部品に関する問題の特定
このセクションでは、部品に関する一般的な問題とその原因について説明します。一般的な問題のリストは以下のとおりです。これらのリンクをクリックすると、発生した問題に関する情報に直接アクセスできます。問題が以下のリストにない場合、または指示どおりに対策を講じても問題を完全に解決できない場合は、システム管理者に連絡してください。
• 部品を作成できない
• 部品を変更できない
• Windchill の部品のエフェクティビティ日が将来の日付なのに、SAP には本日の日付が表示されている
• 代替部品が表示されない
• 部品リビジョンが表示されない。
• 部品の変更がすべてのプラントに適用された
• サブタイプ属性またはその値がレスポンスファイルに記述されない
• ビジネスオブジェクト属性が Windchill ESI とパブリッシング対象のシステムとの間で一致しない
• 部品の作成または変更オペレーションは成功したようにみえるのに、警告メッセージ (40129、40130) が表示される
• 変更通知を使用して部品をパブリッシングした後、部品を再リリースするとデータに矛盾が生じる
• パブリッシング時に配布ターゲットが部品に自動的に割り当てられない
• 特定の配布ターゲットまたは部品を関連付けようとするとエラーメッセージが表示される
• 部品の作業版数または改訂に変更がないのに、ESI レスポンスで変更された部品として特定の配布ターゲットに送信される
• 拡張データタイプに追加された特定のグローバル属性が、該当する部品がパブリッシングされたときに ESI レスポンスで送信されない
• プラント固有データタイプに追加された特定のグローバル属性が、該当する部品がパブリッシングされたときに ESI レスポンスで送信されない
部品を作成できない
以下の原因が考えられます。
• Windchill の製造部門への引き渡しワークフローが開始されていない。
• Windchill でのパブリッシングステータスが間違っている。
• 部品に割り当てられている ESITarget のプラントが間違っているか、無効である。
• ユーザーが SAP で違う ESITarget のプラントを表示している。
• Windchill の部品番号フィールドでマルチバイト文字が指定された。
• 測定単位、部品タイプ、または部品ソースが無効か、またはない。
• 同じプラントの同じ部品で、ソース、タイプ、エフェクティビティのような重要な要素の値が異なっている。これはあいまいと見なされ、ESI レスポンスは処理されません。
• 同じ部品の複数のバージョンがサポートされていない。これはあいまいと見なされ、ESI レスポンスは処理されません。
部品を変更できない
以下の原因が考えられます。
• Windchill の製造部門への引き渡しワークフローが開始されていない。
• 部品が SAP の ESITarget のプラントに存在しない。
• Windchill でのリリースステータスが間違っている。
• 属性部品タイプやデフォルトの測定単位が SAP で修正できないようになっている。
• SAP (MARA テーブルや MARC テーブル) で部品がロックされている。
• 部品に割り当てられている ESITarget のプラントが間違っているか、無効である。
• ユーザーが SAP で違う ESITarget のプラントを表示している。
• Windchill の部品番号フィールドでマルチバイト文字が指定された。
• 測定単位、部品タイプ、または部品ソースが無効か、またはない。
Windchill の部品のエフェクティビティ日が将来の日付なのに、SAP には本日の日付が表示されている
これは正常な動作です。Windchill ESI は部品のエフェクティビティ日を現在の日付に設定します。
代替部品が表示されない
• SAP は、材料マスターレベルでの部品代替をサポートしていません。
部品リビジョンが表示されない。
以下の原因が考えられます。
• Windchill が部品とともに変更通知を送信しなかった (SAP では、変更通知のない部品リビジョンはサポートされていません)。
• SAP または ESI BusinessWorks アプリケーションでリビジョン管理が有効になっていない。
部品の変更がすべてのプラントに適用された
Windchill のユーザーが SAP のプラント依存データ以外の基本データビューにあるような部品属性を変更した。
サブタイプ属性またはその値がレスポンスファイルに記述されない
この問題は、次のような場合に起こることがあります。
• マッピングが間違っている。
• サブタイプ属性の一意の識別子 (内部名) が定義されていない。
• 一意の識別子 (内部名) が、ESI レスポンスメタ情報マップファイルで部品用に定義された Map 要素のソース属性名でない。
