部品

Windchill ESI を使用すると、Windchill PDMLink で作成および変更された部品を Oracle Applications などの配布ターゲットにパブリッシングできます。部品の特定の属性をパブリッシングするように、Windchill PDMLink システムを設定できます。Windchill PDMLink の部品情報を使用して、配布ターゲットで部品が作成されます。

部品データが Windchill PDMLink から送信されると、EAI ソフトウェアコンポーネントによって、Windchill PDMLink の部品属性が Oracle Applications のオブジェクト属性にマッピングされます。次の表は、Windchill PDMLink の部品属性と Oracle Applications のオブジェクト属性のマッピングを示します。

Windchill の部品属性と Oracle Applications のアイテム属性のマッピング
Windchill の部品属性	Oracle Applications のオブジェクト属性
番号	アイテム番号
デフォルト単位	Primary Unit of Measure
部品タイプ	User Item Type using Template
日付エフェクティビティ	Item’s Revision Effectivity Date
名前	アイテムの説明
バージョン	リビジョンレベル (Revision Level)
ソース	General planning Make or Buy
配布ターゲット	組織

Windchill PDMLink の部品作業版数は EAI ソフトウェアコンポーネントに渡されますが、属性は配布ターゲットに渡されません。配布ターゲットで Windchill PDMLink の部品作業版数を処理できる場合は、EAI ソフトウェアコンポーネントを拡張して情報を配布ターゲットに渡すことができますが、標準の Oracle Applications システムでは現在、作業版数情報を処理できる属性をサポートしていません。

「配布ターゲット」属性 (ESI レスポンスでは Destination 要素と TargetID 要素) は、部品を作成または変更する配布ターゲットを識別します。EAI ソフトウェアコンポーネントは、この情報を使用して適切な配布ターゲットと通信し、組織情報を渡します。

Windchill PDMLink から渡された属性によっては、変更を加えられることなく EAI ソフトウェアコンポーネントから配布ターゲットに渡されるものもありますが、EAI ソフトウェアコンポーネントによって変更されるか、相互参照が設定される値を含んでいる属性もあります。

Start Effectivity Date (エフェクティビティ開始日) は、YYYY-MM-DD HH:MM:SS というフォーマットで Windchill PDMLink から渡されます。Windchill ESI では、Windchill PDMLink、TIBCO、および Oracle Applications 間でタイムゾーンが設定されていることを前提としています。

「デフォルト単位」、「部品タイプ」、および、「ソース」の各属性は EAI ソフトウェアコンポーネント内で相互参照が設定されます。以下の表は、使用可能な Windchill PDMLink の部品属性の値と、EAI ソフトウェアコンポーネントから Oracle Applications に渡される Oracle Applications のアイテム属性の対応する値を示します。

Windchill の Part Default Unit の値と Oracle Applications のアイテム属性 Base Unit of Measure の値のマッピング
Windchill の Part Default Unit の値 (データベース値)	Oracle Applications の Base Unit of Measure の値 (データベース値)
必要分 (As Needed) (as_needed)	As Needed (AN)
個 (Each) (ea)	Each (Ea)
キログラム (Kilogram) (kg)	キログラム (KG)
リットル (Liter) (l)	リットル (L)
メートル (Meter) (m)	Meter (M)

Windchill PDMLink の「部品タイプ」の値と Oracle Applications の Material Type の値のマッピング
Windchill PDMLink の「部品タイプ」の値 (データベース値)	Oracle Applications の Item Type の値 (データベース値)
分離可能 (Separable)	Subassembly (SA)。これは、API フィールド ITEM_TYPE のマッピングです。API フィールド TEMPLATE_ID のマッピングは Subassembly (5)、API フィールド TEMPLATE_NAME のマッピングは Subassembly (@Subassembly) です。
分離不可能 (Inseparable)	Subassembly (SA) これは、API フィールド ITEM_TYPE のマッピングです。API フィールド TEMPLATE_ID のマッピングは Subassembly (5)、API フィールド TEMPLATE_NAME のマッピングは Subassembly (@Subassembly) です。
コンポーネント (Component) (component)	Purchased Item (P) これは、API フィールド ITEM_TYPE のマッピングです。API フィール TEMPLATE_ID のマッピングは Purchased Item (2)、API フィールド TEMPLATE_NAME のマッピングは Purchased Item (@Purchased Item) です。

Windchill PDMLink の「部品ソース」の値と Oracle Applications の Procurement Type の値のマッピング
Windchill PDMLink の「部品ソース」の値 (データベース値)	Oracle ApplicationsGeneral Planning の Make または Buy の値
作成 (Make)	Make (1)
購入 (Buy)	Buy (2)

アイテムレコードの作成または変更のために Oracle Applications に必要な属性には、Windchill PDMLink によって指定されないものがいくつかあります。このような場合、Windchill ESI は、データを Oracle Applications に渡す前に EAI ソフトウェアコンポーネントでデフォルト値に設定します。次の表は、Oracle Applications でデフォルトに設定される Windchill ESI のアイテム属性とそのデフォルト値を示します。

