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読み込みユーティリティの概要
新たに実装した Windchill にレガシーデータをマイグレーションすることは、あらゆるシステム実装における基本的な要件ですが、この作業はこれまでは手間をかけて手動で行う必要がありました。これと同様に、新規に取得した情報を Windchill などの PDM 環境にマージする必要がありました。
PTC では、LoadfromFile フレームワークを提供することでこれらのアクティビティを支援します。
wt.load パッケージは、デモやテストデータを読み込むための一連のフレームワーク ユーティリティです。これは、新しいクラスを読み込むように拡張できます。LoadFromFile ユーティリティは、コマンドラインとほかのクラスの両方から呼び出すことができます。
Pro/INTRALINK でのデータの読み込み
Pro/INTRALINK は、Creo Parametric ワークグループのコラボレーションを効率化するために設計されたデータ管理ソリューションです。Pro/INTRALINK 9.0 以降は Windchill プラットフォームに基づいています。このドキュメントは Pro/INTRALINK 9.0 以降に適用されます。
Pro/INTRALINK では、PDM 機能を使用して CAD ドキュメントやほかのドキュメントを管理できます。Pro/INTRALINK ではドキュメントの読み込みをサポートしていますが、LoadFromFile フレームワークを使用した CAD ドキュメントの読み込みはサポートしていません。
ドキュメントを Pro/INTRALINK に読み込む詳細な例については、ドキュメントの読み込み: Pro/INTRALINK の例を参照してください。
LoadFromFile フレームワークについて
Windchill LoadFromFile フレームワークでは、ファイルのデータを読み取り、それを名前と値のペア (ハッシュテーブル形式) に変換します。このペアは、オブジェクトローダーによって処理されます。また、読み込みフレームワークにはローダーが使用できるヘルパーメソッドも用意されています。オブジェクトローダーでは、オブジェクトの作成、オブジェクトの属性の設定、およびデータベースへのオブジェクトの永続化を行います。
フレームワークでは、インポート/エクスポートフレームワークの一部のクラスを使用します。ただし、ほとんどの場合、worker クラス (読み込み用オブジェクトローダーとインポートおよびエクスポート用オブジェクトハンドラ) は別個に用意されており、異なる XML フォーマットのデータを使用します。つまり、XML スキーマは異なります。
LoadFromFile は、使用しているサイトのクラスにデータを読み込むときに使用するフレームワークです。読み込みパッケージの使用例として、wt.doc.LoadDoc.java ソースファイルが含まれています。
メインまたはコマンドライン呼び出し、あるいは doFileLoad メソッド呼び出し内の LoadFromFile では、以下のパラメータを使用してデータをシステムに読み込みます。
「データファイル」(必須) - 読み込むデータを含み、メソッドサーバーホストに常駐します。データファイルは必須のパラメータです。文字列が Null であるか、コマンドラインに指定されていない場合、読み込みは失敗します。ファイルの完全パス名を指定してください。完全パスを指定しないと、読み込みが開始されたディレクトリ内のファイルの読み取りが試行されます。
「ユーザー」(オプション) - データファイルの行にユーザーが指定されていない場合に、メソッドを実行するユーザーを指定します。
コマンドラインでは -u ユーザーオプションは使用しないので、ユーザーが事前に設定されることはありません。LoadFromFile 内のメインでは、SessionHelper.manager.getPrincipal() を呼び出して、ユーザーにプロンプトを表示し、認証を実行します。doFileLoad には渡されたユーザーがまだ含まれていますが、Null の場合もあります。Demo および Developer では、doFileLoad を呼び出す前に認証を行います。doFileLoad ではユーザーを認証しないので、doFileLoad を呼び出す前にユーザーを認証してください。ユーザーは、その後サーバー側が doFileLoad から渡されたユーザーを使用して setPrincipal を試行したときに認証されますが、エラーメッセージは doFileLoad を呼び出す前にクライアント側で処理するのが最適です。
「ユーザーのパスワード」(オプション) - 認証するユーザーのパスワードを指定します。
CONT_PATH - データのターゲットコンテナを指定します。デフォルトのターゲットコンテナは Exchange です。
LoadFromFile をコマンドラインから実行するには、サーバーマネージャとメソッドサーバーが実行されていることを確認してから以下を呼び出してください。
windchill wt.load.LoadFromFile -d c:\ptc\Windchill\loadfiles\ReqDocs.xml
-CONT_PATH \
"/wt.inf.container.OrgContainer=TST/wt.pdmlink.PDMLinkProduct=part 4\"
Windchill ローダーについて
Windchill ローダーは、インストールされているあらゆる Windchill ソリューションのデータを読み込むことができます。このユーティリティは、installed.properties ファイル (ソリューションのインストール時に更新されます) からインストールされたソリューションのリストを取得し、LoaderConfiguration.properties ファイルからベースデータおよびデモンストレーションデータのロードセットを取得します。読み込みセットとは、Windchill ソリューションをサポートするために読み込む必要のあるデータファイルをリストした XML ファイルです。
各ソリューションには、独自のベースデータおよびデモンストレーションデータのセットがあります。すべてのソリューションに適用されるベースデータセット (基盤とも呼ばれる) もあります。基盤ベースデータは、ソリューションに固有のベースデータとともに自動的にインストールされます。
データベースの初期化に加えて、読み込みユーティリティでは、wt.properties ファイル内の wt.federation.ie.ldapServer プロパティ設定に指定されている LDAP ディレクトリサービスにユーザーとグループを追加します。
Windchill ローダーの詳細と、Windchill データベースを初期化してテストデータを入力する方法については、Windchill Installation and Configuration Guide を参照してください。
LoadFromFile および LoadFileSet ユーティリティについて
PTC が提供するデモデータのほかに、Windchill データベースに追加する必要のあるレガシーデータが存在する場合があります。PTC では、レガシーデータを読み込むために以下の 2 つのユーティリティを提供しています。
LoadFromFile - 単一のレガシーデータファイルをデータベースに読み込みます。
LoadFileSet - 複数のデータファイルを読み込みます。
読み込みユーティリティは XML ファイルのみを処理します。CSV2XML ユーティリティを使用すると、CSV ファイルを XML フォーマットのファイルに変換できます。
これらのユーティリティの詳細については、LoadFromFile ユーティリティと LoadFileSet ユーティリティを使用したレガシーデータの読み込みを参照してください。