ソースリンクとソーストレースの違い

ソーストレースを使用すると、ソースコンフィギュレーション管理下でのメンバー間の双方向リンクが、変更管理下での個別要件、仕様、およびテストケースと共に提供されます。ソーストレースはどの Windchill RV&S アイテムタイプへも可能ですが、主に要件に役立ちます。ソーストレースはメンバーへのものであり、プロジェクトやサブプロジェクトへのものではありません。

• 変更パッケージを使用して、変更管理対象のアイテムにメンバーをリンクすることもできます。変更パッケージの詳細については、変更パッケージの概要を参照してください。

• CLI または API を使用してソーストレースを作成する場合は、ソースファイル内のコードの行またはブロックをトレースできます。

個々のソーストレースを作成、表示、更新、および削除することができます。また、アイテムからソースメンバー、またはソースメンバーからアイテムへ結果のトレースをたどるか、ソーストレースの有無に関係なくアイテムを検索するクエリーをたどることができます。ソーストレースを使用すると、コードの変更前にあるメンバーに対して影響分析や要件のレビューを行うことができます。

ソーストレースはプロジェクトコンテキストに固有です。異なるプロジェクトに同じメンバーリビジョンへのトレースがある場合、それらのトレースは同一とは考えられません。たとえば、共有サブプロジェクトにメンバーリビジョンへのトレースがある場合、それらのトレースはプロジェクトコンテキストごとに異なります。

ソーストレースの現在の実装は特に、機能安全規格およびレビュー準拠の高度に制御されたシステムで作業するエンジニアリング組織向けに設計されています。ソーストレースを別の環境で使用する場合は、現在の実装がすべてのユースケースを確実に満たすかどうかを評価する必要があります。

ソースリンクはメンバー、プロジェクト、またはサブプロジェクトへの一方向リンクです。リンクは特定のリビジョンや、オブジェクトのライブバージョンに対して作成できます。オブジェクトの更新時にリンクは更新されないため、ソースリンクはソーストレースに比べて軽量です。ソーストレースビューアを使用しなくても、アイテムに関するフィールドからソースリンク全体を表示できます。安全性のコンプライアンス要件がない場合は、ソースリンクを代わりに使用することができます。ソースリンクを使用できるのは、メンバーリビジョンが更新されたときに新しいリビジョンにリンクを更新する必要がない場合です。

ユーザーがリンクをクリックすると、ライブソースリンクはメンバーまたはプロジェクトを表示します。ライブソースリンクは、ソースリンクフィールドの「リビジョン」列の :live によって示されます。

トレースを有効にしないで作成したソースリンクフィールドは、ソースリンクフィールドとして機能するため、ソーストレースを自動的に更新することはありません。詳細については、管理者に問い合わせてください。

以下のダイアグラムは、これらリンクの仕組みを視覚的に表したものです。図 1 のダイアグラムは、Test.java 向けにリビジョン 1.1 で作成されたソースリンクとソーストレースを示しています。

図 2 は、メンバーの操作 (チェックインや変更パッケージのサブミットなど) が原因で Test.java のメンバーリビジョンが 1.2 に進んだ場合に何が起きるかを示しています。ソースリンクがリビジョン 1.1 にとどまったままであるのに対し、ソーストレースはリビジョン 1.2 になっています。ただし、1.1 までのソーストレースの履歴はリビジョン履歴に保存されます。また、ソースリンクは一方向の関係ですが、ソーストレースはアイテムフィールドとメンバー間の双方向関係です。ソースリンクが Test.java のライブバージョンに対して作成されていて、そのリンクをたどると 1.2 に解決します。これは、オブジェクトのライブバージョンを参照しているためです。

ソースリンクとソーストレースはいずれも、ソースリンクフィールドタイプを使用して値を格納しますが、フィールドに格納できるのは、単一のタイプの値だけです。フィールドに格納できる値のタイプ (ソースリンクまたはソーストレース) は、ソースリンクフィールドの作成時に決定され、以下のように説明できます。