オブジェクトのオーナーシップの転送
このセクションでは、Creo Packages を使用してオブジェクトのオーナーシップを元のオーナー PLM システムから新規オーナー PLM システムに転送する際の、基本的な概念について説明します。
一般的には、オブジェクトオーナーシップ転送は、オブジェクトの生存期間に 1 度か、多くても 2 度しか発生しません。多くの場合は一度も発生しません。オーナーシップの転送は不用意に行わないでください。また、オブジェクトのラウンドトリップ修正を実行する代わりとして使用しないでください。
使用シナリオ
一般的な使用例は、複数の PLM システムにより製品が共同設計されている場合です。ある PLM システムがトップアセンブリを担当し、別の PLM システムが 1 つ以上のサブアセンブリを担当する場合もあります。読み取り専用のコラボレーションは、オーナー PLM システムだけがそれぞれの Creo Parametric データを更新するという想定に基づきます。元の PLM システムのオーナーが、オブジェクトのオーナーシップを別の PLM システムの設計パートナーまたはサプライヤに転送し、新しいオーナーがそのオブジェクトに関するオーナーシップの責任をすべて引き受けることで、集合的な意思決定が行われます。
オブジェクトオーナーシップ転送では、完全パッケージを使用した後にマスター同期パッケージを使用してオブジェクトオーナーシップ転送を完了し、元のオーナーから新規オーナーにオブジェクトを転送できます。
たとえば、元のオーナーはオブジェクトオーナーシップ転送の完全パッケージを、潜在的な新規オーナーに送信します。潜在的な新規オーナーは、このパッケージを自分の PLM システムにインポートします。新規オーナーは、元のオーナーおよびデータを交換するほかの PLM システムに、このオブジェクトのデータを含むマスター同期パッケージを送信します。続いて、元のオーナーはマスター同期パッケージを自分の PLM システムにインポートし、データを交換するほかの PLM システムに、このオブジェクトのデータを含むマスター同期パッケージを送信します。
次の例は、オブジェクトのオーナーシップが最終的に元のオーナー PLM システムから新規 PLM システムに転送される製品の設計について、さまざまな PLM システムが相互にやり取りを行う様子を示しています。
次の表は、各 PLM システムがコラボレーション規則に従ってどのように設計情報を交換するかを示しています。最終的に、サイト A (元のオーナー PLM システム) は、オブジェクトのオーナーシップをサイト B (新規オーナー PLM システム) に転送します。
PLM システムサイト | 説明 |
サイト A | オブジェクトの元のオーナー。 |
サイト B | オブジェクトの潜在的な新規オーナー。 |
サイト C | サイト A とオブジェクト情報を間接的に交換し、サイト B とオブジェクト情報を直接交換します。 |
サイト D | サイト A とオブジェクト情報を直接交換します。 |
サイト E | サイト A とオブジェクト情報を間接的に交換します。 |
オブジェクトのオーナーシップを転送する場合の
Creo Packages を使用したコラボレーション方法については、
Creo Packages を使用したコラボレーションを参照してください。