溝に入り、溝のプロファイルに沿った中間点でリトラクトし、反対側に入り、カットを完了します。リトラクト点はパラメータ "SIDEWALL_OFFSET" で制御でき、これはカットの後半の長さ (つまりリトラクト点と溝の底の端点の間の距離) を指定します。「側面ウォールオフセット」(SIDEWALL_OFFSET) が " " (デフォルト) の場合、これは無視され、底エンティティの中間点で工具がリトラクトします。"GROOVE_FINISH_TYPE" と "SIDEWALL_OFFSET" パラメータは荒削り溝切り旋盤 NC シーケンスのプロファイルパスと同じ効果があります ("ROUGH_OPTION" を "ROUGH_&_PROF" に設定している場合)。
 
*注記 リリース 12.0 より前に作成した仕上げターニング NC シーケンスは、再定義できません。
仕上げグルーブターニングを以下の図に示します。左側の図は、ROUGH_OPTION PROF_ONLY および GROOVE_FINISH_TYPE CONTINUOUS のツールパスを示します。右側の図は、ROUGH_OPTION PROF_ONLY および GROOVE_FINISH_TYPE NO_BACKCUT のツールパスを示します。
1. CLEAR_DIST
2. PULLOUT_DIST
3. SIDEWALL_OFFSET