インストールおよびアップグレード > Upgrade Guide > Windchill のアップグレード手順 > Upgrade Manager の使用 > Upgrade Manager の入力フィールド > アップグレードプロパティを収集 > ボルトおよびファイルサーバー
  
ボルトおよびファイルサーバー
Windchill では、Oracle バイナリラージオブジェクト (BLOB) を使用する代わりに、オペレーティングシステムレベルで直接アクセスできるファイルとして、一部の ContentHolder オブジェクトのコンテンツファイルを保管できます。この機能は、ボルトおよびフォルダと呼ばれる Windchill オブジェクトを使用し、マウントによってこれらのオブジェクトを実際のファイルシステムフォルダにリンクします。
テストアップグレードのために実運用システムからボルトデータをコピーすることを PTC はお勧めします。データが Oracle データベースに保管されているだけでなく、ファイルシステム上にローカルファイルとしても保管されているために、これらのシステムを別のホストに移動する必要があるときは、特に注意して行う必要があります。そうしなければ、メタデータとローカルファイルの間のリンクが壊れる可能性があります。このタブは、このアップグレードのために設定されるファイルボルトに関する情報を収集します。また、異なるファイルボルトホストを使用するためにファイルボルトコンフィギュレーションを変更するか、ソースデータベースにすでに指定されているボルトコンフィギュレーションを使用するか、またはファイルボルトデータを更新しないかのオプションを選択します。
ファイルボルトコンフィギュレーション
Upgrade Manager に次のオプションが表示されます。
「ボルトモード」– このアップグレードのためにファイルボルトをどのように設定するかを選択します。
「異なるファイルボルトのホスト情報を設定」 - これがデフォルトのオプションです。このオプションを選択すると、「現在のファイルボルトのホスト」の情報が表示されます。「更新されたファイルボルトのホスト」領域で、既存のホスト名ごとに、ボルトのコンテンツのコピー先となる新しいホスト名を入力します。これは、テストアップグレードの方法としてお勧めします。
「ソースデータベースからの既存のファイルボルトのホスト情報を保持」 - ボルトのコンテンツはアップグレード中に更新されるので、これは本番アップグレードでのみ選択するようにします。テストアップグレード時にこのオプションを使用すると、ボルトデータの実運用データが破壊されるリスクがあります。このオプションを選択すると、既存のボルト情報が表示されるため、その他の操作は必要ありません。
「ファイルボルトのデータを更新しない」 - このオプションを選択すると、ボルトは完全に無効になり、実運用システム上のコンテンツへのアクセスは発生しません。ボルトデータを使用できない場合、テストアップグレード中にこのオプションが使用される場合があります。このオプションを選択すると、メタデータのみがアップグレードされます。したがって、ボルトデータに必要な更新がなされないため、推奨しません。実際のアップグレードにこのオプションを使用してはなりません。
* 
「ファイルボルトのデータを更新しない」オプションを選択すると、メソッドサーバーのログに次のようなエラーメッセージを伴う例外が表示されることがあります。
java.net.UnknownHostException: <ホスト>.<マイドメイン>.<自社名>.com_3_Upgrade
ここでこのエラーが発生することは予期されており、アップグレード時に障害を引き起こすことはありません。それ以外のログがメソッドサーバーのログに記録されている場合は、実際の問題を表している可能性があります。
ファイルサーバー
「ファイルサーバー」リストでオプションを選択します。
オプション
説明
ファイルサーバーコンフィギュレーションを更新
このオプションを選択すると、既存のファイルサーバーの URL が表示され、ユーザーは新しいファイルサーバーの URL を入力するよう指示されます。新規 URL は、ターゲットリリースがインストールされた新規ファイルサーバーを指す必要があります。手順を進める前に、各ファイルサーバーの URL の値を入力する必要があります。「ボルトモード」の「ファイルボルトのデータを更新しない」を選択した場合には、このオプションは選択できません。
* 
テストアップグレードの場合は、本番ファイルサーバーのホスト名と URL を指定しないようにしてください。このようにすると、運用システムでデータ破壊が生じる可能性があります。このオプションを使用するには、マスターサイトアップグレードを開始する前に、ファイルサーバーサイトをインストールする必要があります。
「アップグレード後のファイルサーバーの手動設定」
このオプションは、アップグレードの前にファイルサーバーが設定されていない場合に選択できます。ソース Windchill システムにファイルサーバーが設定されていない場合は、このオプションを選択します。ソースシステムにファイルサーバーが設定されている場合、このオプションを選択するには、マスターサイトがアップグレードされた後に、ファイルサーバーの更新と設定を手動で行う必要があります。すべてのリモートファイルサーバーがターゲットリリースにアップデートされるまでは、アップグレードは完了しません。
このオプションを選択すると、テストアップグレード時に本番ファイルサーバーへのアクセスが発生しないよう、ファイルサーバーの URL とホスト名に無効な値が設定されます。
ソリューションをアップグレードするときに、1 つ以上のファイルサーバーにマスターボルトがある場合、「ボルトモード」で次のいずれかのオプションを選択すると、このオプションを使用できなくなります。
「異なるファイルボルトのホスト情報を設定」
「ソースデータベースからの既存のファイルボルトのホスト情報を維持」
これは、アップグレード処理の一部のタスクが、レプリカマスターボルト上のファイルコンテンツにアクセスする必要があるからです。
「既存のファイルサーバーコンフィギュレーションを保持」
このオプションは、ソースファイルサーバーが存在するホストマシンと同じマシンにターゲットファイルサーバーをインストールする場合に、本番アップグレードを行うためのものです。