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コンテンツ バージョンのトレースの関連
トレースの関連は、2 つのドキュメントまたはコンテンツ アイテムと関連付ける特別な方向依存性です。たとえば、要件とそれを検証するテスト ケース間のトレースの関連などです。基本的に、トレースの関連には 2 つのタイプ (下流と上流) があります。
「下流トレース」は、汎用的な要素から発生し、より具体的な要素に向かって移動するトレースの関連です。たとえば、コンポーネントレベルの要件から発生し、その要件を確認するテストケースに向かって移動するトレースなどが下流トレースになります。Windchill RV&S では、「下流トレース」は前方関連で示されます。
「上流トレース」は、「下流トレース」の方向を逆にしたトレースです。「上流トレース」は、より具体的な要素から発生し、汎用的な要素に向かって移動します。たとえば、コンポーネントレベルの要件から発生し、その要素の派生元であるシステムレベルの仕様ドキュメントに向かって移動するトレースなどが「上流トレース」になります。Windchill RV&S では、「上流トレース」は後方関連で示されます。
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トレースの関連は管理者によって構成されます。
トレースの関連を作成するのに必要なのは、関連の始点と終点の指定だけです。管理者によってトレースの関連が設定されている場合は、特定の関連は自動的に作成されます。トレースの関連の詳細については、トレースの関連の管理を参照してください。
ライブ ドキュメントは、バージョンを作成するために使用される元のドキュメントです (チェックイン操作を使用)。ライブ ドキュメントおよびそのコンテンツは、ライフサイクル全体を通して変更可能です。
ドキュメント バージョンは、履歴の特定の時点におけるドキュメントの構造とそのコンテンツを表します。コンテンツ バージョンは、履歴の特定の時点におけるコンテンツ アイテムの記録を表す成果物です。ライブドキュメントは引き続き改良することができますが、バージョンが作成されるとそのバージョンの重要なコンテンツを変更することはできません。バージョン管理の詳細については、ドキュメントバージョンの作成を参照してください。
コンテンツをチェックインする際、トレースの関連は標準の関連と同様には処理されません。トレースの関連の処理は、トレースの方向と、参照先のアイテムがバージョンであるかどうかによって決定します。トレースの順序は、バージョン付きアイテムおよびターゲットの両方で保持されます。新規トレースは、操作の最後に追加されます。
チェックイン操作の一部として、Windchill RV&S は関連するトレース関連とともにすべての要検討フラグを移動またはコピーします。
次の項では、コンテンツ バージョンを作成するための一般的なシナリオについて説明し、Windchill RV&S ではそれらの各シナリオにおいてトレースの関連がどのように処理されるのかについても説明します。シナリオの図では、次の凡例を使用します。
トレースのシナリオ 1
このシナリオでは、ライブ アイテムからのすべての下流トレースは、ライブまたはバージョン付きアイテムを参照するかどうかにかかわらず、新規バージョン付きアイテムにコピーされます。どちらの場合でも、上流トレースは、テスト ドキュメントからライブ要件ドキュメントとバージョン付き要件ドキュメントの両方にコピーされます。
トレースのシナリオ 2
このシナリオでは、ライブ コンテンツを参照する上流トレースは、アイテムの新規バージョンにコピーされません。結果として、バージョン付きアイテムでは新規トレースは作成されません。
トレースのシナリオ 3
このシナリオでは、バージョン付きコンテンツを参照する上流トレースは、チェックインしているアイテムからそのアイテムの新たに作成されたバージョンへ移動します。このシナリオでは、結果として、ライブ テスト ドキュメントからの上流トレースはバージョン付きテスト ドキュメントへ移動します。
トレースのシナリオ 4
1 つの操作の一部としてチェックインされた 2 つのアイテムに対して、Windchill RV&S では新たに作成された 2 つのバージョン付きアイテム間のトレースが再作成 (コピー) されます。新規バージョンから元のライブ アイテムへはトレースは作成されません。
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同じシナリオでは、2 つのアイテムが個別の操作でバージョン管理される場合、結果はチェックイン操作の選択された順序によって異なります。アイテムが個々にバージョン管理される場合、その結果得られるトレースは 1 つの操作でのバージョン管理の結果と一致しないことがあります。