部品表
Windchill ESI を使用すると、Windchill PDMLink で作成または変更された複数レベルの部品表 (BOM) を配布ターゲットにパブリッシングできます。Windchill PDMLink では、BOM の作成に使用できる特定の BOM 属性をパブリッシングするように Windchill ESI を設定できます。BOM とその属性のパブリッシングのほかに、作成または変更された部品を同時にパブリッシングするように Windchill ESI を設定することもできます。
さまざまな属性を Windchill PDMLink の BOM に関連付けると、属性が Windchill ESI から EAI ソフトウェアコンポーネントに渡されます。ESI から渡される属性は次のとおりです。
最終更新ユーザー (Last Changed By)
日付エフェクティビティ
シリアル番号エフェクティビティ (Serial Number Effectivity)
ロット番号エフェクティビティ (Lot Number Effectivity)
子部品 (Usage)
代替部品 (Alternate)
Assembly Part Number
アセンブリが CAD ファントムかどうかを示す属性
バージョン
以前にパブリッシングした部品バージョン
作業版数
コンポーネントの数量
コンポーネントの数量単位 (Component Quantity Unit)
コンポーネントの行番号 (Component Line Number)
Substitute Part Number
代用部品の数量
代用部品の行番号 (Substitute Line Number)
参照指定子
配布ターゲット
コンポーネントが CAD ファントムかどうかを示す属性
アセンブリ部品 ID (Assembly Part ID)
構成部品 ID
Alternate Item Group
コンポーネント部品番号 (Component Part Number)
以前にパブリッシングした部品バージョン
コンフィギュレーション可能モジュール
「折りたたみ可能」
BOM データが Windchill PDMLink にパブリッシングされると、EAI ソフトウェアコンポーネントにより、Windchill PDMLink の BOM 属性が配布ターゲットの BOM 属性にマッピングされます。
Windchill PDMLink の BOM 属性と Oracle Applications の BOM 属性のマッピング
Windchill PDMLink の BOM 属性
Oracle Applications の BOM 属性
アセンブリ部品番号
Assembly Object Name
Start Effectivity Date
Start Effectivity Date
コンポーネント部品番号 (Component Part Number)
Component Object Name
コンポーネントの数量
コンポーネントの数量
コンポーネントの行番号 (Component Line Number)
Object Sequence Number
代用部品の番号
Substitute Component Name
代用部品の数量
Substitute Object Quantity
参照指定子
Reference Designator Name
配布ターゲット
Organization
BOM 用途 (BOM Usage)
Assembly Type
BOM 代替
Bills Of Material Alternate
Is Phantom component
Supply type as Phantom (WIP Supply type)
Windchill PDMLink のアセンブリ部品 (BOM ヘッダ) は EAI ソフトウェアコンポーネントに渡されますが、属性は Oracle Applications に渡されません。Oracle Applications ターゲットシステムで Windchill PDMLink の BOM 作業版数を処理できる場合は、ESI の EAI ソフトウェアコンポーネント部分を拡張して情報を Oracle Applications に渡すことができますが、Oracle Applications では現在、作業版数情報を処理できる属性をサポートしていません。
Windchill PDMLink の「配布ターゲット」属性は、BOM の作成または変更が行われる配布ターゲットを示します。EAI ソフトウェアコンポーネントは、この情報を使用して適切なターゲットデータソースと通信し、組織情報を渡します。
属性によっては、変更を加えられることなく EAI ソフトウェアコンポーネントから配布ターゲットに渡されるものもありますが、EAI ソフトウェアコンポーネントによって変更されるか、相互参照が設定される値を含んでいる属性もあります。
Start Effectivity Date (エフェクティビティ開始日) は、YYYY-MM-DDHH:MM:SS というフォーマットで Windchill PDMLink から渡されます。Windchill ESI では、Windchill PDMLink、TIBCO、および Oracle Applications 間でタイムゾーンが設定されていることを前提としています。
シリアル (またはロット) エフェクティビティに対しては、エフェクティビティの値として提供された範囲の開始および終了シリアル (またはロット) 番号と、関連するエフェクティビティコンテキストが Windchill PDMLink によって渡されます。EAI ソフトウェアコンポーネントでは、開始および終了シリアル (またはロット) 番号を、シリアル (またはロット) 番号が実際にコンテキストアセンブリに属している Oracle Applications の単位エフェクティビティの開始単位番号および終了単位番号属性にマッピングします。コンテキストアセンブリが Oracle Applications にまだ存在していない場合は、作成されます。
* 
シリアル (またはロット) エフェクティビティに関連付けられているコンテキストアセンブリは、Windchill でシリアル (またはロット) エフェクティビティが指定されているコンポーネントを保持するアセンブリである必要があります。そうなっていない場合、かつ「エフェクティビティコンテキストを検証」プリファレンスの値が「はい」の場合はパブリッシングが失敗します。また、シリアル (またはロットエフェクティビティ) をパブリッシングする際に、コンテキストオブジェクトがリリースの一部ではなく、「エフェクティビティのコンテキストを含める」プリファレンスの値が「いいえ」の場合もパブリッシングは失敗します。ただし、このプリファレンスの値が「はい」の場合は、コンテキストオブジェクトは自動的にリリースに含まれます。
BOM、Component、Substitute、および Reference Designator の操作は EAI ソフトウェアコンポーネント内で相互参照が設定されます。以下の表は、使用可能な Windchill PDMLink の BOM 操作の値と、EAI ソフトウェアコンポーネントから Oracle Applications に渡される Oracle Applications の対応する BOM 値を示します。