マッピングが正しいことを確認します。たとえば、サブタイプ属性が wt.part.WTPart に対して定義されている場合、マッピングは次のようになります。
• 属性名:Volume (体積)
• 一意の識別子: org.ptc.volume
• マッピング: <esi:attributeMapping sourceAttribute="org.ptc.volume">Volume</esi:attributeMapping>
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ESI レスポンスメタ情報ファイルで、部品の Map 要素に上記を追加してください。
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ビジネスオブジェクト属性が Windchill ESI とパブリッシング対象のシステムとの間で一致しない
以下の原因が考えられます。
• SAP について間違ったロケールが TIBCO アダプタに割り当てられている。
• Windchill と SAP 間でフィールドの長さが違うので、部品番号が切り捨てられた。
• オブジェクトキー (部品番号など) から先頭の 0 (ゼロ) が切り捨てられた。
• ESI によって属性がマッピングされていない。
部品の作成または変更オペレーションは成功したようにみえるのに、警告メッセージ (40129、40130) が表示される
40219: 部品の作成時に SAP が機能エラーを返したため、ESI EAI ソフトウェアコンポーネントはリビジョンレベルがすでに存在していると仮定して、処理を続行します
40130: 部品の変更時に SAP が機能エラーを返したため、ESI EAI ソフトウェアコンポーネントはリビジョンレベルがすでに存在していると仮定して、処理を再開します
SAP の部品リビジョンはプラント別ではないので、同じシステムおよびクライアント内の複数の ESITarget のプラントにリビジョンを送ると、Windchill ESI によって、SAP にメッセージが重複して送信されてしまう。このメッセージは無視しても問題ありません。
ESI BusinessWorks アプリケーションではリビジョン管理が有効になっていますが、Windchill のユーザーが部品とともに変更通知をパブリッシングしていません。
部品リビジョンに関連付けられている変更通知番号が無効である。
変更通知を使用して部品をパブリッシングした後、部品を再リリースするとデータに矛盾が生じる
変更通知を使用して部品を一度パブリッシングした後に、別の組織に部品を再リリースすると、Windchill PDMLink と SAP 間でデータに矛盾が発生します。つまり、SAP では 2 番目の変更通知は表示されませんが、Windchill PDMLink では 2 番目の変更通知が正常に作成されたことが表示されます。
SAP では、ある 1 つの材料マスタに対し、1 つの変更マスタレコードに関連付けられたリビジョンだけを割り当てることができます。ある 1 つの材料マスタのリビジョンに、異なるプラントの複数の変更マスタレコードを含めることはできません。したがって、材料マスタには、1 つの変更マスタレコードと 1 つのエフェクティビティ日のみを関連付けることができます。
Windchill ESI によって、変更マスター A を使用してプラント A の Windchill PDMLink から材料マスターがパブリッシングされ、さらに別の日に変更マスター B を使用してプラント B で材料マスターがパブリッシングされた場合は、SAP の材料マスターが、変更マスター B の情報で更新されることはありません。Windchill PDMLink では材料マスターが変更マスター B に関連付けられますが、変更マスター A の情報 (エフェクティビティ日など) は維持されます。
SAP のユーザーは通常、材料マスタのエフェクティビティ日を考慮しないので、これは SAP では容認されています。SAP の 1 つの BOM には、複数のプラント全体の異なる変更マスタおよびエフェクティビティ日を含めることができます。材料マスタのリビジョンとエフェクティビティ日はマスタレベルで管理されるのに対し、BOM のリビジョンとエフェクティビティ日はプラントレベルで管理されます。SAP のユーザーは通常、材料マスタのエフェクティビティ日は考慮しないが、BOM のエフェクティビティ日は維持します。SAP の MRP サイクルは BOM のエフェクティビティ日によって管理されるので、材料マスタのエフェクティビティ日は重要ではありません。
