バリエーションベースラインを使用したプロトタイプ管理
バリエーションベースラインは、プロトタイプの作成全体を通してバリエーション仕様構造のコンフィギュレーションを定義および検証するときに使用されるコンポーネント部品 (コンフィギュレーション可能でない部品) の特定のリビジョンを取り込むために使用されます。バリエーションベースラインは "成果物の対象" としてプロジェクトを通して管理できます。バリエーション仕様を構成する部品であるベースラインオブジェクトがプロトタイププロセスをたどる際のステータスを、バリエーションベースラインで「ステータス」コラムによって追跡できます。Windchill のその他のベースラインとは異なり、バリエーションベースラインのコンポーネントは、プロトタイプ開発の前段階におけるベースラインオブジェクトの設計変更を反映するために更新できます。ベースラインオブジェクトのステータスが「アセンブリ中」になると、バリエーションベースラインとの関連付けがロックされます。
以下のステップで、プロトタイプの構築に使用可能なバリエーションベースラインを設定する際のビジネスプロセスについて概要を説明します。
1. 製品ファミリーマネージャは、バリエーション仕様のコンポーネント部品の設計が、テストと検証を実行可能な段階に進んだことを判断します。エンジニアはバリエーション仕様のコンフィギュレーションをバリエーションベースラインに追加することによって取り込みます。
2. 製品ファミリーマネージャは、バリエーション仕様を構成するコンポーネント部品を「ベースラインオブジェクト」テーブルに追加することによってベースラインに手動で追加します。
3. バリエーションベースラインは "成果物の対象" としてプロジェクトで参照できます。プロトタイプ開発はプロジェクトのワークフローとタスクによって管理できます。
4. バリエーション仕様の別個のリビジョンを作成し、新規バリエーションベースラインに関連付けることができます。これにより、設計エンジニアとプロトタイプエンジニアは互いに独立してモジュールバリエーションのリビジョンに作業版数を適用可能になり、プロトタイプの検証時に設計変更が見つかったときに、バリエーションベースラインに追加されたリビジョンを更新 (作業版数を適用) できます。
5. 製造エンジニアまたはプロトタイプエンジニアは、各部品がプロトタイプ開発プロセスのさまざまな段階を経る際に、「ベースラインオブジェクト」テーブルで各部品の「ステータス」コラムを更新します。プロトタイプの開発中に必要な変更が見つかった場合、バリエーション仕様やベースラインオブジェクトを追加または除去したり、別のリビジョンに置き換えたりできます。プロトタイプ開発の特定の段階で、プロトタイプの構築に含まれている実際の部品が反映されたコンフィギュレーションを維持できるように、ベースラインオブジェクトはロックされて変更できなくなります。
6. プロトタイプの検証が完了したときに、バリエーション仕様が製造にリリースされる予定である場合、バリエーションベースラインのリビジョンをコピーして、製品ファミリー構造内の適切な製品モデルの下に貼り付けることができます。