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レプリケーションについて
Windchill レプリケーションは、データへのアクセスにかかる時間を短縮することにより、ユーザーの生産性を向上させます。ユーザーは、レプリカボルトに保存されたデータにアクセスします。これにより、より迅速に外部ボルトへアクセスできるようになります。レプリカボルトには、アクセス時間が長い外部ボルト (たとえば、それが WAN 上にあるので) または Windchill データベースからコピーされたデータが保存されます。
Windchill ユーザーがレプリケーション済みデータにアクセスする際に気付く違いは、アクセス時間が高速化されているということだけです。それ以外の点では、レプリケーション済みソースと非レプリケーション済みソースのどちらからデータにアクセスしても、ユーザーエクスペリエンスは同じです。Windchill ユーザーがコンテンツレプリケーションを明示的に操作するのは、Windchill インタフェースでのプリファレンスの設定に限られます。
Windchill サイトはクラスタでもあり、1 つの URL を持つホストグループです。コンテンツレプリケーションのために、サイトはマスターサイト、リモートサイト (以前のレプリカサイト)、またはそれら両方の役割を果たすことができます。サイトがマスターサイトの役割を果たす場合は、バイナリラージオブジェクト (BLOB) ストレージまたは外部ストレージあるいはその両方から、1 つ以上のリモートサイトにコンテンツをレプリケーションできます。サイトがリモートサイトの役割を果たす場合は、コンテンツをマスターサイトからリモートサイトにレプリケーションできます。
通常、マスターサイトには、そのリモートサイトのそれぞれのボルトおよびフォルダの設定情報が保存されます。リモートサイトでは、ボルトの設定情報が起動時に読み込まれるか、最新の情報がマスターサイトの起動時にマスターサイトから挿入されるか、またはマスターサイトの管理者から明示的に送信されます。ただし、リモートサイトは指定されたマスターコンテンツのボルトとフォルダを含むように設定されます。同様に、マスターサイトはレプリカボルトおよびフォルダを含むように設定できます。
リモートサイトによって、Windchill ユーザーはレプリケーション済みボルトのコンテンツデータにローカルアクセスできます。各レプリカボルトのデータは、1 つのマスターサイトからしか取得できません。このルールを無視すると、データが失われる場合があります。
マスターサイト、またはマスターサイトとリモートサイトの両方の役割を実行するサイトのメソッドサーバーは、DBMS に接続されている必要があります。リモートサイトは、最小限の Windchill サービスのみを必要とする、Windchill ファイルサーバーというライトウェイトモードで稼働できます。このサービスは、コンフィギュレーション情報の受信、およびコンテンツのレプリケーションまたはアップロード/ダウンロードのリクエスト処理をサポートします。ファイルサーバーモードで稼働させる利点は、データベースインスタンスを必要とせず、ほとんどの Windchill サービスがシャットダウンされるため、メンテナンスが簡単で、パフォーマンスの向上と起動時間の短縮が実現されることです。
Windchill ファイルサーバー
Windchill ファイルサーバーは、Windchill のリモートサイトです。ファイルサーバーは、「ファイルサーバー管理」ユーティリティと「PTC ソリューションのインストーラ」(PSI) を使用してインストールします。「ファイルサーバー管理」ユーティリティは、インストール後の操作やファイルサーバーの実装にも使用されます。
ファイルサーバーのインストールの詳細については、ファイルサーバー管理ユーティリティについてを参照してください。
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以前、Windchill ファイルサーバーは Windchill コンテンツキャッシュサーバーと呼ばれていました。また、非公式にはライトウェイトレプリカサーバーや、ライトウェイトキャッシュサーバーとも呼ばれていました。
「ファイルサーバー管理」では、ボルトとフォルダも含めて、リモートサイトのインストール、設定、保守ができます。
「ファイルサーバー管理」ユーティリティには、以下の機能があります。
ファイルサーバーをインストールするためのユーザーインタフェースから Windchill にアクセスできます。
ファイルサーバーをインストール、登録、および保守できます。
サイト、ボルト、ルートフォルダを自動的に作成できます。また、そのルートフォルダの下に、コンテンツを配置するフォルダを自動的に作成できます。
フォルダが満杯になると、ルートフォルダの下にフォルダを自動的に作成できます。
ダウンロード時にファイルサーバーを読み取り専用に設定できます。
マスターサイトの更新を自動的に検出し、ファイルサーバーの更新を開始できます。
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自動更新機能は、メンテナンスリリースおよびパッチに制限されています。
すでにメンテナンスリリース (基本リリースではなく) を使用しているマスターサイトからファイルサーバーをダウンロードしてインストールした場合、メンテナンスリリースアップデートはダウンロード可能なインストーラに含まれません。このような場合、マスターサイトを使ったファイルサーバーの登録は失敗します。これを修正するには、ファイルサーバーをインストールおよび登録してから、メンテナンスリリースから直接インストールします。
ファイルサーバーの更新の詳細については、Windchill Installation and Configuration Guideレプリケーションセクションを参照してください。
ファイルサーバーのユーザー
Windchill サイト、組織、ライブラリ、および製品マネージャは、「ファイルサーバー管理」ユーティリティを使用できます。サイトマネージャはフルアクセス権を持ちます。組織マネージャ、ライブラリマネージャ、製品マネージャは、以下のような限定的なアクセス権を持ちます。
ホストとボルトにアクセスできます。
組織、ライブラリ、または製品にのみアクセスできます。
組織、ライブラリ、または製品内の任意のオブジェクトに関するレプリケーション規則を追加または除去できます。
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ファイルサーバー管理経由でレプリケーション規則を追加または除去することはできません。これらのタスクはレプリケーションスケジューラによって実行されます。
