ローカルキャッシュボルトの管理
サイトに 1 つのボルトを指定して、ファイルサーバーサイトのローカルキャッシュボルトとして使用することができます。
ボルトのローカルキャッシュ機能を有効にするには、ファイルサーバーサイトにボルトを作成したり、ボルトを更新するときに「ボルトタイプ」リストから「キャッシュボルト」のボルトタイプを選択します。
ローカルキャッシュボルトでのミラーリングの設定
ローカルキャッシュボルトを含むファイルサーバーサイトでホストとフォルダを関連付けるマウントを定義する際、データの消失を防ぐためにバックアップを作成できます。書き込み可能な各ローカルキャッシュボルトフォルダは、フォルダのマウントパスとバックアップストレージロケーションを設定時に同じエントリで指定することにより、そのフォルダのミラーリングを行うバックアップストレージロケーションと関連付けることが可能です。読み取り可能フォルダでデータが消失した場合、バックアップストレージロケーションのデータを読み取り可能フォルダにコピーできます。
バックアップを設定するには、以下の手順に従います。
1. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで、読み取り可能フォルダを選択してから、「オブジェクト」 > 「マウント」の順に選択します。
2. 「ルートパス」フィールドに、セミコロンで区切った 2 つのパスを以下の形式で入力します。
<読み取りと書き込みに通常使用するフォルダのパス>;<コンテンツのミラーリングを行うフォルダのパス>
3. ファイルサーバーサイトのすべてのホストのマウントを複製し、同一の物理フォルダへのパスを指定します。
4. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで読み取り可能フォルダを選択し、「オブジェクト」 > 「更新」の順に選択します。「有効」チェックボックスをオンにして、「OK」をクリックします。
優先コンテンツキャッシュサイトの設定
この章で説明するテクノロジーの利点を活用するには、ユーザーはコンテンツキャッシュサイトのプリファレンスを、ローカルキャッシュボルトを含むファイルサーバーサイトに設定する必要があります。これは容易に変更できる個人用のプリファレンスなので、この設定の利点とローカルキャッシュボルトのロケーションについてユーザーに説明することをお勧めします。Windchill ソリューションのオンラインヘルプでは、ユーザープリファレンスのアクセス方法と設定方法についてさらに詳しく説明しています。
ローカルキャッシュからメインサイトへのコンテンツレプリケーション
コンテンツは、デフォルトで 3 時間ごとに実行される自動同期化プロセスによって、ローカルキャッシュボルトからメインボルトにレプリケーションされます。sysForceSync オペレーションを手動で実行することもできます。自動同期化プロセスの頻度を変更したり、sysForceSync オペレーションを実行するには、JConsole を使用します。また、JConsole を使用して、完了時刻、実行数、移動済みアイテム数、エラーのために移動されなかったアイテム数を含む、完了した同期化についての情報を表示できます。
ファイルサーバー サイト内のキャッシュボルトからの非参照ファイルの除去
非参照ファイルとは、Windchill オブジェクトへの有効な関連付けが設定されていないコンテンツファイルのことです。たとえば、関連付けられたすべてのオブジェクトが削除されている場合、または、オブジェクトの更新時にユーザーがファイルへの関連付けを削除した場合、ファイルは参照されません。
以下の手順では、ファイルサーバーサイトのキャッシュボルトから、Windchill で参照されなくなったファイルを除去するプロセスを説明します。また、この手順では、レプリカキャッシュへのアップロードによってファイルサーバーサイトにアップロードされたレプリケーション済みコンテンツへの参照を除去します。この手順は、ボルトのすべての既存レプリケーション規則には適用されません。レプリカキャッシュへアップロードされたコンテンツを、ファイルサーバーサイトに永続的に存在させる必要がある場合 (ダウンロードの高速化などの目的で)、これらのオブジェクトのレプリケーション規則を作成する必要があります。
参照されないファイルのキャッシュボルトからの除去
参照されないファイルをキャッシュボルトから除去するには、以下の手順に従います。
1. プロパティ wt.fv.purgeUnreferencedFilesOlderThan を 60 に設定します。(値は日数を表します。)
2. 「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで、非参照ファイルを削除するターゲットボルトを選択してから、「オブジェクト」 > 「非参照ファイルを除去」の順に選択します。
ファイルがシステムから永続的に削除されることを通知する警告が表示されます。
