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マージと結合の違い
ここでは、マージと結合の違いについて説明します。
IDD では、2 つのキルトだけをマージできです。結合はいくつのキルトに対しても実行でき、データムも結合できます。ただし、マージノードを作成した後でデータムを埋め込むことができます。
2 つのキルトをマージするためには、キルトが物理的に互いに交差していなければなりません。キルトを結合する場合、この必要はありません。
マージを実行すると、必ず 1 つのキルトになります。キルトを結合したときに、一方のキルトの片側境界が結合するもう一方のキルトの片側境界と一致している場合にのみ、1 つのキルトになります。この場合、片側境界どうしが継ぎ合わされて 1 つのキルトになります。
結合ノードのキルトが両側エッジ境界を共有している場合、キルト間のその境界上にクローズ接続が存在します。Creo Parametric では、このようなキルトのいずれかを移動/回転した場合、2 つのキルト間の接続を維持するため、新しい位置に境界が再構築されます。このために、Creo Parametric は 2 つのキルトを延長またはトリムし、再び交差させます。このようにして、移動/回転後に 2 つのキルトが接触しなくなった場合にも、接続が維持されます。境界の再構築が成功するには、2 つのキルトを延長またはトリムすることで、元の形状とトポロジー的に等しい新しい境界を作成できることが条件となります。
 
*注記 以降の例に示す GTS ツリーの変化に注意してください。
例 1
以下の例では、結合ノードのクローズ接続の更新が成功しています。
穴のキルトとベースキルトが結合ノードのクローズ接続によって結合されています。
穴のキルトを下方に直線移動し、これによって穴のキルトがベースキルトと接触しなくなります。
直線移動が完了すると、ベースキルト上の穴の元の境界まで穴のキルトの側が延長されて、クローズ接続が正しく更新されました。
マージ接続では、各キルトの元のジオメトリが維持されます。マージの一方のキルトを移動/回転した場合、2 つのキルトの元のジオメトリとその新しい相対位置に基づいて、2 つのキルトの交差が再計算されます。
例 2
以下の例では、マージ接続が正常に更新されています。
以下の図では、穴のキルトがベースキルトにマージされています。
穴のキルトを直線移動し、穴のジオメトリがベースキルトの別のサーフェスと重なっています。
マージ接続が正常に更新されました。穴のキルトとベースキルトが再び交差し、マージジオメトリが更新されました。
結合ノードのキルトをトリム、延長、または再交差することによって作成された境界がトポロジー的に等しい境界を生成できない場合、クローズ接続は失敗します。つまり実際には、境界の再構築には、2 つのキルト間の元の境界が属するサーフェスのみをトリムまたは延長することができ、どのサーフェスも完全には除去されません。結合ノードで接続に失敗した場合、結合ノードは除去されず、結合ノード内に 2 つの物理的に接続されていないキルトが含まれることになります。これらのキルトは論理的には結合されたままです。
例 3
以下の例では、直線移動によって結合ノードのクローズ接続が失敗しています。ここでも、例 2 でマージ接続の更新が成功したときと同様に、直線移動を行っています。
結合ノードによって定義されているクローズ接続によって、穴のキルトがベースキルトに結合されています。
穴のキルトを右に直線移動して、元の接続境界を共有するベースキルトの平面サーフェスの外に出します。
移動/変換ツールを終了すると、結合のクローズ接続は失敗します。これは、元の境界を共有していた各キルトの元のサーフェスを延長、トリム、再交差して境界を再構築できないためです。接続が失われても、GTS ツリーでの構造は変わりません。キルトは物理的にはもはや結合していませんが、論理的にはまだ結合しています。
修正によってマージノードのキルトどうしが交差しなくなった場合、マージは失敗し、キルトは元の交差していないジオメトリに戻り、GTS ツリーのベースノードになります。同様に、マージ接続を手動で削除した場合、キルトは元の交差していないジオメトリに戻り、GTS ツリーのベースノードになります。
例 4
以下の例では、直線移動を行った結果、マージ接続が失敗しています。ここでも、例 1 で結合ノードのクローズ接続の更新が成功したときと同様に、直線移動を行っています。
穴のキルトがベースキルトにマージされています。マージ前は、穴のキルトの境界はベースキルトの平面サーフェス上にあったため、穴のマージされたジオメトリは元の穴のキルトのジオメトリを表しています。
穴のキルトを下方に直線移動し、これによって穴のキルトがベースキルトと交差しなくなります。
穴のキルトとベースキルトが交差しなくなったため、マージ接続は失敗します。マージ接続が失敗すると、GTS ツリーが変化します。マージノードが除去され、そのサブノードがベースレベルノードになります。
結合接続の更新に成功すると、そのキルトのジオメトリが完全に修正されます。更新後、各キルトのジオメトリの元の状態は記憶されません。結合ノードを削除した場合、そのクローズ接続によって定義されている両側境界が除去されますが、ジオメトリは現在の状態のままとなります。
例 5
この例は、クローズ接続を更新した後で、キルトを結合している結合ノードを削除することによって 2 つのキルト間のクローズ接続を除去する際の処理を示しています。
穴のキルトとベースキルトが結合ノードのクローズ接続によって結合されています。
穴を上方向に直線移動します。
ベースキルト上の元の境界まで穴のキルトの側がトリムされ、クローズ接続の更新に成功しました。
結合ノードが削除され、クローズ接続が除去されました。削除後、直線移動によってできた穴のキルトのジオメトリがそのまま残ります。
例 6
以下の例は、マージノードを削除した後の GTS ツリーの変化を示しています。
穴のキルトがベースキルトにマージされています。マージ前は、穴のキルトの境界はベースキルトの平面サーフェス上にあったため、穴のマージされたジオメトリは元の穴のキルトのジオメトリを表しています。
穴のキルトを上方向に直線移動します。
穴のキルトとベースキルトが再び交差し、マージジオメトリが更新されました。
次にマージノードを削除し、これによって 2 つのキルト間のマージ接続が除去されます。穴のキルトは、直線移動してマージ接続が更新される前のジオメトリに戻ります。この例の処理と、例 5 での結合ノードの削除の処理を比較してみてください。