サイトマネージャと同様に、レプリケーションプロセスをスケジュールできます。
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レプリケーションプロセスをファイルサーバー管理経由でスケジュールすることはできません。これらのタスクはレプリケーションスケジューラによって実行されます。
サイトマネージャで作成されたスケジュールは表示できません。
「ボルトコンフィギュレーション」または「サイト管理」ウィンドウに読み取り専用アクセスができます (これはファイルサーバーをインストールする別の方法になります)。
「ファイルサーバー管理」の使用の詳細については、ファイルサーバー管理ユーティリティについてを参照してください。
データのセキュリティ
Windchill コンテンツレプリケーションが送信するデータのセキュリティは、各マスターサイトサーバーに関連付けられた 1 対のキーで保証されます。マスターサイトが送信したリクエストは、プライベートキーを使用して電子署名されます。公開キーは、このリクエストで使用されるプライベートキーが本物であると認証する場合に使用されます。レプリカサービスは、マスターサイトの公開キーを使用して、ダウンロードするすべての URL がマスターサイトからのものであることを確認します。レプリケーション処理の間も同じ検証プロシージャを使用して、レプリケーションされたオブジェクトが登録されているマスターサイトからのものであることを保証します。リモートサイトにコピーされる公開キーは本物である必要があるので、変更されないようにアクセス許可で保護する必要があります。
キーの検証を常に正確に行うためには、マスターサイトおよびリモートサイトの時計を同期化する必要があります。両者の時計の間に 5 分以上の差があると、検証が妨げられる場合があります。レプリケーションされたドキュメントの URL は、作成後 5 分間で期限切れになります。5 分間はデフォルトの設定であり、リモートサイトで修正できます。
レプリケーションのコンテンツ規則は、ドメイン、クラス、およびライフサイクル状態ごとに定義できます。これらの規則の対象は、特定のリモートサイトに存在するレプリカボルトです。
たとえば、サイト 1 およびサイト 2 という 2 つのリモートサイトがあるとします。サイト 1 のエンジニアは協力して部品の設計モデルを作成し、サイト 2 の担当者は部品を販売します。販売担当が未完成な部品の設計図を見る必要はないので、2 つの異なるボルトを用意するのが適切な方法です。
1. WTPart, all-states,collab-domain > Vault_on_site1
2. WTPart, complete,collab-domain > Vault_on_site2
これらの規則により、エンジニアはこの部品の全ライフサイクル状態のコンテンツにローカルアクセスでき、販売担当は完成した部品にローカルアクセスできます。
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Windchill ドメインは、一部のドメインをほかのドメインの子にし、階層構造に作成できます。親ドメインから子ドメインにはレプリケーション規則が継承されないので注意してください。レプリケーション規則は、ドメイン階層の各レベルで明示的に定義する必要があります。
レプリケーションスケジュールの作成
レプリケーションが定期的に実行されるように、レプリケーションスケジュールを作成できます。特定のニーズに対応するためにレプリケーションを実行する必要がある場合は、1 回だけ実行されるレプリケーションスケジュールを作成することもできます。各レプリケーションスケジュールによって、レプリケーションされるボルト、レプリケーションが実行される時間や、ジョブが 1 回だけ実行されるのか、定期的に実行されるのかを特定することができます。定期的に実行されるジョブについては、リボルトの発生頻度を指定します (毎週、毎月など)。レプリケーションスケジュールは、マスターサイトで管理されます。
レプリケーションスケジュールは相互に独立しています。たとえば、即時実行される 1 回かぎりのレプリケーションスケジュールを作成することにより、最初にスケジュールされていたレプリケーションの前にレプリケーションを強制することができます。
マスターサイトには、リモートサイトに存在するファイルについての情報が含まれ、レプリケーションがリセットされなければ、マスターからリモートへのコンテンツのコピーは 1 回だけ行われます。各 Windchill ユーザーは、レプリケーション済みデータのダウンロードを試行する優先サイトを指定できます。リクエストされたデータが優先サイトに存在しない場合、データは別のサイトからダウンロードされます。リモートサイトでデータが入手できない場合は、ボルトのコンテンツを制御する規則にデータが含まれていないか、リモートサイトにデータがレプリケーションされていません。
ボルトとフォルダ
Windchill のユーザーが部品やドキュメントなどの情報を作成した場合、コンテンツファイルをそのオブジェクトに関連付けることができます。Windchill ファイルボルトでは、特定のライフサイクル状態にある特定のオブジェクトタイプのコンテンツファイルを Windchill データベースのオブジェクトとともに保存したり、ボルトと呼ばれる外部コンテナに保存することができます。
各ボルトには、ホストシステム上のストレージロケーション (ディレクトリなど) に相当するフォルダが含まれています。アップロードしたファイルは、Windchill の管理者が定義したボルト規則に基づき、ボルトおよびフォルダによって示されるファイルシステム上のロケーションに保存されます。
コンテンツレプリケーション (ファイルサーバーおよびフルスケール) の場合は、リモートボルトおよびフォルダはリモートサイトで作成される必要があります。
フォルダはホストにマウントされる必要があります。マウントとは、フォルダとホスト間の関係を指します。マウントを作成または更新するとき、ホストシステム上で保存先を指定します。
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独自のフォルダを管理するボルトを作成する機能は、ファイルサーバーサイト上のボルト (レプリカボルトとしても知られる) にも有効です。
リモートボルトで制御されるコンテンツはサーチ用にインデックシングされないことに注意してください。詳細については、Windchill インデックスサーチの管理者向け概要を参照してください。