3. オプションで「削除する代わりにファイルを移動」チェックボックスをオンにすると、ファイルを単に削除するのではなく、バックアップロケーションに移動することができます。このチェックボックスはオンにすることをお勧めします。
4. 「OK」をクリックします。
「削除する代わりにファイルを移動」チェックボックスをオンにすると、名前に .unreferenced を含むボルトマウントロケーションのフォルダにバックアップファイルが保存されます。
レプリケーションのリセット
レプリケーションをリセットする前に、「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで「オブジェクト」 > 「非参照ファイルを除去」の順に選択します。この操作を行わないと、ボルトフォルダにすでに存在するファイルをレプリケーションしようとするので、レプリケーション操作が失敗します。
対象サイトのレプリケーション済みコンテンツをすべて削除するには、「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウで「オブジェクト」 > 「レプリケーションをリセット」の順に選択します。これを実行すると、レプリケーション規則が定義されているすべてのコンテンツが、次にスケジュールされたレプリケーション操作でレプリケーションされます。ファイルサーバーサイトには、キャッシュにアップロードされたコンテンツがまだ含まれている可能性があります。また、このコンテンツへの参照は削除されません。このオプションは、サイトの登録解除がスケジュールされるまでは、細心の注意を払って使用する必要があります。
未送信レプリケーションアイテムのリセット
レプリケーションが終了すると、送信が完了したことを示すメッセージが表示されます。このメッセージは、メインサイトがファイルサーバーサイトにメッセージを正常に送信したことを意味しますが、ファイルサーバーサイトでレプリケーションが正常に実行されたことを保証するものではありません。
レプリケーションの失敗を示すメッセージが表示された場合、「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウのターゲットボルトを選択し、「未送信のレプリケーションアイテムをリセット」を選択してから、レプリケーションを再度スケジュールします。
「未送信のレプリケーションアイテムをリセット」を選択すると、以前に適切にレプリケーションされなかったレプリケーション済みコンテンツに対する参照が削除されます。これらの参照は 2 日間経過するとレプリケーションジョブの実行時に自動的に削除されますが、このオプションを使用すると、失敗したコンテンツをより早くレプリケーションできます。
予測レプリケーション
予測レプリケーションは、Windchill において、ユーザーの行動パターンに基づいてファイルサーバーのインスタンスで必要になるコンテンツをあらかじめ決定できるようにする機能です。予測レプリケーションは、ユーザーや管理者が明示的にレプリケーションスケジュールを設定しなくても、オブジェクトの今後の作業版数をレプリケーションします。この機能は、wt.fv.predictiveReplicationEnabled プロパティによって有効または無効にすることができます。デフォルトでは、プロパティは予測レプリケーションが有効であることを示す ture に設定されます。
以下の条件により、予測レプリケーションのスケジュールが自動的に設定されます。
ユーザーはサイトプリファレンスをファイルサーバーに設定したが、ユーザーが要求したコンテンツは、スケジュールされたレプリケーションによって優先サイトにレプリケーションされなかった場合。この場合、コンテンツは動的にレプリケーションされ、予測レプリケーションのスケジュールが設定されます。
ユーザーがコンテンツを優先サイトにアップロードすること。
新しい規則の作成
システムは予測レプリケーションのための特別な規則を作成して、この特別な規則に適合するオブジェクトをレプリケーションします。これらの規則はユーザーに対して非表示になります。
この特別な規則を作成した後、レプリカボルトに対するスケジュールがまだ存在しない場合には、循環する予測レプリケーションスケジュールが作成されます。予測レプリケーション操作は、wt.properties に指定される特定の時刻に毎日実行されます。このスケジュールの scheduleType は、以下のように名前が付けられます。
PREDICTIVE
このスケジュールは、以下のような特別な予測レプリケーション規則または scheduleType に適合したオブジェクトのみをレプリケーションします。
PREDICTIVE+SCHEDULED
このスケジュールは、予測レプリケーション規則および標準規則の両方のレプリケーションを実行します。
