Windchill Configuration Assistant の機能
Windchill Configuration Assistant (WCA) は、Windchill がインストールされているサーバーのシステムリソース情報をチェックします。次に、使用可能なメモリと CPU リソースを最大限活用できるよう、Windchill プロパティの推奨値を計算します。また、Windchill Configuration Assistant は Embedded Servlet Engine (以前の Tomcat) の設定変更も推奨できます。
Windchill Configuration Assistant の初期実行
PTC ソリューションインストーラ (PSI) によって Windchill Configuration Assistant がインストールされ、ベースデータの読み込み後に実行されます。Windchill Configuration Assistant はユーザーの介入なしに実行され、ユーザーはこの実行を無効にできません。ただし、PSI でベースデータを読み込まない場合は Windchill Configuration Assistant が実行されません。Windchill Configuration Assistant が実行されない場合は、メソッドサーバーの起動ログに以下のメッセージが書き込まれます。
WARN : wt.server.manager.startup - WINDCHILL CONFIGURATION ASSISTANT <WCA> HAS NOT BEEN USED!
WARN : wt.server.manager.startup - PERFORAMANCE ISSUES MAY RESULT FROM FAILING TO USE WCA!
WARN : wt.server.manager.startup - FOR OPTIMAL PERFORMANCE, WCA SHOULD BE USED PRIOR TO PRODUCT USAGE.
Windchill Configuration Assistant を最初に実行した時点で、サーバー上の搭載メモリおよび CPU リソースに基づいて初期プロパティセットの値が設定されます。たとえば、以下のプロパティが設定されます。
• メソッドサーバーヒープおよびサーバーマネージャヒープに割り当てるメモリの割合
• フォアグラウンドメソッドサーバーの数
• バックグラウンドメソッドサーバーの数
• ヒープサイズ
設定されている実際のプロパティ値を表示するには、別の XCONF ファイル (<Windchill>/utilities/wca/conf/windchill/windchillconfigurator.xconf) に保存された値を確認します。<Windchill> は Windchill のインストールディレクトリを表します。
Windchill Configuration Assistant をインストールすると ConfigurationRef 要素が site.xconf ファイルに追加され、サイト管理のプロパティ値と、Windchill Configuration Assistant の実行結果として設定された値との間にリンクが作成されます。最初の実行時に、site.xconf ファイルを通じて、これらの設定がシステム全体に適用されます。
Windchill Configuration Assistant の手動実行
Windchill Configuration Assistant を最初に実行する前に読み込まれるのはベースデータだけであり、このベースデータにはユーザー、グループ、コンテキストがほとんど含まれません。そのため、ユーザー、グループ、またはコンテキストの数を大幅に変更したときや、サーバーを大幅に変更した場合は、Windchill Configuration Assistant をもう一度手動で実行する必要があります。さらに、インストール時に初期実行が行われ、通常であれば解放されているリソースが消費されます。したがって、メモリ割り当て計算を最適化するため、Windchill Configuration Assistant をインストールした後、手動で実行することをお勧めします。
Windchill Configuration Assistant を実行する際、次のいずれかの処理を実行できます。
• Windchill プロパティおよび Embedded Servlet Engine 設定オプションの推奨値のみを計算する。
• 推奨値を自動的に計算して、適用する。
• 推奨値を計算して表示する。この場合、各推奨値をそのまま使用するか、または別の値を入力できます。値を計算するだけの場合、または値を計算して適用する場合に、この対話モードを使用できます。
• すでに計算されている値を適用する。
• 元の値 (推奨値を適用する前に設定されていた値) に戻す。
これらの処理を実行するために、Windchill Configuration Assistant はサーバー上の情報にアクセスします。さらに、インストールされている Windchill 環境のプロパティファイルと設定ファイルにもアクセスします。
xconfmanager ユーティリティによって管理されているプロパティファイル (wt.properties、db.properties など) を更新すると、Windchill Configuration Assistant は、site.xconf ファイルにリンクしている別の XCONF ファイルに最新の値を書き込みます。これにより、Windchill Configuration Assistant による Windchill プロパティの変更を追跡し、xconfmanager を使用してプロパティ変更を適用できます。
変更したプロパティを元に戻せるようにするため、バックアッププロパティファイルが自動的に作成されます。Windchill 環境のこれらのファイルは、計算された推奨値を適用する場合のみ影響を受けます。
推奨値を Embedded Servlet Engine 設定ファイルに適用する場合、Windchill Configuration Assistant により、該当する config.properties ファイルのバックアップが作成されます。さらに、1 つ以上の ant コマンドを実行して Embedded Servlet Engine 環境の設定が更新されます。
Windchill Configuration Assistant はデータベースをチューニングしない
Windchill Configuration Assistant は、データベースチューニングで使用するデータベース関連パラメータにはアクセスせず、変更もしません。データベースチューニングの詳細については、データベースのチューニングドキュメントを参照してください。