Oracle Applications のアイテム属性のデフォルト値
Oracle Applications のアイテム属性	デフォルト値
サマリーフラグ	No (N)
Effectivity Control	日付は 1、単位は 2
Serial Number Generation Code	定義済みは 2
Starting Prefix	X
Starting Number	1

Windchill ESI では、その他の多数のアイテムフィールドに対するデフォルトのデータ値を自動的に提供する Oracle Applications のサブアセンブリおよび購入アイテムテンプレートも利用します。アイテムテンプレートの詳細については、Oracle Applications ソフトウェアに付属の Oracle Inventory User's Guide を参照してください。

Windchill PDMLink では、部品に関連する代替部品のパブリッシングもサポートしています。ただし、Windchill PDMLinkOracle Applications には Windchill ESI のように代替部品という概念がないので、Oracle Applications の EAI ソフトウェアコンポーネント部分では Oracle Applications への代替部品のパブリッシングをサポートしていません。Oracle Applications 配布ターゲットで Windchill PDMLink の代替部品を処理できる場合は、Windchill ESI の EAI ソフトウェアコンポーネント部分を拡張して、情報を Oracle Applications に渡すことができますが、デフォルトでは代替部品がサポートされていません。

• これらの属性は ESI レスポンスメタ情報ファイルでマッピングを定義しておく必要があります。また、EAI ソフトウェアコンポーネントを拡張して、これらの属性を Oracle Applications に適切にマッピングする必要もあります。

• 「配布ターゲットに送信」操作、「材料を配布ターゲットに送信」操作、「変更通知」、「プロモーションリクエスト」、または「状態を設定」を使用して、部品またはリソースの部門データまたはプラントデータをパブリッシングする際は、「保存済みフィルタ」を以下の場所から使用します。

◦ 部品または BOM をパブリッシングする際は、配布ターゲットの「BOM 設定」。

◦ リソースまたはリソース構造をパブリッシングする際は、配布ターゲットの「リソースの設定」。

◦ プロセス計画の構造をパブリッシングする際は、配布ターゲットの「プロセス計画の設定」。

◦ 変更通知を使用してパブリッシングする際は、配布ターゲットの「変更通知の設定」。

拡張データは、Windchill のバージョン化されている処理可能なオブジェクトであり、ERP システムにパブリッシングされる必要のあるデータを格納するために使用されます。拡張データは、ERP コネクタを使用することにより、ESI レスンポンスで配布ターゲットにパブリッシングできます。

• 部品データまたは拡張データからバージョン情報をパブリッシングする場合、esi.properties ファイルでプロパティ com.ptc.windchill.esi.useVersionInfofromPartOrED を設定します。例: <Property default="PART" name="com.ptc.windchill.esi.useVersionInfofromPartOrED">その他の値には PART または COMMON_ENTERPRISE_DATA があります。

このプロパティを設定しない場合、既成では、エンタープライズデータがデフォルトでパブリッシングされます。

• 「配布ターゲット」属性 (ESI レスポンスでは Destination と TargetID) では、部品を作成または変更する配布ターゲットを識別します。

• 「部品の日付エフェクティビティ」は、YYYY-MM-DD HH:MM:SS というフォーマットで Windchill PDMLinkから渡されます。

• オブジェクト中心のモードで部品をパブリッシングする場合、配布ターゲットの「部品のパブリッシング時に、関連ドキュメントをパブリッシング」属性の設定が「はい」のときは、部品に関連付けられたドキュメントも同様にパブリッシングされます。

部門データの属性は、プラントデータに関連付けられているすべての関連する部門データオブジェクトから、部品属性またはリソース属性とともに、ESI レスポンスでパブリッシングされます。

プラントデータのライフサイクル状態が変更されると拡張データまたは部門データが ESI レスポンスで自動的にパブリッシングされるように設定できます。これは、「ESI」 > 「設定」 > 「部品」からプリファレンス「部品パブリッシングを自動的にトリガーする拡張データのライフサイクル状態」を有効にすることによって設定できます。複数のライフサイクル状態をコンマで区切って指定できます。このプリファレンスのデフォルト値は空です。このプリファレンスの値が空である場合、エンタープライズデータまたはプラントデータのライフサイクル状態が変更されたときに、部品 (材料) は自動的にパブリッシングされません。

このプリファレンスを有効にした後で、エンタープライズデータまたはプラントデータのライフサイクル状態がプリファレンスで指定されているものに変更されると、ESI は、配布ターゲットに関連付けられているコンフィギュレーション仕様またはフィルタに従って、関連する部品の作業版数と部門データをレンダーし、その部品を ESI レスポンスでパブリッシングします。

• 部品のパブリッシングは、プリファレンス「ESI ワークフローを自動的に開始」が「はい」に設定されている場合にのみ有効になります。

• プラントデータがリリースされた場合、プラントデータとエンタープライズデータがパブリッシングされます。これに対し、エンタープライズデータがリリースされた場合、関連するプラントデータがパブリッシングされます。

拡張データと部門データは、ESI レスポンス内の個別のバケットでパブリッシングできます。これは ESI レスポンスをカスタマイズすることによって行えます。ESI レスポンス内のバケットのカスタマイズの詳細については、PTC.com の ERP Connector Customizer's Guide を参照してください。