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予測レプリケーションスケジュールは、各ボルトに 1 つだけ存在します。
この特殊な規則とスケジュールを作成する前に、システムはこの値のスケジュールが存在するかどうかを識別します。スケジュールが存在する場合は、レプリケーション規則がすでにオブジェクトクラスとボルトに存在するかどうかを識別します。スケジュールとレプリケーション規則の両方がすでに存在している場合、予測レプリケーション規則とスケジュールは作成されません。
予測レプリケーションの一環として、キャッシュとして指定されたボルトにすべてのオブジェクトがレプリケーションされます。これは、アドホックレプリケーションプロパティで設定した値に依存します。
期限切れ規則のクリーンアップ
メソッドサーバーが起動すると、期限が切れた予測レプリケーション規則は自動的にクリーンアップされます。クリーンアップスケジュールのデフォルト頻度は 1 日です。つまり、クリーンアップ操作は毎日発生します。
予測レプリケーション規則の期限は、以下のプロパティによって決まります。
wt.fv.predictiveReplicationDuration
このプロパティによって、予測レプリケーション規則の実行期間が決まります。測定単位は日数です。デフォルト値は 90 日です。
予測レプリケーション規則の失効日は、規則の作成日と wt.fv.predictiveReplicationDuration プロパティで設定される期間に基づいて決定されます。プロパティが 90 日に設定されており、規則が 90 日以上前に作成された場合、規則は失効したと見なされ、クリーンアップ操作によって削除されます。
プリファレンスとオプション
wt.properties ファイルの以下のプロパティでは、予測レプリケーションのプリファレンスとオプションが定義されます。
プロパティ
説明
wt.fv.predictiveReplicationDuration
予測レプリケーション規則を実行するレプリケーション規則が実行される期間 (日数) です。これは、組織レベルのプリファレンスです。デフォルト値は 90 日です。
wt.fv.predictiveReplicationEnabled
予測レプリケーションが有効または無効のいずれであるかを特定します。デフォルトでは、プロパティは true で、予測レプリケーションが有効であることを示します。予測レプリケーションを無効にするには、このプロパティを false に設定します。
予測レプリケーションを無効にしてから再度有効にすると、システムは予測レプリケーションを実行して、プロパティが true に設定された後にアクセスされるコンテンツの今後の作業版数をレプリケーションします。予測レプリケーションをオフにしている間にアクセスされたコンテンツは、レプリケーションされません。
wt.fv.predictiveReplicationAllIterations
すべての作業版数をレプリケーションするか、最新の作業版数だけをレプリケーションするかを特定します。デフォルト値は false で、最後の作業版数だけがレプリケーションされることを示します。すべての作業版数をレプリケーションするには、このプロパティを ture に設定します。
wt.fv.predictiveReplicationAllVersions
すべてのバージョンをレプリケーションするのか、または現行のバージョンのみをレプリケーションするのか、どちらにするのかを決定します。デフォルト値は false で、現行のバージョンのみがレプリケーションされることを示します。すべてのバージョンをレプリケーションするには、このプロパティを true に設定します。
wt.fv.predictiveReplicationPeriodicity
レプリケーションを実行する頻度を日数で指定します。デフォルト値は 1 日です。
wt.fv.predictiveReplicationScheduleTime
スケジュールの時刻を HH:MM:SS の形式で指定します。デフォルト値は 00:00:00 です。
アドホックレプリケーション
アドホックレプリケーションは、リモートサイトおよびユーザーが Windchill ファイルサーバーに対して設定したプリファレンスでコンテンツを使用できない場合、メインサイトから Windchill ファイルサーバーにコンテンツをコピーすることを意味します。
ユーザーがローカルファイルサーバーに存在しないデータをダウンロードしようとすると、そのデータを持つ最も近接したサイトからコンテンツが取得され、ローカルファイルサーバーにレプリケーションされます。次回、別のローカルユーザーが同じドキュメントをダウンロードする場合、ドキュメントはそのローカルファイルサーバーから直接取得されます。
アドホックレプリケーションが発生すると、予測レプリケーション規則とスケジュールが作成されます。