さらに、SAP には、ユーザーが将来の日付のエフェクティビティ日を持つ材料マスタをスケジューリングするための API は用意されていません。材料マスタを迅速に作成するには、利用可能な材料マスタおよび変更マスタ API を使用します。Windchill ESI では、Windchill PDMLink で指定されているエフェクティビティ日に関係なく、本日をエフェクティビティ日としてすべての材料マスターが作成されます。この機能は、Windchill ESI のユーザーからの苦情はないという前提で実装されています。この機能を修正する場合は、次善策として、手動で材料マスターのエフェクティビティ日を修正するか、SAP または Windchill ESI、あるいはその両方でカスタマイズします。
Windchill ESI を使用すると、BOM のすべてのプラントにわたって異なる日付を使用した BOM の作成や変更だけでなく、将来の日付のエフェクティビティ日を持つ BOM の作成や変更も行うことができます。
パブリッシング時に配布ターゲットが部品に自動的に割り当てられない
配布ターゲットの「コンテキストのデフォルト」属性を「はい」に設定して、配布ターゲットが部品と同じコンテキストまたは上位レベルのコンテキストに属しているのに、パブリッシング時に配布ターゲットが自動的に部品に割り当てられない
これは Windchill ESI の「ビューと配布ターゲットのマッピング」プリファレンスを適切に設定していない場合に起こります。たとえば、問題の部品を Design ビューで作成する場合、部品のパブリッシング時に 001 という番号の配布ターゲットに自動的に部品が割り当てられるようにするには、プリファレンスの値を「Design:001」のように設定する必要があります。別の方法として、ターゲットの番号を参照しない値にプリファレンスを設定することもできます。
特定の配布ターゲットまたは部品を関連付けようとするとエラーメッセージが表示される
以下の原因が考えられます。
• Windchill ESI の「ビューと配布ターゲットのマッピング」プリファレンスが適切に設定されていない。たとえば、問題の部品を Manufacturing ビューで作成する場合、002 という番号の配布ターゲットに自動的に部品が割り当てられるようにするには、プリファレンスの値を「Manufacturing:002」のように設定する必要があります。別の方法として「Plant1:002」のような値 (ここで Plant1 は Manufacturing の子ビュー)、または、ターゲットの番号を参照しない値にプリファレンスを設定することもできます。
• 配布ターゲットにその部品がすでに割り当てられている。
部品の作業版数または改訂に変更がないのに、ESI レスポンスで変更された部品として特定の配布ターゲットに送信される
以下の原因が考えられます。
• 部品に日付エフェクティビティが設定された。または、最後にパブリッシングされた後、部品が変更された。
• 最後にパブリッシングされた後、部品のライフサイクル状態が変更された。
• Windchill ESI の「エンタープライズデータ情報をパブリッシング」プリファレンスが「はい」に設定されていて、部品が最後にパブリッシングされた後、部品を表す ERPMaterial オブジェクトが修正された。
• Windchill ESI の「プラントデータ情報をパブリッシング」プリファレンスが「はい」に設定されていて、部品が最後にパブリッシングされた後、部品とターゲットのプラント固有データを表す ERPPartSpecificPlantData オブジェクトが修正された。
拡張データタイプに追加された特定のグローバル属性が、該当する部品がパブリッシングされたときに ESI レスポンスで送信されない
以下の原因が考えられます。
• Windchill ESI の「エンタープライズデータ情報をパブリッシング」プリファレンスが「いいえ」に設定されている。
• パブリッシング時に使用される ESI レスポンスメタ情報ファイルに、そのグローバル属性の attributeMapping 項目が存在しない。
• ESI レスポンスメタ情報ファイルにそのグローバル属性の項目は存在するが、その項目の XML 属性 erpMaterialAttribute が true に設定されていない。
プラント固有データタイプに追加された特定のグローバル属性が、該当する部品がパブリッシングされたときに ESI レスポンスで送信されない
以下の原因が考えられます。
• Windchill ESI の「プラントデータ情報をパブリッシング」プリファレンスが「いいえ」に設定されている。
• パブリッシング時に使用される ESI レスポンスメタ情報ファイルに、そのグローバル属性の attributeMapping 項目が存在しない。
• ESI レスポンスメタ情報ファイルにそのグローバル属性の項目は存在するが、その項目の XML 属性 plantSpecificAttribute が true に設定されていない。