Windchill の BOM 操作の値と Oracle Applications の BOM Transaction Type の値のマッピング
Windchill の BOM 操作の値
Oracle Applications の BOM Transaction Type の値 (データベース値)
BOM、BOM Component、Substitute、または Reference Designator の追加。
Create (CREATE)
BOM、BOM Component、Substitute、または Reference Designator の変更。
Update (UPDATE)*
BOM Component、Substitute、または Reference Designator の削除。
Delete (DELETE)
* 
仕様により、Windchill PDMLink は Substitutes や Reference Designator の変更 (Update) をサポートしません。Delete および Create の各操作を使用した場合も結果は同じです。
BOM の作成または変更のために必要な属性で、Windchill PDMLink によって指定されない属性がいくつかあります。このような場合、Windchill ESI は、データを配布ターゲットに渡す前に EAI ソフトウェアコンポーネントでデフォルト値に設定します。以下の表は、Windchill ESI でデフォルトとして設定される BOM 属性とその値を示します。
Oracle Applications の BOM 属性のデフォルト値
Oracle Applications の BOM 属性
デフォルト値
Assembly Type
BOM 用途 (BOM Usage) がブランクの場合、標準 (1)。
オペレーションシーケンス番号
オペレーションがコンポーネントに関連付けられていない場合、1 (1)。
Oracle Applications の BOM 属性の相互参照値
Oracle Applications の BOM 属性
Oracle Applications の BOM 属性の値 (データベース値)
Assembly Type
BOM 用途 (BOM Usage) が空白の場合、1 または 2。
WIP サプライタイプ
コンポーネントがファントムである場合、6。
その他の場合、相互参照しません。
Windchill ESI には、Windchill PDMLink から BOM をパブリッシングする際に BOM の複数のコンポーネントを送信できる機能が用意されています。各コンポーネントに関する行番号情報を送信するか、BOM の行番号情報をデフォルトに設定して Oracle Applications に送信するかを設定できます。
配布ターゲットへの BOM 対応の差分情報のパブリッシング
配布ターゲットにオブジェクトを再びパブリッシングする際に送信される情報は、以前にパブリッシングされた情報に基づきます。このような状況が発生するのは、配布ターゲットにパブリッシングされている上流 BOM があり、まだパブリッシングされていない下流 BOM がその BOM に対応付けられている場合です。下流 BOM を後でパブリッシングする場合は、上流 BOM に使用されたものと同じ配布ターゲットを使用できます。別の配布ターゲットを作成して下流 BOM に関連付ける必要はありません。
この動作の実例として、次の例を考えてください。
Computer A.20 (製造) 用のアセンブリには、構成部品 CPU、マウス、キーボード、モニター、および Web カメラがあり、これらは配布ターゲット DT–1100 および DT–1200 にパブリッシングされたものです。配布ターゲットは、下流システム内の製造プラントです。
後になって、ビジネス要件のために下流の対応 BOM DT–1100DT–1200 を作成する必要が生じました。ここで、次のように製造ビューの子ビューを作成できます。
製造
1100
1200
その後、次の図に示すように、上流の対応製造 BOM Computer, A20 (製造) から下流の対応 BOM Computer A10 (1100)Computer A30 (1200) を作成します。
配布ターゲット DT-1100 を BOM Computer, A.10 (1100) に関連付け、配布ターゲット DT-1200 を BOM Computer, A.30 (1200) に関連付けて、これらの BOM を配布ターゲットにパブリッシングします。差分変更の計算は、Computer, A.10 (1100)Computer A.30 (1200)Computer, A.20 (製造) と比較することによって行われ、BOM は変更済み BOM として送信されます。
DT-1100 にパブリッシングされる BOM Computer A.10 (1100) の応答は、次の表に示すように計算されます。
オブジェクト
操作
タイプ
コンピュータ A.10 (1100)
変更
部品およびアセンブリ部品
モニター A.2 (1100)
変更
部品
マウス A.2 (1100)
変更
部品
キーボード A.1 (製造)
なし
部品
CPU B.1 (製造)
なし
部品
光学式ドライブ A.1 (1100)
作成
部品
すべてのコンポーネントに、作成/削除/変更/なしのマークが適切に付けられます
DT-1200 にパブリッシングされる BOM Computer A.30 (1200) の応答は、次の表に示すように計算されます。
オブジェクト
操作
タイプ
コンピュータ A.30 (1200)
変更
部品およびアセンブリ部品
タッチスクリーンモニター A.1 (1200)
作成
部品
マウス A.1 (1200)
変更
部品
キーボード A.1 (1200)
変更
部品
CPU A.1 (1200)
変更
部品
5M Web カメラ A.1 (1200)
作成
部品
すべてのコンポーネントに、作成/削除/変更/なしのマークが適切に付けられます
この動作は、プロパティ com.ptc.windchill.esi.CalculateDeltaUsingLatestPublishedObject によって制御されます。デフォルト値は TRUE です。すでにパブリッシング済みの上流 BOM と同じ配布ターゲットに下流 BOM がパブリッシングされないようにする場合は、このプロパティを FALSE に変更します。詳細については、ESI カスタマイズガイドを参照してください。
* 
Windchill PDMLink では、最新のリビジョンではない BOM の作業版数をパブリッシングできます。たとえば、P1 B.10 が配布ターゲットにパブリッシングされた後、そのターゲットにまだパブリッシングされたことがない P1 A.15 (前のバージョン) をパブリッシングする必要がある場合に、そのようなパブリッシングが下流のパブリッシングシステムによって許可されていれば、その BOM をパブリッシングできます。Oracle Applications の場合、このタイプのパブリッシングは使用できません。
BOM の定義式をパブリッシングできます。詳細については、関連付けられた割当済み定義式のパブリッシングについてを参照してください。
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