アドホックレプリケーションは、wt.properties ファイルの wt.fv.master.adhocCaching.flag プロパティを設定することによって制御できます。このプロパティには以下の値を指定できます。
0 - アドホックレプリケーションは無効です。
1 - コンテンツに対する規則がユーザーの優先ファイルサーバーに存在する場合にかぎり、アドホックレプリケーションは有効です。
2 - アドホックレプリケーションは無条件で有効です。これがデフォルト値です。
wt.fv.master.adhocCaching.ThreadPoolSize プロパティでは、アドホックレプリケーションを使用できる同時スレッドの数を設定します。このプロパティのデフォルト値は 3 です。
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レプリカボルトが設定されている場合、アドホックレプリケーションはメインサイトでも機能します。
サイト近接性
サイトを作成または編集する際、新しいサイトまたは更新されたサイトへ近接している順に並べたサイトのリストを設定できます。アドホックレプリケーション実行時に、システムはリストに表示される順序でサイトを確認し、コンテンツをどのサイトから取得するかを特定します。サイト近接リストを設定することにより、最も近いサイトを使用して、ユーザーリクエストをできるだけ早く実行することが可能になります。デフォルトでは、メインサイトは、すでにほかの優先順位に設定されていなければ、リストの最後に追加されます。
ユーザーによって開始されたレプリケーション
ユーザーによって開始されたレプリケーションを使用すると、レプリケーション規則では簡単にバインドできないオブジェクトを収集およびレプリケーションできます。ユーザーがレプリケーションを開始すると、レプリケーション処理はすぐに開始されます。レプリケーション操作は、「サーチ結果」テーブルの「操作」メニュー、またはオブジェクトの詳細ページにある「操作」メニューから実行できます。
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レプリケーション操作を表示し、その機能をアクティブにするには、ユーザーがレプリケーションマネージャグループのメンバーである必要があります。詳細については、レプリケーションマネージャグループへのメンバーの追加を参照してください。
レプリケーション操作を選択すると、「ユーザーによって開始されたレプリケーション」ウィンドウが表示されます。このウィンドウで、レプリケーション対象のファイルサーバーサイトを特定し、CAD ドキュメントについて、すべての依存、必須の依存、または依存なしをレプリケーションするかどうかを選択する必要があります。
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どの依存をレプリケーションするかは、選択された CAD ドキュメントオブジェクトだけに適用されます。対象の各 CAD ドキュメントでは、"as-stored" コンフィギュレーション仕様があれば、それを依存に使用します。これが存在しない場合、最新のコンフィギュレーション仕様が使用されます。
ユーザーがレプリケーション操作を開始した後、以下のプロセスが発生します。
1. レプリケーションジョブがバックグラウンドで開始します。ジョブの結果 (成功、失敗、およびエラー) は、「イベント管理」ユーティリティでレポートされます。
2. レプリケーション済みオブジェクトの今後の作業版数をレプリケーションするため、予測レプリケーション規則およびスケジュールが作成されます。
3. レプリケーションジョブに含まれるすべてのオブジェクトは、サイトのデフォルトターゲットであるボルトにレプリケーションされます。
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すべてのサイトには、サイトのデフォルトターゲットとなるボルトが存在する必要があります。サイトのデフォルトターゲットとなるボルトがすでに存在する場合に、新しいボルトを選択すると、既存のものではなく、新しいボルトがサイトのデフォルトターゲットになります。
レプリケーションプロセス
Windchill は、並列レプリケーションが可能です。つまり、任意のサイトに存在するいくつかのターゲットレプリカボルトに対して、レプリケーションセッションを同時に実行することが可能です。メインサイトに常駐するコンテンツは、レプリケーションポリシー規則で決定されているとおり、ターゲットレプリカボルトにコピーされます。レプリケーションプロセスの実行時に、このコンテンツはメインサイトからファイルサーバーサイトにプルされて、ターゲットレプリカボルトに割り当てた領域に保存されます。
レプリケーションプロセスの概要
レプリケーションジョブが開始されると、システムは以下のステップを完了させます。
1. システムは、レプリケーションセッションに定義されたレプリケーション規則に基づき、ファイルサーバーの場所へ移動するコンテンツを収集します。
