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工具設定の要素について
ワークセルにツーリングを設定したり、NC シーケンスに使用する工具を指定すると、Creo NC「工具設定」(Tools Setup) ダイアログボックスが開きます。このダイアログボックスで、工具を追加、修正、削除したり、ワークセルに現在定義してあるすべての工具を確認したりできます。
「工具設定」(Tools Setup) ダイアログボックスの左枠で工具テーブルエントリを選択すると、Creo NC の右枠が更新されて工具のパラメータと断面スケッチが表示されます。または、「ビュー」(View) > 「自動プレビュー」(Auto Preview) の順にクリックすると、プレビューウィンドウに工具の断面ビューが表示されます。自動プレビュー機能を解除するには、「自動プレビュー」(Auto Preview) のチェックマークを外します。
Creo NC では工具に関する次のカテゴリの情報が必要です。
「工具テーブル情報」(Tool Table information) - この要素セットは、工具名 (「名前」(Name)) と、マシン上の位置 (「番号」(Number)) との対応を定義します。オプションとして、ゲージ長さレジスタ (「オフセット」(Offset)) と工具のコメント出力 (「コメント」(Comments)) の値を指定できます。各ワークセルには、独自の工具テーブルがあります。
「一般」(General) - 工具名、タイプ、工具の寸法についての情報。
「設定」(Settings) - ジオメトリ以外に工具プロパティを定義するさまざまなパラメータで、ほとんどがオプションです。
「カットデータ」(Cut Data) - 速度、送り、軸の深さ、半径の深さなどの、カッティングデータ関連パラメータ。その他のデータも指定できます。
「部品表」(BOM) - 工具の部品表に関する情報です。
「オフセットテーブル」(Offset Table) - 複数先端を持つミリング工具のオフセットレジスタと距離をリストしたテーブルです。
「ユーザー定義」(User Defined) - 工具に関連付けられるカスタムパラメータです。この機能はコンフィギュレーションオプション mfg_custom_tool_param_file によって制御されます。
工具テーブル要素
「名前」(Name) は、特定のパラメータ値で工具を一意に確認するための説明工具名です (たとえば、BALL125)。製造プロセスで 2 つの工具が同じ「名前」(Name) を持っている場合は、これらのパラメータ (ジオメトリ、材料、ゲージ長さ) もすべて同じになります。ただし、異なる「番号」(Number) を持つ、マシン上の違うポケットに配置されている場合もあります。オペレーションまたは NC シーケンスの CL データをファイルに出力するとき、Creo NC で LOADTL または TURRET 文にポケット番号 (「番号」(Number)) が出力されます。工具テーブル行が「オフセット」(Offset) の値を含んでいる場合には、それも出力されます。
たとえば、以下の工具テーブル行を例にとります。
Number  Name   Offset Comments
------------------------------------------
1      BALL1
2      FLAT1  4      flat end mill
このテーブル行は、それぞれ以下のような CL 出力を作成します。
LOADTL / 1
LOADTL / 2, OSETNO, 4
PPRINT を使用すると、工具テーブルと一緒にコメントが出力されます。工具にコメントを追加するには、「設定」(Settings) タブの「コメント」(Comment) フィールドにコメントを入力します。
工具名 (「名前」(Name)) は、工具を特定するために Creo NC 全体で使用されます。工具のパラメータは、工具パラメータファイルに保存できます。このファイルには拡張子 .xml が付きます。保存済みの工具パラメータファイルを後から読み込んで、別の製造プロセスで使用できます。「名前」(Name) は工具パラメータファイルの名前として使用されるので、オペレーティングシステムのファイル名に関するすべての制約 (ファイル名にスペースとピリオドを使用できないなど) がこのパラメータファイルにも適用されます。ファイル名は 32 文字を超えてはなりません。
 
*注記 工具名にハイフン (-) を含めることはできません。ただし、アンダースコア (_) は使用できます。
工具タイプ
NC シーケンスを作成する前に工具を作成する場合、Creo NC ではデフォルトの工具タイプとしてミリングが選択されます。ただし、ワークセル内で工具を定義するときは、選択できる工具タイプはワークセルで実行した NC シーケンスのタイプと一致します。たとえば、ミルタイプのワークセルがある場合、工具タイプ選択にはミリングと穴開け工具がありますが、ターニング工具はありません。NC シーケンス作成時に工具を設定する場合、使用可能な工具タイプは、カレント NC シーケンスタイプに適用できるものだけに限られます。たとえば、標準ドリル NC シーケンスを作成している場合、選択できる工具タイプにはドリリングやミリングなどがありますが、タップ NC シーケンスではタップだけしか使用できません。
各種 NC シーケンスのデフォルトの工具を以下に示します。
NC シーケンスタイプ
デフォルトの工具タイプ
ボリュームミリング
エンドミル
ローカルミリング
エンドミル
サーフェスミリング
ボールミル
プロファイルミリング
エンドミル
ドリリング
基本ドリル
荒削り
エンドミル
中荒削り
エンドミル
仕上げ
ボールミル
スワーフミリング
エンドミル
ポケット加工
エンドミル
手動サイクル
エンドミル
フェースミリング
エンドミル
軌道ミリング
エンドミル
工具タイプは工具パラメータと一緒に保存されます。