2. ファイルサーバーは各コンテンツファイルをコピーして、レプリケーションボルトの位置に保存します。
3. すべてのファイルが正常にコピーおよび保存されると、レプリケーションジョブには、正常に完了したか、エラーのまま完了したことを示すマークが付きます。エラーのまま完了したことを示すマークがジョブに付いている場合、集めたアイテムの 1 つ以上をレプリケーションできなかったことを示します。
プロパティコントロール
レプリケーションの複数のアクティブセッションを同時に実行するには、wt.fv.master.Replication.NumOfQueues プロパティを使用します。このプロパティは、レプリケーションセッションを同時に実行するために使用するキューの数を定義します。デフォルトの設定は 1 です。
同時セッションの最大数を増やす場合には注意が必要です。各セッションはリソースを大量に消費し、コンテンツを転送するためにメインサイトのネットワークバンド幅を使用するからです。
スケジュールされるレプリケーションセッションが増えても、それらのセッションは並列キューに入れられるので、アクティブなセッションの数はキューの数以下です。
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キューは、特定のメソッドサーバー上で実行されるように設定できます。この機能は、別次元でレプリケーションアクティビティをスケーリングするためのものです。
登録済みファイルサーバーの削除
通常の状況では、登録済みファイルサーバーを削除することはできません。登録済みファイルサーバーを削除できるのは、ファイルサーバーのキャッシュボルトにキャッシュされたすべてのオブジェクトが、同期化操作によってメインサイトにプルされた場合だけです。
さらに、ファイルをキャッシュボルトにアップロードする場合、そのアップロードが完全に成功しないかぎり、ファイルサーバーを削除できません。そのようなファイルへの参照は、1 カ月後のクリーンアップ処理時にシステムによって削除されます。
アップグレードの考慮事項
Site コンテナのコンテナ参照を以下のように設定する必要があります。
Site オブジェクト - アップグレード前のすべてのサイトに対して、読み取り専用フラグを false に、有効フラグを true に設定します。
Replica Vault オブジェクト - すべてのオブジェクトに対して、フラグをアップグレード前の状態に設定します。
ファイルサーバーの異なるマシンへの移動
ボルトを維持したままファイルサーバーを異なるマシンに移動するには、以下の手順を使用します。
1. 異なるホスト名を使用して、新しいファイルサーバーをインストールします。インストール後のステップでは、新しいサイトを作成しないでください。ただし、公開キーはファイルサーバーにコピーします。
ファイルサーバーのインストールの詳細については、ファイルサーバー管理ユーティリティについてを参照してください。
2. 「ファイルサーバー管理」ユーティリティを使用して、ファイルサーバーをオフラインにします。これにより、ファイルサーバーでダウンロードやアップロードが行われなくなります。
3. ボルトフォルダを新しいサーバーにコピーします。
4. ファイルサーバーに関連付けられているボルトごとに、各フォルダ内のフォルダ MOUNT_VALIDATION_DATA を削除します。
5. 「サイト管理」ユーティリティを使用して、以前のファイルサーバーのサイト URL を更新し、新しいファイルサーバーの URL を指すようにします。
6. 「ボルトコンフィギュレーション」ユーティリティを使用して、ファイルサーバーのホスト名を更新します。
7. 「ファイルサーバー管理」ユーティリティを使用して、ファイルサーバーをオンラインにします。
8. 「ボルトコンフィギュレーション」ユーティリティを使用して、マウントパスを新しいパスに更新します。
9. 「ボルトコンフィギュレーション」ユーティリティを使用して、すべてのファイルサーバーフォルダマウントを検証します。
ファイルサーバーのユーザー体験の向上
以下の機能は、ファイルサーバーを設定して使用する際に、ユーザー体験の向上に役立ちます。
サイトモニター - これは、Windchill に定義されている間隔で、すべてのファイルサーバーサイトに ping を実行してメインサイトに「ping」ステータスを保持するデーモンスレッドです。以下のプロパティは、レプリカ ping 間の間隔を指定します。
wt.intersvrcom.sitePingIntervalInMinutes
モニターはシステムの各メソッドサーバーに存在し、各 ping の結果はキャッシュに保存されます。ファイルサーバーサイトに ping を試す前に、メソッドサーバーが ping の結果を確認します。既存の ping が最近行われたものであれば、次回の ping をスキップします。
自動マウント検証 - この機能はサイトモニターに似ており、フォルダ、ファイル、またはサイトごとにマウントを検証します。クラスタ環境およびファイルサーバーサイトのマウント検証を可能にします。
左側の表示枠のツリーからサイト、ボルト、フォルダなどのオブジェクトを選択し、「検証」をクリックすると、「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウでマウントを検証することができます。
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まだ作成されていないマウントが少なくとも 1 つある場合、警告メッセージが表示されます。
「ボルトコンフィギュレーション」ウィンドウでマウントを検証する際、システムは以下の動作を行います。
1. システムは、マウント検証に必要なデータをすべてファイルサーバーサイトに送信します。
2. ファイルサーバーサイト上のシステムは、選択されたオブジェクトに関連するすべての既存マウントを検証します。
3. システムはメインサイトに検証ステータスを送信します。
4. メインサイト上のシステムは、選択されたオブジェクトに関連するすべてのマウントのステータスを「有効」または「存在しない」に更新します。
5. システムは、選択されたオブジェクトに関連するすべてのマウントの「ステータス最終更新時間」のタイムスタンプを更新します。
隔離されたファイルの管理 - 隔離されたファイルを特定し、隔離を解除して、隔離通知の頻度を管理します。
Windchill が破損と見なすコンテンツはすべて、隔離するものとしてマークされます。隔離されたコンテンツは、破損しているか、なんらかの不具合があることが Windchill によって検出されたコンテンツです。このコンテンツは、隔離が解除されるまで、リボルトまたはレプリケーションに参加できません。
隔離されたオブジェクトについて、フォルダはアクセス可能である必要がありますが、コンテンツはアクセス可能である必要はありません。これにより、フォルダがマウントされていなくてもファイルが隔離されるのを防ぐのに役立ちます。リボルトやレプリケーションプロセスが発生すると、隔離されたオブジェクトは自動的に除外され、プロセスには含まれません。
専用プロパティ wt.content.QuarantinedContentManager は、現在隔離されているファイルに関するデータを収集するか、これらのファイルのサブセットを隔離から除外します。
システムにあるすべての隔離されたコンテンツに関するレポートを生成して、そのレポートをファイルに保存するには、以下のコマンドを使用します。
java wt.content.QuarantinedContentManager [-reportAllQuarantined][<ファイル>]
現在隔離されているすべてのコンテンツから隔離フラグを除去するには、以下のコマンドを使用します。
java wt.content.QuarantinedContentManager [-UnQuarantineAll]
隔離されたファイルに関するレコードが記録されるログも個別に作成されます。このログには、オブジェクトが隔離された詳しい理由も記載されます。
Windchill 管理者は、隔離コンテンツについて電子メールで通知を受け取ることができます。wt.content.QuarantineNotifyIntervalHours プロパティは、受信間隔を時間単位で指定します。その間、JMX 隔離通知を購読するアドミニストレータは、コンテンツ隔離に関する通知を 1 回受信します。デフォルト値は 24 時間です。つまり、隔離に関する通知は 24 時間の期間に最多で 1 回送信されます。このプロパティの値を 0 に設定すると、通知は隔離イベントごとに送信されます。
バックアップ支援ユーティリティ
メインサイトでユーティリティを実行して、現在メインサイトとファイルサーバーサイトの両方にコピーされているファイルと、ファイルサーバーサイトにチェックインされているがメインサイトにコピーされていないその他のファイルを区別できます。このユーティリティは、バックアッププロセスを容易にするためのものです。以下の構文を使用して、このユーティリティをコマンドラインから起動します。
windchill -cp <コードベースのパス>
wt.fv.uploadtocache.CCS_BackupFilesList
このユーティリティの出力は、メインサイトにないファイルサーバーサイトのファイルをリストする、ログディレクトリの ASCII ファイルとなります。ファイルは、サイトごとのリストとなり、各サイトのフォルダごとに表示されます。出力ファイルの名前の構文は以下のとおりです。
ccs_backup_<タイムスタンプ>.log
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